「いやぁ山本主任、よくやってくれた! よくぞ間に合わせてくれたっ!
これでTOSH〇BAもパナソニ〇クも恐るるに足りん!」
ここは家電会社HITA〇Iの会議室。
今この会社の社長であろう人物が、開発主任と社員達をねぎらっていた。
「この“氷点下マイナス200度まで室温を下げられるエアコン“が発売されれば、
瞬く間に我が社がエアコン業界のシェアを独占する事だろう!
この夏はHITA〇Iのエアコンで決まりだっ!」
「ありがとうございます社長! 頑張って作った甲斐がありました!」
「「「ありがとうございます!!」」」
バンバンと社員たちの肩を叩き、心からの笑顔を見せる社長。社員たちもとても嬉しそうだ。
「この他、我が社は今後“ホットプレート並に熱い便座ウォーマー“や、
“床板を粉砕するほど吸引力が凄い掃除機“なども発売予定だ!
これで我が社が家電業界第一位となるのは確実! 我々の天下だぞ!!」
「社長ーッ!」
「「「社長ッ!! 社長!!」」」
「わっはっは!! わっはっは!!」
社員達に胴上げされ、ピョインピョインと宙を舞う社長。自分達の天下を祝い「わっしょい! わっしょい!」「いんすぱぃあーざ、ねくすと!」と声を上げる。
この圧倒的な技術力があれば、ライバル会社共など目じゃない。もうパナソニ〇クなど敵ではない!
一気に業界のシェアを独占し、他会社などすべからく倒産に追い込んでくれよう。
社長の男は宙を舞いながらほくそ笑み、思う存分歓喜に酔いしれる。
――――――しかし、その時突然ブチ破られる、会議室の天井。
凄まじい轟音をともなって穴が空いた天井。そのぽっかり覗いた空から……ゆっくりとこの場に舞い降りてくる、何者かの姿があった。
「……なっ、なんじゃコイツはッ! 何者じゃあーーッ!!!!」
「 !?!? 」
まったく音をさせずにその場で滞空するという、信じられないほど高度なテクノロジー。
そのスーツの背中を突き破って飛び出している“透明な羽“は、いったいどれだけの資金力と技術力があれば作り出す事が可能なのだろうか。
そんなこの場の技術者達でもまったく理解の及ばない“何か“を装備したスーツ姿の男が……ゆっくりゆっくりと下降し、会議室の真ん中へと降り立った。
「人……? 男……?! スーツ姿……サラリーマンなのか?」
「なんだあのクチビル……。とても特徴的な……」
「中年……? こいついったい、どこの会社の……」
まるで神にも悪魔にも似た神々しさをもってこの場に降り立った、その男。
「…………彼は、
そして今……、男が伏せていた瞼を開けて、ゆっくりとこの場の者達を見渡した。
「――――ごめんいょ~ぅ……。ぼく人としての機能、もうあんまりだかるぁ……。
君たちの声……もうよく聞こえないんどぅ~ぁ……↓」
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その日――――大手家電会社HITA〇Iの本社ビルは、完全な機能停止に追い込まれた。
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アナゴくんの奥さんから離婚届が送られてきて、数日。
現在ぼくとアナゴくんの二人は、会社付近にあるビジネスホテルを取り、そこで暮らしている。
「…………っう~ぃ。おぉーいフグ田く~ぅぅぅん。飲んでるくぁ~い↓」
ネクタイを額に撒き、くったくたになったカッターシャツ姿のアナゴくんは、あの日からずっとこんな調子で飲んだくれている。
仕事が終わって夜になると、こうして毎晩のように付き合わされる。
あの定食屋さんでの昼休みに「家から出て行って欲しい」と告げはしたものの……流石に今の彼を放っておく事は出来ず、彼が落ち着くまでの間はと、このビジネスホテルで一緒に暮らしているのだ。
暫くの間とはいえ、家に帰らずにいるなんて……また夫としてサザエや家族たちに迷惑をかけてしまっている。
けれどしっかりと事情を説明し、ひたすらサザエに頼み込んで、今回だけはと無理を言って許してもらった。
だって、もう今にもビルの屋上から飛び降りんばかりの様子だった彼を、どうして放っておけるだろう? ひとりになんてさせておけなかった。
「いや……アナゴくん飲みすぎだよ?
