異世界食堂 おバカな料理人   作:京勇樹

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アレッタの一日 前

「んー……っはぁ……」

 

その日アレッタは、休憩室で目を覚ました。

なぜ、休憩室で寝ていたのか。その理由は、ある日のことだった。

 

『え? 何時も夜遅くに一人で、離れてるサラさんの別荘に帰ってるの?』

 

『はい。あ、通るのは人が多い道ですから、大丈夫ですよ』

 

『それでも、夜道の一人歩きは危ないよ! 叔父さん、明久さん!』

 

『それは初めて聞いた』

 

『よし、アレッタちゃん。閉店後は、ここで寝ていいからね』

 

となったのだ。

実を言えば、早希も最近は明久達と同じ階の一室を借りて住み始めたのだ。その理由は、曰く

 

『家賃、ここの方が安いから』

 

とのことだったが、その時に明久を見ていたのを、店長は見逃していない。

そしてアレッタは、休憩室の机を端に移動させて、そこに布団を敷いて眠ることになったのだ。

目を覚ましたアレッタは、顔を洗って意識をしゃっきりさせた。

その時、エレベーターのドアが開いて

 

「あ、起きたね」

 

と明久と店長、早希が現れた。

これから、朝食である。

 

「さて、今朝の朝食は……」

 

「早希ちゃん、GO」

 

「私ですか!?」

 

三人は賑やかに、キッチンの方に向かっていった。その間にアレッタは、休憩室に敷いてあった布団を畳み、机を元の位置に戻し、机の上を拭いた。

その数分後、三人が料理を運んできて

 

「早希ちゃん特製、朝食だよー」

 

「ふ、二人には負けるとは思いますが……」

 

「ありがとうございます」

 

そして四人は、机に座って

 

『いただきます!』

 

と一緒に、朝食を食べた。早希が作ったのは和食で、焼いた秋刀魚がおいしかった。

その後は朝食のお皿やお茶碗を洗ったり、前日の残りの洗い物を、早希と一緒に片付けていた。

 

「早希さんのご飯、凄く美味しかったです!」

 

「ありがとうね、アレッタちゃん」

 

アレッタの言葉に、早希は嬉しそうに微笑んだ。明久と店長は、冷蔵庫の中を見て、発注書を書いている。

そしてアレッタは、忘れ物が無いか確認し

 

「それでは、私は帰りますね!」

 

「うん、またね」

 

「六日後にね」

 

「気を付けてね」

 

四人の言葉に頭を下げながら、アレッタはねこやを後にした。燦々と輝く太陽が眩しくて、アレッタは思わず手をかざした。

 

「うん、いい天気……洗濯物がよく乾きそう」

 

アレッタはそう言って、もう1つの働き先のサラの別荘に向かった。サラの生活力は低く、放っておけばすぐにゴミが溜まってしまうのだ。

 

「ただいま戻りまし……たぁ!?」

 

別荘に入ったアレッタは、目の前の光景に驚いた。何故ならば、サラの部屋のドアが開いて、物が溢れてきていたからだ。

 

「サラ様!?」

 

「助けてー……」

 

アレッタが部屋に向かって声を上げると、物の中からサラの声が辛うじて聞こえてきた。

 

「わぁぁぁ!? 大丈夫ですか!?」

 

慌てたアレッタは、サラの発掘を開始。数分後、物の下からサラを発見した。

 

「いやぁ……久しぶりに物置開けたら、中から溢れてきちゃって……」

 

とサラが指差したのは、サラの部屋と直結している物置へのドア。確かに、そこから物が溢れている。

 

「適当に放り込んでたからね……やっちゃったわ……」

 

サラはそう言いながら、頭を掻いている。それを聞いたアレッタは、深々と溜め息を吐いて

 

「サラ様、今日は一緒に物置を片付けますよ!」

 

と言って、準備の為に掃除道具を取りに行った。

これが、アレッタの一日の始まり。

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