異世界食堂 おバカな料理人   作:京勇樹

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短いです。


102皿目 夏野菜とツナの冷やしうどん

 

 

 

夜、全お客が帰って、片付けも一段落した。

 

「さて……夜のまかないはどうするか」

 

「店長、大量のこのナス。使いましょうか」

 

そう言って明久は、八百屋が納入したナスの箱を指差した。夏野菜の一つ、ナスが収められた段ボールが、二箱はある。他にも、トマトやトウモロコシもある。

 

「そうだな……そうするか。明久、メインは俺がやる」

 

「分かりました。では、サブは僕がやりますね」

 

店長は少し考えた後、ヨシと頷いてから調理に取り掛かった。そして、数十分後

 

「お待たせ。夏野菜とツナの冷やしうどんだ」

 

「こっちは、オクラとワカメのサラダだよ」

 

と店長と明久が、料理を運んできた。

 

「うどんは、お好みで特製の出汁か生卵で食べてくれ」

 

店長はそう言って、机の真ん中に出汁が入った鍋と卵が幾つか入れてある籠を置いた。

 

「うどんはまだまだ有るぞ」

 

店長はそう言って、うどんが入っているザルを乗せたお皿を指差した。その横には、うどんの上に乗せてある夏野菜とツナも置かれてある。

 

「サラダは一応、塩味が軽く付いてるけど、好みでドレッシングも使ってね」

 

明久はそう言って、特製ドレッシングの入っている器を指差した。

そして

 

「それじゃあ、いただきます」

 

『いただきます』

 

と食べ始めた。

 

「この野菜、魚の風味がします」

 

「ツナの脂で、少し焼いてあるんだ」

 

アレッタの疑問に、店長が答える。

夏野菜、ナスとトウモロコシはツナの脂を使って軽く焼いてある為に、ツナの風味が染み込んでいる。

野菜の風味を残しつつ、ツナの風味も混ざっているナスとトウモロコシ。そしてトマトとキュウリはよく冷やしてからそれぞれ切ってから軽く塩味が効いている。

出汁は基本はカツオと昆布の合わせに、今回はたまたま入手していたソウダガツオを合わせている。

香りカツオに味ソウダという言葉が有り、香りはカツオ節が優れ、味はソウダガツオ節の方が優っているとされる。

ただし、ソウダガツオはカツオに比べて身が小さく骨が多い為に加工に時間が掛かる事からカツオ節に比べて高いという特徴もある。

それはさておき、出汁を一口飲んだ妖夢は

 

「これ……普通のカツオ節じゃない……初めての味だけど、美味しい……」

 

と呟くと、また一口飲んだ。恐らく味の研究をしているのだろう。

気づくと霊夢は、卵と出汁を合わせて食べている。

ある意味、月見うどんだ。

 

「サラダも合わせてみたら、結構美味しいです」

 

「ですね。オクラのトロみも合います」

 

アレッタがサラダをうどんに掛けていて、沙希もサラダをうどんに掛けて食べている。

明久としては考えていなかった食べ方だが、合うなら良いかと思い、二人に倣ってサラダをうどんに掛けて食べてみた。

ワカメとオクラが、出汁と合わさってかなり美味しい。

 

(発想力で負けたか……これが若さか)

 

明久はそう思っているが、明久も十分に若い。もし店長が聞いていたら、ツッコミが入っていただろう。

そして、全員でうどんと夏野菜を綺麗に食べ終わり、1日が終わったのだった。

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