異世界食堂 おバカな料理人   作:京勇樹

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100皿目 ココナッツカレー

「何、新しいカレーとな!?」

 

何時ものように来店したアルフォンスは、明久の言葉に興奮した様子で顔を向けた。

 

「はい。是非試食していただきたいのですが、構いませんか?」

 

「うむ! 持ってこい! 勿論、大盛でだ!」

 

「はい、分かりました」

 

アルフォンスの力強い注文を聞いて、明久はキッチンに戻っていった。そして、数分後

 

「お待たせしました、ココナッツカレーです」

 

と霊夢が、アルフォンスの前に料理を置いた。

薄茶色のルーが特徴的なカレーだ。

 

「これが新しいカレーか……普段のより、少し白いな」

 

「はい。ココナッツという果実の果汁を入れたカレーになってまして、それにより白くなっているそうです」

 

アルフォンスに説明しながら、霊夢はスプーンを置き

 

「それでは、ごゆっくり」

 

と下がった。

霊夢を見送ってからアルフォンスは、スプーンを手に取ると

 

「では、まずはスープからだな」

 

と薄い茶色のルーを僅かに掬って、口に運んだ。

 

「ふむ……最初はそれほど辛さを感じないが、後から辛さを感じる……」

 

続いてアルフォンスは、ライスと一緒に掬って

 

「では、いよいよライスと一緒にだ」

 

と呟いてから、口に運んだ。

そして、咀嚼後

 

「……なるほど……ココナッツという果実の果汁を混ぜた事で、辛さをマイルドにしつつも豊潤な味わい……そして、後から来る辛さ……うむ、旨い!」

 

と言って、最初の一皿目を食べた。そこに、明久が近寄り

 

「新しいカレー、ココナッツカレーはどうでしたか?」

 

「うむ、中々に旨いカレーだ」

 

アルフォンスのその言葉に、明久は満足そうに頷いた。

 

「では、ココナッツカレーの他のバリエーション、試してみますか?」

 

「なに!? バリエーション!?」

 

「はい。今回のココナッツカレーは、トッピングや辛さの変更で、多数のバリエーションがご用意出来ます」

 

明久がそう説明すると、早希がアルフォンスの前に新しく紙を数枚置いた。

そう、今回新しく考案したココナッツカレーは、お客の好みに合わせて変更する事が可能なように作ったのだ。

それを見たアルフォンスは、期待した様子で

 

「では、辛さは5辛というやつで、チキンステーキのトッピングを頼む!!」

 

「はい、承りました。少々お待ちください」

 

明久は早希を伴って下がり、見送ったアルフォンスは二人が置いていったココナッツカレー用のメニューをじっくり読み始めた。

 

「なるほど……つまり先ほどのは、所謂ベースというものか……!! そこに、多種多様なトッピングや辛さ調整で、自分好みに出来る……!」

 

全く新しいカレーに、アルフォンスはまるで少年時代に戻ったかのように期待に胸が高鳴ったのを感じた。

そして、メニューを見ながら、あれやこれやと考えていたら

 

「お待たせしました、5辛にチキンステーキトッピングのココナッツカレーです。こちら、お好みでチーズもお使いください」

 

とアレッタが、アルフォンスの前に新しいココナッツカレーを置いた。

最初のココナッツカレーより、多少緑色に染まったココナッツカレーだ。しかし、匂いで最初のより辛いと分かる。

 

「不思議な色だが……よし!」

 

最初は、何時ものようにルーから

 

「むっ! こ、これは辛い!」

 

アルフォンスの所感だが、二皿目のココナッツカレーは、チキンカレーより辛いと感じた。

猛烈な辛さが口の中に広がり、アルフォンスは思わずコップの水を一気に飲み干した位だ。

そして、次にチキンステーキ。

チキンステーキは食べ安いようにと、細く切られており、それをアルフォンスはスプーンで更に半分に切ってから、口に運んだ。

 

「ふむ、これ自体はシンプルに塩とスパイスか……」

 

そしていよいよ、チキンステーキと一緒に、ココナッツカレーを口に運んだ。

 

「むっ! これは……! 確かに辛いが、チキンから溢れる脂が辛さを和らげ、調和している!」

 

チキンステーキの断面から溢れる上質な脂が、辛さを包んで和らげ、口の中で混ざり合う。

そしてアルフォンスは、半分食べると粉チーズを掛けてみた。

 

「ふむ……濃厚なチーズが更に辛さを抑え、食べ易い……しかも、チキンステーキとも見事に合う……素晴らしい……!」

 

最早アルフォンスは、ココナッツカレーに夢中だった。

そこからは、ガムシャラに口にココナッツカレーを運び続けた。

そして食べ終わり、水を飲み干した時

 

「如何でした?」

 

と明久が問い掛けた。

 

「うむ! 今回のココナッツカレー、カスタマイズ出来るというのは素晴らしい! 自分の好きな味を探せるからな!」

 

「それは良かった。では、メニュー入り確定ですね」

 

明久の言葉に、アルフォンスは満足そうに頷いたのだった。

 

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