異世界食堂 おバカな料理人   作:京勇樹

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久しぶりに、コラボ回です
chaosravenさんの作品からです
どうぞ


交三皿目 シュクメルリ

「はぁ……つっかれたな……」

 

「今回の依頼も、相手の人数が多過ぎましたわ……」

 

「撃っちゃ走っての繰り返しだったよねぇ……」

 

凄腕傭兵のレイの言葉に、スケアクロウとティナは頷いた。この三人は、今しがたギルドからの依頼を完了し、数日ぶりに部屋に戻ってきて、シャワーを浴び終わったところだ。

依頼内容は、強盗団兼違法売却団の殲滅。

この依頼を出してきたのは、戦術人形メーカーのIOPだ。

何でも、ある基地の指揮官から発注されて送り出した戦術人形が横取りされ、闇ルートで売られていたらしい。

それを知ったIOPは怒り狂い、その強盗団兼違法売却団の殲滅を依頼してきたとか。

その代わり、報酬も弾んでいた。

なお、他にもその相手のアジトから色々と回収してある。

すると、スケアクロウが

 

「あら……二人とも、今日は例の日みたいですわよ」

 

と一ヶ所を指差した。

そこには、ねこやのドアがあった。

 

「あぁん? あぁ、久しぶりだな」

 

「この前ご飯食べたトコだよねっ!?」

 

最後に行ったのは、夏のBBQフェアという日だった。

その日は、様々な串焼きを大量に食べたのを覚えている。

その後は、依頼が重なって中々来れなかった。

 

「今から飯を用意すんのも手間、か……折角だ、また世話になるか」

 

「さんせーい!!」

 

「フフ、参りましょう。楽しみですわね」

 

レイの言葉に、ティナは朗らかに、スケアクロウは上品に笑った。

 

「いらっしゃいませ! 洋食のねこやにようこそ! あ、お久しぶりです、レイさん! スケアクロウさんに、ティナさんも!」

 

そんな三人を元気に迎えたのは、アレッタだった。

アレッタは三人を空いている席に案内すると

 

「それでは、何時も通りにお任せ、で良いでしょうか?」

 

「ああ、頼む」

 

レイの返答を聞いたアレッタは、笑顔で頷いてから離れた。その後、霊夢が三人分の水を置いて、少しすると

 

「お待たせしました、シュクメルリです」

 

と三人の前に、早希がカートから小さなお鍋を置いた。

 

「これは……」

 

「シュクメルリと言いまして、ジョージアという国の郷土料理になります。簡単に説明しますと、鶏肉をニンニクで味付けした煮込み料理です」

 

早希は説明しながら、三人の前にパンを載せた皿と深皿。コショウの瓶を置き

 

「お鍋は熱いので、取っ手以外は触らないように注意してください。こちらのコショウはお好みでお使いください。パンのお代わりは自由です。それでは、ごゆっくりとどうぞ」

 

と言ってから離れた。

三人は見送ってから、自分たちの前に置かれた鍋を見た。まだグツグツとしている事から、熱々なのが伺える。

鍋料理なのは、恐らく寒いからだろう。実際三人も、体が冷えている。

 

「じゃあ、食べるか」

 

レイはそう言って、お鍋からお皿にシュクメルリをよそった。すると、一気に鼻をニンニクの匂いが満たし、空腹感が刺激される。

知らず知らずに唾を飲み込み、レイはスプーンで口に運んだ。

その瞬間、確かに熱さが口を支配したが、同時に口の中に濃厚な牛乳とチーズの風味が広がった。

それだけでなく、ニンニクの風味も広がり、食欲を強くさせた。二口目で鶏肉を食べたのだが、口の中でホロホロと崩れるが、同時に鶏肉本来の弾力も感じる。

 

「美味い……」

 

しみじみとした様子で呟きながら、更にレイは食べた。

一皿目は普通に食べたのだが、二皿目は付け合わせのパンにスープを染み込ませて食べてみた。

暖かいパンにスープを染み込ませる事で、パンがずっしりと重くなり、一口食べてみると、小麦の甘さとバターの香ばしさが合わさり、何とも言えない満足感を感じられた。

そこからは、無我夢中だった。

三人は鍋が空になり、お代わりしたパンを使って皿も綺麗になるように食べた。

三人が食べ終わると、店長と明久が近寄ってきて

 

「どうでしたか? 当店の新しい料理は」

 

「冷えてるだろうと考えて、煮込み料理にしました」

 

と言ってきた。

 

「とても美味しかったですわ……体も暖まりました」

 

「本当! 体ポカポカだよ!」

 

スケアクロウは口元を拭いてから答え、ティナは元気に答えた。

 

「二人の言う通り、本当に美味かった」

 

レイもそう言うと、店長は笑みを浮かべ

 

「それは良かったです。では、こちらをどうぞ」

 

「サービスのサンドウィッチの詰め合わせです」

 

と三人に紙箱が入ったビニール袋を差し出した。

これで、三人は朝食も確保した事になる。

三人が席を立つと

 

「では、また7日後にお待ちしています」

 

「またの御来店を」

 

と店長達が見送った。

三人は消えていくドアを見ながら

 

「さて、また明日から頑張りますか」

 

「ですわね」

 

「また行きたいし!」

 

と生活に戻っていったのだった。

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