「……売れねぇなぁ」
ロアナプラにある、ストリートの一角。
「ひとっ子ひとり、寄ってこねぇ」
そこに今、難しい顔をして座り込んでいる銀次さんの姿があった。
「やっぱこの街でも、ちびっこはピコピコの方が好きなんですかねぇ」
沢山のアニメキャラを模したお面。それを飾った露店の前で、銀次がうむむとつぶやく。
というより、いくらここが
いかついグラサンの大男が、なぜか愛らしい子供向けの玩具を売っている。そしてものっすごい難しい顔をして座り込んでいる――――
その光景は、ここロアナプラの住人たちをしても「けして近寄っちゃなんねぇ」と思わせるのに十分な物だ。
その事に銀次は、いつまでたっても気付かない。
「はいよぉ~。らっしゃい。らっしゃい。
よっといでぇ……」
試しに声を出してみるも、それを聞いた通行人たちが慌てて目をそらして立ち去っていく。
だって、とっても怖かったんだもの。ものっすごく声が低いんだもの(威圧感)
「いけねぇなぁ。
せっかくお嬢と、ここロアナプラで一旗あげようと出てきたってのに。
テキ屋のしのぎもままならねぇんじゃ……お嬢に顔向け出来ねぇ」
どうしよう? どうしたらいいのかな? う~んう~ん。
そんな風に考えてみるも良案は浮かばず。状況も変わらない。
ついでに言うと、全然可愛くもなかった。
「兄さん――――如何しやしたか? あまり見ない顔でござんすが」
「んん?」
突然の声に顔を上げてみると、そこにはふらっとやってきた“おむすびまん”の姿。
口にようじを咥えた、まさに“旅がらす”といった風貌。アンパンマンの仲間たちの中でも屈指の渋さ、そしてイケメンさである。
「お困りでござんすか? あっしでよけりゃ、話を聞かせてつかぁさい」
「おぉ、あんたこの街の?
いや驚いた。まさかこんな異国の街で、同胞と出会えるたぁ。
それにその仕込み杖……あんた“こっち側”のお人だねぇ」
銀次の隣に腰を下ろし、共にロアナプラの街を眺める。
そんな風にしておむすびまんは、銀次の事情に耳を傾けていく。
「そうでござんしたか……。はるばる日本から、
「だがどういうワケだか、お面もたこ焼きも一向に売れやしねぇ。
俺のやり方は、ここじゃあちぃと合わねぇのかもしれねぇと、そう思いやして」
銀次にも長年テキ屋をしてきたという矜持がある。
他の組の外道共のように、薬や女を売ってしのぎをするなんてまっぴら御免だ。ヤクザは仁義を掲げてナンボなのだ。
しかしながら……一向に誰も銀次の方へ寄って来ない。もうここ数日ばかり、ずっと店には閑古鳥が鳴いている。
大切な先代組長の教えとはいえ、たとえまっとうなしのぎであっても、まったくお金が稼げないのは大問題であった。
銀次は己の無力さを感じ、人知れずため息をつく。
「そういう事なら、これも何かの縁でござんす。
あっしも少しばかり手伝いをさせてつかぁさい」
「あんた……」
義を見てせざるは、勇無きなり――――
これは銀次たちが掲げる“任侠”の精神とも通じる物だ。銀次は感服したようにおむすびまんを見つめる。
「ではさっそく始めるでござんす。
ここロアナプラのちびっこ達に、たくさん笑顔を届けやしょう」
「おむすびの旦那、かたじけねぇ……。世話んなる」
そうして銀次はたこ焼きを焼き、おむすびまんがお面の屋台の店先に立つ。
渋いながらも意外と可愛らしいおむすびまんの姿に、最初は恐る恐るこちらを見ていた子供たちも、次第に興味を示してくれるようになる。
そして30分もすると、気が付けば露店は大盛況。沢山の子供たちの笑顔が咲く。
この国では珍しいたこ焼きという食べ物、そしてアンパンマンたちの顔を模したお面は、ちびっ子たちに大人気となった。
「これでお嬢に顔向けが出来る。全部旦那のおかげだ」
「いやいや、あっしはきっかけに過ぎないでござんす。
見てつかぁさい、銀次さんを慕うちびっこ達の笑顔を――――」
最初は大きくて怖かったけれど……次第に子供たちも銀次の暖かな優しさを感じ取り、心から慕ってくれるようになっていった。
自分はただのきっかけに過ぎない、これは全て銀次自身の力なのだと、おむすびまんは語る。
お面とたこ焼きを持たせてもらい、元気に手を振って帰っていく子供たち――――
その姿を、おむすびまんと肩を並べた銀次が、ほのかに笑みを浮かべて見送るのだった。
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「あれカッコいいよな!
