hasegawaさん、炎の短編集。   作:hasegawa

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 以前からの憧れである恋愛小説を書いてみたくて、自分なりにウンウンと考えはするのですが、でも才能が無いのか、なかなか上手くいきません。
 腹が立ったので、ガリガリ君の二次小説を書きます。


 テンテレテレレレ♪(音楽)





51 恋愛小説が書けないので、ガリガリ君の二次小説を書きます。

 

 

 

「ぼぉくガリガリくぅぅーーーーん!!」

 

 

 埼玉県に本社を置くアイスクリーム専業メーカー“赤〇乳業”の、近くの公園。

 

「うぇへへ~! やっぱりソーダ味は美味しいなぁ~!

 ガリガリガリガリ……! ガリガリガリガリ……!」

 

 そこに、季節はもう秋だというのにアイスキャンディーをガリガリと頬張る、Tシャツに半ズボンという格好の、元気な男の子の姿がありました。

 イガグリ頭に、とても大きな口。頭部はまるでお正月によく見る鏡餅のような形をしています。

 

「おっ、当たりだ! アタリが出たぞぉ~う!

 うわーい♪ もう一本だぁ~♪」

 

 食べ終わった棒に“一本当たり”の文字を見つけ、ガリガリ君は嬉しそうに公園を駆け出します。

 次はコーラ味にしようかな? それともグレープフルーツ味にしようかな? そんな風にウキウキしながら、意気揚々とコンビニへと向かっていきました。

 

「そういえば、明日はお父さんに、釣りに連れていってもらえるんだなぁ~。

 海ってどんな感じなんだろう? 楽しみだなぁ~」

 

 埼玉在住という海なし県民であるガリガリ君は、明日に控えたお父さんとの釣りを、とても楽しみにしていました。

 今までTVでしか見たの無かった、海という物――――

 きっとそれはとんでもなく広くて、大きくて、そして素晴らしい光景に違いありません。

 

 ガリガリ君は初めての海に想いを馳せ、少しだけ海なし県民であるコンプレックスが解消されていくのを感じつつ、コンビニ店員さんに先ほどの当たり棒を渡して“ガリガリ君コーラ味”を受け取るのでした。

 

 

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………………………………………………………………

 

 

「うぉぉぉ! ガリガリガリ……! ガリガリガリ……!」

 

 翌日、ガリガリ君は生誕の地である埼玉県を飛び出し、待ちに待った海へとやって来ました。

 今ガリガリ君は眼前にある素晴らしい景色を眺めながら、クーラーボックスにギッシリと詰まった各種ガリガリ君を、まるで親の仇のような勢いで食い散らかしています。

 

「うぅ……寒いっ! 流石にこの季節、Tシャツ半パンでアイスを食べるのは厳しいぞ!

 激しく身体を打ち付ける寒風に、心まで凍えそうだ!

 でもこんな寒い中で食べても、ガリガリ君は最高だっ! とってもおいしいよっ!」

 

 潮の香はともかく、吹き付ける海風はとても冷たく、アイスのせいで身体の芯からキンキンに冷え切っているガリガリ君の歯が、ガチガチと音を立てます。

 それでもガリガリ君はただひたすら、何かに取り付かれた狂人のようにアイスを食べ続けます。

 いま傍らにあるクーラーボックス。この中身が空になる時まで、ぼくは絶対に手を止めないぞ。必ず全部食べ切ってやる。

 そんな謎の闘志を燃やしながら、黙々とアイスを齧るのでした。

 

 ちなみにガリガリ君の一日の食事は、その大半がアイスで占められています。夏であろうが冬であろうが、毎日ひたすらにアイスキャンディーを食べ続けています。

 アイスキャンディーであるガリガリ君は一本で約69キロカロリー。 糖質も約18グラムと、おにぎり1個の半分程度。

 これで一日に必要な栄養素の全てを賄うには、もうとんでもない本数を消費しなければなりません。常人にはとても真似できない、インドの修行僧も裸足で逃げ出すくらいの苦行です。

 けれどガリガリ君はいつも美味しそうに、そして幸せそうに食べています。

 

 まるでアイスを食うのが己の使命だとでも言うように――――ぼくはアイスを食べる為に生まれてきたんだとでも言うように。

 ぶっちゃけガリガリ君のご両親も『なぜ私の息子はアイスばかり食べるのか?』『こやつは気が狂うておる』と、生まれた時からアイスしか口にしようとしない息子の異常性に、半ば諦め気味ではあるのですが……そんな事ガリガリ君は気にしません。

 

 大好きなガリガリ君を食べながら見る、憧れの海――――

 

 綺麗で、青くて、とっても広い海。ガリガリ君は今日の事は一生忘れないぞと心に誓います。

 そしてまたクーラーボックスから一本取り出し、「うぇへへへ!」とか言いながら噛り付いていくのでした。

 

「それにしても、お父さんはいったいどこへ行ったんだろう?

