「アーシア、魔族を探してくれ!」
「了解です、マスター」
偽勇者君のが萎えたようで、彼女は離れて震えていた。
「偽勇者君♪魔族はどこだ?」
「マスター、コアの探査を使っても良いでしょうか?」
あぁ、都市の機能にあるのか、強力そうだな。
「許可する」
「え!都市核と契約をしているの?」
ソルナに訊かれた。
「あぁ、そうだ」
「マスター、見つけました。玉間にいます」
「そこから出すな!」
「了解しました、マスター」
「アーシア、ナナ、ミト!玉間に行くぞ!」
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ソイツは玉座に座っていた。
「これはこれは、勇者殿ですか。ふふふ♪」
「ミト…チェンジしていいか?」
「勿論♪屠って良し」
俺は殺戮者にジョブチェンジした。手にしていた聖剣が紫色の光を帯びていく。ソレをみた魔族の顔が歪んでいく。
「有り得ない…聖魔の融合だと…」
あぁ、聖属性の青い光、魔属性の赤い光、混ざると紫ってことか。
「貴様、勇者では無いのか…」
「俺は単なる殺戮者だ」
瞬動術で魔族の懐に入った。魔族の長い爪が俺を襲うが、スルーアーマーを装着しているので、ノーダメージである。
「攻撃が効かないだと?有り得ない…」
先ず、左足大腿部を切断。羽を展開したようなので、根元から斬り落とす。そして、右手をみじん切りに…
「うごぉ…」
苦痛で床を転げ廻っている魔族。では最後は魔法で♪
『ウルティマウエポン』
魔族は灰に成って霧散していく。一丁上がりだ。あぁ、ジョブチェンジしないと…
「さぁ、帰ろう!リザ達が心配しているぞ」
って、ミト。そうだな。
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馬車に戻ると、知らない夫婦者と赤子がいた。
「誰だ?」
「トルマ親子だ」
って、サトゥー先輩。あぁ、情報提供者か。
「なんで、俺の馬車に?」
寝たいんだけど…
「アッチの馬車は、カリナが使っているんだ」
あぁ、あの爆乳娘か…
「寝たいだけど…」
「済まないが、別の場所で寝てくれ…」
って、トルマっていうおっさん。
「俺の馬車なんですが…」
「だから、なんだ?こっちは赤子がいるんだ!」
なんだ、このエラそうなオッサンは…
「わかったよ。ナナ、アーシア、行くぞ!」
俺達は、イネちゃんの元へ転移した。
「どうしたんですか?」
「悪い、少し寝たいんだよ」
「えっ!私の部屋でですか…」
川の字になって寝る俺達。
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「ねぇ、起きて…やさぐれないでよ~!」
後輩氏の声…
「後10分…」
「またかよ~!う~ん、リザ…ごにょごにょ…」
「はい♪」
唇に柔らかい物が当たっている。瞼をゆっくり開けると、リザがいた。
「おはようございます、ご主人様♪」
「おはよう…あれ?ここって、どこ?」
「イネちゃんの部屋よ!何も、ここで寝ること無いでしょ?それなら、ゼナさんの家にしてあげなさいよ」
あぁ、そういう選択肢もあったねぇ。
「で、あれ?サトゥー先輩は?」
ミトは転移術が無いのだが。
「私とリザちゃんだけ、強制転移して貰ったのよ。兄ぃは、色々と忙しいみたいだから」
そうなのか。
「俺の馬車は?」
「トルマ親子が乗っていったの…」
はぁ?