“この世にひり出されてきた事を後悔させてやる”っていうの!」
ロアナプラの街角で、カレーパンマンが楽しそうに声を上げる。
「あとアレです!
エダさんが言っていた“額でタバコ吸うコツ……教えてやろうか?”っていうの!
すごくカッコいいです!」
それと向かい合い、しょくぱんまんも興奮気味に声を上げている。
これは「お前の額に穴を空けてやるぞ」っていう意味の言い回しなんです! 渋い!
もう彼はキラキラしながら語る。
「ぼくはアレが好きだな♪
ほら、レヴィちゃんが言ってた“踊らせてやるぜベイビー!”っていうの♪
言っててすごく元気が出るんだよ♪」
そしてアンパンマンもニコニコと会話に加わっている。とっても楽しそうだ。
この街に来て以来、今まで聞いたことも無かった“カッコいい言葉”をたくさん知る事が出来た三人。
最近はいつもこうして集まっては、自分の好きな言葉についてワイワイと語り合っているのだ!
ロアナプラばんざい! だいすき!
「なんかファックって、汎用性高いよな! いつでも使える感じだぜ!」
「えぇ。もうロアナプラの皆さんは、
まるで息を吸って吐くようにファックファック言っていますから。
すごく便利な言葉です!」
「でもあれって、どういう意味の言葉なんだろう?
レヴィちゃんにきいても、教えてもらえないんだ。なんでだろ?」
「アレかなぁ? たぶんおいら達でいう所の“こんにちわ”とか“どうも”とか、
そういう意味なんじゃねぇか?」
「なるほど! ロアナプラの挨拶なのですね!
これからは私たちも、積極的に使っていきましょう!」
「そうだね♪ ぼくもっとロアナプラのみんなと仲良くなりたい♪
いっぱいファックファック言おう♪」
やぁアンパンマン! ファーック!
よぉしょくぱんまんじゃねーか! ファーック!
カレーパンマーン♪ ファックだよー♪
そんな風に「きゃっきゃ☆」とはしゃぐ三人。
「あと“クソ”とか“金玉”とかもよく使うぜ!
ここのみんなと話してると、もう10秒に一回くらいは言ってるもんな!」
「私は思うのですが……きっとそういった単語を“ひとつは入れなくちゃいけない”
のではないでしょうか? ここロアナプラのルールで」
「そっかっ! だからみんなよく言ってるんだね♪
一度の会話でひとつ以上は、クソとか金玉とかを使わなきゃいけないんだねっ!」
やぁアンパンマン! 相変わらず金玉みたいな顔ですね!
よぉしょくぱんまん! クソみてぇな面だなぁオイ!
カレーパンマンの尻穴野郎っ♪ いい天気だね♪
引き続き「きゃっきゃ☆」と盛り上がる三人。だいぶ酷い事になってきた。
「思うんだけどさ?
もっとおいら達も、カッコいい言い回しをしていくべきだと思うんだよ。
ほら、ばいきんまんと戦ってる時とか」
「そうですね。私たちは正義のヒーローなのですから。
子供たちの夢を背負い、カッコいい言い回しをしていくべきです」
「うん♪ それじゃあどんな風にしようか? やっぱりレヴィちゃん達みたいに?」
「そだな。たとえば……『おいばいきんまん! てめぇのタマをもいでやる!』とか」
「そうですねぇ……ファック! 私は生きているヤツが大嫌いなんです!
