「では一息ついたところで、続いてのお題は……これだぁぁーー!!
ぬぅおおおぉぉぉ~~っ!」
「ソフィーさん……だいぶはっちゃけてきたよね」
「さっきの天津飯さんのトラブルが、いい感じに吊り橋効果になったのかも……。
私たちに心を開いてくれたんだね」
シンジくん&みほに暖かく見守られながら、ソフィーがお題の箱から手を引き抜く。
「ジャジャン! “印象に残っているご感想ベスト3”!!
これについて話し合っていこう!」
やっぱりちょっと恥ずかしかったのか、テレテレしながらイソイソと座る。
ソフィーはこの中では一番年上だけど、「なんか可愛い人だな」という感じだ。
「ここでは今まで私たちの作品に頂いてきた、読者の方々からのご感想コメントについて、議論していきたいと思う。
特に印象深かった物を紹介していくが、一応プライバシー保護の観点から、投稿して下さった方々についてはお名前は伏せさせてもらう。
そして人様の物を丸々コピペするも憚られるから、ある程度は崩して書く事とするよ。
ここで紹介する物は、あくまで『こんな感じのご意見だった』と思ってくれ」
「了解したわ。
というか作品ごとに、やっぱ頂いたコメントの数って、だいぶ違うわよね?
今まででどれが一番多かったの?」
「うーん、やはり多く読まれていたトトロや、一か月一万円になるだろうね。
ただ話数やアクセス数に関わらず、なんかみょ~にいっぱいコメント貰えたなーという短編作品もあるから、これは一概には言えないな。
中には毎回のようにコメントをして下さり、陰から作品を支えてくれる方々もいるのだ」
ハルヒの質問に答えたソフィーが、また懐をゴソゴソし、一枚のプリントを取り出す。
ぶっちゃけおっぱいの所から取り出しているのだが、四次元にでもなっているのだろうか。
「ひとつ言えるのは、ご感想を頂ける事は、私たちにとって何よりの励みだよ。
今後の活動への指針になるし、何よりモチベーションが爆上がりするからね。
とてもありがたい事だよ」
「ぼくも作品を読ませてもらったら、出来るだけ感想を伝えるようにしているよ♪
まぁなんて書けば良いのか分からなかったり、上手な言葉が見つからなくて悩んじゃう事はあるけど。これってとても大事な事だよね♪」
「ガチャピンの言う通りだ。感謝の気持ちを伝えるのは、とても大切な事だよ。
今後私たちも、恐れる事なく作者さまに感想コメントを贈ろうじゃないか!
では早速、“印象に残っているご感想”の発表だぁぁーー!」
☆印象に残っているご感想 その1☆
・おめぇ頭おかしいのか?(誉め言葉) 【汚いザンギエフを見つけたので】より
「ひどいっ!!」
「悪口! これ悪口じゃねぇか!」
先ほどまでの良い雰囲気は消し飛び、ハイジ&ふじおが絶叫した。
「……いや、実はそうでも無いんだよ……。
よく見てくれみんな。ちゃんとコメントの最後に(誉め言葉)って付いてるだろう?」
「そんなの関係ないよ! 頭おかしいって言われちゃってるじゃん!
純然たる侮辱だよ!」
「いやいや、それにほら……よく見てくれ。
よく読んでみると、これDBの悟空っぽい口調に見えてこないか?
これはそういった軽いジョークであってだな。
実際に私は、これを見た途端に噴き出してしまったし、決して悪口では……」
「正直、微妙な所だと思います。
あの有名な、いわゆる“猫虐待コピペ”をザンギエフでやったのですから。
少女が汚いザンギエフを拾う話なのですから、頭がおかしいと言われても……」
ハイジ&セイバーに責められつつ、必死にフォローを入れるソフィー。正直敗戦が濃厚だ。
とりあえず埒が明かないので、次のご意見に行く事とする。
☆その2☆
・君は実にバカだな(誉め言葉) 【身体パン】より
「だから悪口っ!」
「バカって言われてるじゃない! 貶されてるじゃないの!」
絶叫するガチャピン&ハルヒを、ソフィーとアンパンマンが必死に宥める。
「実はこれも、ドラえもんの名言のオマージュなんだよ……。
だからこれは、分かっている者同士で言うジョークのような物であってだな……。
決して悪口ではないんだよ……」
「身体パンの作中で、士郎くんが“のび太くん”の名言をパクってるシーンがあってね?
