「働きたくないでござる」
「まだ着任初日なのです…」
このいきなり働きたくないと言っているやつは、俺、提督だ、え?名前?…提督だ。
そして、この語尾になのですを付けて喋る可愛い奴は、初期艦、そして嫁(予定)艦の電。
「仕方ない…じゃあまず任務でもやってみるか…」
俺は電から任務が書いてある紙を受けとる。
「えっと…工廠で艦娘を建造?なぁ電、工廠ってどこだ?」
「え、司令官さん、ここの地図をもって無いのですか?」
「え?電が持ってるんじゃないの?」
数秒の沈黙…
「仕方ない…鎮守府内の探検でもするか…」
二人とも地図を持っていないことが判明したため、自分の足で探さなければいけなくなった。
まずは、取り敢えず外に出た。電が、
「建造するなら、多分この建物の中ないとおもうのです」
と言ったからだ。
「まったく…地図くらい用意しておいてくれたっていいじゃないか…」
「なのです…」
しかし、敷地内を1周してみたが、工廠らしき建物は見つからなかった。
そして、いったん執務室に戻ることにした。
「外に無いということは、この建物の中なのか…?」
「わからないのです…でも、あるとしたら、地下…なのです…」
「そうだよな…じゃあ、地下に続く階段でも探すか」
「なのです!」
2人とも立ち上がり部屋を出る。
しかし、やはりと言うべきか、それらしきものは無かった。
「詰んだ」
「も、もしかしたら、どこかのお部屋に地下に続く階段があるかもしれないのです!探しに行くのです!」
電が、頑張って励まそうとしてくれているのは、わかった。なので、合わせることにした。
「そうだよな!どうせやること無いし!探そう!」
また、執務室から出ることにした。
扉を順に開けていく。
会議室、給湯室、仮眠室、倉庫、風呂、トイレ、食堂etc…
「やはり無いのか…?」
「ま、まだ、お部屋はあるのです!最後まで探すのです!」
「…そうだな」
そしていくつかの扉を開けたあと、鍵のかかった部屋があった。
「鍵?なんで?」
「こ、ここかもしれないのです!早く鍵を開けるのです!」
「あぁ…」
腰に着いている鍵の束を取り出し、順に差し込んでいく。
しかし、どれも合わなかった。
「司令官さん…」
「取り敢えず、他の部屋を開けていこう。この部屋のことは、後で大本営にでも聞いてみる」
「わかったのです」
もう、なんとなくわかっていた。他の部屋に地下へと続く階段なんか無いということを。
「やっぱり、無かったな」
「なのです…」
「大本営に問い合わせてみる。しばらく休んでいてくれ」
「了解なのです」
電が、執務室から出た。
早速問い合わせてみる。
工廠は、あの鍵の部屋の中だった。
しかし、大本営はあの部屋に鍵は無いと言っていた。
「うん、知ってた。しかし、鍵が付いてないってどう言うことだ…?」
そう呟いて、ため息をはく。
「司令官さん、何かわかったのです?」
「あぁ、工廠はあの鍵の部屋で合っていた」
「そうなのですか…」
「取り敢えず、明日大本営から、1人来るといっていた。それと、やることが無いのなら出撃でもしていろ、とも言われた」
「出撃…ですか。了解なのです」
「じゃあ、出撃準備を…」
今の時間は…もう3時か、腹が減っているわけだ。
「…その前に飯だな。」
食堂に移動する。
「なぁ、電。」
「どうしたのです?」
「厨房に誰もいなかったよな…」
「…なのです。」
「この料理は誰が作ったんだ…?」
「考えちゃだめなのです」
「…いやでも」
「だめなのです!」
…謎が1つ増えた。
1時間後。
「よし!じゃあ出撃だ。」
「了解なのです!」
「今回は、鎮守府近海、おそらく出てくる敵は弱い、だが初出撃だ、油断だけはするなよ」
「わかっているのです!」
電が、艤装を着けて港に向かった。
「電の本気を見るのです!」
そう言って電は出撃した。
「あー、あー、電聞こえるかー?」
無線で電に声をかける。
「はい、司令官さん。聞こえているのです。」
スピーカーから、無線特有のくぐもった声が聞こえた。
「それは良かった。そろそろ、敵がいる海域だ警戒を怠るな。」
「了解なのです!」
「敵艦発見なのです!戦闘開始なのです!」
「了解!頑張れよ!」
敵は駆逐艦1隻、強くはないから、おそらく大丈夫だろう。