はらわたブチまけてくたばりなさい! ばいきんまん!」
「いい! すごくカッコいいよ二人ともっ! よ~しぼくもっ♪」
目をキラキラさせたアンパンマンが、ス―ッと大きく息を吸い込む。
「ひとつ訊いておくよ、ばいきんまん……。
――――墓にはなんて、書けばいい?」
「うおぉぉぉ! かっけぇぜアンパンマン! かっけぇ!」
「ブラボーですアンパンマン! ブラボーです!」
やんややんやと囃し立てるカレー&しょくぱんの二人。アンパンマンもテレテレと嬉しそうだ。
「よぉーし! それじゃあ次にばいきんまんが来た時は、
思いっきりファックしてやるぜ!」
「そうですねカレーパンマン! ばいきん野郎をファックしてやります!」
「うんっ♪ 今度ばいきんまんが悪さをしたら、いっぱいファックしようね♪
あのクソッタレをカモメの餌にしてやろう♪」
きゃっきゃ☆ きゃっきゃ☆
心からの笑顔で無邪気に話すアンパンマンたち。逃げろばいきんまん。今すぐ遠くへ。
だが……そんな子供たちを、遠くから見ていた者の姿があった――――
「もし? 坊やたち、少しよろしいでしょうか?」
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「お宅ではいったい、どういう教育をなさっているのでしょうか?」
お昼のお日様の光が差し込む、ラグーン事務所。
「ぶしつけな物言い、申し訳ありません。
ですがこれは、あまりにもと存じます」
そこに今、子供たちを引き連れた“ロベルタ”の姿があった。
「えっと……こっちに来てたんだねロベルタさん……」
「えぇ、こちらに所用がございまして。数日ほど前から。
ではもう一度お伺い致しますが、貴方はこの子たちに、どういった教育を?」
いまロベルタの後ろには、なにやら「どよーん」と暗い顔をした三人の姿がある。
きっとここに来る前に、ロベルタにお説教を受けたのだろう。哀れだ。
「口に出すのも憚られますが、先ほどこの子たちが路上で、楽し気に“好ましくない言葉”を連呼しているのをお見かけ致しまして。
それについてお伺いしたく思い、こうしてお邪魔した次第に御座います」
「あの、えっと……その」
「いくらこの薄汚れた街とはいえ、ロアナプラとはいえ、
大人には子供を正しく導くという責務が御座います。
それについて貴方はどうお考えでしょうか? お聞かせ願いたく――――」
メイド服を着込み、口調こそ丁寧ではあるものの、今ロベルタの身体から紫煙のオーラが上がっているのをロックは幻視する。
生真面目であり、道理を重んじ、そして子供たちを心から愛する彼女は、静かに怒りの炎を燃やしていた。ぶっちゃけ泣きそうだ。
「こ……これに関してはもう、平謝りするしかない。
いくらバタコさんやジャムおじさんが大らかだからって、
この現状をほおっておいた俺にも責任がある」
「……ほう」
「すまないロベルタさん、あんたの言う通りだ。
この子たちを預かっている身として、大人として、
俺が責任をもってなんとかすべきだった」
「……」
普段もう善人しかいないような“夢の国”に住むアンパンマンたち。そんな純粋なこの子らが、この街の悪い所を「なんか新鮮!」と思い、そして興味を持っちゃうのは当然の事だ。
大人として、そういった物に極力毒されないよう、そして間違った方へ行かないように導いてあげるのは、大切な役目である。
ロックはロベルタに頭を下げ、心から謝罪する。
確かに突然訪ねてきて、ぶしつけな物言いだったかもしれない。人様の家の事かもしれない。
しかしこの人は、心から子供たちの事を思って叱ってくれたのだ。文句などあろうはずもない。
「すまなかった。今後はこんな事が無いようにする。この子たちの為にも。
アンパンマンたちはいい子だ。それにとても賢い子たちだよ。
だからよく言って聞かせれば、ちゃんと理解してくれると思う」
ロベルタがじっと見定めるように、ロックの目を見つめる。それに対して彼も、真っすぐ見つめ返す。
「……やはり貴方は、この街の人間たちとは違いますね。
先日の件もあり、ファビオラも若様も思う所があるようですが……。
それでもわたくしは、貴方に感謝をしております」
「えっ」
「あの一件の責は、全てわたくしに御座います。
そしてわたくしどもは、再びあの屋敷へと戻る事が出来た。
それがどのような過程であったとしても。貴方のお力添えによって、です。
――――どうかこれ以上思い悩まず、貴方らしくあって下さいませ」
瞳を閉じ、そっと頭を下げる。メイドらしい洗練された仕草で。
一瞬の事でよくは見えなかったが、今ロベルタが静かな、そしてとても優しい笑みをしていたように見えた。
ロックはその美しい姿に、息を呑む。そしてどこか、心が軽くなる感覚がした。
「しかしながら、今回の件については、貴方にも責任がある事は事実。
ですのでここは“イエローカード”という事に致しましょう。
もし次に何かあれば……お分かりですね?