 もう30分も経つっていうのに」

 

 釣竿をガリガリ君に預け、「トイレに行ってくる」と言ってこの場を離れていったお父さん。けれどいつまで待っても来てくれません。いまこの広い海岸には、ポツンと座るガリガリ君がひとりだけ。

 

 そう、お父さんはあまりに釣れない事に嫌気が差し、ガリガリ君を残して一人でパチンコをしに行っていました。

 育児放棄も甚だしい、いわゆるパチンカスという人種だったのです。

 

 お父さんはどうしたのだろう? ……いや待てよ、あれは本当にぼくのお父さんなのか?

 照りつける太陽と潮風の中、ガリガリ君はウンウンと考えます。

 

 ぼくには妹が一人いる、これは確かだ――――

 でもそれ以外の家族の存在って、公式設定では特に明言されてない(・・・・・・・・・・・・・・・)よね? ならアレは、まったく知らないオジサンだという可能性もあるぞ。

 ヤツはただぼくと一緒に住んでいるだけの、まったく縁もゆかりも無いただのオジサンという可能性は無いだろうか?

 

 ガリガリ君は自身の不透明な出生を想いつつも、ふるふる頭を振って考えないようにしながら、またアイスを食べ始めました。

 

「……ん? あれは何だろう?」

 

 そうしてまた一本食べ終わり、今度は“ガリガリ君シチュー味”に挑戦しようかな~と考えてクーラーボックスに手を伸ばそうとした時……ふとガリガリ君の視界に、人影らしき何かが映ります。

 

「あっ! あれは……!」

 

 

 それは――――人魚でした。

 

 ガリガリ君が見つめる先には、遠くの岩場に腰かけている、今まで見た事もない程に綺麗な、人魚の女の人がいたのです。

 

「……」

 

 ガリガリ君は放心し、遠くにあるその姿から目を離す事が出来ません。

 いま人魚の女の人は、サラサラと風に揺れる美しい金髪の髪を押えながら、まるで慈しむような優しい顔で海を眺めています。こちらに気づく事無く。

 

「なんて綺麗な人なんだろう。

 これが人魚なんだね。ぼく、はじめて見た――――」

 

 海なし県である埼玉を一歩出てみれば、そこには昔絵本で見た人魚の姿。ビックリです。

 ガリガリ君は手元のアイスが溶ける事も気にせず、ただただじっと人魚を見続けます。

 ガリガリ君はあまり見た事は無いけれど……まるで絵画や神話のように幻想的なその姿に、心を奪われてしまったかのように。

 

 お父さんは大当たりでも出したのか、未だパチンコ屋さんから帰って来ません。くそったれのパチンカスです。

 なのでガリガリ君はひとりっきり、いつまでもいつまでも、そうしていたのでした。

 

 

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「あっ」

 

 ガリガリ君が潮風で顔面をカピカピにし、寒さでダーダー鼻水を流しながらも見つめる中……やがて目の前の光景に変化が訪れました。

 いま遠くに見える人魚さんの所に、もうとんでもない大波がザッパーンと襲い掛かったのです。

 

「あ……」

 

 人魚さんは必死こいて岩にしがみつき、なんとかその大波には流される事無く耐えたのですが、後続としてピョーンと飛んできたカジキマグロが〈ゴイン!〉と頭に直撃し、グタッとその場に倒れ伏してしまいました。

 

「いけないっ! 人魚さん!」

 

 ガリガリ君は大慌てで海に飛び込み、プールの授業で習ったクロールを駆使して岩場に辿り着きます。

 

「人魚さん! しっかりしてよ人魚さん!」

 

 岩場からズリ落ちそうになっていた身体を支え、優しく寝かせます。

 くるくると目を回し、気を失っている人魚さんに、必死に声を掛けます。

 やがて日が暮れて、夜の帳が落ちる程の長い間、ガリガリ君はずっと人魚さんに寄り添い、懸命に看護しました。

 

 

『おーい! 誰かそこにいるのかー?』

 

 ガリガリ君に優しく膝枕され、人魚さんの様子が次第に落ち着いて、顔色が戻って来た頃……やがてこの場に誰かの声が響きました。

 ガリガリ君が海に目を向けると、そこにはこの人魚さんと同じく、魚の姿をした男の人の姿。半魚人でしょうか?

