ユウキの勇者   作:にゃはっふー

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オリジナル時期。一部設定をいじります。


第5章・ピンチ

 それは暗闇の中動き回る。第61層は昆虫が多く、溶け込んでいたり、毒が得意なものや、硬いものと多い。

 

 だがそれよりも………

 

 そのエネミーはプレイヤーの気配を探して、森を彷徨う。

 

 指笛でエネミーにこちらに気づいてもらうが、たいていは下で音が鳴った辺りをうろつく。

 

 その間、木々を飛び移り、確実に背後を取る

 

 一匹、また一匹静かに消されていく。

 

 エネミーが彼を見つけるのは、

 

「エンド」

 

 終わるときだけだった………

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「………」

 

 森がうっそうとしていて、虫が多い故にむしむしランド。全体的に見れば美しい湖が広がるが無視して森に潜む。

 

「木々の上の生活にも慣れて来たな」

 

 木々を飛び移り、昆虫よりも上の位置を取り、集めて狩る。そんな日々で………

 

「?」

 

 フィールド未開拓地らしいエリアにたどり着き、遺跡のようなところだった。

 

 遺跡らしい遺跡と言う印象であり、入口があり、続いている。

 

 ここのフロアボスは、現在パターンを把握されている最中、ここは関係ない。

 

「………まあいい」

 

 リンゴもどきを齧り、中に入っていく。

 

 罠はあった、だが解ける類であり、気にせず進む。

 

 出て来るエネミーも狩りながら、その様子とパターンをチェックする。無論、情報屋に売るため、わざわざ時間をじっくりかけて………

 

 こうして一週間ほど遺跡を確実に攻略していると、

 

「水晶……、ここが遺跡の奥地か」

 

 奥に巨大な水晶の固まりがある、石舞台のような場所。

 

 舞台を囲む欠けたりしている石の柱、なにかの儀式をする場所なのかと思いながら、その舞台の上に上がった。

 

 その時、クエスト発生が起き、ウインドを覗く。

 

 クエスト名《女神の聖女》と言う、謎のクエスト。

 

 魔物に捕らわれた聖女の救出と書かれていた。

 

 何も考えずイエスのボタンを押すと、入ってきた入口が塞がれ、どこからかエネミーの雄たけびが響く。

 

 そして頭上の天井が割れ、降って出てきたのは、

 

「なっ」

 

 それは《ヒノックス》に、頭を切り替える。

 

 なぜだのなんでだのは後回し。

 

 一つ目の巨大な魔物が現れ、即座に距離を取る。

 

 まずはこれを倒す。切り替え並び、目を見開き、集中力を高めた。

 

 その瞬間、周りの景色が広がり、時間が遅くなる。

 

 こちらを見てすぐに向かってくるが、

 

「斬る」

 

 瞬間、その目にブーメランが抜刀の如く放たれ、その目を押さえ、尻餅をつく。

 

 この辺りまで一緒だからと言って油断はしない。戻ってきたブーメランを確保しつつ《双剣》で戦いだす。

 

 ラッシュを決め、起き上がるとすぐに距離を取り、ブーメランを投げる。

 

 ゲージは三つ、いまので最初のゲージ、三分の一は削れた。まだ向こうの方が余裕。

 

(ダメを受けるのは危険だ)

 

 そしてブーメランを投げるが、目を手で覆い隠すヒノックス。

 

 そのまま切り裂いても意味が無いし、刃に付けた毒も効かない。

 

 右手で片手剣を持ち、左手はフリー、盾にして戦うか。

 

「なら」

 

 眼を隠すのをやめた瞬間、即座に腰の弓を左手で持ち、右手で右腰の矢を掴み速射する。

 

 大きな目玉に刺さり、尻餅をつく。

 

「悪いが確認済みだ」

 

 この世界で弓矢ははっきり言えば難しい。

 

 矢が真っ直ぐ飛ばないと言う設定で、あまりに距離があると、おかしな方向に飛ぶ。

 

 だから矢はギミック解除や、囮だったり、ともかく戦闘以外が主な方法。

 

 その矢の変則にも決まった法則があり、それを把握するのに時間がかかったが把握した。

 

 こうなればもうパターンだ。

 

 起き上がるたびに距離を取り、様子を見ればいい。

 

 そうしていればゲージが一つ消し飛ぶ。

 

『ガアァァァァァァァァ』

 

 瞬間、ゲームでは無かった速い動きで両手で叩こうとしたが、

 

「現実ではあった」

 

 バク転してそれを避けて、そのまま目に射撃。

 

