第16章・摩擦の記憶と始まるゲーム
目が覚めた俺は、このデータをどうするか、キリトとの接触を第一に動く。
どう説明すればいいかとは置いておいて、知り合いを知っておいた方がいいと判断する。
それで分かったことだが、アスナを始め、300人目覚めていないと言う事態に困惑した。
記憶の摩擦から俺は次のゲームには当たりを付けている。
「『アルヴヘイム・オンライン』」
スキル制、プレイヤーキル推奨、種族同士の争いがメインゲームであり、リハビリ時間、この時間は病院の監視があり、まともに活動できない。
少しでも栄養を得る為にミルクを飲みながら、情報だけは集めていた。
回復したその次に………
黒い車に捕まり、運ばれた。
◇◆◇◆◇
「………」
よく分からないうちに運ばれていった。豪邸に連れていかれ、着いた先にはゼルダを除く《トライフォース》のメンバーがいて驚いた。
シリカ、ルクスなどはどうしているかと思う事態、これは、
「まずは頼む、力を貸して欲しい………」
現れた男性、ハイリア王のような人から、彼女、ゼルダも目覚めていないことに、ようやく気付いた。
◇◆◇◆◇
なぜゲームはクリアされて、なぜか目覚めない彼女たちの情報を求め、父親が苦肉の策で集めたらしいが、
「ダルケルさんたちから聞いてないのか、茅場はもうこれ以上プレイヤーを閉じ込める必要は無い」
そう、彼らだって茅場の最後を見ている。
もしかしたら茅場事態は生きている。そんな噂があるが、悪いが俺はそう思わない。
なぜかは知らないが、彼はナーヴギアの脳破壊シークエンスを外さず、プレイヤーと同じ条件であの世界にいたと断言できる。
だからこそそれを言うと、彼らの方も少しばかり理解できるのか、難しい顔をした。
「それには説明したが、どうしてもな」
ユウキとミファーがいないことに気にはなるが、どうするか悩む。
「君は彼が死んでると思うのかい?」
リーバルがそう言うが、即座に、
「ああ」
そう頷ける。残りの未帰還者たちは別口で目覚めないのであって、その鍵を握るゲームを知っている。
だがそこまで言うことはできない。それは予測であり確証では無い。
結局答えは出ず、ゼルダの父親謝罪を受け、解散することになる。
そこで………
「リンクっ」
しばらくしたら帰る為の車の準備が終わる。そう聞き、俺は庭先で暇をつぶさせてもらっていた。ここ豪邸過ぎる。
そんな俺に話しかけてきたのは、俺は初めて、この世界でよかったと思う。
車いすのユウキが、そこにいたのだから………
「ユウキか………」
「………驚くよね、こっちのボクは」
少し細身の肌、髪は長く、少し恥ずかしそうにするユウキ。
「気にしない、元気そうでよかった………」
そう言って手を握ると、ユウキは僅かに頬が紅い、恥ずかしいのだろう。
ミファーが微笑む中、俺は初めてユウキの口から病気のことや、家族のことを教えられた。
ゼルダたちの存在が、紺野家の者たちを助けている。両親も姉もまだ生きている。
「いいの? ボクの手を握ってても………」
「気にするな」
それにますます顔を赤くするユウキが、元気である証だろう。
その時、俺の携帯が鳴る。
「少し待ってくれ」
少し真剣になり、電話に出る。
電話相手はエギルであり、俺の予測が当たっていた。
そう、アスナらしきアバターが、あのゲームの中で目撃されたと言う話を聞く。
「分かった、エギルの店で」
そして電話を切ると、ユウキが心配した顔で、
「何の話?」
「気にすることじゃないよ、それじゃ、今日はこれで」
「待ってッ」
ユウキがそう言って、両手で手を握る。
振りほどくのは簡単だ。
だが込められる弱々しい力は、俺を引き留めるには十分すぎた。
「………」
真っ直ぐ見つめて来るユウキに対して、俺は………
◇◆◇◆◇
それはある情報で、ルクスたちなどがいないうちにと思ったが、やはり速過ぎた為、彼らにもバレた。
俺はエギルからの情報を得てから引き返して、アスナらしい人が見つかったことを伝える。
情報で、アスナのような子が鳥かごのようなものの中にいると言う情報。
鳥かごは二つあり、その片割れの中にアスナに似た誰かがいる。
リーバルたちが難しい顔で、話の大本の写真を見ていた。
「これは」
とあるゲーム内で撮られた、ある場所の写真。その拡大図。
だが俺だけはこれで確信を得た。