きっと、それを読んで言ってくれたんだと思う。同じドラえもんネタだし……」
確かに一見キツイ感じはあるが、ちゃんと横に(誉め言葉)と付いている事だし。ここは読者の方を信じていこうと思うソフィーである。
ポジティブな気持ちというのは、とても大切なのだ。
ちなみにこれらをくれた読者さまは、それぞれ別の人である。
☆その3☆
・発想が狂ってる。 【メディア ~冬木のロッキー~】より
「ちょっと待って下さい! さっきからロクな物がありません!」
「ぜんぶ作者への悪口じゃないの! なにさ狂ってるって!」
もう西住さんとまる子のキャラが崩壊している。それほどの酷さであった。
「いや……これはけっこうお褒めの言葉だったんだよ……?
頂いたコメントの文章では、基本的には沢山褒めて下さっていたんだ……」
「ようは、なぜFateのメディア主演で、映画ロッキーのパロディをやろうと思ったのか?
という事です。彼女はもやしのように貧弱な魔術師なのです。
この方のお言葉は、とても的を射ているように思う。あり得ない配役です」
fateのヒロインであるセイバーをしても、これは擁護出来ないようだった。
「……実はアレの発想には、まず先にロッキーがやりたいという想いがあったんだ。
そしていつもの如く『じゃあ書きやすいFateで』という安直な発想の下、あのクロスオーバー作品は制作されたんだよ……。
だから『あえてロッキー役を任せるなら』という事で、メディアさんが選ばれたんだ。
後に世界チャンピオンとはなってはいるが、実はロッキーは最初ただの街のゴロツキで、うだつの上がらない生活を送っていたんだよ。
だから暗い過去のあるメディアさんを主役にあて、恋人のエイドリアン役を宗一郎さんに……」
「理由は分かりましたが、やはりおかしいと思う。
やるなら私やアーチャーとかで良いじゃないですか。なぜその配役なのですか」
この一見「なんでやねん」みたいな配役から、先の発想が狂っているというご意見を頂いたのだろうが、実のところソフィー的には『なにがおかしいのか分からない』という気持ちだったりする。
何がおかしいのか、なぜ狂っているとか言われるのか。それがどうしても理解出来ずにいるのだった。私は真面目に考えて書いたんだぞと。
「お前の配役はおかしいシリーズで言えば……このコメントもそうだな。紹介しよう」
☆その4☆
・なんという誰得 【対魔忍ガチャピン】より
「この作品に関しては、多くは語らないが……。
ざっくり説明すると『敵に捕らえられたムックがエロい拷問を受け、んほぉぉ~とかアヘェ~とか言っちゃう』という内容の小説だぞ」
「――――誰得っ!?!?」
なんで書いた?! なんでムック?!
