デスマーチからはじまる異世界マン遊   作:もっち~!

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サガ帝国の勇者達

 

 

 

ロリ勇者が文句を述べている。要約すると「勇者の獲物を掠めるな」ってことらしい。誰が、魔王は勇者の獲物って決めたのだろうが。俺にとって、このロリ勇者は、借金塗れの男に過ぎないのだが。

 

「おい、武具と、メリー達のレンタル料を払え。払う気が無いなら、魔王は総て俺達が狩るからな」

 

「はぁ?お前らに、魔王を狩る権利は無いだろ?」

 

借金塗れだと、言う事も強欲に塗れているな。魔王なんか、誰が倒しても良いと思う。それこそ、早い者勝ちだと思う。

 

「メリー、並行線だよ」

 

なんか交渉するのも疲れて来た。メリーに丸投げかな?

 

「そうですね。どうしましょうね。借金の担保に何かを貰いますか?」

 

借金の担保か?って、コイツ、何か財産があるのか?武具、防具共に差し押さえていたはずだ。

 

「先輩、アロンダイトを預かるのは?」

 

ミトは勇者から武器を奪い取った。では、俺は防具一式を『強奪』し、返却してもらった。。

 

「おい!お前らは追いはぎか?」

 

そもそも追っていないし。

 

「借金の取り立てだよ。勇者なんだから、約束は護ろうぜ!」

 

「それが無いと、魔王が倒せないでは無いか…」

 

俺達を睨むロリ勇者。

 

「だから、こちらで魔王は処分しておきますよ。あぁ、魔王の処分代も、借金に上乗せしておきますね」

 

って、ミト。払えないのに、上乗せって…それも、どうかと思うが。

 

「何?払う義務は無いぞ…」

 

借金の払う義務が、勇者には無いのか?それは、人としてどうなんだ?既に人では無い俺が言うのもなんだけど…

 

「なら、塩になりますか?ロリ勇者一行様は」

 

身構えるロリ勇者。従属の者はロリ勇者から離れている。いや、メリーやリーンの傍にいるし。塩の像にして、閲覧料とか拝観料でも取るか?

 

『先輩!借金踏み倒し程度で、天罰は使わないでね』

 

って、ミトからメッセージが届いた。他に手立てがあるのか?ロリ勇者を置いて、宿へ転移した。身ぐるみ剥がれ、眷属に見放された勇者は、迷宮が無事に脱出出来るのだろうか?死亡保険があるなら、それで返却でもいいけど…

 

 

先輩達は、イタチ帝国の王弟のお目通り中である。現在、経過報告連絡待ちである。ここは孤島宮殿である。久しぶりに、のんびりとしている。

 

『デジマ島が、イタチ帝国から独立するそうだ。後盾になれるか?』

 

って、先輩からのメッセージが届いた。たぶん、ミト達、転生者にも届いたはずだ。

 

『メリットは?』

 

返信をした。赤字体質の領土ばかりである。メリットが無いとなぁ…

 

『イタチ帝国への密入出国の手引きだな。直近のメリットは…』

 

『迷宮運営の許可も欲しい』

 

『交渉してみるよ』

 

と、一旦メッセージが途切れた。デジマ島なぁ。貿易立国化するのも手だよなぁ。

 

 

1ヶ月後、先輩とミトを見届け人として、デジマ島の独立が承認され、パリオン神国との間に友好条約をが結ばれた。迷宮の運営権は手付けとして、俺に譲渡された。

 

「まさか、パリオン神国の王が、サトゥー殿の仲間にいるとは…」

 

イタチ帝国の王弟の顔から血の気が失せている。そんなにエラいのか?パリオン神国の王って…

 

『当たり前でしょ!』

 

って、ミトからメッセージが飛んで来た。そういえば、ロリ勇者がサガ帝国の王に泣き付き、メリーを通じて、借金を返してきた。で、メリーと今後のレンタル料について、交渉中らしい。迷宮から無事に戻れたようだ。

 

デジマ島との交渉が終わり、先輩、カリナ、システィはサガ帝国へ向かった。勇者の召喚陣の見学だと言う。俺は領内の見回りに戻った。問題点を聞き、改善をしていく。当面の予算は、サガ帝国からの取り立てが軍資金になる。

 

 

仕事の合間に、うたた寝をしていると、ミトと共にどこかに転移した。どこへ連れ出すのだ?疲れ切って、性欲すら無いぞ。

 

転移した先には、高飛車系の少女と困った顔の先輩、それを囲み神官達がいた。これは一体、どういう状況だ?