「俺はずっと考えていた、目覚めないプレイヤーは、まだゲームの中にいる」
「それは………だけど」
「『ソードアート・オンライン』はもうデータは無い、だがVRゲームはある」
自分たちがSAOの中にいる間に、VRゲームの魅力は収まらず、安全性を第一にしたゲームが発売されている。
そのゲームこそ『アルヴヘイム・オンライン』。
「俺はいま、このゲームに300人のプレイヤーが転移されてると思う」
「! それは」
「………あり得るよ、このゲーム関係者は、あのゲームの関係者が多いからね」
リーバルの言葉に全員が驚く。俺自身、すでにそこまで情報を知られていることに驚く。
「俺はナーヴギアでこのゲームにログインする」
「!?」
全員が驚く中、まだ回収されていないナーヴギアのことを伝え、ソフトを使い、確かめるために、このゲームの、写真が撮られた場所を目指す。
写真は《世界樹》と言われる場所で、ナーヴギアはもうゲームオーバー=死ではない。これで少しでも早く進む。それに、
「なら私も」
「レインたちは来るな、正直現実で動いてほしい」
即座に断りを言われる、そうでもしないと危険過ぎる。
介入で物語通り進まない。まだこの世界が原作通りかは知らないが、もしもを考えると怖い。
それを言われ黙り込む一同の中には、
「ボクが行くよっ」
そう元気に言うユウキ。それに、
「なら保護者で私も」
ミファーも言う中で、これ以上は迷惑だ、これで全員とする。
元より現実で何かするのは大人しかいない、現実では攻略サイトなどをかわりに見てもらう程度だろう。
それにナーヴギアが二つしか用意できないらしい。
ユウキだけ、医療用の奴がある。普段はそれを使っていて、今日はたまたま許可が下りて会いに来たようだ。
「言ってしまうが、ナーヴギアでやることはチートと変わらないぞ」
「それでも、いまは」
どうも断れないようだ。
シリカたちがこちらを心配した様子で見ている。
「私たちは待つしかないのか………」
「リンク、後のことはお願いっ」
レインたちからそう言われ、静かに頷くと、
「なら私たち大人は」
「これの重役者でも調べますか」
「久しぶりの本業だ、しっかりしないとな」
そう言いながら、各々が動く。
そして、
◇◆◇◆◇
「部屋の一室を借りるが、まずは種族か。時間とかも統一したいが」
ユウキは特殊な医療機器から、ミファーは自宅から。ユウキはやっと少し現実に出られただけで、すぐに戻された。
キリトとの連絡で、この辺りの経緯も説明し、お互い覚悟を決める。
「リンクスタート」
そして俺たちは妖精の世界へとダイブする。
キャラクターは
「なにものの見事に全員バラけてるんだよ」
なぜかは知らないがユウキは
スキル制であり、レベルは無く、ログアウトボタンもある事を確認しつつ、現状に困惑する。
なぜ全員がここに集ったか、よくわからない。
ステータスだが、どうもSAOを引き継いでいるようなものであり、アイテムなども使えないがあって………
「これは」
俺は茅場からのクリア報酬を見つけた。
◇◆◇◆◇
この世界で彼女たち、ユイ、ストレア、プレミア、ティアは現れ、ユウキたち共々微笑み、再会を果たした。
そこから分かることは、ここはSAOサーバーの劣化コピーであり、スキルなどはともかく、アイテム類はエラーに引っかかるから捨てた方がいいと言う事。
自分たちの目的はこのゲームの《グランドクエスト》である世界樹を目指すこと。
最大の目的は、
「アスナたちを見つける事か」
「ここがSAOサーバーコピーなら、おそらく」
「はい、リンクさんの予想通りなら、転移システムの応用で、このサーバーにママたちを連れて来ることは可能です」
「………色々きな臭くなってきた」
ユイちゃんたちは《ナビゲーション・ピクシー》と言う、このゲームのシステムに変換され、サポートしてくれる。プレミアとティアには悪いが、ユウキとミファーについてもらう。
ちなみに壮大なジャンケンバトルがあったことは割愛だ。
「よろしくねリンク♪」
「よろしくストレア。それじゃ」
「ああ、ともかく移動しよう」
その時、近くで戦闘音があり、そちらを見に行くことになる。
◇◆◇◆◇
それは追い詰められた
ユウキとキリトが間を通り過ぎる為、戦闘は中断され、なんとも言えない雰囲気になった。
