異世界食堂 おバカな料理人   作:京勇樹

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コラボ2作目です!
今回はchaosraven氏の作品
裏稼業とカカシさん、からこのお二人に来ていただきました
https://syosetu.org/novel/194706/

こんなんで大丈夫でしょうか?(震え)


交2皿目 タンドリーチキン

「っだぁ……疲れた……あの組織、あんなに戦力を整えやがって……俺だけだったら、絶対に無理だったろ……」

 

「お疲れ様ですわ、レイ」

 

お昼過ぎに帰宅した一組の男女。その男性の方はソファーに腰掛けながら愚痴を溢した。すると、ガスマスクを装着したモノクロの服を着た女性が、その男性。

レイに労いの言葉を掛けた。

彼女の名前は、スケアクロウ。一目では分かりにくいが、彼女は戦術人形と呼ばれるロボットである。

彼女はある経緯からレイの相棒となり、レイと共に傭兵として活動している。

そしてレイは、その筋では結構名が通っている傭兵である。実はもう一人(一体?)戦術人形が居るのだが、タイミング悪く定期検査でメーカーに行っている。

そのレイ達だが、実はこの2日間、依頼である非合法組織の壊滅を行った。だが、事前に得ていた情報よりもその組織の戦力が多かったために、いくら腕利きのレイとスケアクロウの二人でも壊滅させるには時間が掛かってしまい、帰ってきたのが少し前のことだった。

そのために、食事すらまだ取っていないのだが、作る体力も気力も無かった。

 

「レイ……食事を取りませんと……」

 

「分かってるけど……作る気力が……」

 

スケアクロウの言葉にレイは頷いたものの、中々動こうとしなかった。それを見て、スケアクロウは自分が作るべきかと考えながら視線を動かし、それを見つけた。

 

「レイ……」

 

「んお……どうし……なんだあれ?」

 

スケアクロウに呼ばれたレイも、それを見つけた。ネコの彫刻が施された、黒いドアだ。

 

「……ドア、ですわね……」

 

「見たまんまな……アーキテクトのイタズラか?」

 

アーキテクトというのは、スケアクロウの妹機と言える戦術人形に辺り、二人が所属する傭兵ギルドで開発要員になっている戦術人形だ。

好奇心旺盛かつ少々アホの子で、時々子供みたいなイタズラもする。そのアーキテクトのイタズラかとも思ったが、それでも手が込み過ぎている。

傭兵としてしつつ、レイは重たい体を動かしてドアに近寄った。すると、スケアクロウが

 

「レイ……ここに彫られてる文字……日本語では?」

 

「YOU、何言っちゃってんの……え、マジ?」

 

「真剣と書いて、マジですわ」

 

スケアクロウの言葉にレイはまさか、という顔をしたが、スケアクロウは至って真顔だった。この世界では、第三次世界大戦と北蘭島事件(コーラップス流出)により世界規模で生活圏が減り、特に日本はその殆どが重度汚染区域になり、人が住めなくなった。

それでも日系人が生き残っているが、最早日本語という言語は無くなったに等しいのだ。

 

「……まさか、開くのか?」

 

レイは半信半疑だったが、ドアノブを掴んで回してみると、カチャリという音がして、僅かに開いた。

 

「…………これで見えたのが部屋の壁だったら、アーキテクトを説教するぞ、俺は」

 

ただでさえ疲れてるのに、下らないイタズラをして精神的にも疲れさせたからお説教だ。そう思いながらレイは、ドアを開けた。その直後

 

「いらっしゃいませ……洋食のねこやにようこそ」

 

少し緊張した表情の霊夢が、二人を出迎えた。

 

「……何処だ、ここ……」

 

レイが思わず呟くと、スケアクロウがレイの袖をチョイチョイと引いて

 

「レイ……その、信じられないかもしれませんが……ここ、過去みたいですわ」

 

「……YOU、何言っちゃってんの? ……え、マジなの?」

 

スケアクロウの言葉に一瞬驚くレイだったが、すぐに真顔になった。そして、スケアクロウは

 

「えっと、今しがたネットに繋げたんですが……私が知るのよりも大分技術的に古いんです……大体、2020年代辺りかと……」

 

「……えぇぇぇぇ……」

 

俄には信じがたいことを告げられ、レイは困惑した。そこに、アレッタが近寄り

 

「霊夢さん、どうしました?」

 

と霊夢に問い掛けた。そのアレッタの両側頭部の巻き角を見てレイは即座に腰の拳銃を抜いて、構えた。

その直後、気づけば席に座っていたタツゴロウが刀を抜いて

 

「そこまでにしておけ、お主……ここは食事処……武器を抜くのは、些か礼儀知らずなのでは?」

 

とレイを制止した。まさに、一瞬の早業にレイが固まっていると

 

「えっと……お客様、何か失礼でもありましたか?」

 

と早希に呼ばれたらしい、店長が現れた。

そして店長は、とりあえずレイとスケアクロウを奥に招き入れて、明久に対応を任せた。

 

「えっと……すいません、何か此方の不手際でもありましたか?」

 

「ああ、いや……傭兵としての性というか……」

 

「予想外の事態になると、銃を抜くのが癖みたいなものなんですの」

 

明久の問い掛けに、レイとスケアクロウは気まずそうに答えた。

 

「傭兵……失礼ですけど、貴女……」

 

「はい、なんですの?」

 

「もしかしてですが……代理人という戦術人形のお知り合いですか?」

 

まさかの名前を出され、スケアクロウは驚いた表情で

 