わたくしの忌まわしき異名、憶えておいでかと存じます」
「あ、あぁ……。分かってる、肝に銘じるよ……」
“フローレンシアの猟犬”
怖くて口になんて出せないが、ロックの脳裏にその言葉が浮かぶ。
もし次に何かしでかしたら、自分はセイレーンが歌う死の唄を聴くことになるんだろう。
もうロックの足が〈ガクガクガク―ッ!〉と震えている。
「それにしても、今日は“あの女”はいらっしゃらないのですか?
大部分の責はあの女にあると、そう思いお伺いしたのですが……」
「あっ、今日レヴィは他所に出かけててさ?!
アイツにも俺からよく言っておくから、どうか勘弁してもらえないかな……?」
「ふむ。では貴方を信頼する事と致します。どうぞよしなに」
本当にレヴィがこの場に居なくてよかった――――
ロックは特に信仰など無いが、この時ばかりは神に感謝した。心から。
この事務所が
「ロックさん、ロベルタさん……ごめんなさい。
これが悪い言葉だったなんて、ぼくら知らなかった……」
「カッコいいと思ったんです……ごめんなさい」
「もう使わねぇよロックさん……ごめんなさい」
大人たちの話し合いがひと段落した後、アンパンマンたちがペコリと頭を下げる。
その顔は〈しょぼーん〉という感じだ。
「うん、もういいんだみんな。
それにこれは、ちゃんと言って無かった俺の方に責任があるからね」
よしよしと撫でてやり、優しい顔で微笑む。
そんなロックの姿に、やがてアンパンマンたちも子供らしい笑顔を取り戻してくれた。ロベルタもニッコリである。
「そうですね……ではこうしては如何でしょう?
今日一日、わたくしにこの子たちをお預け下さいませんか?」
「ん? それってどういう……?」
ロックは疑問の声を上げるが、ロベルタは「うんうん」と朗らかな顔だ。
「わたくしがこの子たちにお教え致しましょう。
ふつつかながら、これでもラブレス家のメイド長を仰せつかっている身。
軽い一般常識などのレクチャーならば、わたくしにもお任せ頂けるかと」
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「あ~っはっはっはーぁ!
イエロー・フラッグを木端微塵にしてやったぞぉ~う!」
ばいきんまんの高笑いが響く。
そして傍には〈ぐってぇー!〉と伸びているバオの姿もある。毎度不憫な事だ、この人は。
「これでもうお酒が飲めなくなるぞぉ~!
この街のヤツラときたら、いっつも飲んでばかり!
だからちょっと心配になってたんだぁ~! ざまぁみろぉ~~う!」
なんか「肝臓を労われ!」とかよく分からない事を言いながら、ばいきんまんは高笑いし続ける。
ちなみに二階にある娼館のお姉さん達には、「ちょっとこれから暴れますんで、避難しててもらえますか?」とお願いし、ちゃんと事前に逃げてもらっている。「後で責任もって建て直しますんで」とも。
ばいきんまんは意外と女の子には優しいのだ! フェミニストなのだ!
『まてぇーばいきんまーん! ですわよぉー!』
「おー来たなアンパンマーン! 今日こそやぁ~っつけてや……?! ん?!」
その時、ロアナプラの夕焼けを背にして、空よりアンパンマンたちが現れる!
しかしながら……その姿を見たばいきんまんは、頭の上に「はてな?」とクエスチョンマークを浮かべる。
「やめるんだぁーばいきんまーん! ですわよー!」
「悪さはいけませーん! おやめなさい! ですわ!」
「おいら達が相手だばいきんまん! かかってきやがれ! ですわ!」
「 ?!?!? 」
空から
「なっ……なんだぁ~お前たちぃ~! その恰好はぁ~!