この作品に関しては多くを語らないが、なんか妙にいっぱいコメントを貰えた思い出がある作品なのだった。みんなエッチである。
「プチ悪口系はこの辺にして、次は作風に関してのご意見だぞ。いってみよう!」
☆その5☆
・息継ぎをする暇くらい下さいよ!! 【機動武闘伝、寿司ガンダム】より
「これは……どういう意味かな? 息継ぎって?」
「あぁ、これは『もっとインターバルを入れろ』みたいな意味だぞ。
私って短編コメディを書く時に、もうひたすらボケで畳みかける事があるだろう?」
「あるね。情景描写とかの間を置かずに、ひたすらボケ→ツッコミ→ボケ→ツッコミをいくつも繰り返してる時。嵐のように畳みかける感じで」
「ようはそこでガハハっと笑ってくれてて、でもどんどん矢次にボケ倒してくるものだから“息が出来なくなる”みたいな意味だったんだと思う。
読んでて疲れるから、もっとひとつひとつのボケに間隔を空けてくれ、という事だな」
ソフィーの解説にフムフムと頷くガチャピン。言われてみれば、確かに読みづらさを感じる部分なのかもしれないと思う。
例えば漫才などでも、お客さんがアハハと笑ってくれている時は“笑い待ち”という、わざと喋るのを止めて時間を摂るやり方がある。
会話のテンポは悪くなるが、ひとつひとつのボケにしっかりと向き合うための時間が出来るので、お客さんも疲れないし、なによりネタの内容を理解してもらいやすい。
「まぁ言うなれば、“読者を置いてけぼりにするな”というご意見だな。
私的には楽しく書いてても、それに読者がついて来られないのであれば、本末転倒となる。
勢いだけではなく、時にはひとつひとつのエピソードをじっくり描写するのも大切だ、というワケさ」
ちなみにこれと同じ内容のご意見を、ブチ切れハイジを始めとして、数多くの作品で頂いている。
恐らくは、hasegawa作品が「読んでて凄く疲れる」と言われる原因のひとつであるのだろう。今後も精進していきたいと思う。
☆その6☆
・電車の中で読んでしまい、噴き出して恥ずかしい想いをした。 【コメディ全般】
「これはいつも『申し訳ない!』とは思いつつも、どこかガッツポしてしまうヤツだな」
「噴き出すくらい笑ってくれたって事だもんね。
こればっかりはもう『ご愁傷様!』としか言えないわ。
こちとら笑わせ屋。笑わせてナンボの世界で生きてんのよ! ゴメンね!」
「ちなみにハルヒよ。
これの亜種で『スマホがツバで汚れたから訴訟』というのもあるぞ。
ほかにも飲み物を噴き出して、そこら中汚したとかな」
「あたし達の小説による被害総額って、いったいどれくらいあるのかしらね……?
ほんと申し訳ないんだけど、こればっかりはもうガッツポなのよ!
あたしを誰だと思ってんのよ! でもゴメンね!」
コメディ作家は、笑いの奴隷なのだ!
もうどんな被害があろうが、誰がどんな目に合おうが、ただひたすら笑いを追求する人種。
自らの身だけでなく、他の全てを犠牲に捧げても「それで良い」と思える、そんな罪深き人種であるのだ! どうかご勘弁頂きたく思う。
「続いては、純粋に印象深かったというコメントを紹介していこう。
いわゆる『ナイスなコメント』というヤツだ」
☆その7☆
・えっ……クララ立ってない? 立って無いの? そうかそうか立って無いんだな。
俺の見間違いかなってクララ立っとるやないかいッ!! 【ブチ切れハイジ】より
「見事なノリつっこみだ。素晴らしい」
「正直、こんだけ切れ味よくつっこんで貰えると、頑張って書いた甲斐があるわよね。
作者冥利に尽きるわ」
ちなみにこのコメントを頂いた時、ハイジは本当に嬉しかったそうな。
この方につっこんで貰う為に、自分はこれを書いたのかもしれないとすら思った。
☆その8☆
・美しい言葉やなぁ……。 【とても嫌な名前ガルパン】
「ちなみにこれは、大洗の仲間である“日雇い労働者さんチーム”についてのコメントだぞ」
「あるよな、こういう言葉。
短い言葉なのに、もうフワッとイメージが頭に浮かぶような、美しい日本語がよ……」
ちなみにこのチーム名は、ハーメルンの読者さん達から募集した物のひとつである。
言うまでもなく作品内で採用させてもらい、当時は多くの反響があった素晴らしい言葉だ。
こういった“美しい言葉”は、それだけで頭の中にイメージが浮かび、それが物語となって小説が出来る事が数多くある。
日本語というのは素晴らしい言語だと実感せざるを得ない。
「そしてここからは少し趣向を変えて、
“ちょっと困ったご感想集”というのを紹介していきたいと思う。
これは今まで私が頂いた中で、特に『ご返信に困るな~』と思った物から選んだぞ」
「えっと……だいじょうぶかい?