「この先、どうするんだ?」
「どうしようね…」
「先輩の馬車は?」
「残りの子達を載せて、ムーノ市へ向かっているわ。あのカリナって子とトルマ夫婦が、兄ぃに助けられたって…褒美を取らせたいって…」
手柄の丸取りか…
「まぁ、いいや。馬車をどこかで買わないとだな」
「先立つものが無いよ…」
まぁ、財布代わりの先輩がいないんじゃ…
「マスター、都市核はこちらにあります。税収を期待しましょう」
って、アーシア。
「そうもいかん。どこかの街で、魔核を売れば、馬車買えないかな?あぁ、何でも屋で換金すれば良いのか。ちょっと行ってくるよ」
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今までに稼いだ魔核を店長とナディさんを通じて、売り払ってもらった。で、店長の口利きで割り引き価格で馬車をゲット出来た。前のよりも豪華で大きいし♪
「買ってきたよ」
ミト達の待つ、魔女様の家の前に転移した。
「わっ!豪華になったわねぇ♪」
乗り込んだミト達を載せて、先輩の元へ転移した。
「ご主人様?」
「ご主人様なのです♪」
タマとポチが抱きついて来た。二人を抱き締める。
「うっ!」
ミーアも抱き締める
「私は?」
アリサとルルも抱き締める。後、誰がいたっけ?
「これで全員ね」
「サトゥー君、彼は誰かな?」
知らないオッサンがいる。
「俺の後輩のアールです。アール、この方が、ムーノ男爵だ」
「なぜ、ポチ君、タマ君が彼の元にいるのかね?」
「アールの眷属ですから」
「なんだって?君はサトゥー君の後輩なんだろ?ならば、この二人は、先輩であるサトゥー君へ譲渡し給え!」
このオッサンは、先輩を可愛がっているのか。オッサンの情報がポップアップした。『ムーノ男爵』と表示されている。男爵なのか?
「タマ、ポチ、どうする?」
「置いて行く?」
「置いて行かないで欲しいのです」
俺に抱きつく二人。
「二人の意志を尊重します」
「君は甘いな。君ではダメだ。私が命じる。ポチ君とタマ君は、サトゥー君の眷属にする!いいね?」
なんだ、この男爵は?タマもポチも物では無い。勝手に主を変えて良いことでも無い。俺の中の何かのスイッチが入った、
「ふざけるなよ…アーシア、排除機能を発動、ムーノ男爵一家を街から追い出せ!」
「了解しました、マスター」
目の前からムーノ男爵は消えた。
「何をしたの?」
ミトが訊いて来た。
「都市核を使って、ジャマ者を排除しました♪」
「なるほど♪」
「そうなると、街の運営を、誰にまかせるかだな」
「あぁ、それなら、地下牢に幽閉されていた執政官がいるわ」
って、アリサ。仕事が早くて、いいねぇ。
「使えるのか?」
「えぇと、履歴書によると、「鉄血」の二つ名で知られた名誉子爵のようよ」
「その彼に会えるか?」
「女性だよ♪」
そうなのか…アリサと俺とミトで、その執政官に会いに行った。
「この街の執政官に就任したニナ・ロットルだ。君達は?」
俺とミトは彼女に身分証を見せた。
「え…なんですって…ミツクニ公爵様…って…あの…」
青ざめていくニナの顔色…
「ミトと呼びください。お忍びなんで、爵位では呼ばないでね♪」
「わかりました…で、そちらの方…この都市の領主…あなたが、そうなんですか。えっ…竜の谷の源泉…ダンジョンを2つも…さすが、ミト様の側近ですね」
俺達に好意を持ってくれたみたいなニナ。では、
「ニナに命じる。この街の領主代行をしてくれ。俺はミトと旅の途中だ。だから、大枠は俺が決めるが、運営を任したい。どうかな?」
「はい♪意に沿えるように、がんばります」
「で、魔族に支配されていたとは言え、圧政の上、高率な税の取り立てで、市民、特に農村部の住民は疲弊している。立て直しを優先事項にしたい。腐敗した役人は粛清し、新たなヤル気のある人材を登用して欲しいんだ。どうかな?」
「私も同じ考えです。光栄です♪」
ニナと今後の方針を話し合い、ニナにこの街を任せることにした。
「そうそう、都市核の機能の防御だけど、あれはそのままにしておく。マナ不足になったら、俺の持つ、他の源泉から供給するようにする」
「ありがとうございます」
「後、俺とミトの正体は…わかっているな?」
「はい!私の胸の奥にしまっておきます」
実のある会談は終わった。
「源泉とか都市核を持っていたの?」
アリサが驚いている。
「成り行きでね♪」
「ご主人様らしいなぁ。ここ一番にしか、使わないところとか♪」
アリサに褒められると、なんか嬉しいなぁ。
馬車へ戻っていくと、ムーノ男爵一家が集まっていた。今更なんだ?