いつもの服はどうしたんだぁ~っ!」
「あっ、今日はこの格好で戦うよ♪
この服、ロベルタさんから貰ったんだ♪ どうかなばいきんまん?」
「ふふふ! なにやらこのしょくぱんまん! 新鮮な気持ちです!
身が引き締まる思いがいたします! ですわ!」
「ちょっとフリフリしてんのが難点だけど、こういうのもたまには良いよな!
さーかかってきやがればいきんまん! カレー攻撃ですわよ!」
そのメイド服に加え、なにやら口調もおかしくなっているアンパンマンたち。これもロベルタのメイド教育の賜物なのだろうか?
もう「とりあえず“ですわ”って言っとけばなんとかなる!」みたいな意図が見え隠れしていた。淑女だ。
「ごめんあそばせ! えいえい!」
「失礼いたします! えいえい!」
「こんにゃろこんにゃろ! でございます! えいえい!」
「 ちょ! なっ! ……ぐえっ?! 」
メイド服を着たパンの子たちにタコ殴りにされるばいきんまん。もうバイキンUFOを出す暇も無い。ビックリしすぎて。
「「「 トリプル・パーンチ!!! ですわーっ! 」」」
「――――ふにゅごっ?!?! ば……ばいばいきぃぃぃ~~ん????」
なんかそこはかとなく“腑に落ちない”感じの声を出しながら、ばいきんまんが空の彼方へと消えていく。
それをメイドらしく、貞淑にお見送りする一同。(しっかりお辞儀をして)
「やりましたわ! 今日もみんなの街を守れたよ♪」
「素晴らしい勝利です! わたし達の勝ちです! ですわ!」
「やってやったぜ! ざまぁみろってんだ! ですわ!」
三人で輪になり「きゃっきゃ☆」とはしゃぐ一同。まさに子供らしい笑顔で笑い合う。まぁメイド服を着てはいるが……。
そんな彼らの姿を、少し離れた場所でボケェーっと見ていたロック。もう何も言う事が出来ず、アホのようにただただ呆けている。なんか激しく間違っているような気もする。
「――――エクセレント。素晴らしい成果ですわ。
やはり子供の吸収力には、目を見張るものがありますね」
するとこの場に、ロベルタの姿が現れる。
どうやらそこにあったバイキンUFOを
「ん? これで御座いますか? 少しそこに
掃除はメイドの嗜みですわ」
「…………」
きっと陰ながらアンパンマン達のサポートをしていたんだろうが、それは掃除ではなく“排除”だ。しかも素手でやる事じゃない。淑女たるメイドのやる事でもない。
「やったよロベルタさん!
ばいきんのお客様には、ていちょうにお引き取りねがったよ♪ ですわ!」
「ふふふ。よくやりましたアンパンマン。素敵でしたよ♪」
「…………」
もう考えるのはやめよう!
アンパンマンたちも楽しそうだし、それで良いじゃないか!
ロックは思った。
…………………………………………
………………………………………………………………………………………………
その後、ロベルタさんは帰って来たレヴィちゃんと大喧嘩をして、またちょっと事務所が壊れちゃいました。
ロベルタさんは「自分で始末をつけます」と掃除を買って出たのだけれど、なぜか掃除をすればするほど辺りを散らかしてしまっていた。
ロベルタさん、掃除は苦手なのかな? ロックさんに手伝って貰ってなんとかなっていたけれど。
ぼくはロベルタさんと、一緒に写真を撮ったよ♪
これはお屋敷にいる若様やファビオラちゃんという女の子に見せてあげるんだって♪ 二人ともぼくの事を知っててくれてるみたい♪ 嬉しいな♪
そして夕方になって、ロベルタさんはジャムおじさんの作ったパンを鞄いっぱいに詰め込んで、ベネズエラのお屋敷に帰って行きました。
「またこちらにも遊びにいらしてください。若様もお喜びになりますわ」
そうしっかり約束をして、バイバイしたよ♪
今日はいろんな事を教えてもらえたし、メイド服というのを着られて楽しかった。
これを着てラグーンのみんなにお酒をついであげたり、肩たたきをしてあげたりしたよ♪
(ご奉仕っていうらしい)
レヴィちゃんはちょっと照れ臭そうにしながら、「悪くねぇな……」って喜んでくれた♪
また明日も、みんなと楽しく過ごせたらいいな♪ ですわ!
アンパンマン