2回目の世界でススギさんいないし両親失踪したはずなのに生きてた
高そうなマンションに住んでるし何がどうなった?
気が付いたら両親を殺していた。
刺殺とかまぁ流れで。
殺されそうになったので殺した。そういう感じ。
都内某所有名な建設会社とかが造ったというマンションの一角。
殺ってしまってはしかたがない。
さて証拠隠滅でも気晴らしにでも行こうとマンションを出た。
夜でも明るい街。雑踏、スナックの看板。選挙のポスター。そこかしこに溢れる文字、文字、文字。
ああ、死んで戻ってきた。あの人(他人)が死にまくって炎が全てを燃やして消して、
誰が死んだことも、誰に伝える言葉も分からないような世界から。
もう「自分が知らない戦場にいる夢をみる」ことはない
ただいま現世。さよなら前世。
ここで自己紹介しよう。
俺は須藤。
現代日本に生きる男子高校生だ。赤い髪に緑の瞳。前世も今世も同じカラーリングだ。
両親は俺を残して蒸発した売れない楽器職人。
自分でも時折手慰みに楽器といえないようなものを作る。
(馬頭琴に似てたけど糸は張ってなかった)
最近は学校を休みがちだったが今はもう行っていない。
突然前世の知り合いに会ったと思ったら自分の前世にトリップ?憑依?体験っていうのかな。してた。
13世紀のモンゴルにトリップしたら最初首に縄。絞首刑執行後でマッパで吊るされていたのは驚いた。
それからは現世の友人に似ている少年に助けられ、連れられて文字を守っていろいろあって数多の戦場を駆け抜けて駆け抜けて...
夢で見た人死ぬまくり炎燃えまくりの戦争まっただ中。誰もがいつ死ぬか分からない。誰に伝える言葉も分からない。
自分の命ひとつを担保にいろいろなものを取りこぼした。名前どころか記憶とか尊厳とか...
戦いの最中首を深く切られても血が出なかったのは生命力が尽きていたんだろう(心臓も止まっていた)
最後に友人を庇って火箭を受け、衝撃で肋骨が砕け内臓が破裂して確かに俺達は死んだっていうのに...
それでも俺は戻ってきた。
とりあえず前世のことを紹介しよう
前世で俺は燃え上がるような赤髪を持つ西夏人の女戦士だった。
ただし兵歴はほぼ無いようなもので仲間からは「ウィソ(すずめ)」と呼ばれて可愛がられていた。
仲間のうちで一番役立たずで泣き虫で何もできない女の子。
それが何の因果か戦場で一人生き残ってしまった。
戦争で仲間たちと守っていた街が落とされ、俺以外の仲間は見せしめとして死体を城壁に磔にされた。
俺以外生者の居なくなった城壁へは仲間達の亡骸を食べにくる烏や狼などの獣がやってきたのでそいつらを殺して食べていたら、いつの間にか超人的な技量を手に入れていた...
亡骸を食べにくる獣の中には人語を解する巨狼がいた。
そいつを食い殺し俺は仲間を殺した仇へ復讐を誓う「
前世の所業はwikiで調べた。
信じられない情報を移すパソコン画面に思わず「なんでかなー!!」って机に突っ伏した。
ネカフェで調べただけだけどまぁだいたいあってる。
ただやったことの無い罪証が増えているのは驚いた。
他にも調べれるだけ調べた。
結果、あれだけ残したかった文字も友人も無くなってしまった...
さて今一度状況を整理しよう。
気が付いたら俺を残して蒸発したはずの両親が目の前にいて、
母親が刃物で父を殺して「一緒に死んで」と襲ってきたので返り討ちにするしかないだろう。
母が持つ凶器を手首をつかんで刃を反転させ勢いのまま彼女の首へ突き立て、さらに力を入れて刃を肉の奥へ。
呆けたような顔をした母の体が床へ倒れる。
部屋には2人分の血だまりと2人分の肉体。
そこそこ上手く刃を扱ったけどれど自分の服に返り血が一部、そこだけ赤い花が咲いたよう。
さあ2人が死んだことを確認しなきゃな。
動脈確認より直接耳で心音を確認したほうがよく分かる。
死体に覆いかぶさり胸の位置へ耳をつけ心音を聞く。
父親は即死。母親は段々小さくなる心音に目を閉じ耳を傾ける。
完全に停止したのを確認して顔をあげる。
そういえばシュトヘル時代にやったなぁ。シュトヘルも俺も好きだった。心音。
なんだか懐かしい気持ちになりあははと声を出して笑った。
だいぶ参っているな俺...
外に出よう。
型月でも前世の自分に憑依して本人として活動した人物はいないはず..
スドーくん前世の技能引き継ぎ+英霊(ガッチガチの反英霊)の信仰がついてよくわからんことになってる。