「おい!お前!何をしたんだ?!」
男爵が怒っている。なんで?
「何の話ですか?」
「何の権利があって、私達を街から追い出したんだ?!」
「何の話ですか?」
あぁ、面倒くさいなぁ。えい♪目の前からムーノ男爵一家が消えた。
「今度は、何をやらかしたのかな?」
ミトが訊いて来た。
「セダム市へ強制転移だよ。当分、来られないでしょ?」
「なるほど…」
って、カリナという次女だけが残っていた。先輩と先輩の馬車にいたので、難を逃れたと言うか…
「次は、どこへ向かうのかな、ミト♪」
「次は、ボルエハルト自治領で補給かな」
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大きく豪華になった俺の馬車。だけど、先輩とカリナが使っている。俺達は、先輩のお古の馬車に押し込められている。いや、避難しているというか。カリナが先輩にベタ惚れしたようで、昼間から子供達に見せられないシーンを連発し…
「俺の金で買った馬車なのに…」
「ごめんね、兄ぃが…あの爆乳女が、あの馬車を気に入ったみたいで…」
「先輩の能力で作り出してもらおうよ」
苦笑いするミト。作れなかったのか…
「でね、都市核を得たから、アール先輩は男爵になったでしょ?」
都市核の契約に立ち会わなかったのだが、身分証は更新されていた。ニナに見せておいて、俺自身が驚いたのは秘密である。
「空位になった子爵を、兄ぃに渡したんだよ」
なるほど…
「で、家名もあった方がいいかなって、兄ぃにはペンドラゴン卿を名乗ってもらうことにしたんだ」
ペンドラゴンって、アーサー王の家名では無いのか。かっこえぇぇなぁ~
「アール先輩は、どうする?」
俺かぁ…アーシアと言えば、
「アルジェントでもいいかな?」
「わかったわ」
ミトが呪文を唱えると、俺の身分証が光輝いた。更新されたようだ。取り出して、確認をすると、
『アール・アルジェント 所属:ミツクニ公爵 ジョブ:男爵』
となった。
「ゼナは喜んでくれるかな…」
「出世して喜ばない彼女はいないよ♪」
「だと、いいなぁ…」
---------
ミトに声を掛けて、俺一人で、セーリュー市に転移してきた。ゼナはどこかな?マップ探索をした。おぉ、見回り中のようだ。ゼナの元へ向かった。
「ゼナ!」
彼女に声を掛けた。振り返る彼女…
「アールさん!」
俺に走り寄り、俺に抱きついた彼女。彼女の唇が俺の唇に重なってきた。
「ただいま♪って、言っても、まだ途中だけどね」
「え?どういう意味ですか?」
「転移術を持っているんだ。秘密だよ♪」
驚いているゼナ。そして、
「私で良いのですか?」
「どういう意味?」
「だって、アールさんって…隠密ですよね?」
「何の話?」
「あれ?違うんですか?」
ゼナの同僚達が、こっちを指差してごにょごにょ…ゼナと共に、ゼナの家へ転移した。
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ゼナとゼナの父上に、現在の身分証をお見せした。ソレを見て固まる二人…喜んでくれないのか?
「男爵に成られたのですか…スゴい…それも、あのミツクニ公爵の配下って…」
ゼナの顔は笑顔では無く、恐怖に飲み込まれたような表情だ。
「源泉をお持ちに…それも、竜の谷って…えっ!都市核も…迷宮までも…」
ゼナの父上も恐怖に飲み込まれている、なんで?喜んでくれないの?
