hasegawaさん、炎の短編集。   作:hasegawa

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※注意!※

 今回のお話は、取りようによっては(・・・・・・・・・)かなりアダルティな内容になります。
 本来この短編集にはそぐわない内容の物ですが、いちおう本文中に直接的なワードは無く、また行為の描写に関しても湾曲的な表現しか使用していない事から、当短編集のタグに【R15】を付ける事によって対処をしております。ご了承下さいませ。



↓以下お題↓
………………………………………………………………………………………………




 とある企業城下町の一角。そこには10人に問いかければ8人が想像する、如何にもといった風情の屋敷が聳えて居た。

 週末ともなれば、内外の客を招き『ささやかな』立食パーティーが開かれている。
 そんなパーティーも終わり、夜の帳が下り、屋敷内を静寂がを支配していく。

 その本館の一角――主の主寝室。
 その大きな天蓋付きの寝台の上にも、垂れ幕を透かして月の光が差し込んでいた。
 蒼く柔らかい光が作る陰影に沿って指先を這わせ、女は半ば夢見心地のまま全身を気怠さの中に浸らせていた。

「最近、嫌な視線を感じるな。何か変わったことはないか? 新藤」

 男が呟く。

「教官?」

 男の傍らで全身を気怠さの中にひたらせていた女が呟く。

「……『教官』はないだろう、こんなところでまで」

 女の呟きを耳にした男が軽く窘める。

「こんなときぐらい、名前で呼んで欲しいもんだな、新藤」

「……教官が私の事も『新藤』ではなく名前で呼んでくださればそうお呼びします」

 そう済ました口調で新藤と呼ばれた女性が返事を返す。

「……そうだったな、そういう約束だったな。……那美」

 新藤はこの家の代々の主君に仕える執事の苗字である。主が男のときは女が、主が女の時は男が執事を務める事になっていた。
 新藤那美は現在の主とは一回り歳が離れており、那美が15歳で仕えた頃は護身術や主の仕事の補佐を行うための一通りの教育は、まだ後継者であった現在の当主が教官として指導した。
 当然、二人が男女の仲になるにはさほどの時間を置くことはなかったが、男女の仲になる頃には「教官と教え子」の関係も十分に構築されていた。

「……那美、……いや、新藤」

 主が情人を名ではなく苗字で呼ぶ。

「何かありましたか?」

 苗字を呼ばれた事により、女が私人から執事へと精神を切りかえる。

「……想像に過ぎぬがな、どうも周囲を探る者がいるようだ」

 その言葉を聞き思わず身を浮かせる女。

「では……!?」

「……時期が時期だけに厄介だ。何か手を打つべきだろうな」

「承知しました」

 そう言い残すと新藤が白み始めた東の窓を視野に入れつつ、その身に夜着を纏いゆっくりと動き出す。

「では、亨様。私はこれで」

 顔を上げ、主が情人を改めて見つめる。

「もう行くのか」

「はい」

「まだしばらく居ればよかろう、那美」

 そのまま右腕を伸ばし、情人の左腕をつかむ。主の指先が触れた瞬間、那美は、何か熱いもので触れたかのようにびっくと身体を震わせた。名門の主と言うにはまだまだ若い青年の表情に、何か空洞じみた皮肉気な笑みが浮かんでいるのが見える。

「いえ、その……」

 困ったように俯いた情人に、主がその肢体を引き寄せる。

「朝、執事が主の寝室から現れては、立場がないか」

「……亨様。蟻の穴から堤も崩れると申します。あまりこの関係が噂されるのは……」

 そう言いつつも、主に抱き寄せられる。
 主がそのまま両腕でしっかりと緩やかで優美な曲線を描く肢体を抱き締め、その柔らかな感触を楽しみつつ彼女の耳もとに囁いた。

「流れている噂が気になるか? 私が北小路の娘と男女の仲だというアレが? 私が本気なのはお前だけだ、那美。お前ならば、いくらでも私は本気で相対することが出来るのだからな」