もう時間も遅いし、そろそろ休んだ方がいいんじゃ……」
「ぬぅあ~~~ぬぃを言ってるんだフグ田く~ぅん!! 夜はこれからだる~ぉう!?
それとも君は、ぼくの酒が飲めないっていうのく~ぅあ↓」
日中は塞ぎこんでいだり、突然泣きわめいたり。そして夜になるとこうして飲んだくれるという生活が、もう数日ばかり続いている。
突然“最終兵器“なんてワケの分からない物にされ、妻に離婚を切り出される。こんなのアナゴくんじゃなくたって参るに決まってる。平気な人間などいるものか。
とにかく、ぼくは彼の傍に居た。
特に何が出来るワケでもない。彼のグチや弱音を聞いてやる事や、こうして絡み酒の相手になってやる事しか出来ないんだ。
でも、誰にだってこうして、誰かに傍にいて欲しい時があるはず。ひとりでいたくないって時があるハズだ。
まがりなりにも彼が“親友“と呼ぶ、そんなぼくにしか出来ない事が、たとえどんなにちっぽけでもあるハズなんだ。
ぼくには大層な事は出来ないし、役に立てる自信なんか無い。
それでも……、今はただ、彼の傍にいようと思った。
「うぅ~~ん……ぐぅお~~ん! すぴぃ~~……zzz……」
やがてアナゴくんは飲み潰れ、泣き疲れて、酒瓶を抱えたまま眠りに落ちる。
目の周りは赤く腫れ、頬には涙の跡。鼻水やよだれだってダーダー垂れている。
そんな彼の情けない姿を見つめながら……、たった今ぼくは、ひとつ心に決めた事がある。
「そうだ……パナソニ〇クだ。
彼を最終兵器にした人達に、なんとか会う事が出来れば……」
幸運にも、明日は仕事が休みだ。
いってみよう、パナソニ〇クの本社に……。
会わせてもらえるかどうかなど分からない。ぼくは彼と友人であるというだけで、まったくの赤の他人であるのだ。
まがりなりにも最終兵器なんて大層な名前が付いているんだ。きっとこれはぼくのような無関係の人間に話せるような事じゃないのかもしれない。何も出来ず、徒労に終わってしまう可能性の方がずっと高い。
しかし、行ってみない事には何も始まらない。
何もせず、ここでこうして手をこまねいているよりは、ずっと良い。
彼が人間ではなくなってしまった原因である“最終兵器“の事……それを聞いてこなければ。
そしてもし彼が元に戻れる方法が分かったなら……奥さんとの離婚話だってきっとなんとかなる。なんとかしてみせる。
「ぼくはサラリーマンなんだ。
会社周りや交渉事は、専門分野さ」
サザエ、タラちゃん、ぼくに勇気をおくれ――――
どうしようもないヤツではあるけれど……この憎めない友人を助けられる力を、ぼくにください。
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「いやいや~どうもフグ田さん。
わたくしパナソニ〇ク商品開発部主任の“江根 流宇腑“と申します」
パナソニ〇ク本社を訪れ、そしてこの部屋に通されたぼくは、出されたお茶に手を付ける事もなく必死で気を張っていた。
やがてこのエネルーp……江根という男が目の前に現れ、作法としてペコペコ名刺の交換などを済ませた後、ぼくらは向かい合ったソファーに腰掛ける。
「なんでも今日は『最終兵器について聞きたい』とか……。
驚きましたよフグ田さん。まさか家電業界と何の関わりのない方が、
我が社の極秘事項であるアレの事をご存知でいるとは……」
「えぇ、御社が最終兵器になさったのが、実は私の知人の男でして。
今日はその事……彼の身体の事について、いくつかお訊ねしたいと……」
表面上にこやかな笑顔を浮かべてはいるが、この江根という男の目はまったく笑っていない。
丁寧な物腰ではあるが、ほのかに感じる威圧感。こちらの出方を伺っているのが見て取れた。
僕は慎重に言葉を選びながら、彼との会話を行っていった。
「えぇ。フグ田さんのおっしゃる通り、彼は様々な家電としての機能を搭載した、
まさに我が社の技術の粋を集めた“最終兵器“と呼べる存在です。
長年続く、この家電業界のシェア争い、トップ争いに終止符を打つ存在。
……しかしながら、なにせこれは我が社の極秘事項である物ですから、
申し訳ないですが部外者の方にお話できる事は、多くありません。
フグ田さんが今おっしゃられた以上の事は……とても……」
「よくわかります。
ですが私には、どうしても御社に聞いておかなければならない事があります。
……彼がどういう存在であるか、どのような目的で作られた存在なのか、
そんな事はむしろ、私にとってはどうでも良い話だ」
「?」
わかっている、この男がぼくなどに機密を教える気など無い事は。
だからせめて、これだけは。
「――――彼は、治りますか?