 

「……あっ、いけない!」

 

 きっと彼は人魚さんを心配し、ここに駆けつけて(泳ぎつけて?)来たに違いありません。

 それを見たガリガリ君は咄嗟に〈ドボン!〉と海に飛び込み、急いで身を隠します。

 

『あぁ……ありがとう。貴方が私を助けてくれたのですね』

 

 ガリガリ君が海に飛び込む音で気が付いたのか、ちょうどその時、人魚さんが無事に息を吹き返します。

 そしてやってきた半魚人に身体を支えられながら、彼にお礼の言葉を告げました。

 

 そう、人魚さんは目の前にいる彼を、命の恩人と勘違いしてしまったのです。

 彼女を懸命に助けた、ガリガリ君では無く。

 

「……」

 

 半魚人に肩を抱かれる人魚さんを見て、ガリガリ君は少しだけションボリしてしまいます。

 けれど、人魚さんが目を覚まして良かった、助かって良かったと、心から彼女の無事を喜びました。

 

 やがてガリガリ君はザブザブとその場を去り、そして浜辺に帰って来たパチンカスのお父さんと共に、海なし県である埼玉へと帰って行きました。

 

 けれど、あれから地元で遊んでいても、大好きなアイスを食べていても……ガリガリ君の心はずっと囚われたまま。いつもどこかぼんやり。

 あのとき見た美しい人魚さんの姿が、どうしても頭を離れないのでした。

 

 

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「綺麗だったなぁ、あの人魚さん。可愛かったなぁ」

 

 お風呂に入っているガリガリ君が、湯船にブクブクと顔を沈めます。

 まるでテレているのを誤魔化すように。ふわふわしている心に気合を入れなおすように。何度も何度もブクブク。顔を出したり入ったり。

 思えばあの日から、妙にお風呂の時間が長くなっている気がします。ついつい人魚さんの事を考え込んでしまい、こうしてずるずると長風呂をしてしまうのです。

 それによってお風呂上りに食べるガリガリ君の味が、更に格別な物となっています。

 

 寝る時もそう。目を瞑れば人魚さんの姿が瞼に浮かび、なかなか眠る事が出来ません。

 小学校の授業中も、給食の時も、帰り道でも、アイスを食べている時も。ガリガリ君はふと手を止めて人魚さんの事を考えてしまいます。

 たまに先生やお母さんに「こら!」と怒られてしまい、ポカリと叩かれてしまうのです。

 

 けれど……それは決して嫌ではありません。

 むしろ、とっても幸せな。そしてすごく暖かな気持ちが、胸にあふれているのです。

 

「元気にしてるかなぁ人魚さん。……また会いたいな……」

 

 この感情の名前は、まだ小学生であるガリガリ君には分かりません。

 けれどこれがとても大きくて、自分にとって宝物のように大切な物だという事は分かります。

 

 頭がポーっとしちゃって、胸がドキドキいってる。

 ワケも無く嬉しくなって、思わず顔がにやけてしまう。

 どれだけ止めようとしても、止められない気持ち。

 

 人魚さんの事を考えると、ガリガリ君はとても幸せな気持ちになります。

 こんな事、いままで一度もありませんでした。

 これも全部、人魚さんからもらった気持ちなんだと、ガリガリ君は思いました。

 とっても素敵な、暖かな気持ちです。

 

「……そうだ、もしぼくが人魚になれば、もう一度会えるかな?」

 

 何気なく、ふと思いついた事を、ガリガリ君は口にしました。

 現実味の無い、21世紀を生きる現代人とは思えないほど馬鹿げた事でしたが、本当に自然にガリガリ君の口から出てきたのです。

 

 会いたいな。もういっかい人魚さんと会いたい――――

 

 そんなガリガリ君の純粋な気持ちが、そのまま言葉に出たのかも、しれませんでした。

 

 

 

 ……そして次の日。ガリガリ君はある一軒の家を訪れていました。

 

「そうかいそうかい。人魚のお姫様に会う為に、人魚にねぇ……」

 

 ここは近所でも有名なゴミ屋敷。住人達から“妖怪ババア”とか“魔女”とか言われて凄く怖がられている、一人の汚いおばあさんの住む家です。

 

 ガリガリ君は良い子なので、よく登下校の時に元気よく挨拶し、そしてたまにお話なんかもしていたので、このおばあさんとは顔見知り。とても仲良くしていたのです。

 ちなみにおばあさんが好きなのは“ガリガリ君ロイヤルミルクティー味”。なにやらリッチで大人な感じです。

 

「なるほどねぇ……。

 まぁ魔女である私の力を持ってすれば、人間の脚を人魚のしっぽに変える事は出来るよ?」

 

 その言葉に、ガリガリ君は飛び上がりそうな程ビックリします。

 そして思わず、魔女のおばあさんにグィっと顔を近づけ、にじり寄りました。

 

「いやいや、そんな寄らないでおくれ坊や。顔でかい顔でかい。

 ……とにかく、アンタを人魚にしてやる事は出来るんだ。

 でもその代わり、人魚になった足は、泳ぐ度に痛むよ?

