まぁ、皆さん楽しんでいただければようござんます
静まり返った図書室でリゼリットは酷く焦った様子で本のページを捲っていた。しかし何れも探しているものと違うようで棚に戻したり、引き抜いたりしている。そうこうしているうちにリゼリットは古ぼけた本を読みながら立ち止まった。そして本を棚に戻して立ち去った。先程までリゼリットがいた場所にヒラヒラと黄ばんだ羊皮紙が舞う。
ー竜人、それを一言で表すのだとすれば、怪物という言葉が当てはまるのではないだろうかー
薄暗い道をランタンの灯りを頼りに歩く。リゼリットはダンジョンに来ていた。異常なスピードで階層を下っていき、リヴィラの街を通り越し37階層の白神殿に向かっている。そう、ウダイオス討伐だ。レベル2がウダイオスに単身挑みにいくという蛮行には2つの目的が有った。
一つはランクアップだ。と、いうわけも前回のランクアップから約5ヵ月。もうそろそろランクアップして良い時期だと考えたのだ。そしてもう一つは自分の力を高めるためである。それは鍛練等では無い。少し怪物紛いの事をして自分の位階を高めるのだ。
そして37階層へと下る階段の前へと着いた。幸いにもダンジョンのマップは全て頭に入っているから最短ルートで来れた。リゼリットは無言で深い闇の中へ入っていった。
「uohhhhhhhhh」
ウダイオスのつんざくような咆哮に顔をしかめた。そして長刀を抜いた。リゼリットは目の前のウダイオスを冷静に見据えて、駆け出した。リゼリットが走ったところを追うように黒い剣山が突き出してくるが、気に止めず駆け抜け、ウダイオスの懐に入り長刀を目一杯振った。しかしあまりの硬さに長刀は弾かれた。一瞬、動揺したリゼリットだったが、直ぐに行動を開始する。灯台もと暗し、ウダイオスの懐に居る分、九分九厘攻撃は当たらない。リゼリットはウダイオスを蹴って肩の関節まで登った。そして関節に刀を突き刺した。
「ohhhhhhhhhhhh」
ウダイオスが絶叫する。鼓膜が破れた。そのままゴライアスの胴体の上を駆けてもう片方の肩の関節も外した。
ーゴライアスの残存体力が半分を切りましたー
リュナが珍しい敬語を使い、戦闘の補佐をし出したことに若干の驚きを隠せない。が、そんなことは措いておこう。
このままウダイオスの上でロデオをしていても埒が開かない。リゼリットはウダイオスの頭の上に登り、思い切り飛び上がり、落下の勢いを着けて、ウダイオスの頭骨に長刀を降り下ろした。リゼリットはウダイオスの頭骨に皹をいれながら地上に戻ってきた。
ー残存体力、約1/4です。頭の皹に攻撃を集中させるのが最善策と思われますー
「カノン」
リュナに従おう。リゼリットは魔法を詠唱し、球体を虚空に浮かせた。そして狙いをゴライアスの頭の皹に合わせて、
照射した。
光線はウダイオスの皹を直撃した。そしてウダイオスは前のめりに倒れた。リゼリットは目の前に倒れてきたウダイオスに近寄りぱっくりと開いた頭蓋に目を向けた。
ーとどめをー
ウダイオスの皹に長刀を突っ込む。力を込めてウダイオスの皹を更に広げて、やげてウダイオスの頭が二等分された。リゼリットはウダイオスの灰の中にある魔石に近付いた。いままで見たことのなく大きい魔石。それを砕く。握りこぶし一つ分位の大きさに成った魔石に手を掛け、食べた。
これが目的だ。竜人という種族は魔石によって成長するのだ。
ゴリゴリという咀嚼音が誰も居ない37階層に響いた。
え?ゴライアスを百文字程度で狩ったぜこいつ