さっきのじゃないけど、悪口になっちゃわないかい?」
「う~ん。確かにどう取られるか怖い気持ちもあるんだが……。
決してこれは読者の方を馬鹿にしたり、中傷する意図は無い事を、分かって欲しいんだ。
せっかくの機会なので、投稿者側から見た“ちょっと困ったコメント”というのがどんな物なのかを、知っておいて欲しいと思ってね。
今後みんなが好きな作品にコメントを送る時の、参考にしてくれ」
☆少し困ったご感想集 その1☆
・私が好きなのはオンユアマークです 【あなたトトロって】より
「これはなに? オンユアマークって……ジブリ作品のヤツかぃ?」
「その通りだ。この方は自分の好きなジブリ作品を書いてくれた、という事だな」
ソフィーはうんうんと頷いているが、まる子はキョトンとした顔。いったい何が困ったコメントなのだろうと。
「実はね? 一見なんの問題もない文章に見えるのだが……これってハーメルンの利用規約違反になる可能性があるんだよ。
この方はただ一言、あなたトトロの作品感想欄に『オンユアマークが好きです』と書いたワケなのだが……でもあなたトトロには、どこにもオンユアの要素なんて出てきていないんだ」
「!?!?」
「ハメの感想掲示板は、あくまで“作品の感想を伝える場所”なんだよ。
当然ながら、まったく関係のない内容のコメントするのは、利用規約違反となる。
ここはアンケートをする場所でも、雑談をする場所ではないからね。
……この方は、ただただ自分の好きな作品名を、感想欄に書いた。
しかもあったのはこの一言のみで、他にあなたトトロに関しての感想は、全く無かった。
ただ『自分はオンユアマークが好きだ』と報告しただけ、になるんだな」
「うん……これは困るねぇ。
そもそもあたしに言われたところで、『はいそうですか』としか言えないよ。
しかもアンケート禁止や、関係ない内容っていう、二つの規約違反をしてるし……。
これにはご返信の仕様がないよ……」
「当時のあなたトトロでは、作品の感想を言うと共に、ご自身のジブリへの熱い思いを語り合うという、そんな場所でもあったんだ。
だから皆さん、もののけやラピュタといったご自分の好きな作品名を、たくさんコメント内で教えてくれていたよ。
けど、あくまでここは“感想欄”なのだという事を、しっかり覚えてて欲しいんだ。
作者は感想コメントを頂くのが何よりの喜びなのに……せっかく書いてくれた物が利用規約違反で運営さんに削除されちゃったら、とても悲しい想いをなさるだろうからね」
☆少し困ったご感想 その2☆
・○○が□□してるシーンが頭に浮かんだ。 【一か月一万円】など多数。
「ようは、ふんわりした“リクエスト”だね。
こういうアイディアを思いついたよ! どうですか作者さん!
……みたいな事だな」
「さっきもあったけど、感想欄でのリクエスト行為って、利用規約違反なんですよね?」
「その通りだシンジくん。
だから運営さんに怒られてしまわないように“ふんわりと”書いているんだよ。
こういうの書いて欲しいな~。やってくれないかな~という風に。
あくまで『頭に浮かんだ』と言っているだけだから、リクじゃないと言い訳が効く。
正直な話……ちょっとグレーなやり方だね」
こんなクロスオーバーが見たい。このキャラを出して欲しいな。こんなエピソードはどうだろう。
二次小説を読んでいれば、誰しもが一度は思う事だ。
「これはファンとしての心理というか、私の想像でしか無いんだがね?
きっとこのコメントをする方々って、“作者さんの意見を聞きたい”のではないかと思うんだ。
こんなの思いついたよ! これ作者さんどう思います? 良いと思いません?
