Fate/Next Order ~Answer~   作:黒白椿

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「人類種の天敵」2

「…そうだよ。戦うしかないの…。フィオナ、私は彼を殺して、ラインアークに住まう人々を皆殺しにする。いい?私は自分の答えを成就する。何のために戦うのか、私は己の為に戦う。さぁ、準備して…。」

 

 

 

私はライフルを強く握る。この手で殺めた沢山の人々の血塗られた武器で、戦うしかないのだ。

 

 

 

「……言葉は不要か…。」

 

()は言う。明らかに敵意を込めて。だが、その言葉には哀しさが含まれているような声色だった。

 

 

 

そして最後の戦いが始まってしまった。

 

 

 

決着が着くまでに、それ程時間は掛からなかった。およそ15分間の死闘だったが、結果は私の負けだった。

 

 

 

だが、悔いはない。むしろ、解放されて清々しい気分でもある。ただ、生きている限り死の恐怖は免れないだろう。

 

 

 

「やっぱりかー...。私なんか死ぬしか残されてないんだよね。」

 

私の機体は殆ど大破して水底に沈みつつある。

 

「結局、君の答えは成就出来たのか!?そこで死ぬような玉じゃないだろう!?」

 

無線機越しで伝わる怒涛の声。私は遂、彼は優しいのだなと改めて思ってしまう。

 

 

 

「いいんだよ...。これで良かった...。正直に言うとね。私は辛かったんだよ...。一億の人々を殺した。挙句に、私の大切な...大切なセレンさんにだって...この手で...。」

 

「この空を飛び続け、人々は安心して暮らす。それは仕方ない事なのかもしれない。でもね、私はそれが許せなかった。私たち、リンクスや皆を、この汚染された地上に放置するのが許せなかった。だからね、殺めた代償に、私は死ぬの。」

 

「.....何のために戦うのか、貴女の答えは、成就出来たのですか...?」

 

 

 

フィオナが聞いてくれた問いに、私は暫し無言になった。

 

数秒した後に、私はこう答えた。

 

「きっと、出来たよ...。」

 

私は笑う。精一杯に笑って答えた。

 

 

 

水底へと沈みゆく私。彼は目の前で見つめている。

 

水没して死ぬのは嫌なので、お願いをする事にした。

 

「...一つ、お願いがあるの。」

 

「...なんだい?」

 

「水没して死ぬのは嫌だから、AA(アサルト・アーマー)で殺して...私を...。」

 

 

 

「......。」

 

「......。」

 

彼とフィオナは黙りこくる。

 

やがて決心したのか、彼の機体であるホワイト・グリントはゆっくりと私に近づいてくる。

 

 

 

「最期に何か言い残す事は...あるか...?」

 

全く、こんな展開は恥ずかしいのに。言い残すことって...あまりないかもしれない。

 

代わりに、感謝を伝える事にしたほうがいいだろうと思った。

 

 

 

「己の答えを、成就してね......。()()()()()()()()さん。ありがとう、さようなら。」

 

 

 

直後に、彼の機体を中心に粒子が渦巻くように凝縮して、広範囲に爆発した。

 

眩しい光の波が、私を飲み込む。私の機体諸共に、消し炭のように爆破した。

 

 

 

私は、人類を最も殺したという罪しか残されていない。それだけを遺して、私は死んだ。

 

 

 

その後、彼はどうなったのか。死んだ私には知る術もない。

 

どうか、フィオナ達と幸せに生きて、自分の答えを成就して欲しい。

 

 

 

死ぬ直前に心の中で思ったモノは、()()だけだった。

 

 

 

これにて、人類種の天敵とまで呼ばれた彼女の人生は幕を閉じた。

 

 

 

残ったのは、汚染された大地のみ。この先どうなるのか、生きる者たちの特権なのである。

 

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