これは私達でやっている合同小説、【リレー】今日もカオスなもんじゃ焼き、の番外編です。
https://syosetu.org/novel/245415/
今は私の手番じゃないですけれど、ちょっと暇だったので告知&デモンストレーションがてら、試しに書いてみました!
「もし一巡目の砂原さまの次が私だったら、こう書いていたよ」という感じの、IFとしてお読みくださいませ♪
『――――ちきしょう! クリリンの飲んだくれー! 死んじまえーっ!』
最近購入したというクリリンの新居から、孫悟空が泣きながら飛び出す。
「クリリンなんかもう知らねぇ! 顔も見たくねぇ!
おめぇなんか、鼻くそ喉に詰まらせて死んじまえばいいんだ!」
恐らく人生で初……いや乳児の頃以来であろうガン泣きをしながら、悟空が物凄い速度で空をかっ飛んでいく。
無駄にスーパーサイヤ人になって飛んでいるので、下手すれば5分くらいで地球を一周出来ちゃうかもしれない。音速の壁もドッカンドッカン破る。
ちなみにであるが、クリリンに鼻なんか無い。
「クリリンがあんなヤツだなんて、オラ思わなかったぞ!
ぜってぇスタバなんかより、吉牛の方が良いに決まってんじゃねぇか!」
朝飯食いに行こうぜ! 今日は何にすっか?
二人でそんな相談をし始めてから10分後には、悟空はエグエグするハメとなった。
パン vs 米の議論は平行線を辿り、両者とも歩み寄ることなく、議論は白熱した。
そしてその結果、悟空は大親友であるクリリンとの大喧嘩という、人生で初めての経験をしたのだった。
顔も心もグシャグシャで、もうどうしていいのか分からない。
オラこんな気持ち初めてだぞ。
「何がパンだ! あんなモンいくら食っても、腹ぁ膨れねぇじゃねーか!
クリリンのやつ、結婚してからどうかしちまったんだ!」
いつものように「牛丼食いにいこうぜ!」と、ニカッと笑いながら誘いに来てみれば、クリリンはそれを拒否し「スタバでコーヒーを飲もうぜ」とのたまった。
しかも「嫁にドーナツをお土産にしたいから」といって、いくら言ってもスタバを譲らなかった。こんな事いままで一回も無かったのだ。
「何が嫁だ! 何が新婚だ!
クリリンの野郎! オラと18号どっちが大事なんだ!!」
もう30年近くも一緒にいるのに。どんな時も一緒だったのに。
今のクリリンは嫁ファーストで、近頃はなかなか遊んでくれなくなった。悟空はそれが大いに気に喰わない。
「18号なんか、ほんの数年の付き合いじゃねーか。
アイツはナメック星にだって行ってねぇんだぞ? Z戦士の新入りじゃねーか。
なんでオラが負けんだ。なんで18号優先なんだ。おかしいじゃねーか。
クリリンは、オラを一番に考えるべきじゃねぇか。
親友のオラをこそ、大切にすべきじゃねぇか」
悟空は若くしてチチと結婚し、もう孫まで授かろうとしている身なのに、最近クリリンが結婚しやがった事が悔しくて仕方ないのだ。
――――なんでオラと遊ばねぇんだ! オラのクリリンだぞ!
――――――なんでオラからクリリン盗るんだ! オラ寂しいぞ!
彼は世界一温厚といっても過言では無いほどの、優しいサイヤ人であるのだが……、最近親友が結婚し、素っ気なくなってしまった事に、激おこプンプン丸なのであった。
ああクリリンと吉牛いきたい。クリリンとおしゃべりしたい。一緒に遊びてぇぞ。
「ちきしょう……! バラしてやる……!
クリリンのエロ本のありかを、18号にバラしてやる! そんで離婚しちまえ!」
怨怨怨……怨怨怨怨……。
悟空はいつもの金色ではなく、何やら“どす黒いオーラ”を纏い始めている。地球がピンチだ。
「そもそもアイツ、戦闘力60万そこそこしか無ぇくせしやがって……! なんでオラを怒ったり叩いたり出来んだ! おかしいじゃねーか!