そう提案して、もしその作者さんが褒めてくれたら……とても嬉しい事だと思うんだよ。
もし万が一にでもアイディアが採用されたら、言うまでもなくすごく嬉しいだろうからね」
「けれど……キツイ言い方のようですが、それは“マナ―違反”です。
せっかく思いついたアイディアをお伝えしたい気持ちは、痛いほど分かります。
けどそれをした所で、きっと作者さんは、喜んではくれません。
……下手をすれば、感想欄を読みに来た他の方々に『俺はこんなアイディアを思い付いたぞ』という、変な自慢のようにとられてしまいます。
そもそも、マナーを無視して提供した物を、作者さまが使ってくれるハズないんです」
みほの意見に、ソフィーも静かに頷きを返す。
たとえば、ちょっとした自己顕示欲。『俺は小説は書いた事ないけど、こんなのを思い付けるんだぞ』と、そんなちょっとした気持ちからくるファン心理なのかもしれない。
すごい小説を書ける作者様に対する、ちょっとした見栄もあるのかも。
だが本当に作者さんに協力し、アイディアを提供するつもりがあるのなら……。
マナ―違反を犯したり、逃げ道を作るようにふんわりと告げるのではなく、活動報告や直接のメッセージでお伝えするべきだ。
「こういう類のコメントを頂いた時は、私はこう返信するよ。
『私の事は気にせず、どうぞそのアイディアで小説を書いて下さい♪』とね。
人に書いてもらうのではなく、自分で思いついた物は自分で書くべきだ。
そして完成したら必ず読ませて頂きますからと、そうお伝えしているんだよ。
……まぁ今まで、それで実際に書いてくれた人は、ひとりも居ないけれど……』
「あはは……」
☆少し困ったご感想 その3☆
・あれって〇〇じゃないと思うけど…… 【エヴァ作れませんでした!】など多数
「うわームカつく! いやらしい言い方だわ!
特に三点リーダー使ってる所なんか!」
「そう言うなハルヒ。
まぁこれも、さっきのと同じ“ふんわりとした”指摘だな。
あくまで思うだけなので、たとえ間違っていても、言い訳が効くやり方なんだ」
「言うならハッキリ言いなさい! 男らしくないのよ!
まぁもしかしたら、女の子が書いてるのかもしれないケド」
「そして、これは私の経験からなんだが……。
こういった指摘って“8割以上は間違い”なんだよ。
なんてったって、二次小説を書いている人の原作知識は、もうとんでもないんだぞ?
このコメントは、ただの揚げ足取り。しかも発言の責任は負わない。
そしてこれも経験則なんだが……こういうコメントをする人は、作品を読んだ感想自体は書いていない事が多い。
ここは“感想欄”であるハズなのに……」
「正直これ……来たらすごくテンション下がるコメントね。
ただ他人の揚げ足取りがしたいだけじゃない!」
「まぁこういった事は、本当によくあるんだよ。
ネットという場所に投稿して、不特定多数の前に晒されるのだからね。
どうしてもこういった“こまった人達”はいるのさ。
私のような細々とやってる人間の作品でも、何万人という人達に読まれているんだぞ?
時に、人の悪意に晒される事もある。……悲しいけれど、これは事実だよ」
プリプリ起こるハルヒを宥め、よしよしと頭を撫でてやるソフィー。
「これは『小説を書いてみたい』と思っている人に、聞いて欲しいんだが……。
ネットに小説投稿をするのなら、“中にはそういう人もいる”という事を、しっかり覚悟しておかなければならないよ。
これは人気作になればなる程、そうなんだ。決して褒めて貰うばかりじゃないし、楽しい事ばかりじゃないって事を、覚悟して欲しいんだ」
「そして――――そんなコメントにまともに相手したり、喧嘩したりしちゃ駄目だ。
そうでないと……きっと嫌な思いばかりして、すぐに潰れてしまうよ。
もしそれで書く事が嫌いになってしまったら、もう身も蓋も無いから」
なにやら真面目な雰囲気になってしまった。
それを感じたソフィーは、少しおどけるような感じで、次のコメントを発表する。
「じゃあこれは、さっきまでのとは違い“別の意味で困ったご感想”なんだが……。
参考までに見て欲しい……」
☆少し困ったご感想 その4☆
・作者さまの素晴らしい人間性と、優しい人柄が作品に表れていて…… 【キッズアニメ系】
「ちょっと待って! これどういう事?!」
「なんだよコレ!? どうなってんだよ!?」
「いや……私もこのご感想には、たまげたんだ。
まさか私という人間が、そんな風に見られているだなんて……」
目をひん剥いて叫ぶ主要キャラ一同。有り体に言えば『そんなワケねぇだろ!!』みたいな事である。
「えっとね……?