「私と私の娘が無礼なことを…」
なんで、謝るの…
「俺はゼナさんと結婚を」
「もったいないお言葉です。でも、分不相応です。私では…」
俺の言葉を遮り、ゼナが言葉を発した。なんで、哀しそうな顔になるんだよ。ただ俺は、ゼナに喜んで欲しかっただけなのに…なんでだよ~
「俺は…振られたんですね…真剣に告白をしようとしたのに…」
涙が出て来た。
「えっ!真剣だったんだ…でも、私は軍属だから…」
「わかりました。忘れます。ゼナさん、幸せになってください」
俺はその場から転移をした。ただ、転移した。どこへ転移したかは、神のみぞ知る…
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「ねぇ、起きてください。なんで、ここで寝ているの?」
柔らかい物が触れている。俺の上に誰かいるのか?
「何が遭ったの?こんなに目を腫らして…」
目の前の誰かの口を塞ぐように、唇を重ねた。俺に触れていた柔らかい物が、一瞬ビクっとして、固くなっていく。ここはどこだ?
「アーゼ様、アーゼ様、どこですか?呼んだら、返事をしてくださいね~」
って、先程とは違う人の声…いきなり訪れた静寂の時…
「何をしているんですか?アーゼ様!」
俺の上にいるのがアーゼって人なのか…アーゼは、俺の首に腕を絡めている。何度も、唇同士を触れさせている。
「アーゼ様、その行為の意味を分かっていますか?」
意味って、なんだ?
「うん♪わかっている♪結婚する、彼と♪」
へ?結婚?何で?どうして?
「私を迎えに来てくれたんだよ。私を待ちくたびれて、私のベッドで寝ていたんだ。こんなに目を腫らすまで泣いて…彼の気持ちに応えたいんだ♪」
なんか、誤解されている。だけど、言い出せない。アーゼという者のオーラ。なんだ?このオーラは…神々しいというか…
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俺が転移した先は、アイアリーゼ・ボルエナンっていうハイエルフのベッドだったらしい。問題なのは、エルフ族の場合、額にキスで婚約で、口にキスだと結婚だと言う…俺は、飛んでもないミスを犯したようだ。
「間違いでしたじゃすまないですよ!今更、何を言っているんですか?アーゼ様はその気ですからね!」
ルーアというアーゼに仕える巫女に説教を食らっている俺。
「わかりました。このまま、退散します…」
「ダメです。アーゼ様と話し合って、彼女には、ここに残るように説得してください!」
この地に残るハイエルフはアーゼだけなので、俺と一緒には旅が出来ないそうだ。
長い説教が終わり、アーゼと向き合う。
「なぁ、ここってボルエナンの森か?」
「うん?そうですけど…知らないで来たのですか?」
「気づいたら、アーゼのベッドにいたんだ。それは何かの縁かもしれないが、」
俺はミーアを強奪で、手元に呼び出した。
「えっ!ミーア!」
「アーゼ?どうして?」
「じゃ、返したよ」
俺は身代わりにミーアを置いて、この場から転移した逃げた…
-------
ミトの元に戻り、事情を話すと、長い説教を受けた。そして、ミトと二人でアーゼの元へ行き、今後の話し合いをした。
その結果、俺がたまにアーゼの元へ訪れるって、ことで決着をした。
「王祖ヤマト様の侍従でしたのですか。身元はしっかりとしているので、ヤマト様の案で良いです。いつか、一緒に旅が出来るといいなぁ♪」
って…
次の問題へ向き合う。ミーアの両親にこれまでの経緯を、ミトが話した。その結果、ミーアにエルフの里以外の街を見て廻る許可が出て、一緒に旅することになった。但し、俺がアーゼに会いに行くとき、一緒にエルフの里に連れ帰ることとなった。
「もう!やらかさないでよね。こういう外交問題になることは!ゼナさんの事は、私のアドバイスミスって認めるけど…」
こうして、ゼナに振られ、アーゼというガールフレンドを得た俺。
「でもハイエルフは、人間とは結婚出来ないから、実質3連敗ね。ご愁傷様でした♪」
って、嬉しそうな声のミト…ミトから始まり、対女心戦は3連敗だよ。魔族を狩る方が、楽なのは何故?