どーいう神経してたら、戦闘力
オラ意味わかんねぇぞ!」
強くなれば、願いが叶うと思った……。強くなれば、幸せになれるって思ってた……。
でも今の自分は間違いなく宇宙最強なのに、友人と吉牛に行くことさえ出来ない。誘っても断られてしまう。
「何度も地球救ったじゃねぇか。宇宙も救ったじゃねぇか。
死んだヤツも、ドラゴンボール集めて、生き返らせてやってるじゃねぇか。
オラいつも頑張ってるし、良い事してるじゃねぇか……。
なんでクリリンと牛丼食いに行けねぇんだ」
どういう事なんだ。いったいどうなってんだ。
亀仙人のじっちゃん、強さってなんだ? 正しさってなんだ? オラ分かんねぇぞ。
「――――こんな世界、滅びた方がいいんだ!
よっしオラ、
思い立ったが吉日とばかりに、悟空は空に向かって「むーん!」と両腕を上げ、元気玉のポーズをとる。
「地球のみんな! オラに元気を分けてくれ!
地球なんかぶっ壊してやる!」
地球に初めて来た頃のベジータは、確か戦闘力が2万程度だったと思う。
しかし彼はその状態でも地球を破壊するほどのエネルギー波を撃てたので、きっと今の悟空であれば、もう「へっくちょい!」の勢いだけで地球を滅すことが出来るハズだ。
しかし悟空は律義に元気玉の構えをとり、何故か地球のみんなに対して、地球を滅ぼすために力を貸してくれと協力を訴える。
なにやら激しく間違っている気がするが、これも全部クリリンが遊んでくれないせいなのだ!
「おお! なんか結構集まってきたぞ!
朝っぱらだってのに、みんな結構早起きしてんだな! ありがてぇぞ!」
きっとラジオ体操してるおじいちゃんとか、通勤中のサラリーマンとかが力を貸してくれているに違いない。地球を滅ぼす為に。
「サンキューみんな! オラがんばっぞ!
必ずクリリンのヤツに、一泡吹かせてやっぞ! みんな死んじまえー!」
この場にブルマが居たらブチ切れるだろうが、残念ながら彼女は今、朝食の準備で忙しい。ベジータの朝ごはんを作っている最中なのだ。
ちなみにベジータさんの方も「カカロットの野郎! 最近ぜんぜん会いに来やがらねぇぜ! くそったれぇ~!」と、持病であるカカロット中毒に苦しんでいたりするのだが、これはいま関係ないので割愛する。
「おっ? これは知らねぇ“気”だなぁ……。いってぇ誰の気だぁ?」
ウムムと唸りながら、そろそろ完全体のセルくらいなら一息で殺せるくらいのパワーを集めた頃、ふと悟空は集まってきたパワーの中に、今まで感じた事のなかった人達からの物を見つける。
「今まで何度か元気玉は作ったけど、こいつらは知らなかったヤツだ。どれどれぇ~?」
悟空は構えを続けながらも、いま集まってきたパワーについて分析する。
彼は単純なエネルギーだけでなく、この元気をくれた人の“想い”をも感じ取れるので、その人の情報であったり、人となりであったりも知ることが出来る。
「こいつは……
そして悟空は、目を瞑って更に意識を集中。
今の流くんを始めとし、彼の住む町の住人達についての情報を、深く感じ取っていく。
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………………………………………………………………
《ちんちんぶらぶら、ソーセージ♪ ちんちんぶらぶら、ソーセージ♪》
「!?!?!?」
悟空の脳裏に、何故か股間に大きなフランクフルトを挟み、腰をうねうねと動かしている女の姿が映る。
《ああ~! 教祖さまぁ~! ちんちんぶらぶら、ソーセージ♪》
「 !?!?!? 」
そして、その周囲で同じくうねうねと動く、
《おーっほっほっほ♪ みんな踊りなさぁい! おちんちんをあがめ奉りなさぁ~い!》
《ちんちんぶらぶら、ソーセージ♪ ちんちんぶらぶら、ソーセージ♪》
「――――何してんだオメェら!! どうかしてんじゃねぇのかッ!!」
恐らくは、彼らは今“学園祭”の途中なんだろう。
何故か周囲にはフランクフルト屋しかなく、きっとこの学園のクラス全部がフランクフルト屋の出し物をやっているのだろうと思われる、そんな異常な学園祭ではあるが。