さっきもあったけれど、“読者からはこちらが見えない”というヤツなんだよ。
このコメントをくれた方は、私が書いた作品の印象で、あたかも私の事を聖人君主のような、とても素晴らしい人間だと思って下さってる……というワケなんだな……。
普段からアンパンマンや世界名作劇場、そして各種キッズアニメを題材にして書いている弊害なんだろうと思う……」
「……!!??」
「ちなみにだが、この逆バージョンもあるぞ?
私が書いた戦争物の作品を斜め読みして、『コイツは左翼のクソ野郎だ!』と怒りに任せて罵倒コメントを書いて下さる方も、中にはいらっしゃるんだ」
「……!!!!」
「言うまでも無いが……私は聖人君主でもなければ、旧日本軍を批判する左翼でも無い。
私はあくまで“物語”を書いているんだよ……」
ソフィーは困った顔で頬をポリポリする。
シルベスター・スタ〇ーンはロッキーという映画を作ったが、決して彼自身がロッキーのようにタフなワケでは無いのだと。
「作品内に登場するキャラ達は、私の考えの代弁者でもなければ、分身でもない。
私は小説を書く時は、自身の性格を投影するのではなく、『この子ならこう喋るだろう』と想像しながら書いているんだよ。
そもそもだ? オリジナル作品を書く人ならいざ知らず……いつも私は原作キャラありきの二次小説を書いているだろう? 元々あるキャラを書いているじゃないか……。
なぜそこに、私の性格が反映されてると思うんだ?」
「えっ……でもソフィーさんはオリ主でしょう?
なら多少なりとも、自分の性格が反映されるんじゃ……?」
「例えば『こうだったら面白いな』とか『こういうキャラが好きだな』という理想、という意味だったら、そうかもしれない。
だが私というキャラに、作者との人格的な共通点は、
まぁ【ガンランスの話をしよう】という作品に関して言えば、私の趣味全開で書いている物だから、同じガンスを愛する者同士であるという共通点はあるけれど……。
でもあくまで
「こ、好みとかあるじゃない!
キッズアニメが好きだとか、コメディが好きだとか!
そういう好みは作品に反映されるんだから、ちょっとは人柄が出るんじゃないの?!」
「わからないぞぉ~?
もしかしたら私が『やさしい人だと思われたい』から、読者の方々に良い風に見られたいから、こういった作品を書いているのかもしれないぞぉ~?
こういうのがウケるんじゃね? とか思ってやってるのかもしれないぞぉ~?」
「…………!!??」
みほ&ハルヒが絶句する。ソフィーは何やら楽し気な顔だ。
「美味しんぼの海原雄山は、素晴らしい芸術家だと聞く。
人の心を打つような、美しい物を作る事が出来る人なんだ。
……けどリアルの人柄で言えば、彼はかなりの頑固ジジイだろう?
強い信念を持った人ではあるけれど……とてもじゃないが人格者とは言えないよ。
まぁつまりは……そういう事なんだ」
「…………」
「ハッキリ言っておくよ。
私自身の人柄は、書いてる作品の内容とは全く別なんだ――――
それについて、ひとつ面白い話があるのだが……聴きたいかい?」
一同は言葉なく、ただ黙ってコクリと頷く。
「……私も以前は、同じことを考えていたよ。
自分の愛する作品の作者さんは、きっと素晴らしい人間性を持つお方なんだと。
こんなにも素晴らしい物を書けるのだから、そうに違いないと」
「…………」
「だがね? こうして自分で小説を書くようになって……そしてさっきのようなご意見を頂いた時に、ふと思ったのだ。
あれっ? 今までそう思ってたけど……もしかして違うんじゃね?
別に聖人君主じゃなくても、面白いもの書けるんじゃね? ……と」
ソフィーは「カッ!」と目を開き、言い放つ。
「――――だから私が好きな作者さん達も、
涙が出るような感動ストーリーを書くクズ野郎や、友情努力勝利を書く卑怯者だって、いるのかもしれないな!」
「「「ソフィィィィーーー!!!!」」」
――――言っちゃ駄目だろソレ! なに夢こわしてんだ!!
