フランス組   作:湯本晴斗

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第1話

フランスの草原で戦いが起きていた。

マリー・アントワネット、シュヴァリエ・デオン、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの三人に対するは、清姫とカーミラであった。

いくら一人多いとは言え、フランス組はあまり戦闘向きではない。少し押され気味であった。

 

清姫が炎を吐き、カーミラがアイアンメイデンと呼ばれる拷問器具を浮かべ、マリーを執拗に狙う。

 

デオンが綺麗に舞い、二人の邪魔をする。

 

「邪魔な虫けらね。最初にこの女から痛めつけようかしら?」

「私が周囲一帯を焼き尽くしましょう」

二人がデオンに標的を変えようとした瞬間に、とある曲が流れてきた。

 

「死神への葬送曲。レクイエム・フォーデス!」アマデウスが叫ぶ。この曲は彼の宝具である。直接攻撃をする訳では無いが、敵の油断を誘い、呪い効果を付与する事ができる。

 

「ちっ!」カーミラがデオンから距離を取り、耳を塞ぐ。清姫は耳を塞ぐタイミングが遅れ、アマデウスの宝具の呪い効果受け、しゃがみこむ。

 

「デオン!今のうちに行くわよ!」マリーが叫ぶ。

「はい!」二人が一瞬で清姫とカーミラとの距離を詰める。

 

「マリア!後ろ!」その時、後方で宝具を演奏してたはずのアマデウスの叫びが聞こえた。

振り返ったマリーの目には巨大な黒い手が迫っていた。

あと少しでマリーの頭部に触れそうだった瞬間、デオンがそれを切り裂いた。

 

「マリー。大丈夫かい?」アマデウスは思わず宝具の演奏を辞め、マリーの元に駆け寄る。

「うん、私は大丈夫よ。デオンもありがとう。それよりさっきのは…」

「あいつはマリー様の…」デオンの口調が思わず荒くなる。

「シャルル=アンリ・サンソン、ね…」

マリーがそう言いながら俯く。その表情はとても複雑そうだ、

 

「来るのが遅いですわ」清姫がサンソンに向かって言うが、彼は何も答えない。

 

「探していたよ。マリー」そう言う彼の目にはどうやら、デオンとアマデウスはもちろん、仲間であるはずのに清姫とカーミラの顔も映ってないようだった。

 

後方からはサンソン、すぐ目の前にはカーミラと清姫がいる。どう考えてもこちらの分が悪い。

 

「ここは二人に任せて逃げていいかな?」アマデウスが空気を読めない発言をする。

「冗談を言ってる場合じゃないわ。アマデウス、三人で逃げましょう」マリーがそう言いながら、一頭のガラスの白馬を召喚した。

三人が急いで、白馬に乗り込む。

「ギロチン・ブレイカー!」マリーがそう叫ぶと同時にガラスの白馬が動き出した。

 

 この速さなら三人からどうにか逃げる事なら可能なはずだ。

 

「やったわ!ヴィヴ・ラ・フランス!」マリーがそう叫びながら万歳をする。

 「マリー様、危険ですよ」マリーの前にまたがっているデオンがそう言いながら、微笑む

「わ!」彼女が少しバランスを崩す。

「もうまったく…そんなわんぱくなところもとても可愛いよ。マリア」そう言いながらアマデウスがマリーを抱きしめ支えた。

 

「マリー様に気軽くスキンシップをするな。この変態仮面。まあマリー様が馬から落ちなくて良かったが」

「もう喧嘩しないでよ。二人とも」

 

 三人はサンソンたちから逃れられたと安堵していたが、再び黒い手がマリーに近づいていた。

  三人がそれに気付いたのは頭上に巨大な手の影が落ちた時だった。

 

「きゃあ!声と同時にマリーがガラスの白馬から落ちる。

マリーの集中が途切れると同時にガラスの白馬が消滅する。

 

空中に放り出されたデオンはうまく受け身を取れたが、運動神経の悪いアマデウスは地面をごろごろと転がる。

 二人がマリーに目をやると彼女はサンソンに抱かれていた。黒い馬車に乗っている。

 デオンが急いで追いかけるが、さすがに馬車の速度には追い付かない

 

「ここは一旦引くべきだ。デオン。いま深追いした所で、戦力が足りない。一回休もう。僕は体力が残り少ない。アマデウスが冷静に言う。悔しいが今はアマデウスの意見を聞くべきだ。

「クソ!」デオンが珍しく取り乱している。

 

 アマデウスが近くに洞窟を見つける。そこなら安全そうだ。

 二人が洞窟に入り座り込む。

 

「で、どうやってマリーを救出する?」アマデウスがデオンに聞く。

 

 何でこの変態仮面と二人で行動しなければいけないんだ…

「マリー様…マリー様…」デオンがそう言いながら、溜息をついた。

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