悟空が感じ取ってみた所、あの女の周囲でうねうねしている子供達は、全員ここの学園の生徒達らしい。
生徒会副会長の、早乙女アルトくん――――
書記の、布仏 虚くん――――
そして広報のルカ・アンジェローニちゃんや、会計の岡村ナミちゃん達も、恍惚の表情で「ちんちんぶらぶら」と合唱しているのだ。
《したたるウーマンさま万歳!》
《したたるウーマンさまに栄光あれ!》
《世界はおちんちんで救われる!》
「――――そんなワケねぇだろ! 目ぇ覚ませオメェら!!」
少し離れた場所にも、教祖であるしたたるウーマンを取り囲むようして、空手部の室斑くん、オタクだが人望の厚い飯島くん、そして図書委員でお菓子作りが趣味の諸星さん達の姿があった。
彼らは流くんの友人であり、共に世界征服についての方法を議論し合う仲間であるようだが、そんなモン今の悟空にとってはどうでも良い。
未来ある、うら若き少年少女たちが、今よくわからん女に催眠術をかけられて「おちんちん、おちんちん」と楽しそうに踊っているのだ。
悟空は元気玉を作っている途中だが、今すぐそこに飛んでって、全員一発づつブン殴ってやろうかと考える。彼らの目を覚ましてやらなければ。
《もう新聞なんて配ってらんないわぁ~! ちんちんぶらぶらソーセージぃ♪》
《おお店長! 流石おかまだけあって、すごい腰使いですね!》
《わしギックリ腰やったけど、したたるウーマンさまのおかげで、ほれこの通り!》
「――――お前らも何してんだ! 新聞配れよ!!」
悟空の見た所、この者達は流くんのバイト先の新聞配達所の人達らしい。
野田さんという男に至っては、したたるウーマンの催眠効果でギックリ腰が治るというミラクルも起きたようだ。
しかしそんな事よりも、早く町内に新聞を配るべきだ。みんな待ってるんだから。
《キラッ☆ 歌も良いけど、やっぱおちんちんだよね! シェリルさん♪》
《そうねランカ、おちんちんを崇拝しましょう♪》
「――――お前らそれで良いんかッ!? アイドルなんだろう?!」
《わぁ~♪ アルトくんすっごーい☆》(おちんちんが)
「――――やかましいよ!!」
アンチ・ヘイトのタグも付けていないのに、今ランカちゃんとシェリルさんは、おちんちんに夢中だ。
《ちんちんぶらぶらソーセージに御座る! ちんちんぶらぶらソーセージに御座る!!》
「――――おめぇ負けたんか?! 洗脳されちまったんか!?!?」
よく見れば、その場にはワーキングプア侍の姿もある。
彼は武士の魂である刀も放り出して、今おちんちんダンスに夢中。すんごい良い笑顔である。
《うん、楽しそうだからぼくもやろう♪ ちんちんぶらぶら! アンパンマン!》
「――――アンパン! おめぇチンコとかねぇだろう! アンパンマン!!」
どこからともなく美星祭にやってきたアンパンマンも、楽しそうな雰囲気に釣られて仲間に入った。
《あ、ちなみに僕の名前は、
アンパンマン改め、“陳念”ということでヨロシクね♪》
「――――どっから出てきたソレ!? 坊主か!!」
いくら名前を変えたかったとはいえ、アンパンと全然関係ない名前を付けてしまうのは、正直どうかと思う。
もし次にペットを飼う機会があったら、例えそれがハムスターだろうがセキセイインコだろうが、陳念と名付けよう――――絶対にそうしよう。
これはそんな事をひそかに考えていたという、某二次小説の投稿者さんのせいであった。
とにかく、アンパンマン改め陳念さんも、みんなに交じって楽しそうに腰をくねらせている。
ちなみに教師である織斑先生や校長先生までも、「ちんちんぶらぶら」とやっている。
教育者の権威、地に堕ちたり。
あれだけ皆で頑張って準備し、楽しみにしていた学園祭――――
そして、秋月流という少年の目標であった美星祭は、参加者と来場者の全てが「ちんちんぶらぶらソーセージ」とやり出すという、とんでもない結末を迎えていた。
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「やべぇ……やっべぇぞこの町!