いつの日か元の姿に戻る事が、出来ますか?」
江根の顔がこわばったのが分かった。
ぼくはじっと真っすぐに、彼の目を見つめる。
「…………いやぁ~残念だ。せっかくお越しいただきまことに恐縮ですが、
この後わたくし、外せない会議がありましてね?
申し訳ないのですが……、今日はこの辺で……」
「 待って下さいッ!! 江根さん!! 」
目を逸らしてソファーから立ち上がろうとする江根を、ぼくは大きな声で制する。
そして即座に立ち上がり、勢いよく乱暴に、ぼくらの間にある机を押しのけた。
「……ッ!? フグ田さんっ、貴方なにをッ?!」
「お願いします江根さんッ!! ぼくをッ……!!」
これはジャパニーズサラリーマンの最終兵器、土下座というヤツだ。
生憎ぼくはただの人間だけれど……でもぼくにだって意地がある。覚悟がある!!
『 僕を
「!?!?」
「 彼を元の身体に戻してやって下さいッ! 友人なんですッ!!
彼には愛する奥さんがッ、守るべき大事な人がいるんだッッ!! 」
何を言っているんだか、ぼくは……。
愛する妻がいるのはぼくも一緒じゃないか……。一番に守ると誓った家族がいるじゃないか……。
「なんでもしますッ、御社の為にこの身体、どうとでも使って下さいッ!!
愛社精神なら自信があるッ、勤務態度だって彼よりずっと良い!!
だから彼を元に戻してやってくださいッッ!! どうか戻してやって下さいッッ!!」
サザエは、泣くだろう……。でもきっと分かってくれる。そう信じてるんだ。
……ぼくん家はアナゴくんとは違う。ぼくは今まで悪い事なんかした事がないし、夫婦間の信頼だってアナゴくんとはケタ違いなんだ。
だからきっと、君のように離婚話になんてならないよ――――
大丈夫なんだ、
『 お願いしますッ! お願いしますッ!! お願いしますッッ!! 』
あぁ情けない……涙が出そうだ……。
こうしてる自分の姿を俯瞰で見れば、それはそれはもう死にたくなるような情けない姿なのだろう。
……でも、しょうがないじゃないか、“友達“の為だ。
どうしようもないヤツだけど……いつも迷惑ばかりかけられてるけど……でも彼が笑顔でいてくれないと、ぼくも調子が出ないじゃないか――――
……ただひたすらに、ぼくは頭を下げ続ける。
窓ガラスがビリビリ揺れるような大声で、ひたすら懇願し続ける。誠心誠意。
やがて今までずっと呆然としていた江根が……ふぅっとため息を吐き出すのが聞こえる。
そして静かな、……いや“冷徹さ“を感じさせる声で、ボソリと呟いた。
「まいったよ……まさかここまで部外者に関わられるなんて。最重要機密だぞ……。
ここまで知られたからには、
「ッ!?」
江根がパチンと指を鳴らした途端、扉をブチ破り、この場に銃を構えた大勢の男達が現れる。
ここは本当に日本なのか、パナソニ〇クは家電会社ではなかったのか。迷彩服の男達に取り囲まれながらぼくは思う。
「首を突っ込み過ぎたね、フグ田くん。
我が社の未来の為、業界第一位の野望の為……死んでもらおうか」
「きっ……き゛っさ゛ま゛ぁ゛ぁ゛ーーーッッ!!!!」(裏声)
怒声を上げはする物の、これが絶体絶命の事態だって事くらいぼくにも分かる。
沢山の銃を突き付けられた現実感の無い光景。ぼくの脳裏には愛する妻と家族……そしてあの憎めない男の顔が浮かぶ。
「死ねぇいフグ田くんッ! パナソニ〇ク万歳ッ!!」
「うああああああッ! アナゴくぅぅぅーーーーんッッ!!!!」
思わず目を瞑り、死を覚悟したその時――――
『 はいよ~ぉ、おまっとぅさぁ~~ん!!
