目が覚めると綺麗な花園の中で、お茶の用意をしてくれている七色に輝く髪を持った、絶世の美女が待っていた。
「ようこそラクシアへ。私はアステリア、この世界の神の一柱です。所で、アリスは元気だった?最近会ってないから、あのハイテンションが懐かしくて……」
「あ~、地球の女神様の名前の事ですか? 今初めて聞きました。あの神様アリスって名前なんですね」
「「……………………」」
微妙な空気が漂った後で、アステリア様がケラケラと笑い出した。
「相変わらず抜けてるわね、あの子。そう言う所も好きなんだけどね……何か凄いの送るから!! って言ってたけど、気が抜けちゃった。紅茶で良いわよね?」
そして、俺とアステリア様、一人と一柱のお茶会が始まったのであった。
***
現在、妖精の女神様が激おこ中である。
「アリス適当過ぎ! 向こうで強化したって言ってたけど、調整をこっちに丸投げって聞いてなかったわよ!! ん~……? オークって蛮族じゃないの? 人族扱いみたいだけど、調整が雑過ぎて下に降りたらレブナント化するじゃない!! 調整、調整っと……よし、終わった。はい、目を閉じてこっち向いててね」
黙って立っていると、唇に柔らかい感触が押し付けられた。ビックリしてのけ反った後に目を開けると、悪戯っぽく笑うアステリア様が至近距離に立っていた。
「妹分のアリスが迷惑をかけたからそのお詫びよ、私の加護も付けといたから蛮族をバリバリやっつけて来てね。じゃあ、いってらっしゃい」
花園から徐々に遠ざかっていて、気が付いたらキノコの輪の中に立っていた。
「森の中って言うのがアステリア様らしいけど、場所が分からないのがなぁ……」
アイテムボックスの中には、アリス様の所でキャラ作成時に買ったアイテムと、アステリア様が入れてくれたらしい千二百ガメルが入っていた。一ガメルを出した後で、もう一回アイテムボックスに仕舞って仕様を確かめた後、女神様通販のARをサイバーアイに投影してみる。
「ステータス表示機能とマップ表示機能が追加されてるな。良く見たら、Ver.1.01 Byアステリアって書いてあるし……ステータスは調整してあるって言ってたから見てみるか。ポチっとな」
AR上に表示されたステータスだが、SW2.0のキャラクター表示とシャドウランのキャラクター表示、それとアリス様の加護とアステリア様の加護が入り混じって、おかしな事になっていた。
***
種族:ナイトメア(種族:オーク特性を加算) 生まれ:ストリート・サムライ
冒険者レベル:1/15 穢れ:1
器用度:17(+2/ +5( 7)= (+ 9)*:敏捷度(サイバーウェア)
敏捷度:14(+2/ +5( 8)= (+10)*:反応力(サイバーウェア)
筋力 :20(+3/ +5( 7)= (+10)*:筋力 (サイバーウェア)
生命力:18(+3/ +8(12)= (+15)*:強靭度(サイバーウェア)
知力 :17(+2/ +5( )= (+ 7)*:直観力と倫理力の合算
精神力:18(+3/ +2( )= (+ 5)*:意志力
エッセンス:2.49 エッジ:3 イニシアティブ:17(敏捷度ボーナスと知力ボーナスの合算)
イニシアティブパス:4 HP:63 MP:123
規制対象品:動物の形質/神経増速:3
規制対象品:レッドサムライアーマー(カブトヘルメット付き)
強化遺伝子の継承者:動物の形質/神経増速:3
ヒューマン風の外見(見た目が人間、異貌状態でも変わらない)
インプラント適合性(バイオウェア)
アイテムボックス(アリス様の加護)
ラクシア全ての言語理解(アリス様の加護)
女神様通販(アリス様の加護)
妖精の目(戦闘特技:精密射撃、鷹の目、狙撃/アステリア様の加護)
加護の使い手(戦闘特技:魔法誘導、魔法収束、魔法制御、MP軽減(神聖魔法:アステリア、精霊魔法)魔力強化Ⅱ(神聖魔法:アステリア、精霊魔法)魔晶石の達人、ダブルキャスト、キャパシティ、魔法拡大:威力確実化、確実化、数、距離、時間、範囲/アステリア様の加護)
*聖印、宝石を装備しなくても魔法の使用が可能(体自体がアステリアの聖印扱いであり、精霊魔法に対するゲート扱い/アステリア様の加護)
戦闘特技:両手利き
苦手:ハッキング
苦手:電子戦
アレルギー:汚染物質(一般/軽)
精霊との反発性(昆虫精霊)
SIN持ち(標準)
弱点属性:土
プリースト:アステリア 15(アステリア様の加護)