 その大きな天蓋付きの寝台の上にも、垂れ幕を透かして月の光が差し込んでいた。
 蒼く柔らかい光が作る陰影に沿って指先を這わせ、新藤那美は半ば夢見心地のまま全身を気怠さの中にひたらせていた。

 激しく荒々しい行為の後の疲労が、これまでの直接的な快楽とは別の悦びを彼女に味わさせてくれている。自らの四肢を相手の筋肉質の身体に絡みつかせたまま、彼女はうっとりと情人の体温や体臭を楽しんでいた。

 余韻を楽しむかのように那美は、そのまま軽く目をつぶったまま彼女の指導教官であり、情人である長谷川 亨の胸元に顔をうずめた。
 男が那美の髪を弄っていた右手を伸ばし、彼女の普段のいでたちや年齢からは想像もできないほど大きく、しかも張りのある丸みを握りしめる。
 そのまま、お仕置きとばかりに指を立て、弾力のある膨らみに指をのめり込ませた。

 長谷川の指先が、その先端を軽く撫でたりに弄ったりしている。
 那美が甘い声をあげて、首をいやいやするかのように左右に振る。
 彼の胸板に這わせている指先に力がこもり、彼女の柔らかな曲線を描いている背中にさざ波のような震えが走る。

「どうした、ん?」

 意地悪く続きをうながす長谷川に、那美は、はっきりとわかるほど潤んだ声でそれでも言葉を続けた。

「そうか」

 指先の動きをさらに激しくしてひとしきり那美に甘い声をあげさせると、長谷川は両手で彼女の腰をつかみ持ち上げた。
 鍛え上げられている彼女の身体の感触が、彼の指先に適度な抵抗を示して心地好い触感を伝えてくる。そのまま彼女を自分の腰の上に運びあげると、狙いを合わせて手を放した。

「……っ!?」

 突然身体の中心を貫かれた那美は、その衝撃に叫びそうになるのを歯を食いしばってこらえた。それほど準備が出来ていなかった所への突然の出来事に、頭の中が真っ白になって大きく息が漏れる。

 自分の胸板に顔をうずめ荒い息をつくばかりの那美に、長谷川は彼女の身体がもたらす感覚だけではない興奮に、息を荒げつつ言葉を続ける。
 自らの言葉にあおられるように、彼の身体は更に獰猛に動きを早めていく――――






50 俺の名はhasegawa! “あなたトトロ”のhasegawaだ! の巻。

 

 

 

 

「――――オーイエスッ! オーイエスッ!」

 

 二人の行為は、更に加速度を増していく。

 

「オーイエスッ! フーゥ♪ 君かわうぃーねぇーぃ!」

 

 亨が那美のケツを、スパンスパンと和太鼓のように叩く。

 そのテンションからか、彼のキャラもだいぶ崩壊してきたようだ。

 

「イエァ! カモッ! シーハー! オーウ♪」

 

 やがてケツ太鼓のリズムは16ビートとなり、まるで雷鳴のようなスパンキング音が木霊する。

 

「オーウ! オーウ! イエァ! カムショット!! ワオ~ン♪」

 

 ついに享のボルテージがてっぺんに達し、よっしゃいっちょ双子でも産ませたろかいと、某宇宙戦艦ヤマトの艦長のように「波動砲よーい……!」と呟いた、その時。

 突然この場に、一匹のサメが窓を突き破って飛び込んで来た――――

 

 

「ぎぃやぁぁぁああああ!!!! 死ぬぅぅぅうううっっっ!!!」

 

 

 全長10メートルはあろうかという巨大ザメが那美に襲い掛かり、その大きな口で頭から彼女に喰らい付く。

 先ほどまで幸福の絶頂にいた二人を、突然現れた巨大ザメが悪夢に叩き落したのだ。

 

「いやぁぁぁあああ! いっやーーん!! たっけてぇーん!!」

 

 下半身だけをサメの口から出し、もうジタバタと暴れる那美。

 その姿を前に、ただただ享は「なぜサメがここに?! ……そうかっ! きっと近所にある水族館から逃げ出して来たんだ!」と意外と冷静に分析する。

 俺達がイチャイチャしていたから、サメが飛び込んで来たのだと!

 エロシーン許すまじと!