伏せるんどぅ~ぁフグ田く~~ぅん↓ 』
突如窓をブチ破り、ターザンよろしくこの場に飛び込んで来た男の姿。
茶色のスーツに、信じられないくらいデカいタラコ唇。ウザくていやらしい口元ッ!!
「あ、そぉお~~ぅれ♪ ブブブブブブブ~~~♪」
アナゴッ、アナゴくんだ!!
彼が今この場に颯爽と現れ、そしてぼくを取り囲んでいた男達に向け、右腕に構えた機械を向けた!!
「 ……ぬっ!! なんだこr…………うわぁああああああああッッ!!」
「「ぎゃあぁぁぁあああああああーーーっっっ!!!」」
迷彩服の男達、そして江根が、アナゴくんの構えた右腕の機械に
それはまるでテレフォンショッピングで、掃除機に吸い込まれる10円玉のように! 次々と!!
「あ~~っはっはっは! そう、これは巨大な掃除機すぅあ!!
フグ田くんは、プレリードッグの捕まえ方って知ってるくぁい?
プレリードッグはトラックに搭載した巨大な掃除機を使って、
こんな風にズゴゴ~っと吸い込んで捕獲するんだいょ~ぅ!
なんだかシュールだよぬ~ぇ↓」
「ぎゃあああああああーーーー!! たっけてぇぇええええーーーーっっ!!」
「ぬぅぅおおおおおおおおおおおーーーーッッ!!!!」
「いやぁぁあああーーー!!!! おかぁちゃああああーーーーん!!!!」
ぶぅぅううるああぁぁぁーーーとばかりにパナソニ〇ク社員たちを吸い込んでいくアナゴくん。
それを、呆然と見つめ続けるぼく。
重役も、新入社員も、受付嬢も。
目に見える全ての人間を吸い込み終わるまで、アナゴくんが止まる事は無かった。
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窓から朝の光が、差し込んでいる。
目覚めれば、ここはいつものビジネスホテルのベッド。ぼくのベッドだ。
昨日、パナソニ〇ク本社から逃げ出した後、ぼくら二人はアナゴくんが変形した人間バイク(KAWAS〇KI)で街を飛ばし、もうツーリングだとばかりに無意味に走り続けた。
大企業を相手取り、襲撃からの逃走劇というドラマのような体験。もうテンションがおかしな事になっていたぼく。そしてアナゴくん。
意味も無く笑いが込み上げた。まるで青春ドラマに出てくる青少年達のように、ぼくら二人はアッハッハと笑った。
「いやぁ~、な~んくぁ楽しかったぬぇ! フグ田く~~ぅん!!」
「あぁ、まったくだよアナゴくん!!
……こんな痛快な気分は、生まれて初めてだ!!!!」
まさか、今まで平々凡々に生きてきたぼくが、こんな体験をする事になろうとは。楽しい気持ちが胸から溢れて止まらない。
イカした友達に、イカしたバイク(どっちもアナゴくんだけれど)。もう二人なら、どこまでだって駆けて行ける。
「よ~ぅし、もっと飛ばすいょ~う!!