 無理やり人魚にした足は、まるで熱湯でもかけられてるみたいに、ずっと痛み続けるんだ。

 これはアンタが人魚でいる限り、治る事は無い」

 

 かの童話でも、人魚姫は人間になった時、歩く度にまるでナイフで刺されたような痛みを受けたと言います。

 諸説ありますが、これは乙女の“処女性”を表しているのではないか、と言われています。

 魚のしっぽであり、決して性行為の出来ない身体である人魚を“処女”になぞらえていて、そして人間になった時に、痛みと共にその処女性を失ってしまうからなのだと。

 

 まぁガリガリ君はそんな事知りませんし、逆に人間から人魚になるのだから、こんなの知ったこっちゃないのかもしれませんが……そもそもガリガリ君って男の子ですし。

 まぁとにかく、人魚になると耐え難い痛みを受け続ける。これは間違いないようです。

 けれどガリガリ君は、またあの人魚さんに会えるのならと、それを受け入れました。

 

「それにね?

 本来人間と人魚じゃあ、生き物としての……存在としてのカテゴリーが違うんだよ。

 人間とは違い、人魚っていうのは神様が作った“精霊”に近い存在なんだ。

 それに無理やりなるって言うんだから、とても一筋縄ではいかないのさ。

 元人間であるアンタには、そりゃあもう色々な制約が付く」

 

 小汚い魔女のおばあさんは、いやらしい笑みを浮かべて「いっひっひ♪」と笑います。

 

「もし人魚になって、そのお姫様と結婚出来なければ……。

 彼女の愛を受ける事により、自己の存在を精霊の域まで高められなければ……。

 アンタは二度と人間には戻れなくなる。

 ……いや、戻るどころか心臓が破れて、アンタは海の泡になって、消えてしまうだろうよ」

 

 人間と人魚との違い。そしてそのあまりに重いリスクを、魔女のババアが突き付けます。

 

「それでも良いのかい? そうまでして……人魚になりたいかい?」

 

 けれど、ガリガリ君は一瞬も迷う事無く、真っすぐにババアを見て言いました。

 

「うん、良いよ。

 人魚さんといっしょにいられるなら――――」

 

 

 怖いです。すごく怖いです。

 人間でなくなる事も、人魚になって痛い想いをする事も。

 そして、もしかしたら死んでしまうかもしれない事も。心臓が破れて、海の泡になってしまう事も。

 

 けれど……ガリガリ君は迷うこと無く言いました。

 ぼくを人魚にしてくださいと、おばあさんに頼みました。

 とっても怖いし、失う物も沢山ある。けれどガリガリ君は人魚になると決めたのです。

 

 だって――――今も胸がドキドキしてるから。

 この“人魚さんに会いたい”っていう気持ちは、ホントだから。

 きっと今の自分にとって、これは何よりも大切な想いだって、そう思うから――――

 

「……そうかい。これは脅しじゃなくて、ぜんぶ本当の事だよ?

 その覚悟はあるんだね?」

 

「うん、良いんだ。ぼくを人魚にして」

 

「やれやれ……人魚になりたいだなんて、偏屈な坊やもいたもんだ。

 アンタは悪い子じゃなかったし、いつも私みたいなババアにも元気に挨拶してくれた。

 だからまぁ……望みを聞いてやらん事も無いがね……」

 

 ババアはゴミだらけの部屋をゴソゴソし、紫色の液体の入った小さなビンを取り出します。

 それは決して“ガリガリ君グレープ味”みたいな、美味しそうな紫ではありません。おどろおどろしい色です。

 

「さぁこれを飲みな。次に目が覚めた時は、アンタは人魚になってるハズさ。

 まぁサービスだ、アンタの身体は海まで運んでおいてあげるよ」

 

 ガリガリ君は紫色のビンを受け取り、キュポンと蓋を開けます。

 そしてそのまま、迷う事無く一気に飲み干しました。

 全ての未練を振り切るように。力強く前に進むように。

 

「魔女との取引には対価が必要だ。私への報酬として、お前の“声”を貰うよ?

 アンタの馬鹿みたいに大きな声は、1キロ先でもやかましい位に響くって評判だからね。

 またロックミュージシャンが来た時にでも、高く売りつけてやるさ」

 

 ガリガリ君の意識が朦朧とし、だんだん瞼が重くなっていきます。

 次に目覚めた時、自分は人魚です。

 愛する妹や、存在の怪しかったお父さんお母さんの事を想い、心の中でごめんなさいと呟きながら、瞳を閉じていきます。

 

 

「あぁそれと――――アンタもう二度とガリガリ君は食べられない(・・・・・・・・・・・・)からね?

