「こんな出会いじゃなかったら、きっと一番の友達になれた」
――――今、決して交わる事の無かったハズの拳が、交差する。
「退いてくれ、君と戦いたくないんだ」
願いは届かず、静寂の中へと消える。
決して抗う事の出来ない、大きな意思。
知らない誰かの、ほんのひと時の“娯楽”の為に。
退屈している誰かを楽しませる、ただそれだけ為に――――彼らの未来は永遠に閉ざされた。
「ばいきんまんに会わせて! 彼を返してくれ!
彼がいないとぼくは!! ……ぼくは!!」
「なぜムックは死ななきゃいけなかったんだい?
ボクらは二人でひとつ。一人だけの生に……意味なんて無いのに」
想いは踏みにじられ、信じた物はすでに遥か遠く。
「い……痛い! 胸がっ! 心がっ……!」
「もうやめて! やめてよ! こんな事、誰も望んでないハズだよ!」
――――殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!
――――殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!
観客たちは囃し立てる。はやく血を見せろと彼らをせかす。
空虚な退屈。ただその渇きを癒す為だけに。
――――戦え!!!!
「許さない……! ぜったいに許さないッ!!
よくもッ……よくもボクの友達をッ!!」
今、二人が示し合わせたようにその場を駆け出し、拳を繰り出した――――
「右腕はあげるよ。ぼくはその命を刈る」
「痛い……痛いよアンパンマン。でもムックはもっと痛かった」
「泣かなくていい、最後の言葉もいらない。
……君はただ、藁のように死ぬんだ」
「 アーンナッコォ―――ッッ!! 」
「 ジェノサイド・ガッチャッ!! 」
大好きだった。
みんなの事を、守りたいと思った。
ただぼくは、それだけだったのに――――
『――――それを使う前に、よく考えた方がいい。
もう二度と、アンパンの姿には戻れないよ?』
「バタコさんの声が分からない。
もうジャムおじさんの顔が、思い出せない」
「君しか見えない。もう今は……君の事だけ」
「この時が全て――――それでいいだろう?」
何も無い。もう何もいらない。
お前しか、見えない――――
「おかしいな、涙が流れてる。
……なんにも悲しい事なんて、無いのに」
「もうヒーローなんて名乗れない。ぼくにはその資格が無い」
「はじめて分かった。……これが“憎しみ”なんだね」
「 来なよ! 殴れよ臆病者!! さぁッ!! 」
「君は、やさしいね。
だからこそ、こんな事になった――――」
※この予告編は“作品イメージ”とお考え下さい。
現在執筆中の本編とは、設定やセリフが異なる場合があります。