 

「うおぉぉぉ! 逃げろぉー!!」

 

 享は今まさにサメに喰われている那美の背中を踏み台にして、ピョーンと天井へと飛びつく。

 そのまま天板を外して「よいしょ!」と身体を潜り込また後、「ふう、やれやれ」と額の汗を拭い、自らの命が助かった事に安堵する。

 

「那美ぃ! 大丈夫かぁー! 怪我は無いかぁー!」

 

「ぎゃー! 享さぁぁーーん! ぎゃあああーー!!」

 

 天井からひょこっと顔を出し、那美に問いかける。だが彼女はガジガジとサメに噛まれており、それに返事をする余裕もないようだ。

 

「頑張れぇー! がんばれ那美ぃー!! 諦めるな!! ネバーギブアップ!!」

 

「うわぁぁぁああ!! うわぁぁぁあああ!!! 教官ぁぁーーん!! 死ぬぅ~!!」

 

 自らの安全を確保し、ひとり高い場所から必死に声を掛ける享。対して那美はもう膝の辺りまでサメに飲み込まれており、その命はもう風前の灯火に見えた。

 

「よしっ! こういう時こそ神頼みだ!」

 

 享は首にかけていた十字架のネックレスを外し、それを力強くサメの方へ向ける。

 

「去れ! サメよ立ち去れ! おぉ神よ! 我を救い給え!」

 

 まるでドラキュラに対してするように、必死にサメに向けて十字架を突き出す。

 たがその祈りは神に届かず、今もサメはのんきに那美を咀嚼している。ガジガジと。

 

「アーメン! ハレルヤ! ……ちきしょう駄目だ! 神は役に立たん!」

 

 ファックとばかりに十字架を投げ捨て、享はここぞと言う時に役に立たない神と決別する。

 何が神だクソッタレ! 全然サメ帰ってくれへんやないかい! 享は故郷である関西の言葉で毒づき、代わりに手首に巻いていた数珠を取り外してサメに突き出す。

 

「なら仏はどうだ! ブッダなら!

 え~……なんみょ~ほ~れんげ~きょ~♪ なんみょ~ほ~れんげ~♪」

 

 うろ覚えのお経を唱えてみるも、まったく効果は無い。今もサメは那美をガブガブいっているのだから。

 享は「シット!」とばかりに数珠を投げ捨て、代わりにズボンのポッケから携帯電話を取り出した。

 

「神も仏も駄目だ! あいつらはクソだ!

 やはりこういう時は、文明の利器に限る!」

 

 享は「♪~」と鼻歌を口ずさみながら、ピッポッパと携帯を操作していく。

 そして機嫌よさげに「あーもしもし?」と言った時、スピーカーから「現在、電波の届かない所にいるか……」という機械的なアナウンスが聞こえてきた。

 

「ノーウ!!!!」

 

 どっせいと携帯を叩きつけ、享は万策尽き果てたと頭を抱える。

 神も、仏も、文明の利器も駄目なら、もう自分に打つ手など無い。那美を救う事は出来ないと。

 

「ちきしょう! なぜこんな目に合う!

 俺はただ、女としっぽりやっていただけなのに! 何故なんだ!」

 

 享はポカポカと天井の板を叩き「ひどいひどい!」と涙を流す。

 ここは確かに安全だけど、すごく埃っぽくて不快なのだ。暗いし高いし怖いし、お風呂に入ったばかりの身体は汚れるし。ろくなもんじゃない。

 

 まぁ今サメに喰われている那美に比べれば大分マシではあるけれど、それはそれ、これはこれだ。

 確かに那美の身体を踏み台にし、彼女を犠牲にして自分だけ助かりはしたが、そんな事は関係ない。

 今はこの埃っぽくて不愉快な場所が嫌だと、そういう話をしているのだ。

 ――――ちきしょう今日はクリスマスだぞ!! なんて日だ!!

