今回はエイナと絡めて見ました。
少し短めです(約1400文字)
「暇だ」
リゼリットは本が散らばった部屋で呟いた。窓からは太陽の光が射し込み、風に木が靡く音が聞こえる。こんな日には外で散歩でもしようか、そんなことを考えるが自分の身体と、鬼のように怒る王族エルフがきっと許してくれないだろう。部屋に有った本は読み終え、隣で幸せそうに眠る少女にはシグルーン(愛称シグ)と言う名を与えた。本人も気に入ってくれている様だ。シグが起きている間は多少は紛れるものの、一人に成った瞬間、改めて暇を感じる。ポーションを受け付けなくなった自分の身体を呪いつつ、シグの髪を撫でていると扉を叩く音が聞こえた。
「リゼリット?起きているか?」
「はい」
リゼリットは扉の奥のリヴェリアさんに返事をすると、音を立てて扉が開いた。すると入ってきたのはエイナだった。
どうやらリゼリットの事を聴き、見舞いに来た様だ。そしてリヴェリアさんが部屋から出ていき、二人きりに成った。
「リゼリットく~ん。冒険者は冒険しちゃダメって私、何度も言ったよねぇ~?」
お、鬼のように怒るエルフ、、、。しかし今回は不可抗力だ。自分から吹っ掛けたわけではない。珍しく必死に成って弁明するリゼリットにエイナは笑った。
「フフフ。冗談だよ」
「でーも!あまり無茶はしないこと!」
リゼリットは大人しく二、三度頷いた。エイナはその姿を見て再び笑った後、隣に居るシグを指して言った。
「そう言えばその子が最近悩んでるって言ってた子?」
リゼリットは前にエイナに子育ての相談をしたことが有った。そのことをエイナは思い出したようだ。しかし今は何故だかなついてくれているから悩みは消えたのだが。
「名前はシグルーンにした。シグって呼んでやれ」
そうリゼリットが言うとエイナはシグを撫で、本で散らかっている部屋を見渡した。
「あー。だからこんなに本が散らかっているだ。名付けに苦労していたんだね」
リゼリットは黙って頷く。エイナはリゼリットとシグを交互に見て微笑みを浮かべて本を拾い始めた。居たたまれなくなったリゼリットも拾おうとしたが傷口が傷んで叶わなかった。
「大丈夫!?もう。リゼリットくんは寝てて」
ぐぅの音も出ない。エイナは手際よく本を拾い集めてリゼリットのベッドの近くにある机の上に置いた。
「エイナ、見舞い。来てくれてありがと」
「いきなりどうしたの。らしくないよ」
「あまり他人に言うなってロキとリヴェリアさんに言われたけどエイナは信頼出来るから言う。俺、ポーションが効かなくなったみたい」
エイナは心底驚いているが、リゼリットは気にせず淡々と話し続ける。
「だからいつ死んでもおかしくない。冒険者は死と隣り合わせだけど俺は他より死ぬ確率が上がった。だからこう言う感謝は伝えられる時に伝えておく」
エイナはリゼリットの思いと、言葉の語尾に省略された「死んでしまう前に」と言う言葉を察して、リゼリットの白い髪を撫でた。
「リゼリットくん。死なないでね」
それが叶わぬ願いでも。するとシグが寝言を言った。
「とー。とー。ど、、こ、、?」
リゼリットはシグの手を優しく握った。
まるで本当の親子だ。その様子にエイナは癒やされながらも言った。
「うん。死なないでね。シグちゃんの為にも。きっと、きっとリゼリットくんなら良い父親に成れるよ」
「ああ」
夢の中で父親を探すシグ、それが現実に成らないようにしよう。そう静かに決心したリゼリットだった。
あれっ。ハーレム無しってタグが不在だなぁ。どこ言ったんだろー。