「神様、今日の晩御飯は何にしましょうか」
「ベル樣、今月はそれなりに稼いでるとはいえ、無駄遣いは厳禁ですよ!?」
「まあいいじゃねぇか、リリ助。ベルが無事に深層から帰還したんだ。今日位はパッーとな」
「まあ、今日は
「う、ごめんよ……皆が無事に帰ってくるか、気が気でなかったから……」
白髪赤目の少年、ベル・クラネルの問い掛けを聞いて、小柄な少女、リリルカ・アーデは何やら慌てた様子で苦言を言うが、大柄で短い赤髪が特徴のヴェルフ・クロッゾは笑顔で快活に笑う。そして何やら思い出したように、黒髪の少女。ヤマト・命が言うと黒髪ツインテールに巨乳のヘスティアが僅かに俯いた。
彼等が居るのは、オラリオ。神々が集まり住まう土地であり、その神々が人間や亜人を
そしてヘスティアも、そんな神の一人だ。ただし、地上に降りてからかなり長い年月を知り合いの神の所でグータラと過ごした結果、その神の所から追い出され、何とかファミリアを結成しようと頑張り続けた結果、初めて眷族になったのがベル・クラネルだった。
その後は様々なトラブルを乗り越えて、今の人数にまで増えた。
先に挙げたベル、リリルカ、ヴェルフ、命の他に、金髪に狐の尻尾が特徴のサンジョウノ・春姫が居る。規模としては小規模のファミリアだが、中々の修羅場を潜り抜けたメンバーだ。
「さてと、どうし……ん?」
最初にそれに気付いたのは、ベルだった。
「ベル樣、どうし……なんですか、アレ?」
「初めて見るドアだな……」
「ですね……自分も初めて見ます」
「これは……猫ですね……」
「なんて書いてあるんだ……? 共通語とも、神聖語とも違うな……」
ベルの視線を追って気付いた一同は近づき、一様に首を傾げた。しかし、そのドアから凄まじい魔力が満ちていることは分かった。さて、どうするか。と全員が悩んでいると
「よし、開けよう」
とベルが、ドアノブを掴んで開けた。すると、目の前が一気に明るくなって、カウベルが聞こえて
「いらっしゃいませ、洋食のねこやにようこそ!」
と一同を、長い黒髪の少女が出迎えた。