 苦しみ尻餅をつくが、今後は瞬発な動きに注意。

 

 その動きも、集中している俺なら即座に対処できる。

 

「じり貧か、いつものことだ」

 

 スライディングして足元をすり抜ける際、両足の筋を斬るように二刀流で斬り、すぐに盾片手剣に替える。

 

 怒り狂って何度も地面踏む。

 

 その様子に経験の中で戦った奴そっくりだ。

 

「鈍いんだよ」

 

 そう言ったら突っ込んできた。

 

 こいつもそうだったようで、それをバク転して背中に乗り、そのまま駆け背後を取る。

 

 振り返ると目玉を狙い、すぐに何度も斬りかかった。

 

 ゲージが一つ減った。

 

 怒り狂って、近くの柱を握り、壊して構え出したヒノックス。

 

「それは無かったな」

 

 雄たけびと共に向かう中、より感覚を研ぎ覚ませた。

 

 ぶんぶんと振り回される欠けた柱を躱しながら、速射を繰り返す。

 

「まどろっこしい」

 

 瞬間、右手の剣を左手に投げ渡し、刀を、

 

「セイ」

 

 放たれる前に刀が鞘ごと発光する。

 

「ハっ!!」

 

 スキル《抜刀術》で、即座に放たれた斬撃を食らい、柱を落とし、尻餅をつく。

 

 硬直の間、動けずにいたが、

 

(こいつは硬直が少ない)

 

 すぐに《双剣》へと切り替え、連撃を食らわす。

 

「消し飛べえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ」

 

 ゲージを一気に消し飛ばし、ポリゴンへと変わるヒノックスを確認した。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「イベントボスエネミーは倒したが、水晶か」

 

 切り替え、戦闘から探索へ。世界も元の動きに変わった。

 

 ともかく考える思考を奥に置き、まだ解放されない入口を見る。

 

 別の入口もクエストクリアの表示も無いため、水晶へと近づく。

 

 すると、突然水晶に亀裂が走り、即座に構えると、

 

「!?」

 

 水晶が割れ、裸の女の子が一人、中から現れた。

 

 なにこれ?

 

 即座に切り替え、落下する少女を確保する。

 

「お、おい」

 

「………」

 

 黒髪の少女。それにクエストクリアとウインドを見る。

 

「クエストクリアだと、ならクリア報酬は」

 

 そう思い、ウインドなどを確認すると、俺は目を丸くする。

 

 テイマーのような職業のプレイヤーは知っている、シリカとピナ。シリカとピナのシステムの関係も情報で。

 

 クエストの中には一時的にNPCがパーティーに入ることもあるらしい。

 

 だが彼女はNPCなのは理解できるし、カーソルはそうだが、どういった扱いだ?

 

「ともかく、茅場はなにを考えてるんだ」

 

 俺には無縁であるはずの、パーティーのステータス、HPゲージを表示される場所に、仲間キャラクター『』があった………

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 俺はともかく、少女を背負って遺跡を後にした。

 

 即座に町へのルートを確保する。時間帯は深夜、プレイヤーに見つかれば間違いなく誤解される時間帯。

 

 染みついた能力で足跡も物音も作らずに、NPCの宿に入り、部屋を借りて中に置く。

 

 いまは適当な衣類アイテムを装備、着せてから来たが………

 

「空欄なのはどういう意味だ? サポートNPCがクエスト報酬? なにがどうなってやが」

 

 その時、頭の中の引き出しで、ある話を思い出す。

 

 この世界の舞台《アインクラッド》の創世に、二人の女神がこの《浮遊城アインクラッド》を作った物語。

 

 まさか………

 

「聖女と言う単語じゃ、現時点ここまで………」

 

 ともかく、ベットは彼女に渡して、壁に背を預け、座り込む。

 

「早朝、もしくば彼女が起きるまで就寝」

 

 そう呟き、目を閉じ、頭を切り替えた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 幻影の彼が斬りかかる。

 

「ハッ」

 

 何度も剣がぶつかり、盾で防ぎ、彼が身軽に剣を避け、隙間を縫うように斬りかかる。

 

 それを繰り返しながら、最後に切り裂かれたとき、目が覚めた。

 

「………頭の中くらい勝たせろ」

 

 そう言いながら、少女の様子を覗き込む。すやすや呼吸はしていて、少しだけ安心した。

 

 すぐに調理場を確認して、料理をすることにした。人数は二人分。

 

 アイテムストレージを確認して《魚入りミルクスープ》とパンを作ろうと準備し出す。

 

