デスマーチからはじまる異世界マン遊   作:もっち~!

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イタチ帝国再び

先輩は二人の巨乳を連れて、イタチ帝国へと向かった。俺は、緊急事態に備えて、待機中である。

 

領土が増えているはずなのに、赤字がまるで減らない。困った。メリーと共に悩む。

 

「赤字幅は徐々に狭まっております。ここは耐えどころかと思いますよ」

 

情報を分析したメリーの答え。まぁ、迷宮が機能すれば、稼げるはずである。魔物のプールは、揺りかごにたんまりある。あれを魔物が不足した迷宮へ転移させれば、難関な迷宮が出来るはずだ。

 

「迷宮の運営者を増やさないとダメかもね」

 

って、ミト。管理は万全である。アーシアがいるし。イレギュラーが出ても、天ちゃんと俺で問題が無いし。運営者なぁ。ゼナを運営部門のトップにして、運営は丸投げしている俺。営業している迷宮は、ゼナの処と迷宮都市と、デジマの3カ所である。

 

「公都のは公爵様が運営しれくれるようだよ」

 

って、ミト。そうなると遊んでいるのは王都の迷宮か?先輩が運営してくれると…そうか!エチゴヤに丸投げすればいいのか~。

 

「その丸投げ体質はどうかと思うけど」

 

ミトとメリーが苦笑いしている。そんなこと言われてもなぁ。適材適所が一番効率が良いと思うのだ。

 

 

『レテ市のこの部屋に入ってから、イタチ帝国を出る間での記憶は、それまでのモノとは分別され、イタチ帝国を出た時点で失われます』

 

先輩から情報が送られてきた。記憶操作をされるようだ。って、イタチ帝国での調印は不可だな。記憶に残らないんじゃ、約束ごとは反故にされそうだ。

 

「情報統制をしているのね」

 

同じ情報を得たミトが俺に確認してきた。

 

「そうみたいだな。まぁ、先輩の隣にはいつでも転移できるし、問題は少ないだろう」

 

今回のイタチ帝国潜入に当たって、先輩の心のモニタだけではなく、耳から得た情報、目で捕らえた映像などを、アーシアの持つ地脈ネットワークを使い、揺り篭の迷宮核に転送し、バックアップを取っている。揺り篭内には、トラザユーヤの作った様々な機器があり、ナナ達にやりたいことを伝えると、こなしてくれていた。

 

『通信関係の魔法具の持ち込みは禁止のようだ』

 

先輩からメッセージが届いた。情報が国外に出ることを恐れているようだ。だが、イタチ帝国の皇帝との謁見の意味があるのか?国外に出た瞬間に、謁見した事実を記憶から抹消されるんだろ?はて?

 

「先輩、知恵熱出ますよ」

 

ミトがクスクス笑っている。まぁ、確かに、出そうだよ。って、言うか…おれに熱って言う物は無い気がするが…

 

『レテ市から飛行機で帝都へ移動するそうだ』

 

しばらくすると、先輩からメッセージが届いた。入国審査に時間が掛かったようだ。ちなみにカリナとシスティーナは身分を隠し、先輩の秘書兼メイドとして同行している。

 

その後、汽車に乗り換えて、漸く帝都に着いたようで、帝都のマップデータが送られて来た。結構広いし、人口も多く、奴隷がまるでいないって。裕福な国なのか?なんか、うらやましい。

 

「健康状態も良いみたいねぇ」

 

先輩から発信されるデータを読み解いていく俺達。赤字領主として、俺は裕福な秘密を知りたいと心で思うと、

 

『探れたら、探っておくよ』

 

って、先輩から速攻で返事が。あの人、俺の心をモニタする余裕があるのか!

 

「だって、先輩の心ってダダモレですよ~」

 

って、ミトがニコニコしている。う~ん、隠し事が出来無いのか。迂闊に妄想出来無いなぁ。

 

『これから、迎賓館へ入るぞ。謁見までの時間つぶしらしい』

 

先輩からメッセージだ。時間つぶし?皇帝は忙しいのだろうか?

 

『謁見は3日後だ。帝都散策には護衛という監視役が付きそうだ』

 

警戒されているはずだから、監視役はつくだろうな。

 

 

先輩達はパーティーに招待されたようだ。連れは貴族と王族の娘だから、マナーは問題無いだろう。

 

『軍師トウヤ、レベル55、スキル不明、種族不明、年齢不明…』

 

先輩から収集した情報がメッセージで送られて来た。

 

「種族と年齢が不明?それって、年齢詐称が出来る種族かな?」

 

ある種族が頭に浮かんだ俺。

 

「例えば?」

 

ミトに訊かれた。

 

「エルフ系だよ。見た目で年齢は分からないからねぇ。特にハイエルフには年齢が怖くて訊けないし」

 

「なるほど…」

 

納得顔のミト。

 

『私…若いですよ!

