あなたトトロって言うのね / stay night 作:hasegawa
――昔むかし、あるところに、ユパ様とエボシ御前がいました。
「行こう……、ここもじきに腐海に沈む……」
「賢(さか)しらにわずかな不運を見せびらかすなッ!
その右腕、斬り落としてやろうッ!!」
――ある日、ユパ様は腐海の探索に。エボシ御前は川に洗濯に行きました。
「……エボシさま、あれは……?!」
「……わからん、人ではないッ」
隣で一緒に洗濯をしていたゴンザが示した方を見てみると……、川から大きなトトロのお腹に乗ったサツキとメイが、どんぶらこ~どんぶらこ~と、こちらへ流れて来ました。
「サツキ、メイ。 そなたらタタラ場にとどまり、力を尽くさぬか?」
エボシ御前はトトロ達をタタラ場へと連れ帰り、共に暮らす事としました。
トトロの大きな身体はタタラを踏む時には大活躍し、おトキさん達に大変喜ばれました。
サツキとメイにいたってはアシタカ彦や、たまにタタラ場を襲撃してくるサンともたいへん仲良くなりました。
そしてしばらく経ったある日……。
大きくなったサツキとメイは、ユパ様とエボシ様に言いました。
「おじいさん、おばあさん! 私達、悪い人達がいるっていう“ラピュタが島“に
鬼退治に行ってきます!」
「いってきますっ!」
「航空技術がどんどん進歩してるから……、いつか誰かに見つかっちゃう。
だからムスカみたいな連中に、ラピュタを渡しちゃいけないんだ」
トトロ達は最近友達になったパズーとシータを連れ、共にラピュタを目指す事にしました。
……………
…………………………
『アシタカ、お前にサンが救えるか?』
ラピュタが島へと向かう道中、森にいた“山犬モロ“の一族が、トトロ達に話しかけてきました。
『木ィ植エ……木ィ植エタ』
『ニンゲン、カエレ……』
そして森の賢者と称えられる、猿のショウジョウ達も話しかけて来ました。
セリフこそ映画そのままの物でしたが、意訳するとそれは「お腰につけたトウモロコシ、ひとつ私にくださいな♪」という、ラピュタが島へのお供を申し出る物でした。
サツキとメイは持っていたトウモロコシを皆に与えていきましたが、人数が多かったので、一匹につき、一粒づつでした。
それでもみんな、ちゃんとついてきて来てくれたのです。トウモロコシは凄くコストパフォーマンスに優れていました。
「こんにちわ! わたし魔女のキキです! 今日からここでお世話になります!」
「ここでは貴方のお国より、少しだけ人生が複雑なの」
そしてトウモロコシの甘い匂いに惹かれ、空から魔女のキキ、そしてマダムジーナに連れられたポルコが仲間になりました。
「……行ってくれ! ナウシカッ! 僕らの為に行ってくれッ!!」
そしてペジテのアスベルに説得されたナウシカも、この鬼退治にお供する事になりました。
「あ、る、こーう♪ あ、る、こぉーう♪」
「「「わたっしはー♪ げーんきぃー♪」」」
サツキとメイの歌声に合わせ、元気に歌うジブリの仲間たち。
陸路を進軍するサツキ達人間勢の後ろからは、沢山の大きな者達がゾロゾロとついてきました。
“モロの一族“
“ショウジョウ達“
“乙事主の一族“
“トトロ“
“ネコバス“
“シシ神“
“王蟲“
“巨神兵“
あとはドーラ一家の率いるタイガーモス号、トルメキア帝国軍、アドリア海の空賊達なんかも空からついて来ました。
サンがモロ達を率い、ナウシカが王蟲と巨神兵の指揮を執り、アドリア海の空賊達とポルコが連携をとります。
「あの雲の峰の向こうに、見た事のない島が浮いてるんだ……」
シータが飛行石でラピュタの位置を示し、パズーとキキが作戦参謀として傍に控えます。
特にこの若さで配達業を営み、様々な人生の苦楽を経験するキキの手腕は見事なものでした。
「海賊がお宝を狙って、何が悪いっ! さぁみんなっ、しっかり稼ぎな!!」
夕飯のハムにナイフを突き立てながら、ドーラがそう宣言をします。
トトロ達ジブリの勢力は、過去の鬼退治の歴史上、他に類を見ない物となっていきました。
……………
…………………………
やがてトトロ達一行は、空にラピュタが「プッカ~!」と浮いている所を発見します。
そしてラピュタの技術力の粋である立体映像を駆使し、ジブリの仲間たちの目の前に、ムスカ大佐が姿を現しました。
「あなたムスカっていうのね!」
『 言葉を慎みたまえ。 君たちは今、ラピュタ王の前にいるのだ! 』
メイはとっても嬉しそうにそう言ったのに、彼の返事は傲慢で、すごく素っ気ない物でした。
『 かつてラピュタは、恐るべき科学力で地上を支配する、恐怖の帝国d……
「「 バルス!! バルスバルスバルス!!!! 」」
ちょっとムカッときたパズーとシータは、問答無用で“滅びのまじない“を連呼してしまいました。
『 私の名はロムスカ・パロ・ウル………って目がぁッ!! 目ぇがぁぁ~~~~ッッ!!!!』
するとどうでしょう! もうガラガラと、突然ラピュタが崩壊していくではありませんか!
「“土に根を生やし、風と共に生きよう“。……土から離れては生きられないのよ!!」
もう「プンプン!」と頬を膨らませたシータが、プイッと顔を背けます。
「あぁ! 飛行石がっ! 木の根っこが全部もってっちまう!!」
「その者……青き衣をまといて……」
「アシタカは好きだ。でも人間を許す事は出来ない……」
「夢だけど! 夢じゃなかった!!」
ジブリの一同はもう「ヒューヒュー!」と歓声を上げ、ガラガラとラピュタが崩れ落ちて行く一大スペクタクルを、みんなで見守ったのでした。
……………
…………………………
ネコバスに乗り、タタラ場へと帰っていくサツキとメイ。
沢山の金銀財宝をもったジブリの仲間たちも、嬉しそうに家に帰っていきます。
そしてみんなを見守るようにして、葉っぱの傘を持ったトトロが空を飛び、輝くような笑顔で「ニッコー!」っと笑いました。
「さぁかえろう! おねぇちゃん!!」
「そうだねメイ! 今週の金曜ロードショーで、久しぶりに“となりのトトロ“
が放送されるもんね! それまでに帰らないと!」
「“今週8月17日(金)の夜“だね! おねぇちゃん!」
「そうだよメイ! みんなで一緒に“となりのトトロ“を観なきゃ!!」
「うん! おねぇちゃん!!」
…………………………
こどもの時にだけユーに訪れる、不思議な出会い。
そんな声が、どこかから聞こえたような気がしました。