どいつもこいつも洗脳されてるじゃねぇか! オラびっくりしたぞ!」
彼らとは遠く離れた地で、元気玉を集めていた悟空は、いま脳裏に浮かんだ映像に戦慄する。有り体に言って、これは地球のピンチかもしれない。
「とりあえずオラ――――こんな奴らのパワーで、
なんの元気だ、いったい何のパワーだこれは。おちんちんか。
心なしか、彼ら“おちんちん教”から送られてきた元気って、なんかどれもドロッとしてて、すんごい気持ち悪かった。とてもこんな物を、身体に取り込みたいとは思わない。
こんな小汚いパワーによって滅ぼされる地球って、いったいどうなんだろう?
先ほどまで嫉妬に狂っていた悟空をしても、考えただけでも可哀想すぎて、もう涙が出てきそうだ。
「やめたやめた! 元気玉すんのやめっぞ!
オラもう、地球を滅ぼしたりしねぇ!」
地球じゃなくて、部分的にごく一部を滅ぼすのならば、アリかもしれないけれど。
たとえば、今フランクフルト屋だらけの学園祭をしている、某学園のある一地域とかを。
「とりあえず……流よぉ? オメェいったいどうすんだ?
あの中で唯一、オメェだけは
もし美星祭を救うことが出来る者が、居たとするならば……それはあの秋月流という少年に他ならない。
したたるウーマンの野望を砕き、皆の洗脳を解き、学園祭を成功に導けるのは……。
そして仲間達と共に、いつか世界征服を果たす事が出来るのは……あの秋月流だけなのだろう。
少なくとも、ワーキングプア侍や陳念(アンパンマン)には無理だろう。彼らは今おちんちんに夢中である。
あらゆる生物の気を感じ取れる悟空だが、秋月流くんの気には生命力の他に、なにやら得体のしれない“徳”のようなパワーを感じるのだ。
それはフリーザの戦闘力のように強力で、ナメック星のように巨大な力だったように思う。
もしオラと流が戦ったら、どっちか勝つだろうな――――
パワーで負けたりはしねぇけど、アイツには得体のしれない力があっぞ――――
「とりあえず、頑張れよ流!
――――美星祭の成功は、お前にかかってんだ!」
遠くにいる前途有望な少年に対し、悟空は笑顔でエールを送る。
悟空はみんなから貰った元気をいそいそと返却しながら、今はもう真上に登ったお日様を見つめ、うーんと身体を伸ばした。
「悟空ぅ~! 悪かったって悟空ぅ~!
俺が奢るから、今から吉牛いこうぜ~!」
「おぅクリリン! オラぜんぜん気にしてねぇぞ!」
そして悟空は大好きな親友と共に、この町にある全ての吉野家の備蓄を、殲滅にかかった。
準備期間は、一か月もあった。
だがその途中経過を誰も描写する事なく、ついに始まってしまった美星祭――――
学園祭初日となる今日、なんか腕にギブスとかを巻いている“したたるウーマン”の来襲により、美星祭はいきなりのピンチを迎えている。
関係ないが、きっと未だトラックに跳ねられた怪我が完治していないのだろう。身体中が包帯だらけだ。
彼女を倒すならば、今がチャンスなのかもしれないぞ。
「ちきしょう、目を覚ませお前ら!!
見てろよ爺さん……! 俺は必ず美星祭を成功させ、世界征服をしてみせるッ!!」
まるでゾンビ映画のように身体をクネクネさせ、「ちんちんぶらぶら」を連呼している仲間達。(と町内の人々)
いま大切な友を救うべく、秋月流が猛然と走り出していった――――
もう強制的に美星祭を開始してやろうと思ってましたw
是が非でも流くんが戦うところ、そして学園祭を成功させるまでの流れを書いてみせて下さい!
……と、そう次の人にお願いするつもりでしたヨ!
運が良かったなみんな! 命拾いしたな!(ドS)