 人間と人魚じゃあ食う物が違うんだ! 諦めて別のモン食いな!」

 

 

 そう、閉じていこうとしたのですが……ガリガリ君は〈カッ!〉と目を見開き、ババアに掴みかかります。

 しかしそれを予期していたババアに首の後ろをトスッとやられ、そのまま床に倒れ込みました。

 

 今まで経験した事のない凄まじい絶望感の中……ガリガリ君の意識は闇へ溶けていき、深く深く落ちていくのでした。

 

 

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「あら、なんてブッサイクな人魚なのでしょう」

 

 次に目が覚めた時、ガリガリ君は前に釣りにやってきたのと同じ海、同じ岩場に居ました。

 そして呆けた頭のまま目を開けてみると、そこにはあの時の美しい人魚姫がいたのです。

 

「こんなブッサイクな人魚、いままで見た事がないわ。

 ふつう男の人って半魚人の姿をしているのだけど……貴方は私と同じ人魚なのね」

 

 目が覚めた途端、「ぼくはもう二度とガリガリ君を食べられないんだ!」という凄まじい絶望感が去来してきましたが、今は再び人魚姫に会えた喜びがちょっとだけ大きいです。

 ガリガリ君は自己のアイデンティティ、そしてレゾンデトール(存在意義)を失ってしまい憤死寸前でしたが、なんとか人魚姫にまた出会えた事により、自我を保つ事に成功します。

 

「……ッ! ……っ!」

 

「あら? 貴方もしかして、喋る事が出来ないの?

 ブサイクで、気持ち悪くて、しかも喋れないだなんて……ふふっ♪

 貴方ってとってもおかしいのねっ♪」

 

 世間知らずなのか箱入り娘なのかは知りませんが、人魚姫は辛辣でした。言葉をオブラートに包むという事を知りません。

 

 あのババアが言っていた通り、本当にガリガリ君の声は失われ、話す事が出来なくなっていました。それでもガリガリ君は今、喜びで胸がいっぱい。なんとか彼女とコミュニケーションを取ろうと、必死にパクパクと口を動かします。

 

「まぁ、マンボウの真似? それともボラかしら?

 うふふ♪ 貴方とっても面白いわね♪」

 

 ガリガリ君が口を動かす度、人魚姫はキャッキャとはしゃぎます。

 正直な所、このアマいっぺんブン殴ってやろうかと思わない事もないのですが、ガリガリ君は暴力は嫌いなので、我慢ガマンです。

 でもこれ以上笑ったら、海に突き落としてやろうと思います。

 

「ねぇ貴方、どこに住んでいるの?

 もし良かったら、今から私のお城へ遊びに来ない? お父様やお姉さまにも紹介したいの!」

 

 やがてすったもんだがあり、ガリガリ君は人魚姫に連れられて、彼女の家である海底のお城へと向かいました。

 あのババアが言った通り、泳ぐ度にガリガリ君の新しい脚を、それはもう発狂せんばかりの激しい痛みが襲います。

 もしガリガリ君が声を出せたなら、きっと「ぎぃやぁぁぁぁああああ!」みたいな声が五大陸に響き渡ったに違いありません。

 シュワちゃんみたいに親指を“b”の形にして溶鉱炉に沈めば、今ガリガリ君の受けている激痛を理解してもらえる事でしょう。それくらいの痛みなのです。

 

 けれどガリガリ君は必死に耐え忍び、顔面に血管を浮かせ、食いしばった歯茎から大量の血を流しながらも、スイスイと泳いで人魚姫に着いて行きました。

 この箱入り娘は相手を気遣うとか、ちょっとゆっくり泳いでくれるとかそういった事は一切ありません。情け容赦なく全速力で泳がれたので、ガリガリ君は痛みに耐えつつ、置いていかれないよう必死についていくしかありませんでした。

 人魚としての初めての海は、そんな散々な思い出からスタートしたのでした。

 

 

「――――ほう、なんとブサイクな!

 これは世にも珍しい、古今無双のブサイク人魚じゃな!」

 

「「「あはは! おっかしーい♪」」」

 

 そしてお城に辿り着き、ガリガリ君は人魚姫のお父さんやお姉さん達といったご家族に紹介されます。

 もうコイツラも箱入りなのか、常識や対人スキルが皆無なのか、会った瞬間に嵐のように爆笑されてしまいます。

 今は人魚になりたてで無理だけど、ひと段落ついたら、必ず復讐してやる。ガリガリ君パンチを叩き込んでやる。

 無理やり陸地のお日様カンカン照りな場所に連れて行って、魚に生まれてきた事を後悔させてやる。そう思いました。

 

「お父様! どうやらこの子はブサイクな上に喋れないどころか、住む所さえないという信じられないくらい哀れな子なの!

 だから今日から、ここで暮らしてもいいかしら?」

 

「おぉ、構わんぞ娘よ!