 

アーゼからのメッセージだ。おい、お前も、俺をモニタリングしているのか…

 

「迂闊に言葉に出せないわねぇ~」

 

って、アリサ。いや、心に思ってもアウトだと思う。

 

『地震発生…震度2くらいかな』

 

地震?

 

「あの辺りは断層は無いです」

 

アーシアがいち早く情報を検索して、教えてくれた。

 

「そうなると、地下で核実験か?」

 

「核弾頭を持っているってこと?」

 

俺のつぶやきにミトが反応した。

 

「可能性はあるな。塩害と共に使用を禁止にしたい物だな」

 

核を直撃したら俺はどうなるんだ?

 

『大丈夫。お兄ちゃんは私が護るからね』

 

カグヤからメッセージが届いた。お前まで、モニタリングしているのか?まさか、ミトで妄想したのも、駄々漏れか?

 

『うん。お姉ちゃんで妄想出来るって、猛者だよね』

 

脳裏にカグヤの楽しそうな声が響いた。そうか!逢えないだけで、会話は出来るのか。

 

 

翌日、先輩達は、『ぶれいんず』の本拠地を訪問した。

 

『日本からの転生者が多い。アレを送ってくれないか?』

 

アレ?あぁ、あれか。日本人のソウルフードであるレトルトのカレーだな。とりあえず、1箱ほど取り寄せて、先輩の元へ転移させた。

 

『サンキュー。みんな、涙物で喜んでいるよ』

 

それは良かった。って、転移させて大丈夫だったのか?通信方法を持っていない体だろうに。

 

『ストレージに入れていたって、体だから、大丈夫さ』

 

なるほど。さすが、策士のペンドラゴン卿である。

 

『おい!原潜に核マークの付いたSLBMが積んで有るようだぞ』

 

なんか、恐れていたような事態である。既に核兵器を持っていて、配備済みのようだ。

 

「パリオン、神に核攻撃って、有効なのか?」

 

「う~ん…アコンカグラがマズイかもね」

 

この星自体が危険かぁ。それは、神には効果が無いってことのようだ。

 

『ロケットの発射実験は、衛星軌道狙いのようだ』

 

衛星軌道?ハイエルフの間がヤバいだろうに…おいおい。大樹の枝だって茂っているはずだし。神の天罰よりも、俺の天罰を撃ち込みたいんだが。

 

『おい!自重しろよ、アール』

 

先輩からの制止するような言葉。わかっているよ。今はまだしない。

 

 

スラム街を見学して、迎賓館に戻った先輩であったが、

 

『これから、謁見だそうだ』

 

予定が前倒し?何か不測な事態でもあったのか?謁見へと向かう回廊で、先輩がザコに絡まれた。だけど、瞬殺だった。あれは、俺が出て行くのを防ぐ為か?

 

『あぁ。隠し球は最後に出す』

 

って。俺って隠し球?返球したと見せかけて、グローブに隠している野球ボールだったのか?

 

「おい、そこ!知恵熱出るから、考えるな!」

 

って、ミト。だから、俺には熱が無いんだけど…

 

『賢者トラザユーヤが現れたぞ』

 

はぁ?死んだんじゃないのか?って、イタチ帝国サイドにいたのか?さてと隠し球は、動くか。

 

「アーシア、ナナ!都市核をハッキングするぞ。揺り篭は危険だから、神国の都市核からハッキングしてくれ」

 

「了解です」

 

「命令を受諾しました」

 

「パリオン、二人を頼む」

 

「わかりました」

 

3名が転移し、俺も先輩の元へ転移をした。

 

 

俺の突然の登場に、賢者と皇帝が驚いている。

 

「軍師トウヤとイタチ皇帝か?」

 

「うむ。貴様は何者だ?どうやってここへ侵入したのだ?」

 

「侵入方法h、企業秘密だよ。俺はペンドラゴン士爵の同僚のムーンだ」

 

一応士爵としての爵位名を述べた。

 

「おい、皇帝の前だぞ。頭が高いだろ?」

 

先輩がニヤニヤして俺に忠告をしてくれた。

 

「それよりも、賢者トーヤは死んだのでは無いのか?あぁ、俺は揺り篭の後継者だ」

 

「何?あの揺り篭を踏破したのか?」

 

