Re.Dive タイムコール   作:ぺけすけ

24 / 84
第19話 時空管理局

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電子音が聞こえる。

 

ピピ……ピピ……という音は最近眼が覚める度に聞いているせいかこれが目覚めの合図だとすぐにわかり意識が覚醒する。

 

 

「ふぁ……」

 

 

何でこんなに今日は眠いのだろうか?

1時間くらいは寝たはずなのにまだまだ眠い……

 

 

とはいえそろそろ起きなければ………-時間は…………んん??

 

目をこすりもう一度時間を確認。

……16時?

 

 

バッと身体を起こしツァイトと財布とポッケに突っ込み部屋を出る。

寝坊した!!

 

 

すぐになのはを迎えに行こうと一階に降りると美由希に呼び止められる。

 

 

「あ、ユウくんなのはならさっき何処かに出掛けたよ?」

 

「帰ってきてたのか?」

 

「うん、いつもより早かったからどうしたのって聞いたらなんか探し物があるんだって」

 

 

 

探し物……?

なるほどジュエルシードを探す時はそういう風に言ってたのか、嘘は言ってないもんな。

 

 

「ありがとう!俺も少し出てくる!」

 

「はーい、いってらしゃーい」

 

 

 

玄関をでて取り敢えずはサーチ……って魔法使えないんだった。

取り敢えず適当に探すしかないかな……

そう考えながら軽く走る。

さて何処にいるのやら。

 

 

 

 

 

 

 

あれから15分近場にはいない事がわかり、今度は街に行くか?と考えていると。

 

 

 

(ユウ!)

 

(ユーノ?あ、そっか念話を使えば良かったのか)

 

 

すっかり抜けていたがいくら魔力が少なくなっていても念話くらいならできるよな。

しかし何処か焦った感じのユーノ。

もしかして……

 

 

(ジュエルシードか?)

 

(うん、これそう?)

 

(ああ、場所と状況を教えてくれ)

 

 

 

状況を聞くともうジュエルシードは発動、なのはとフェイトの2人で封印している最中との事、発動したジュエルシードが予想以上に強く無差別攻撃を開始し手に負えない状況らしい。

 

………これは俺も戦うしかないかな。

 

 

(わかった、ここから近いからすぐに向かうよ)

 

(うん、無茶な事だけはしないでね?)

 

 

念話を切りツァイトを取り出す。

多分そこそこ休んだし大丈夫だとは思うんだが……

 

 

「一番負荷が少ないのってどのフォームだ?」

 

《Saber Nova》

 

「了解、それで行くぞ?」

 

 

目の前に迫った結界に思い切り飛び込む。

 

 

「セットアップ!」

 

 

 

ズキンッと身体の中が疼く。

やっぱまだ本調子にはなってないよな……

 

 

目の前では巨大化した樹があり上の方ではなのはが下の根っこをフェイトが攻撃している。

今回は樹を取り込んだのか?

 

 

そのままの勢いでライザーに魔力を通し、斬撃を根に撃ち込む。

 

 

「フェイト!右に避けろ!」

 

「っ!」

 

 

そのまま残りの魔力をフェイトの隙を狙っていた触手に放つ。

危ないな……

 

 

「ユウ!?なんでここにいるの!」

 

「え、なんで怒られるんだ!?」

 

 

フェイトに怒られるのは初めてかもしれないが今優先するのは目の前のジュエルシード。

 

 

「すまん、あとで話は聞くから今はコッチだ!」

 

 

そのまま上に一気に駆け上がりディバインバスターを放つ準備をしているなのはの横に並ぶ。

 

 

「すまん、遅くなった!」

 

「ふぇ!?なんで来ちゃったの!?」

 

「お前までそんなこというのか……」

 

 

俺、邪魔?

と、取り敢えず俺も魔力を貯めクラッシュ・ストリーマを放つ準備をする。

 

 

「一緒にいくぞ?」

 

「もう!あとでお話ね!」

 

「うっす……」

 

 

何でこんなに怒ってるんだろうか?

 

 

(悪い、フェイトも手伝ってくれ)

 

(むぅ……わかったよ)

 

 

こちらも何かに不満をもってらっしゃる。

俺なんかしたかなぁ……

 

 

そのまま3人同時に放たれた魔力の攻撃はジュエルシードに直撃。

封印は完了だ。

 

 

さて問題はここからだ。

この封印したジュエルシードをどちらが回収する……か?