まずは砲撃戦。はっきり言って駆逐艦の砲撃はあまり期待できない。電が主砲を撃つ。敵駆逐艦は小破、やはりあまり強くない。
敵の砲撃、電はその砲撃を避けた。
そして、敵に接近して雷撃。駆逐艦の主な攻撃は、魚雷だ。電の魚雷は、6本のうち3本命中、敵駆逐艦を撃沈させた。
しかし、敵駆逐艦の魚雷も電に当たってしまった。電は大破。
「はにゃあー!」
「電!大丈夫か!?」
「だ、大丈夫なのです、それより、進撃しますか?」
「いや、撤退だ!」
「了解なのです…」
「艦隊、帰投しました。」
電がぼろぼろの状態で帰ってきた。
「…お疲れ。すぐに補給、そのあと入渠してね。」
「了解なのです…」
電が、入渠ドックに向かった。
「さてと、君が今回のドロップ艦かい?」
そこには白髪の小柄な少女、艦娘がいた。
「響だよ。その活躍ぶりから不死鳥の通り名もあるよ。」
その少女は響と名乗った。
「駆逐艦響、電の姉に当たる艦か。」
「そうだよ。よく知っているね。」
「それくらい電が着任したときに調べたさ。」
「そうなのか。それより、私もお風呂に入りたい。」
「ん、わかった。いいぞ。」
「ありがとう。」
響は電についていった。
「今日の任務は終わりだ、2人とも明日に備えて休め。」
入渠を済ませた電と響に執務室でそう言った。
「休むのはいいが、部屋はどこだい?」
「あ、そういえば決めてなかったな」
「今日、鎮守府の中を探検したときに寮があったのです。」
「あぁ、その中の部屋を使ってくれ。」
「了解」
鎮守府内には寮があり、それは艦種ごとに別れている。電達の部屋は駆逐寮にある。
俺は、電達が部屋に行くのを見送り、書類を片付け始めた。
翌日午前6時、けたたましい目覚ましの音で目を覚ます。
朝飯は自分で適当にちゃちゃっと済ませる。
今日は、大本営から人が来る。
今日の任務は午後からにしよう。
3時間後、執務室の扉がノックされた。
「失礼する。」
「えっと…?」
「大本営から来た北村だ。」
そこには、筋骨隆々な男がいた。
「工廠への扉が開かないんだろ?」
「あ、そうです。」
「すぐにそこへ案内しろ。」
「はい!すぐに!」
「ここです。」
2人は、鍵の部屋の前に着いた。
北村と名乗った男は、ガチャガチャとドアのノブを動かした。
「ふむ…確かに鍵がかかってるな…」
すると北村は、扉から離れ、扉にタックルした。
さすがに1回では壊れなかったが、3回目で扉は壊れた。
「ほら、開いたぞ。」
壊していいなら呼ぶ必要も無かったんだけどなぁ!
「あ、りがとうございます。」
「どうした?そんな変な顔して」
正直、ピッキングとかその辺を期待していたのだが…
「なんでもないです。」
「?そうか。」
2人で壊れた扉の部屋に入る。
すると、入ってすぐのところに階段があった。
「うん。工廠はこの先だ。」
「わかりました。」
北村は部屋からでた。
「どうしました?」
「工廠は見つかっただろ?」
「そうですけど…」
「だったらもう、俺がいる必要なくないか?」
確かにその通りだった。
そのあと北村はすぐに帰った。
なので、1人で工廠に向かった。
地下への階段は無駄に長かった。おそらく100段ほどあっただろう。帰りのことを考えると嫌になる…
ようやく階段を下り終わり、広い空間にでた。おそらくここが工廠だろう。しかし、真っ暗でなにも見えない。
「照明のスイッチは…」
手探りでスイッチを探す。
「だいたい入り口の近くだよな」
入り口から左側の壁を探すと、スイッチらしきものは、すぐに見つかった。
「あったあった」
スイッチを押す。
すると、地下の空間は一気に明るくなった。
「うわっ、眩しっ」
とっさに目をつぶる。
明るさに目が慣れてきた。
「ん…なんだ…これ…」
そこには、普通の工廠があった。
しかし、異常なところが、その工廠にはあった。
「青…?」
その工廠は、すべてが青黒かった。
こんにちは、初めまして。あずきこまめです。初投稿なので、拙いところも、いえ拙いです。暇潰しなのでかなり不定期です。もしかしたら明日かもしれないし、もう続きはないかもしれません。こんな文章で人生の大切な時間を無駄にさせてしまい申し訳ありません。もしよろしければ、もう少し時間と体力を削って感想をいただけると嬉死します。