 では今日からこのブサイクを、お前の弟として可愛がってやるが良い!

 ちゃんと面倒を見てやるんだぞ?」

 

「はーいお父様♪ はーい♪」

 

 いくらガリガリ君がイガグリ頭で、男なのに貝殻のブラジャーを着けているからって、これはあんまりです。

 でも一応はここに住むことが出来て、そして人魚姫とも一緒にいられる事になりましたから、結果オーラでした。

 人魚にしてはブサイクで気持ち悪い事が、結果的に功を奏したのです。

 

 

「さぁ行きましょうブサイク! いえ私の大切な弟!

 ほら、ここが今日から貴方の部屋よっ♪ 私と一緒の部屋なのっ♪」

 

 そしてその日から、ガリガリ君は人魚姫と一緒に暮らす事となりました。

 喋る事は出来ないし、脚が痛いので顔面は常に般若のようになってはいますが、大好きだった人魚姫と共に暮らし、なんだかんだと幸せな日々を過ごしていったのでした。

 

 

 

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「あのね……? こんどお父様が、私のお見合いの相手を連れてくるの……。

 私まだ結婚なんてしたくないのに……」

 

 ガリガリ君を食べられないという凄まじい禁断症状に苦しみながらも、なんとか幸せな海底生活を満喫していた、そんなある日の事……。

 共にあの岩場に行き、そして二人でのんびり海を眺めていた時、人魚姫がポツリとガリガリ君に言いました。

 

「お父様はすごく良いお話だって言うけれど……私いやよ、結婚なんて。

 だって私には、好きな人がいるんだもの――――」

 

 まるで仲の良い姉弟のように寄り添いながら、ガリガリ君はじっとその話に耳を傾けます。

 彼はしゃべる事が出来ないから、出来る事といったら、いつも笑顔で彼女の傍にいる事だけ。

 

「あの、私がここで倒れてたのを助けてくれた人……。

 私はあの人が好き――――恋をしているの」

 

「けれど、あのお方が誰だったのかは……もう分からない。

 私を助けた後、名前も告げずに去ってしまったから」

 

 ――――違う、君を助けたのは、ぼくだよ。

 ガリガリ君は本当のことを伝えようとしますが、声を失っている為に、どうすることもできません。

 

「きっともう会えない。だって海は、こんなにも広いから……。

 でもね? なんだか貴方って、どこかあの時の人に似ている気がするの。

 ……だから私、貴方のこと好きよ?」

 

 人魚姫は寂しそうに、でもとても愛らしくガリガリ君に微笑みかけます。

 

「貴方は優しくて、いつも私と一緒にいてくれるから、大好き――――

 だからもし結婚するのなら、わたし貴方が良いわ。

 ……ずっと私と、一緒にいてくれる?」

 

 

 ガリガリ君は彼女の手を握り、コクリと頷きます。

 それだけが今のガリガリ君に出来る、ただひとつの事……だったから。

 

 

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「聞いてちょうだいっ!

 なんとあの方が、あの時私を助けてくれた人だったの!」

 

 その言葉を聞いたのは、あれから数日後の事でした。

 人魚姫はガリガリ君が今まで見た事の無いくらいの笑顔で、嬉しそうに語ります。

 

「お父様が連れてきたお見合い相手がね? なんとあの時のお方だったの!

 あぁ……こんな事ってあるのね! 私いま、とっても幸せよっ♪」

 

 ガリガリ君の手を取って、クルクルとダンスのように回る人魚姫。そしてただただそれに合わせるガリガリ君。

 やがてすぐ二人の結婚式が執り行われ、ガリガリ君は痛む脚を我慢しながらも、一生懸命に式のお手伝いをしました。

 

「ありがとう、私の弟。

 これからは離れ離れになるけど……どうか元気でね?

 私この人と、幸せになるわ♪」

 

 

 今ガリガリ君の目の前で、あの男の人と人魚姫が、誓いのキスをしました。

 辺りには歓声を上げる彼女のお姉さん達、そして二人を祝福する沢山の人達の姿があります。

 

 声を出す事の出来ないガリガリ君は、二人におめでとうの言葉を言ってあげる事が出来ません。

 その代わり、必死に涙をこらえ……二人の幸せを願って、ニコッと精一杯の笑顔を作りました。

 

 

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「おにいちゃん! 起きておにいちゃん!」

 

 結婚式が終わり、人魚姫と新郎が新婚旅行の旅へと出かけるという、前日の夜。

 ひとりベッドに横たわり、涙で枕を濡らしながら眠っていたガリガリ君に、声を掛ける者がいました。

 

(――――ガリ子! お前ガリ子じゃないか!)