驚きを隠せない賢者。

 

「あぁ、迷宮核はいただいたいよ」

 

「そうか…エルフのトーヤは死んだ。ここにいるのは、イタチ帝国の軍師トウヤと理解してもらいたい。愚かな私が魔王化するところを、陛下に救われたのだ。そして、あの時に私のエルフとしての人生は終わったのだよ」

 

魔王化?賢者と呼ばれた男がか?目の前にいる軍師トウヤが、自嘲気味に昏い笑みを浮かべた。

 

「旧交を温めるのはその辺りにしておけ」

 

皇帝が口を挟んできた。

 

「トウヤ、神の禁忌について教えてやれ」

 

「神が禁忌として扱ったのは『転生者や転移者による集積回路技術の伝授』『恒常的な大量輸送手段』『都市間の簡易な通信手段』『工場の近代化による大量生産』『活版印刷』の五つだ」

 

なんで、神が集積回路と活版印刷を知っているのだ?神もまた転生者なのか?

 

「禁忌として『扱った』?」

 

先輩は、俺とは違う箇所に引っかかったようだ。

 

「そうだ。神は明確に『これが禁忌だ』とは言っていない。禁忌を起こした国に天罰を与え、その国が禁忌を犯したと神託の巫女を通して通達したに過ぎない」

 

皇帝がニヤリと凶悪な笑みを浮かべて、そう説明してきた。

 

「王弟から聞いた。神に対抗するような手段は『誰もが知るが故に、誰もそこに辿り着けぬ』のだと――」

 

先輩は賢者に訊いた。

 

「答えは宇宙だ」

 

あっさりと答える賢者。

 

「この世界の神の既知の範囲は地上から、せいぜい低軌道。地上から見えない月の裏側あたりにでも、科学技術を継承する施設を造れば、やつらには手が出せぬ」

 

う~ん、多分、カグヤが許さないと思う。そんなチンケの理由で、ゴミを置かせる訳が無い。

 

「トウヤ、キサマが欲しがっていた『賢者の石』と『闇晶珠』が手に入る目処がついたぞ」

 

皇帝は先輩を見つめながら、そう言うと、先輩がストレージから、そのブツ2つを取り出し、賢者に渡した。

 

『アールに任せるよ。宇宙空間の方はさぁ』

 

先輩から、丸投げされたようだ。まぁ、適材適所だな。

 

 

俺と先輩は、司書に連れられて、記録保管庫へ向かった。先ほどのブツは、入館料の類いらしい。

 

「こちらが無限書棚となります」

 

司書がカギを開けると、保管庫の扉が開いた。膨大な石版が保存されていた。その大量の石版を先輩は、ストレージに一旦保管をして、スキャニングをして、保存をしていく。俺と司書は、その驚くべき速読を見守るだけであった。

 

『おい、神の神託が降りて来たぞ』

 

ミトから緊急事態を知らせる赤い文字のメッセージが送られてきた。先輩は、休むことをせずに、スキャニングを続けている。

 

『ザイクーオン神の復活を確認したわ。たぶん、イタチ帝国への天罰っぽいなぁ』

 

ミトにしては声が強ばっている。マジにヤバい状況らしい。ミトで妄想したけど、突っ込みも入らない程に、ヤバいようだ。

 

「アール、終わったぞ」

 

先輩はスキャニングが終わったようだ。司書の人と共に、保管庫を脱出して、俺は先に孤島宮殿へと転移した。そして、指示を出していく。

 

「セーラは公都のテニオン神殿で、今回の信託を受けて来て

 

「わかりました」

 

「俺と、ミト、天ちゃんは、デジマ島で待機。アーシアとパリオン、ナナも合流させるが、天罰だとパリオンはどう行動するんだ?」

 

「神様サイドでしょうね」

 

って、ミト。敵対するのか?後で、カグヤ姉妹にボコられる可能性が大なのだが。そうこうしていると、先輩のお付きの巨乳二人組だけ転移してきた。先輩は、情報収集に向かったようだ。ミトはセーラと共に転移していった。

 

「メリー、ここの指揮を頼む。緊急時には呼び出すから、機動性の良い装備で待機させておいてくれ」

 

「わかりました」

 

「アリサとシズカはここに待機だ。理由は分かっているだろ?」

 

頷く二人。俺はアリサの凶変は見たく無いのだ。シズカが一緒なら、少しは安心だし。

 

「ポチ、タマ、リザもアリサの傍にいてくれ。もし…リザ、頼むぞ」

 

「わかりましました」

 

多くを言わないでも、理解してくれるリザに感謝である。

 

 

 

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