「代理人は私の姉ですが、なんで……」

 

「姉妹でしたか、なるほど……いや、似た印象だったもので……ということは、喫茶鉄血と関係あります?」

 

更に予想外の名前が出てきて、レイとスケアクロウは顔を見合わせた。二人からしたら並行世界の代理人が営む喫茶鉄血。そこと知り合いの食堂。となれば、最早異世界の食堂だ。そこから二人は、異世界に渡ったと結論着けた。

 

「……異世界に渡ったのか、俺達は……」

 

「最早、何でもアリですわね……」

 

「あ、なんか結論に至りました?」

 

二人が天井を見上げていると、明久は結論に至ったと悟り、首を傾げた。そして二人は、何とか平常心に戻ると

 

「それで、洋食のねこやって言ってたよな?」

 

「ということは、ここはレストランですか?」

 

と明久に問い掛けた。

 

「はい。色々とありますよ……こちらが、そのメニューです」

 

明久はそう言って、二人に通常のメニューを差し出した。そして開くが、生憎と二人には分からなかった。

二人が住む世界は、先に言った戦争と事件で酪農や農業に大打撃を受けていて、料理のレパートリー等は大幅に減ってしまった。

 

「とはいえ……どういう料理か分からないな……」

 

「ですわね……」

 

一応メニューには、レイ達にも分かる言語で説明が書かれてあるが、よく分からない。すると、明久が

 

「でしたら、こちらにお任せにしますか?」

 

と助けを出した。

 

「……そうしてもらえると、助かるかな……」

 

「私も、お願いしますわ」

 

「承りました。では、フロアでお待ちください」

 

明久の言葉を聞いて、二人はフロアに移動。空いてる席に座り、待つことにした。その間に、フロアを見回した。先ほど、レイに刀を向けたタツゴロウ。それに、長い杖を傍らに置いているアルトリウス。頭がライオンのライオネル。ガガンポと、自分達の常識からは想像も着かない人物達が居る。

 

「……異世界にも、色んなパターンがあるんだな……」

 

「まるで、一昔前のアニメの世界ですわ……」

 

アーキテクトは暇になると昔のアニメ(日本アニメ)を見るが、まるでその登場キャラのような見た目の人物達が美味しそうに料理を食べている。

それを見た二人は、全員がただ料理を食べに来ているだけと知った。その時

 

「お待たせしました、タンドリーチキンです」

 

と早希が、二人の前に皿を置いた。

 

「これは……」

 

「タンドリーチキンと言いまして、鶏の胸肉、手羽先、モモ肉をオリジナルブレンドのスパイスに一晩漬けた後に焼いた料理です」

 

早希は説明しながら、ライスの皿とコンソメスープの器、最後にフォークとナイフを置き

 

「ライスとスープはお代わり自由ですので、何時でも申し付けてください。それでは」

 

と言って、下がっていった。早希を見送った二人は、料理に視線を向けた。皿の上には、茶色いペーストのような物が付き、見事な焼き色の鶏肉と野菜が盛られている。

そして何より、香ばしい匂いが二人の空腹を刺激する。

レイは、フォークとナイフを持つと

 

「んじゃあ……まずは……」

 

レイは、鶏肉を一口サイズに切って口に運んだ。その直後、今まで味わったことのない味が口の中に広がった。ピリリとしつつも濃厚な肉の味、それを際立たせるスパイス。その味わいに、レイは思わずライスを口に掻き込んだ。そして

 

「旨すぎるっ!」

 

何処ぞの蛇のようなセリフを言って、更に鶏肉を一口食べた。先ほど食べたのより脂が溢れ、口の中に広がる。どうやら、違う部位を食べたようで、新しい味わいが口を満たす。肉を一口食べる度に、新しい味わいが口の中に広がり、レイとスケアクロウは食べるのが止まらなくなる。そして気付けば、ライスを二杯ほどお代わりし、コンソメスープもお代わりした。

 

「レイ……美味しかったですね……」

 

「だな……あ」

 

レイはその時になって、支払いをどうしようと考えて、そしてあることを思い出した。

 

(あ、アレが有った)

 

そうして、店長が現れると

 

「支払いなんだが……これでいいか?」

 

と何処からともなく、金塊を取り出して手渡した。

 

「金塊!?」

 

まさかの支払いに、店長は驚いた。

 

「レイ……その金塊はどうしたんですの?」

 

「いやな、あの組織の部屋を一つずつ調べてたらな、何かボスのらしい部屋の金庫の中から見つけたんだわ……まあ、依頼料金の割に敵の数が多かったからな……貰っておいた」

 

スケアクロウの問い掛けに、レイがそう答えた。

 

「ま、まあ……とりあえず受け取っておきます……」

 

「あ、こちらサービスです。傭兵ということなので、サンドイッチの詰め合わせです」

 

レイがビニール袋を受け取ると、店長が

 

「当店は7日に一度来れますので、またの来店をお待ちしてます」

 

と何時もの説明をして、レイとスケアクロウは退店した。そして、消えていくドアを見ながら

 

「ところで、レイ……なんで見つけた時に教えてくれなかったんですの?」

 

「いやな、その直後に敵に遭遇しちまったから、忘れてたんだわ」

 

「つーーーん」

 

「マジかよ……」

 

この後、スケアクロウの機嫌を直すのに時間が掛かったレイだった。

なおレイが店長に渡した金塊だが、かなりの金額になったので、暫くは払わないでも済むようになったりする。

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