 享はそう悪態をつきながら、我が身の不運を呪う。

 

「――――諦めてはなりません享さま! ファイトに御座います!」

 

 その時、サメの口からヒョッコリ顔を出した那美の声が、享の耳に届く。

 

「享さまならば出来ます! このようなサメに負けようハズが御座いませぬ!」

 

 どうやったのかは知らないが、なにやらサメの口の中で頑張って態勢を入れ替えた様子の那美。

 今もガブガブとサメに噛まれながらも、なんとか上半身だけをグイッとだし、享を鼓舞していく。

 現実に打ちのめされ、折れかかっていた彼の心を、そっと包み込むように。

 

「――――愛に御座います! 愛の力で困難に打ち勝つので御座います!

 愛は無敵に御座います!!」

 

 那美は渾身の気迫を持って、声を振り絞る。

 

「愛があれば、サメなど恐れるに足りませぬ!

 愛こそ! 愛こそが全てッ!!!! ラブ イズ エブリシングに御座いますッ!!」

 

 その力強い言葉により、だいぶエグエグしていた享の心に勇気の火が灯る。表情に力が宿っていく。

 

「そうか……そうか! 愛だな那美! 愛なのだなっ!?」

 

「はい! 愛に御座いますっ!

 その溢れんばかりの愛で、サメをぶち殺すので御座いますッ!」

 

 真っすぐ向けられた瞳。その微塵もこちらを疑っていない信頼の込められた瞳に照らされ、享は正気を取り戻した。

 男として、今やるべき事をハッキリと思い出したのだ。

 

 愛――――愛なのだ!

 俺は愛する者を守る為、戦わなければならないのだ!

 たとえこの身が朽ちようとも、愛する女を守らねばならないのだ!

 

「すまなかったな那美……もう大丈夫だ」

 

 相変わらずサメにカプカプと齧られている彼女を見つめながら、いま享がそっと身体を起こし、勢いよく天井から飛び降りる。t

 

「いざッ! 推参つかまつる!!

 うおぉぉサメぇぇーーッッ!! うおぉぉーー!!」

 

 だがその時――――突然窓ガラスを突き破り、この場に一匹の“巨大熊”が飛び込んで来た!

 

 

「ぎゃぁぁぁああああーー!! 死ぬぅぅ~~!!」

 

 

 その途端、享は再び那美の身体を踏み台にしてピョーンと天井に登った。

 サメに足を、そして熊に上半身を噛まれた彼女は、なにやら二頭に「おーえす! おーえす!」とばかりに引っ張られている。

 

「なんでやっ! なんで熊まで来るんやっ!

 いったいどうなっとんねんウチの屋敷!!」

 

 今も享の眼下には、熊とサメに引っ張られて「ぎゃぁぁぁ!」と叫び声を上げる那美の姿がある。

 さっきは意気揚々と天井から飛び降りはしたものの、もう熊の姿をひとめ見たその瞬間、即座に天井に戻ったのだ。

 あー怖かった……超ビックリした……。心臓止まるかと思った。

 

「二頭は無理やろ! いくら愛でも二頭はアカンやろ!! こんなん無理やんか!!」

 

「ひいぃぃ~! 死ぬぅー!」

 

 二頭のクリーチャーにより、那美はまるで縄跳びのロープのようにグルングルンと回されている。その姿を見ながら、享は再び「ふーやれやれ」と汗を拭う。

 なぜここに熊が?! ……そうか、きっとこの熊も、近所にある動物園から抜け出してきたんだな?! そうに違いない!!

 享は猛獣二頭がなんの脈絡も無く襲来するという状況にあっても、意外と冷静にそう分析した。

 

「お……お助けぇ! お助け下さいませ享さま~っ!」

 

「無理や! 二頭は無理やッ!! 無理に決まっとるやろアホッ!」

 

「愛に! 愛に御座いますっ!

 愛さえあれば、かような畜生ども、恐れるに足りません!」

 

「――――何が愛じゃボケェェェエエエエッッッッ!!!!

 そんなんで勝てたら苦労せんのじゃアホォォォォーーーッッ!!

 ほんだら自分でなんとかせぇよお前!! 愛あんねやろうがお前!!」

 

「ぎゃあぁぁ~! 死ぬぅぅ~!」

 

 享の逆ギレが部屋に木霊する中、那美は必死に気合を振り絞り、二頭の顎から抜け出そうと試みる。

 

「かしこまりました享さま! 那美はやりますっ!