 

 

ズキンッズキンッと胸の辺りの痛みが強くなってくる。

 

 

「もう!魔法使っちゃダメっていたよね?」

 

「ユウ……昨日の今日でこんなことして…」

 

 

2人がこちらに来る。

何とか誤魔化さなきゃ……

 

 

 

「あ、ああすまない」

 

「もう本当に無茶しちゃダメって私に言ったのユウさんだよ?」

 

 

なのはの声が少し霞んで聞こえる。

ヤバイかも。

 

 

「取り敢えず、そのジュエルシードどうするんだ?」

 

 

俺がそういうとなのはとフェイトの空気が変わる。

やっぱり俺がいない間に何か話したのかな。

 

 

 

「フェイトちゃんさっきの約束覚えてるよね?私が勝ったら話を聞いてくれるって」

 

「……」

 

 

無言のフェイト、だが了承はしてくれているのだろう。

 

 

「ユウさん」

 

 

 

なにかを決意した顔で俺の方を見て来るなのは。

 

 

「ああ、俺は手を出さないよ」

 

 

そう言ってバリアジャケットを解除して2人から離れる。

バリアジャケットを解除すれば痛みは引いていき随分と楽になる。

 

少し離れるとユーノとアルフが居た。

 

 

「アルフ、取り敢えずあの2人の戦いには」

 

「うん、フェイトにも言われちゃったからね。傍観しておくさ」

 

 

そう言って俺たちと少し距離を取る。

やっぱり敵同士なのは変わらないよな。

 

 

「ユウ、大丈夫かい?」

 

「ん、少し痛んだけど思ったより平気だ」

 

「え!痛んだのかい?ちょっと見せて!」

 

 

そう言ってユーノは何やら魔法陣を展開して俺に浴びせて来る。

おお、身体が軽くなってくる。

回復魔法をかけてもらいながら2人の方を見るともう戦う直前と言った所。

 

なのはにはぶつかってこいと言ったがさてどうなるかな……

 

 

2人がもう一度魔法を展開し再び戦いが始まるーーー

 

 

一気に加速しぶつかり合ったかのように見えた2人。

だがその間に。

 

 

 

「そこまでだ!」

 

 

なのはとフェイトの杖を掴み戦いを止めた者がいた。

黒いバリアジャケットに黒い杖、黒髪で少し鋭い目つきをした少年。

そして彼は、

 

 

 

「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ…詳しい事情を聞かせてもらおうか?」

 

 

 

 

時空管理局……何処かで聞いたような?

俺の肩に乗っていたユーノが反応する。

 

それと同時時にアルフも焦っているのがここからわかる。

 

 

 

「こちらが求めるのは戦闘行為の停止と武装解除だ。大人しく着いてきてもらおうか?」

 

 

「えっ?えっ?」

 

「……っ!」

 

 

 

なのははパニックにフェイトは焦っている。

しかしそれは俺も同じでなにが起きたのかちゃんと把握は出来ていない。

急に目の前に転移してきた少年……クロノだったか?

彼が次の行動に出ようとした瞬間

 

 

横にいたアルフが先に行動を起こす。

 

 

魔力による爆発音と土煙が俺たち全体を覆い、まともに視覚が機能しない。

 

しかし横にいたアルフが一気に飛び出したのが辛うじてみえた。

多分だがあの時空管理局とやらに見つかるとマズイのだろう。

恐らくこのまま撤退する為にフェイトを回収しに行ったのだろうが、俺もなのはを助けて逃げるべきか?

そう考えているとユーノが

 

 

「大丈夫、ユウはじっとしてて。時空管理局は敵じゃないから」

 

「そうなのか?」

 

「うん、どちらかと言えばこの世界の警察に近いもので僕らの味方をしてくれると思う」

 

 

なら、なのはに被害は行かないと思うが……フェイトは?

晴れてきた土煙の中なんとかフェイトを探すと上空のジュエルシードを奪取する為に飛行していた。

そして、クロノは……

 

 

 

「させるか!」

 

 

クロノの杖から放たれる射撃魔法は真っ直ぐとフェイトの背中に伸び……直撃する。

 

 

「フェイトォォォ!!!」

 

 

アルフの叫び声が聞こえる。

 

深いダメージだったのか気を失いかけたフェイトをアルフが辛うじてキャッチし助ける。

 

 

そして第二射をアルフとフェイトに放とうとしているクロノが俺の目に移る。

 

 

なのはは止めようしているが間に合わないーー!!