一同がソフィーに掴みかかりって口をふさぐ。
ソフィーは「んーっ!」とモゴモゴするが、しばらくの間、解放される事は無かった。
………………………………
………………………………………………………………
「みんな力つよいんだな。ぜんぜん動けなかったよ。でもハグしてくれてちょっと嬉しかった。
……ではここからは、私が今までで“一番嬉しかったご感想”を紹介していきたいと思う。
すこし時間がえらい事になっているから、駆け足でいくけど……、良かったら聞いてくれ」
☆嬉しかったご感想 その1☆
・これが二次創作の良さですよね! 【あなたトトロ】など
「これはね? 火垂るの墓の節子ちゃんが、fateの藤村先生と一緒にごはんを食べているシーンでのご感想なんだよ。
原作で節子ちゃんは悲しい最後を迎えてしまったけれど……でもこの作品の中では、こうして大好きな人と一緒に、たくさん幸せな時間を過ごしているんだ」
「はい、このご感想を頂いた時は、本当に嬉しかったです。
これに関しては、私も常々思っている事ですから。
二次小説を書く動機として、とても大きな物に“救済”という物がある。
大好きだったあのキャラに幸せになって貰いたい。幸せにしてあげたい――――
私たちはそんな愛情から、二次創作をするのです」
☆嬉しかったご感想 その2☆
・まだ戦争についての答えは出ませんが、
これからも考え続けていこうと思います 【まる子、戦争にいく】より
「これはきっと、私が一番欲しかった言葉だったと思う。
意見の押しつけじゃなく、ただ“興味”を持って欲しかったんだ。
私たちのおじいさん達が戦った戦争について、もう一度しっかりと考える――――
そのきっかけになってくれたなら、あの作品を書いた意味があると思う」
「あたしも酷い目にあわされた甲斐があるってもんだよ、まったく。
でもこのご感想は、涙が出るくらいに嬉しかったよ。ありがとね!」
☆嬉しかったご感想 その3☆
・なんでだよ……途中までゲラゲラ笑って読んでたのに。
最後に泣かされるなんて…… 【身体はパンで出来ている】より
「これは純粋に『よっしゃ!』と思ったヤツだな。
士郎くんがアンパンマンの為に戦うというエピソードがあるんだが、そこでのご感想だ」
「一話からずっとおバカなコメディだったからね。
でもあのお話では士郎くんが本当にがんばってくれて……。
だからぼくも、最後にがんばれたんだ」
「ちなみにハンターナイフのご感想で“読んでて涙が零れました”と言ってくれる方々がいたんだ。
当時は小説を書き始めて間もなかったし、初めてのシリアス物だったから、まさか自分の書いた物で誰かが泣くなんて事、想像すらしていなかったんだ。
だからすごく照れ臭かったけれど……とても嬉しかったよ」
☆嬉しかったご感想 その4☆
・この作品を読んでガンランスに興味を持ちました。
でもやっぱり、難しいですよね…… 【ガンランスの話をしよう】より
「そんな事ないぞ!!
確かに最初は失敗もあるだろう。複雑な操作に戸惑う事もあるだろう。
でも恐れずにレッツガンス!」(レッツダンスのように)
「これは……作者の本懐だね。
自作品を読んで興味を持って貰えるなんて、この上ない喜びだよ――――
あ! ぼくの作品を読んだ後は、YOUTUBEのガチャピンちゃんねるの登録よろしくね!」
「それでは発表しよう! 今回のベスト3は……これだぁぁーー!!」
☆印象深かったご感想ランキング! ベスト3☆
・第一位! おめぇ頭おかしいのか?(誉め言葉)
・第二位! 君は実にバカだな(誉め言葉)
・第三位! 発想が狂ってる。
「――――オイ! 結局これかよオイ!!」
「悪口です! ぜんぶ悪口なんです!」
「いや……やはりどうしても、これになるよ……。
ちなみに私は、誉め言葉だと思っている」(キリッ)
――つづく!――