 

「え?ヒカル…アールを連れ出したのか?」

 

「えぇ、埒が明かないみたいだし。ちょっと、そこの女子!私の配下の者に敵対心を持っているのはどういう事かな?」

 

「お前は、この性欲魔人の主なのか?まさか、ビッチか?!」

 

ミトのこめかみに青筋がピクピク…ビッチって言っちゃダメだと思う。一応、先輩に一途なんだから…

 

「ビッチですって!何様のつもり?」

 

「私はサガ帝国の勇者、メイコよ!頭が高いぞ、平民よ!」

 

パコッ!

 

そのメイコの頭をメリーが叩いた。

 

「新人勇者のくせに、私の主様達を平民ですって…」

 

メリーのこめかみにも青筋が…あのメイコって、女性を怒らせる天才か?

 

「何するのよ、ババァ!」

 

メイコの取り巻きの神官の顔から、血の気が失せている。独身の皇女に向かって、ババァは無いだろうに…それも、お前の国の皇女だろうに。

 

「この新人勇者の監督責任者は誰よ!」

 

「何をエラそうなことを、勇者である私が一番エライのよ!」

 

って、剣を抜きやがった。俺は聖剣でその剣を受けとめた。

 

「おい!メリーに何をするんだ」

 

皇女に斬り掛かるって、有り得ないと思う。

 

「お前…魔王か?ここで会ったのが運の尽きね。殺してやる!」

 

殺す?既に死んでいるんだが…まぁいいか。

 

「塩になりたいか?」

 

「塩?アンタ、バカなの?」

 

まぁ、バカかも知れない。メイコの剣を塩にしてやった。

 

「えっ!どうして…」

 

神官達が俺を取り囲んだ…

 

「まさか…メリーエスト皇女様の…アール公爵様ですか…」

 

一番エラそうな神官が、一歩前に出て、俺を牽制いている。その瞳は尊敬では無く、畏怖なる色をしている。化け物認定か?一方、配下の者はメイコを取り押さえ、手足の動きを奪っている。

 

「だと、したら?」

 

「召喚されて間もないので…教育が行き届いていませんでした。この場を収めてくださいませんか?」

 

って、勇者メイコがイカンのだろうに。

 

「メリーに対して、剣を抜いたんだぞ。それって、皇女の暗殺未遂だよな?後、シガ王国のミト・ミツクニ公爵に対しての差別発言をした上で、平民呼ばわりしたし。俺をバカだと断定した。それで、どう収めろと言うんだ。あぁ、後、同僚のペンドラゴン卿に対して性欲魔人と発言もしたな。なぁ、天罰を喰らっておくか?」

 

俺の隣にパリオンとアーシアとテンちゃんが転移してきた。

 

「えっ!パリオン神様…」

 

あの神官って、パリオン神殿の神官なのか?

 

「わが主である、パリオン神国の王を怒らせたのは、ドイツだ?!」

 

「まさか、このお方が国王様ですか…」

 

神官達がパリオンにひれ伏せると、メイコが自由になった。何をしているんだ?場が混乱していく。

 

「コイツらは魔王だ。おい!この場で屠ってやる!」

 

って、違う剣を抜いた。

 

「パリオン、どうすればいい?」

 

勇者は流石に殺しちゃダメだよな。

 

「なんで、こんなバカを召喚したのでしょうね、この国は…」

 

パリオンにすら、バカと認識されているメイコ。

 

パーン!

 

天空からの稲光が、メイコの振り上げた剣に落雷した。カグヤすらキレたようだ。全身から煙を上げるメイコ。戦うまでも無いってことか?

 

「じゃ、先輩、俺達は帰るよ」

 

「あぁ、すまん。休み中のところ…」

 

孤島宮殿に転移した俺達。ロリ勇者といい、なんで、こんな奴らをサガ帝国は召喚しているんだ?

 

 

 

 

 


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