Fate/Next Order ~Answer~ 作:黒白椿
どうしてこうなってしまったのでしょうか。
辺りは一面と破損して、今にでも全てが無くなってしまう。そんな脆い空間の中に、私は今佇んでいる。
周りを見渡すと、一人膝を付いている少年を見かけた。すぐに駆けつけてみれば、それは藤丸立香だった。
「立香君!?どうして貴方が・・・。ここは危険だと言ったはずです!」
彼は私に気付いたのか、ボロボロな身体を無理やり動かすように、私へとその顔を向けた。
「...あぁ、ジャンヌか...。ごめん、それでも彼女を見過ごす事は出来なかったよ...。もう、残ってるサーヴァントはキミと、アルトリアだけだ...。」
隣を見やると、凛々しい騎士様を思わせるような人が、今となっては敗れた騎士のようなボロボロな姿で倒れ伏している。
「はは...。参ったねぇ、これは...。彼女を阻止すべく、集まったサーヴァントの全員、30名の内29名は彼女に殺された...。一斉に掛かっても、手も足も出なかった...!悔しいさ、人類のため、あとたった一人を倒すことが出来れば...世界は救われたのに...!皆が、笑いあえるような世界になれたのに...!!」
立香君は悲痛な叫びを出す。私には、それを咎めることも、責めることも、慰めることさえ出来ない。全ては私の撒いた種なのだから。
「分かりました、後は...私で何とかしてみます。立香君は、セイバーを連れて逃げてください。」
彼は何も言わない。恐らく、無謀な事をしようとしてる私を軽蔑しているのだろう、または、同情なのか。
「セイバー、すみませんが...貴方のエクスカリバー、借りていきます。あの人が破壊しないということは、私に託そうとしていたからだと思いますから。」
アルトリアの剣を握る。そして、「お借りします」と一言だけ述べた。すると、アルトリアがうっすらと目を開きゆっくりと口にした。
「,,,申し訳ありません、宜しくお願いします...。」
アルトリアの言葉に酷く心に突き刺さった。その謝罪は任せる事ではなく、私と彼女との....。
「いいんです、セイバー。あとは、ゆっくり休んでください。」
そう言うと、私は振り返り最深部へと駆けた。聖剣を手に、あの人を倒さないとならない。
★★★★★
いくつものの星が流れたのだろう。今となっては正直どうでもいいのかも知れない。
私は大聖杯へと手を伸ばした。この世の全ての命を容易く滅ぼせるような、大きな聖杯に。
だが、私は伸ばす手を止めた。
「...遅かったね。...言葉は不要か。」
「...ジャンヌ。」
★★★★★
「...遅かったね。...言葉は不要か。...ジャンヌ。」
彼女だ。
「...もう、ここで終わりにしませんか?今ならまだ、引き返せます...!だから、お願い...もう、やめてください!」
私は必死に叫ぶ。願わくば、この声が彼女に届いて欲しい。
「ごめんね、ジャンヌ。これが、私の
流石と言うべきか、30名との英霊を同時に相手をして大破しているというのに、まだ深手になっていない。倒さなければ、誰にも明日は来ない。
「えぇ、分かっています。戦場に恋人は駄目です。ですが、本当の恋人の私ですら、聞いてくれないのですね...。」
彼女の腕がピクッと震えた。一瞬、辛そうな表情をしたが、すぐに私を睨み付けた。
「関係ないよ、本当の恋人だったとしても、好きだから。殺したい程好きだから、別に問題ないよ。邪魔になるから、今からジャンヌ。君を殺す。さようなら、ジャンヌ。大好きだったよ。」
「...ッッ!!!」
次の瞬間、彼女は瞬きするより速く、私に肉薄してきた。距離は最低でも60mはあったはずだ。恐らく二段QBを使ったのだろう。
そうして、手に持っていた月光で私へと振りかざした。
それに応対するように、私もエクスリバーで受け止める。
この一撃で、辺りの瓦礫は吹き飛んでしまった。
一旦距離を取る。それでも彼女相手には気休めにもならないが、しないよりはマシかもしれない。
私はこの時に過去を振り返る。どうしてこうなってしまったのか。
あの優しくて、頼り甲斐があって、可愛い貴女は何処へ行ってしまったのか。
「...お願い、あの頃の貴女に戻って...」
思わず、言葉に出してしまった。
英霊特有の速さで距離を置いても、直ぐに追いつかれてしまう。
私がすべき最善の行動は一つしかない。それは、私が死ぬ事だ。