 

 

クロノの杖から第二の射撃が放たれ、フェイトを抱えたアルフに直進していく。

 

 

このままでは2人が危ない。

だがこの一番遠い距離にいる俺に何ができる?

 

 

思考が加速し辺りの風景が遅く感じる。

 

 

 

何か。

 

 

 

何かないか?この状況であの2人を助ける術が。

 

 

そう思考する頭を他所に身体は勝手に動いていた。

 

 

 

 

「ーーーー!!」

 

 

 

《Blaze Force Over Drive》

 

 

 

 

相手の射撃の速度を先回りし撃ち落とせばいい。

 

そう結論を出した時には既にオーバードライブモードに入っていた。

 

 

 

 

 

ピシリとヒビ割れるような音が聞こえる/関係ない。

 

 

 

身体中から何か大事な物が溢れ出ていく/関係ない。

 

 

 

それ以上進めばーー壊れるぞ?/関係ない。

 

 

 

 

 

まだ"足りない"あの射撃に到達するまでの速さが足りていない。

 

 

ならばもっと速く!

 

身体をそのスピードに耐えれずともカタチだけは残る様に作り変える。

 

 

 

 

《Re.Start》

 

 

 

 

間に合え!間に合え!間に合えーー!!

 

 

 

ただひたすらに速さを求め自身のリンカーコア内の魔力を全身に回し加速させる。

 

全身の血液が沸騰したかの様に身体中が暑い。

 

 

関係ない。

 

 

今だけは目の前の2人を助ける為に!!

 

 

 

 

そして射撃魔法を先回りし切り裂く。

後ろでは来るであろう衝撃に備えていたアルフが居た。

 

 

「……はぁ……はぁ……」

 

 

間に合った。射撃魔法を切り落としたと同時にバリアジャケットが消えジャージに戻る。

いつまでもこない衝撃に気づきアルフが軽く目を開ける。

 

 

「……っ?」

 

「大丈夫、か?なら…早く…逃げろ」

 

 

少し目を見開きなにかを言おうとするが俺の逃げろという言葉を聞き"ありがとう"と言って消えた。

 

目の前にはクロノが迫ってきており、厳しい表情をしている。

 

 

「……何故、あの2人を逃した?」

 

「……あの射撃はやりすぎだろ」

 

「ならば先ほどのアレはなんだ?」

 

「…アレ?」

 

 

ゆっくりと呼吸し、体内に酸素を入れるが一向に心臓の音が激しくなるばかりで落ち着かない。

目の前のクロノは多分だが何処かと連絡しているのか何かをボソボソ話している。

 

 

「ユウさん!!」

 

「ユウ!!」

 

 

2人が駆け寄って来る。

 

 

「またさっきの使って……タダでさえ昨日のでまだダメージが残ってるのに!」

 

 

少し泣きそうになりながら俺を怒ってくるなのは。

そしてそれを横目に回復魔法をかけてくれるユーノ。

ホントに迷惑ばっかかけてるな……俺。

 

 

 

「悪いが着いてきてもらえるか?」

 

 

そう声をかけて来るクロノ。

ユーノの方を見ると。

 

 

(大人しく従った方がいいと思う)

 

(わかった、回復魔法ありがとな)

 

 

ううん、気にしないでと言われ取り敢えずはクロノについて行くということをなのはに伝える。

なのはも混乱はしていたが了承してくれた。

 

 

「わかった、何処に行けばいいんだ?」

 

「僕たちの船に来てもらう、転送するぞ」

 

 

そう言いつつジュエルシードを回収するクロノ。

 

そういえば……思っていたより身体に負荷が残ってない?

先ほどまでは苦しかったが段々と回復しているのがわかる。

ユーノの魔法のおかげか?だがそれにしても早すぎるような……

 

 

そう思考しているうちに俺たちは独特の浮遊感に襲われる。

これは何度か経験している転移の感覚だ。

 

さて向こうで何を言われるんだろうか……

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまでお疲れ様でした。

ご感想&評価お待ちしております。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。