異世界食堂 おバカな料理人   作:京勇樹

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103皿目 シーフードパスタ

 

 

 

日曜日の朝、霊夢と妖夢は早朝に目覚めた。

早朝5時、ねこやが地下だから分からないが、漸く太陽が出てきた時間だ。二人は最早慣れで、その時間に起きた。

アレッタを起こさないように、布団から出て、キッチンに向かうと

 

「あ、おはよう。二人とも」

 

と明久が、キッチンに立っていた。

 

「おはようございます」

 

「副料理長さん、おはようございます」

 

「副料理長、ではないかなぁ」

 

妖夢の呼び方に、明久は苦笑を浮かべた。

 

「明久さん。今日は明久さんだけなんですか?」

 

「うん。今日、店長と早希さんは法事兼お墓参りに故郷に行くみたいでね。今準備中なんだ。だから、僕が店長達の分も含めて用意してるんだ」

 

明久はそう言いながら、作った料理を手際よくお弁当に詰めていく。

最初に作ったお弁当には旬の野菜や魚を使って天ぷらを作り、後に作ったのはおにぎりを三つ詰めたお弁当だ。

 

「なんで、2種類なんですか?」

 

「最初に作ったのは、帰り用。後に作ったのは、急ぐだろうし、片手で食べられるようにね」

 

妖夢の問い掛けに、明久は作ったお弁当を保冷バッグに入れながら答えた。

その時、エレベーターが降りてきて

 

「おお、明久。朝早くから、悪いな」

 

「すいません」

 

と店長と早希の二人が、喪服を着て出てきた。

そんな二人に、明久は作ったばかりのお弁当を手渡しながら

 

「こちら、お弁当です。こっちが行き用で、こっちが帰り用のお弁当です」

 

と説明した。受け取った店長と早希は、手早く鞄にしまって

 

「んじゃ、悪いが行ってくる。彼女達の朝食、頼んだ」

 

「行ってきます」

 

「はい、お気をつけて」

 

店長と早希は店のドアから、外に出た。

それを見送った後、明久は今度は自分達の朝食の準備に入った。

その後、アレッタも起きてきて、霊夢達と一緒に寝ていた休憩室とホールの掃除を始めた。

 

「さて、何を作ろうかな……」

 

明久はそう言いながら、残ってる材料を見た。

天ぷら用とおにぎり用に、幾らか用意した材料。それを見て、明久は

 

「よし、アレを作ろう」

 

と頷いた。

そして少しして

 

「朝食出来たよ。運んでくれる?」

 

「はーい!」

 

霊夢、妖夢、アレッタの三人と一緒に、料理を運んだ。

 

「今日は、シーフードパスタに冷製コーンスープだよ」

 

「美味しそうです!」

 

「冷製コーンスープ……」

 

アレッタは純粋に目を輝かせ、妖夢は冷製コーンスープを興味深い様子で見ていた。

シーフードパスタは、天ぷらとおにぎりの具に用いた魚介類。イカ、エビ、タコを中心に、おにぎり用のシーチキンを使い、薄く醤油で味付けした。

冷製コーンスープは、トウモロコシと玉ねぎを使い、コンソメスープと牛乳を混ぜて作った一品である。

 

「いただきます」

 

『いただきます!』

 

何時もの挨拶をしてから、全員食べ始めた。

 

「このシーフードパスタ、凄く美味しいです! クラーコ(イカ)シュライプ(エビ)が、ショウユによく合います!」

 

「こっちの冷製コーンスープも、味が濃厚で美味しいわね」

 

「冷たくても、美味しいんだ……」

 

三人の言葉に、明久は安堵しながら自分も食べた。

三人の食べっぷりは、料理人冥利に尽きる勢いだった。

やはり夏には、冷たい料理も良いと明久は考えた。

一応フライパン一杯に作ったシーフードパスタと、片手鍋に作った冷製コーンスープは全て消えて、食器を食器洗い機に入れて、明久は三人分のバイト代とアレッタに頼まれていたメンチカツサンドを用意しようとしていた。

その時

 

「すいません、明久さん。実は、お願いがあるんですが」

 

とアレッタが、申し訳なさそうに言ってきた。

 

「ん? どうしたの?」

 

「その……何でも良いので、片手で食べられる料理を、一つ作ってほしいんです」

 

明久が問い掛けると、アレッタはそう言ってきた。

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