 

「そうよおにいちゃん! ガリ子よ! おにいんちゃんの妹のガリ子よ!」

 

 今ダイバースーツに身を包み、ガリガリ君の顔を覗き込んでフワフワと泳いでいるのは、かつて妹として一緒の家に暮らしていたガリ子ちゃんその人でした。

 なんとかお兄ちゃんに会いたいと、こうして酸素ボンベやダイバースーツまで準備し、海底の奥深くまで潜ってきたのです。

 まだ幼稚園児だというのに、凄まじい行動力。兄妹愛の成せる技でした。

 

「おにいちゃん! これを受け取って!

 あの魔女のババアに、私の美しい髪と引き換えにして作って貰ったの!」

 

 よく見ればガリ子ちゃんの髪は、以前より短くなっているようでした。

 かつてガリガリ君と同じ顔面にツインテールという、「これは萌えキャラなのか、萌えキャラじゃないのか?」という大論争をネット上で引き起こしたというその容姿は、今はもう変わってしまっていました。

 女の子だというのに、イガグリ頭。生物学上は女というだけで、寸分たがわずガリガリ君と一緒の見た目です。

 彼女は立派な女の子だというのに、これはあまりにも不憫な事でした。

 

 しかし、彼女がいま手にしているのは、そんなガリ子ちゃんが自身のトレードマークであるツインテと引き換えにして手に入れたという、“ガリガリ君ナポリタン味”。

 

「朝日が昇る前に、これをあの女の口に突っ込むの!

 これをあの女に食わせれば、おにいちゃんは元の人間に戻れるわ!」

 

 どういう事か分かりません。

 今はすでに生産が中止されたハズのガリガリ君ナポリタン味が、なぜ今ここにあるのか。そして何故ガリガリ君ナポリタン味を人魚姫に食わせれば、元の人間の姿に戻れるのか。

 きっとガリ子ちゃんがババアと交渉し、たまたま“人間に戻る為の道具”がこのガリガリ君ナポリタン味だったのでしょうが……世の中は思いもよらない程に不思議がいっぱいでした。

 

「じゃあねおにいちゃん! 酸素ボンベがそろそろギリだから、あたし帰るわ!

 ちゃんと朝日が昇る前に、あの女に食べさせるのよ!」

 

 そう告げてガリ子ちゃんは、スイスイ泳いでと窓から出ていきます。

 この場に残されたのは、未だボーゼンとベッドにいるガリガリ君……そして手元にあるガリガリ君ナポリタン味だけでした。

 

 

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(これを……人魚姫に食わせれば……)

 

 今ガリガリ君は、人魚姫が眠るベッドの前に居ます。

 そこには共にスゥスゥと眠る半魚人の姿もあり、彼女たちが先ほどまで張り切って初夜をハッスルしていたであろう事が伺えます。

 そんな人魚姫の顔を覗き込み、いまガリガリ君が静かに、手に持っているガリガリ君ナポリタン味を構えました。

 

(これを食べさせれば……ぼくは人間に……。

 またガリガリ君を食べられる……!)

 

 さっきまでしっぽりいっていたであろう、そして今はすやすやと幸せそうに眠る人魚姫。

 その口元を目掛け、ガリガリ君がナポリタン味を振りかぶります。

 

(これをっ……! これを食べさせさえすればっ……!

 ぼくは人間に戻って……! またいっぱいガリガリ君をッッ!!)

 

 

 けれど――――それは出来ませんでした。

 ガリガリ君は力なく腕を下ろし、そしてポロポロと涙を流しながら、その場に崩れ落ちます。

 

 

(――――出来ないよ!! こんなマズい物(・・・・・・・)、食べさせられないッッ!!!!)

 

 

 ガリガリ君ナポリタン味――――それは発売当時、会社に約3億円の損失を出したという伝説を持つ、凄まじいマズさのアイスキャンディーでした。

(※注意! これは決して誹謗中傷ではありません)

 

 この「マズい」という認識は、ガリガリ君を作った商品開発部もしっかりと認識しており、その上で「えーい発売しちゃえー!」とばかりにあえて発売されたという経緯を持つのが、このナポリタン味なのです。

 

 当時ネットでは「凄まじくマズい」「吐きそう、我慢出来ない」「人知を超越した前代未聞のマズさ」というレビューが嵐のように吹き荒れ、そのあまりのマズさによって逆に大きな話題になったという逸話さえある。

 

 このナポリタン味は“あえて”マズく作られた商品――――意図して変に、そして悪ふざけにも似た商品開発部のチャレンジ精神によって発売された、そんなガリガリ君であるのだ。

 ……しかしながらこれは、『楽しく、面白く、ばかばかしい』という赤〇乳業の理念をまさに体現したアイスキャンディー。

 

 馬鹿アイスとして後に大ヒットした“ガリガリ君たまご焼き味”の前身となった、マズくても偉大なアイスキャンディーなのだ!