「あっはは♪ 楽しいねこれ♪♪」
「着地がミソだな………」
そう暢気にいう中、俺たちはとのあえず大勢を見る。
「重戦士六人で女の子一人を襲うのは、ちょっとカッコよくないなぁ」
そんなことを言える余裕があるのかと思いながら、軽い片手剣を構え、静かに見据える。
「増援かっ、だが初心者らしい。まとめて狩るぞ!」
二人がこっち、三人がユウキとキリトへ。
だがだいぶHPも減ったプレイヤーに、
「ハッ」
「セイッ」
「斬ッ」
この三人が負ける通りは無かった。
◇◆◇◆◇
彼女こと、助けた
正直三人が種族違いと、ピクシーである四人で物凄く不信感は抱かれたが、変にだます気は無いと思われたのか、案内をしてくれる。
「けど、やっぱり種族別々パーティーは珍しいのか」
「珍しいですねやっぱり。最近は
そんな話を聞きながら、やはり少人数で来て良かったようだ。きっとメンバーが面白いくらいにばらけるだろう。
街で飛行技術で少し問題があり、彼女の仲間に会ったものの何事もなく、詳しい話を聞く。
ここの《グランドクエスト》は《世界樹》に最初にたどり着いた種族が、限定的な飛行時間から解放されると言う話であり、故に種族PKが推奨されているらしい。
だが入口に入ると、NPCガーディアンが大量に出て、明らかにバランスブレイクだが、運営はけして直そうとしないと。
「………きな臭い」
「やっぱりそう思うか」
リーファから詳しい話を聞き、ログアウト用に俺が部屋を借りて、全員で纏まった話し合う。
「ゲームが動いている状態なら、いつゲームクリアされてもおかしくないゲームプレイヤーを転移はできる。理論上、サーバーからサーバーへ転移は可能か?」
「少し難しいかな? けど《カーディナルシステム》からログアウトの際、プレイヤーは解放されるから、狙うならログアウトした瞬間。それなら可能だよ」
ストレアからの言葉に、俺たちは全員お互いを見る。
「ゼルダもここにいる、俺は確証がある」
前世の記憶、次の舞台がガンゲーかこのゲームのどちらか。そう確証はある。
「ちなみにゼルダを繋ぎ止めてると、メリットってあるのか?」
「あるよ」
ミファーが静かに、綺麗な赤色から青に変わっていても綺麗な彼女は、しっかりと、
「いま未帰還者たちを支えるために、サーバー管理する会社に多額の寄付金がされてる。ゼルダの家が一手にそれを担ってる」
「金か………」
暗い話を一度打ち切り、リーファが仲間になって、世界樹の中立区へ行く話になっている。
ともかく装備も整えて向かいたいところ、そんな話の中、
「ところでキリトくん、浮気はダメだぜ」
「キリトって手が早いんだね」
「おいおい」
苦笑するミファーたちと共にログアウトし、現実へ帰る。
◇◆◇◆◇
「調べたら滅茶苦茶黒に近い男が出て来た」
俺は今日はゼルダの家に泊まり込み、詳しい話をしていると、リーバルが呆れながら言う。
「バカみたいにね、結城家の、君らが動く切っ掛けの明日奈。あの子の家と婿養子になるとか、もうね」
「調べてみたら黒い噂も。人の脳がVRで干渉できるかって言う実験の話まで出て来た」
「あんたらブランクあるんだよね?」
マナーは守るが、食事を取る中つい本音が出る俺。それについても、
「まだ証拠が無いのにこれだよ、もうね、僕らだって信じられなかった」
彼らは元々、ゼルダとミファーの護衛兼、死んだ母親の知り合いと言う関係であり、ウルボザも呆れていた。
こんな黒い話を聞けば、嫌でも分かる。
「チートでプレイするのはあれだが、このままゲームの世界で、世界樹に行く。あそこが運営経営されている施設なら、証拠がゴロゴロしてるだろう」
「ならさ、これ持ってってよ」
そう言って、メイドさんが何かのメモリチップを持ってくる。
「これは」
「撮影用データ、いまは安全なナーヴギアに接続して、君が見る景色や音声を録画する」
「ミファーやユウキも」
「まあね」
こうして話と、ゼルダの父親から、もしもなにかあれば私がどうにかすると、
「やべ、ゼルダのリアル知りたくない」
「知らない方がいいよ~、ミファーもね」
ウルボザたちが苦笑する中、俺たちの方針は決まった………
原作を知らなくても、妖精と銃の世界くらいは知っている。それくらいですが、十分すぎる情報ですね。
それでは、お読みいただき、ありがとうございます。