しっかり掴まっててチョーダイ、フグ田く~~ぅん↓」
時に反対車線を爆走し、踏切を飛び越え、おまわりさんに追っかけられたりしながら。
ぼくらはやがて夜になるまで、どこまでも一緒に走り続けた――――
「……あれ、アナゴくん? ……アナゴくんは?」
ベッドから起き出し、辺りを見回しても、あるのはお酒の空き瓶と、散乱したおつまみだけ。
「どこ行ったんだろ、アナゴくん……。トイレにでも行ってるのかな?」
ぼくは寝ぼけ眼で起き出した時……、彼はもう、この部屋を出た後だった。
彼がぼくの枕元にそっと置いていった、二人の“交換日記“。
それに気が付き、目を通し終わったぼくが必死に彼を追って部屋を飛び出して行くのは、もう少し後の事だった。
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おはよう、フグ田くん。
ごめん。僕はバカだから、多分フグ田くんの前だと上手く話せないと思うので、手紙にします。
フグ田くん、いままで本当にありがとう。
フグ田くんと友達になれて、嬉しかった。
正直……、最初は「僕が会社も夫婦仲も上手くいっていないというのに、君だけ幸せなのは気に喰わない」という理由で、嫌がらせ目的で君に付きまとっていたんだけど……。
「なんでこんな冴えない男なんかが……」と、君を地獄に叩き落してやる位のつもりで散々付きまとっていたのだけれど……。
社内で君にゲイ疑惑があったり、サザエさんとの結婚は「それを隠す為の偽装だ」なんて噂が蔓延してるの……実はぜんぶ僕のせいなんだ。
たまに君の愛妻弁当を勝手に食べちゃったりしてたの、実はぼくなんだ。
でも……そんな僕の事を邪険にせず、いつも優しくしてくれてありがとう。
なんだかんだ言いつつ、決して見捨てないでいてくれて、ありがとう。
まいったよフグ田くん。感服した。
僕の負けだよフグ田くん。……本当に君は、呆れるくらい良いヤツだった。
……というか、なんでこんな恥ずかしい事を、改めて言わなくてはいけないのかというと……。
ごめんよ、フグ田くん。
実を言うと、磯野家は、もうだめです。
突然こんな事を言ってごめんよ。
でも本当です。
僕ね? 突然パナソニ〇クにこんな身体にされてしまって以来、最終兵器として色々な家電会社を潰しに周ったりしていたのだけれど……。
日本の家電業界は今、もうホント、すごい事になっています。
技術争いも、シェア争いも、人の心も……。
ごめん、だから多分……2,3日後には磯野家は終わりになっちゃうと思う。
TOSH〇BAと深い縁のある磯野家は、覇権を狙うパナソニ〇クの最優先攻撃対象になっているから。
せめて、波平さんやフネさん、それにサザエさん、まだ子供のカツオくんやワカメちゃん、タラちゃん。
僕がお世話になった、君の大切な人達だけは……僕が守ります。そう思っています。
ごめんね、フグ田くん。
いつも面倒な僕の相手をしてくれてありがとう。
本当は君にだって悩みがあったり、日々つらい事だってあったハズなのに。
でもそれを決して表に出す事なく、いつも君は周りの人達のため、朗らかに笑っててくれた。
本当に、ごめんね。
僕は大丈夫。君の家族のみんなに恩を返す為、頑張って戦います。
……ぶっちゃけ僕は家電だから、戦ったり物を壊したりするというよりも……。
でもまぁ、なんとか頑張ってみます。
2.3日後に、ものすごく赤い朝焼けがあります。
それが、終わりの合図です。
程なく大きめの地震が来るので気をつけて。
それが止んだら、少しだけ間をおいて、終わり(パナソニ〇ク)がきます。
それじゃあもうすぐお仕事なので。
さよなら。またねフグ田くん。
ごめん。ありがとう。
君を、心から尊敬してる。