 重ねて言うが、これはれっきとした【ガリガリ君の歴史解説】であり! 決して同社の商品を誹謗中傷する意図のない事を! 理解して頂きたいッ!!

 ――――私はガリガリ君がっ、大好きなんですッ!!

 

 

(駄目だよ! ぼくには出来ない!

 こんなモン食べさせるなんて! 出来ないよ!)

 

 そりゃそうです、これは大の大人でも「ぐぅえっ!?」とか言って吐き出すマズさなのです。

 ぶっちゃけた話、こんなモン食わせたら死んでしまいます。

 伊達に赤〇乳業も3億円の損失を出していないのです。 ※誹謗中傷に非ず。

 

(ぼくには出来ないっ! 人魚姫が死んでしまうッ!

 ――――それならぼくはっ! 人間になんて戻れなくていいっ!!)

 

 

 

 

 

 

 ガリガリ君が「えいやっ!」とナポリタン味を自分の口に放り込み、そのまま海に身を投げました。

 波にのまれながらガリガリ君は、そのあまりのマズさによって自分の身体が崩壊し、そしてだんだん溶けて泡となっていくのを、ハッキリと感じます。

 

(あぁ……マズい。なんてマズいんだナポリタン味……。

 これがぼくの食べる、最後のガリガリ君なんだね……)

 

 

 マズいとはいえ、最後にガリガリ君を食べる事が出来た。

 それは人魚となり、もう二度とアイスを食べられないと思っていたガリガリ君にとって、せめてもの救いとなりました。

 

 今も口の中に残るマズ味……でもシャリシャリと心地よい、いつものかき氷の食感。

 それを楽しみながら……ガリガリ君は祈ります。

 

(人魚姫、きっとしあわせになってね。

 どうかいつまでも、げんきでいてね――――)

 

 

 そう彼女の幸せを願いながら、泡となって消えていきました。

 

 

 

 

………………………………

………………………………………………………………

 

 

 

 

 しかし、どうした事でしょう!

 泡と消えゆくガリガリ君の身体を、突然眩いばかりの太陽の光が包み込みます!

 

『ガリガリ君――――ガリガリ君――――きこえますか?』

 

 身体は軽くなり、まるで世界と一体化したような感覚をその身に感じながら、ガリガリ君はその声を聞きました。

 

『よく頑張りましたねガリガリ君――――

 貴方は最後まで彼女を想いやり、そしてガリガリ君ナポリタン味を見事に完食するという、とてつもない偉業を果たしました。

 よってその魂は、神の領域へと昇華したのです――――』

 

 優しく、暖かな声。これは神様の声でしょうか?

 いま眩い光に照らされたガリガリ君が、閉じていた瞼をそっと開きます。

 

『これから貴方は風となり、この世界を自由に飛び回る存在となります――――

 そしてこの世界全ての子供たちを見守る、“ガリガリ大明神”となるのです――――』

 

 ……今よく分からない言葉がガリガリ君の耳に届きましたが、ガリガリ君はそんな事も気にせず、ただこの不思議な全能感に身を委ねます。

 

『子供たちが一本ガリガリ君を食べる度に――――

 また一本ガリガリ君の当たりを引く度に、貴方の力は強化されていくでしょう――――』

 

『そしていつか貴方は、この世界に再臨します。

 凄まじい力をもった神、ガリガリ大明神として――――子供達の守護神となるのです』

 

 

 

 

 

 もうホントによく分からないが、とりあえずガリガリ君は目を覚まし、そして今度は海でも陸でも無く自由に世界中を駆け回る風として、生まれ変わったのだった。

 

 きっとこれから、みんながガリガリ君を食べる度に、ガリガリ君の復活の日はどんどん近づいていく事だろう。

 そしていつの日か赤〇乳業の誇る日本一のアイスキャンディーであるガリガリ君によって、世界中に笑顔が溢れる事だろう。

 

 戦争も無くなるし、貧困も差別も無くなるし、うさんくさい宗教に変わってガリガリ君の伝説を経典とした新しい宗教が生まれるハズだから、やがて世界は完全なる平和を手に入れる事だろう。

 

 その日が来るのを、みんなでガリガリ君を食べながら、楽しみに待とうではないか。

 ガリガリ君は……いつもみんなの心の中に。いつも君の隣に。

 

 

 

 

 

 ~ハーメルン名作童話劇場 ガリガリ君 完~

 

 

 

 






 とりあえず、ガリガリ君の物語は、だいたいこんな感じだ――――

 これで私も頭の中の整理整頓が出来たので、次こそは恋愛小説を書けるよう、頑張ってなんやかんやしていく事を誓いつつ、ここで筆を置きたいと思う。

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