 うぉぉぉ! 愛に御座います! 愛に御座います! あーい!!

 ぎゃぁぁぁあああ~~っっ!」

 

「那美ッ?!?! しっかりするんだ那美ぃぃーー!!」

 

「心配ご無用に御座います享さまっ!

 この程度の試練……、那美は立派に乗り越えてみせまするっ!

 うぎゃあぁぁーー!! 死ぬぅぅーー!!」

 

「那美っ?! 那美ぃぃぃいいいっっ!!」

 

 あぁ、いったい何でこんな事に!

 エロい事をしたからか? 全年齢対象の作品でえっちぃ事をしたからいけなかったのかっ!

 享は自分の行為を悔い、ただただ頭を抱えて蹲る。

 

「――――いけません享さま!! そのような事をおっしゃっては!!」

 

 しかし、那美の振り絞るような叫びを聞き、享は「はっ!」とこの場に意識を戻す。

 

「愛を否定してはなりませぬっ! 愛こそ全てに御座いますっ!!

 愛こそが、この世で最も尊き物なのですよ!!」

 

 そう言い放ち、那美は熊の顎をグググッと力づくでこじ開け、ハッキリと享の顔を見据える。

 

「 愛を止めてはなりませぬっ! 愛を悔いてはなりませぬっ!!

  さぁ享さま! 叫ぼうではありませんか! 私達の愛を高らかに叫ぼうではありませんか!!

  たとえこの身が朽ちるとも! 那美はこの命尽きる最後の瞬間まで、

  享さまへの愛を叫んで死……

 

 その時、熊が「よっこいしょ」とばかりに、顎に力を込めた。

 

「 うぎゃぁぁぁあああああーーーーー!! 死ぬぅぅぅうううーーーーー!! 」

 

「那美ぃーー! うおぉぉ那美ぃぃぃーー!!」

 

 もう烈火の如くバタバタと暴れる那美。

 享はその姿を前に、ただただ一人だけ安全な場所で、名前を呼んでやる事しか出来ずにいる。

 

 やはり愛では、彼女を救う事は出来ないのか?!

 愛なんて物は、しょせん幻想にすぎないと言うのかっ?! 二人の心に絶望が影を落とす。

 

 ――――しかしその時! 突然この場に青い人影が飛び込み、即座に熊&サメへと飛び掛かって行った!

 

 

『――――大丈夫か二人とも! もう心配ないぞ!』

 

 

 その青い影は一撃のもとに熊を倒し、サメを蹴り飛ばし、一瞬にして那美を救出して見せる!

 

『うぉぉぉ! タワーブリッジ! タワーブリッジ!』

 

 そして倒れ伏した熊&サメを抱え上げ、渾身の力を込めて背骨をへし折った!

 

「 ろっ、ロビンマスクさん! 」

 

「 ロビンマスクさん! 来てくれたのか!! 」

 

 二人が目をひん剥いて見守る中、瞬く間に熊とサメを倒したロビンマスクが、グイッとこちらに向けて親指を立てる。

 二人を安心させ、自らの勝利を示すように。まさにヒーローの姿!

 

「ロビンマスクさん! 助かったよロビンマスクさん!」

 

「ロビンマスクさん!!」

 

 そして二人が見守る中……ロビンマスクが「よいしょっ!」と窓辺に足をかけ、ピョーンと外に飛び出す。

 悪を倒し、また愛する人々の命を守り抜いたロビンマスクが、颯爽とこの場から去って行った。

 

 

「ありがとーロビンマスクさん! ありがとー!!」

 

「素敵っ! ありがとうロビンマスクさん! 素敵ぃー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は世紀末――――世に悪が蔓延り、人々から笑顔が消えつつある時代。

 しかし彼がいる限り、この世から正義の灯が消える事は無い。

 

 いけ! ロビンマスク! 涙を笑顔に変えるんだ!

 

 世界の平和を守る為……戦えロビンマスク! 愛の為にッ!!

 

 

 

 

 

 

――完――

 

 

 

 

 

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