「~~~♪」

 

 鼻歌を歌いながら料理をしていると、背後から気配を感じる。

 

「?」

 

 殺気では無い為、普通に振り返ると、

 

「………」

 

 急ごしらえで着せただぶだぶ服の女の子がそこにいた。

 

 早くどうにかしないと俺は監獄へと送られてしまう。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「おいしかったです」

 

 彼女は素直にそう言い、俺は彼女から情報を得ることにした。

 

 そしたらなんと言うか、自分は力を使い果たした女神とのことだ。

 

 自分は《聖大樹》と言う二本の巨木に仕える二人の巫女、その一人。

 

 だが争いが起きて、争いを止めるため大地を空へと切り離した。この辺りは設定だな。

 

 だが肝心なのは、

 

「ですがわたしは女神としての力を失い、その全ては魔法石として、この浮遊城のどこかにあるでしょう」

 

「その辺はいい、なぜあそこにいた」

 

「力を無くした私は、魔物に水晶の中に閉じ込められていました。そこを貴方が救ってくれた」

 

 そう言いながら、いまの君はどういう状態か聞くと、

 

「もう女神として、聖女、巫女の力は僅かしかありません」

 

 その力の内容に頭が痛くなる。

 

 ともかくだぶだふ服の美少女はまずい、色々まずい。何度も思うがこのままでは俺は監獄行き。

 

 話を聞いてまとまった情報は、パーティーサポートNPCとしか思えない。

 

「ともかく飯を食い終えたら服買おう」

 

 目のやり場が無いしな。

 

 もぐもぐと頬を膨らまして食べている少女を見て、資金を頭の中で計算する。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 ミファーとユウキは最前線の町、そこの物流を確認しに、町に出ていた。

 

 買い物の為もあるが、彼らは物流を把握は大切だ。ポーションの物流の把握と、結晶を確保。

 

 そう言った物から前線で使われている装備も確認しておきたい。

 

「あれ?」

 

「どうしたのユウキ?」

 

「あれ、リンク」

 

 マントを羽織った誰かの手を取るリンクがそこにいて、衣類を扱うNPC店へと入る。

 

「知り合いかな? ミファー姉ちゃん」

 

「うんいいよ、私も気になるから」

 

 嬉しそうに微笑み、ユウキは店へと走っていく。

 

 その様子を微笑ましく見ながら、後を追う。

 

 そして、

 

「………」

 

 ユウキの冷ややかな無表情な顔は初めて見た。

 

「? ごきげんよう」

 

「………」

 

 そこには服を着せているリンクがいて、自分は凍り付く。

 

 綺麗な素肌の少女はインナーすら着ておらず、リンクは適当なそれらを手に持っていて………

 

「………監獄ってどうすれば送れるのかな」

 

 ユウキからとてつもなく冷ややかな声が響いた。

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

「そんなクエストが………」

 

「後から情報を売りに、情報屋に出向く」

 

 後から聞かされたが、信じられない二人。

 

 だが連れていた少女がNPCであり、他の仲間NPCとは違う様子に驚いていた。

 

「ともかく、こいつの装備は助かった」

 

 武器防具は自分が用意したが、他の衣類は彼女たちに用意してもらった。

 

「レベルはどうなんですか」

 

「………この後、全部を預ける気は無いが、協力してくれるのなら公開する」

 

 彼は周りに神経を張り巡らせ、聞き耳を立てている奴はいないか確認する。

 

「協力とは」

 

「こうなったらこいつらの面倒を見る。NPCでもな」

 

 その言葉に嘘は無く、町でもフードはつけていて、片手剣と盾は外していない剣士はミファーを見る。ユウキは心配そうにミファーは、

 

「大丈夫です、例えNPCでも、誰かの大切なものを踏みにじる気はありません」

 

 はっきりと告げた彼女の目を見る。

 

 リンクはしっかりと見た後、

 

「分かった」

 

 レベルはそう簡単には開かせられない。巫女としての力だけでなく、彼女は攻略組と変わらず、現在最大レベルよりやや下。

 

 まるで攻略組を参照にして組まれたようで、黒はサポートに特化していた。

 

 だが問題はそこでは無い為、彼女たちのギルドリーダーがいる場所に移す。

 

 リンクはともかく、ギルド《トライフォース》に協力を求めた。




町では武装しても盾と剣だけ、金髪は目立つからフードはたいてい装備。

これからどうなるか。とりあえずユウキの誤解は解けるのに時間がかかりました。

お読みいただきありがとうございます。
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