フェアリーテイマー 15(アステリア様の加護)
ファイター 1 刀剣+5、回避+4
シューター 1 自動火器+5、ピストル+4(ヘビーピストル)+2
スカウト 1 運動技能グループ+1、知覚+1、潜入+2
先制力+17
ライダー 1 地上機全般+1
HP強化
*加護による戦闘特技の取得と、種族特徴の強化は不可能
残経験点:500 残カルマ:0 (経験点100毎に、カルマ1点に変換可能)
動物の形質/神経増速 :3(スタンダード)エッセンス:1.35
骨密度強化 :4(スタンダード)エッセンス:1.08
筋肉強化 :2(スタンダード)エッセンス:0.36
筋肉調律 :2(スタンダード)エッセンス:0.36
サイバーアイ :4(アルファ )エッセンス:0.4
スマートリンク (3)
大光量補正 (1)
低光量視野 (2)
熱映像視野 (2)
視覚強化:3 (3)
映像拡大 (2)
アイレーザー・システム(3)
アイレーザーマイク:3
アイレーザー測距器
サイバーイヤー :3(アルファ )エッセンス:0.32
聴覚強化:3 (3)
平衡強化 (4)
ダンパー (1)
音源探知 (2)
可聴域拡大 (1)
レッド・サムライ・アーマー
カブト・ヘルメット
機動力アップグレード:2
筋力アップグレード :3(3)
ジャイロマウント (4)
油圧ジャッキ :4(5)
耐火:6
断熱:6
絶縁:6
フォームフィッティング・ボディーアーマー
シャツ
フルボディー・スーツ
アーマージャケット
バリスティック・シールド
ヘルメス・アイコン
アイリス・オーブ
分析:3、検索:3、命令:1、編集:3
BLT/ホットシム
スキンリンク
ナノペースト・トロード
FNP93プリーダー
フラッシュライト (低光量)
電気式発火
外部スマートガン (上部)
ガスベントⅢ (銃身)
高速連射化 (2)
追加クリップ (2)
測距器改良 (1)
近接対応 (1)
スリング
予備クリップ42本(1クリップ50発)
通常弾1000発
コルト・マンハンター (レーザーサイト付き)×2
内部スマートガン
近接戦対応 (1)
測距器改良 (1)
カスタムグリップ (1)
銃身延長 (1)
アンダーバレル・ウェイト(2)
予備クリップ11本(1クリップ16発)
通常弾180発
クイックドロー・ホルスター×2
カタナ
武器整備キット
医療キット:6
クライスラー・ニッサン・パトロール1
コネ:地球の女神様アリス(6/6) 妖精神アステリア様(6/6)
1200ガメル
***
…………うん、色々と酷い。最初は大した事無いと思ってたけど、女神様の加護×2とSW2.0のキャラクターとストリート・サムライが組み合わさって、アホみたいに強くなってるし。
「でも、これは必要なかったかも」
そう言いながらコムリンクを取り出す。これはスマホが進化した物で、これ一つでARの制御やVRモードへの移行、ハッキングも出来るしゲームも出来る上に、自分の持っている電子機器全ての制御なども行えのだ。スマートガンの制御用に買ったのだが、それ以外に使わないんだよな。そう思っていたら、電話がかかって来た。
「もしもし?」
「アステリアよ。電話は繋がってるし、私もたまに見てるから。後、アリスにも電話は繋がってるから困ったら連絡ちょうだいね。それと、君の名前を聞いて無かったんだけど教えてくれない?」
遂にやって来た、TRPG最大のイベント名前付けである。元々こっちに呼ばれた理由がアステリア様の手伝いである以上、蛮族と戦う必要があるから冒険者になるのは必須なのだが、それなら本名じゃつまらない。
「アステリア様、俺の外見ってどうなってるんですか?」
そう言うと、待ってましたとばかりに嬉しそうに言って来た。
「私の眷属に相応しく、物凄くカッコ良くしといたわよ。知り合いが見ても一見だと分からないと思うけど、ベースは本人だから仲が良い人だと気が付くかな。で、名前は?」
「んー…………グラムで。グラム・アリステア、これが俺の名前にします。アリス様、アステリア様、これからよろしくお願いします」
いつの間にかアステリア様の眷属にされたみたいだけど、結構気が合う女神様だったし、加護も貰ったので、アステリア様の為にもがんばろうと思う。
俺は森から出る為に歩き出した。ラクシアと言う新しい世界で、俺は冒険者になる。これから起こる事に、俺自身がドキドキしていた。