穢れ竜と金の半精霊   作:リョー

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 思ったんですけど言葉ってどう教えればいいんでしょうか。だって最初の状態って話すことも出来なければ聞くこともできないし、読むことも出来ないわけですよね。自分等の母親はどう教えたんですかね


訪問&医者

 「とー。これは?」

 

「ん?ああ。これは()()って言うんだ。見てろ、、、」

 

好奇心旺盛な娘にリゼリットは言葉を教えている。窓を指して、これはなんと言うんだ?と聞く娘を前にリゼリットは手を伸ばして窓を明け閉めした。

 

「こう使うんだよ。指を挟んだら危ないから余り触るなよ」

 

「わった!じゃー、、これは」

 

「それは()()って言うんだ」

 

そう言った瞬間にドアを叩く音が聞こえた。音にシグは驚き、リゼリットのベッドの上に駆け寄ってきた。リゼリットはシグを優しく撫でながら返事をした。

 

「はい」

 

「リゼリット、起きていたか。神ミアハと助手が到着された。開けて良いか?」

 

デジャブだろうか。そんなことは措いておいて、リゼリットは扉の奥のリヴェリアさんに返事をした。すると扉が開いて一柱と一人が入ってきた。

 

「ああ、シグも起きていたのか。少しこっちに来ていなさい」

 

リヴェリアさんが優しい声で言うと、シグは少し嫌がりながらもリヴェリアさんに抱かれて扉の近くでリゼリットを一緒に見守った。

 一柱は道具を用意すると、助手と一礼してリゼリットに言った。

 

「ロキから事情は聞いている。私はミアハでこやつは助手のナァーザだ。まずは傷口を見せてくれぬか?」

 

リゼリットは頷いて服を脱ぎ、身体に巻き付いている包帯を取った。傷が治る気配はなく、傷口は塞いでいないし、変色し出している。次いでに抉り取られて眼球の無い左目を見せた。

 

「これは酷いな。腹は分からぬが眼は治しようがない」

 

医神が治せないって言うのならもう一生治らないんだろう。エリクサー等が使えれば治せたかもしれなかったが、ポーション類をぶっかけたら身体が焼ける始末だ。所謂八方塞がりだ。原因を考えてみるが意味が分からなすぎて途中で止めた。

 

「他に怪我をしている所は無いか?」

 

身体を確かめてみる為に、リゼリットは化け狸を取った。それにより、白く煌めく鱗と真っ直ぐで太い角が露になる。化け狸を取ったら鱗や角が元に戻ると言うのは当たり前の事だったがリゼリットは違和感と疑問を抱いていた。この間の闘いで確かに角は折られた筈だからだ。其なのに角はリゼリットの前頭部からそびえ立っている。しかもこの間までより太く、長く成って。神ミアハと助手のナァーザは美しいその姿に心無しか見とれていた。

 

「おお。聞いてはいたがこれは、、!!」

 

「、、綺麗、、」

 

今のところ角に異常は無いようだ。ミアハ達が帰ったらリュナに聞こう。リゼリットがそう考えている間にミアハは異常は無いと判断したのか腹の診断を始めた。暫くしてミアハはリゼリットに質問をした。

 

「何で刺されたのだ?」

 

「俺の角を折って、それで刺されました」

 

「どのように刺されたのだ?」

 

「勢いをつけて刺されたあと、掻き混ぜられました」

 

随分と気持ちの悪い話だ。助手のナァーザさんも眼を閉じて顔をしかめている。ミアハは数分考え込んでリゼリット向き合った。

 

「良いか。よく聞くのだ。此れはただの怪我ではない。損傷が大きいのは分かるが、傷を負ってから今日までの日にちを考えて、本来なら出血が止まっていていい頃合いだ。しかし未だに出血が続いているということはこれは術の類いであろう。またお主の身体に流れている血も原因と考えてよいであろう」

 

「今から言うことは聞くことも出来るし、聞かないことも出来る。判断は其処にいるリヴェリア・リヨス・アールヴではなくお主が決めるのだ。お主はどうする」

 

 唐突に置かれた選択に少し戸惑った。ミアハがする話が何なのかはリゼリットは知らない。聞かぬが仏、なんて諺が極東にはあるが、この場合、それが当てはまるのかも分からない。しかしこの身体は全て自分のものだ。それなら聞こうではないか。リゼリットは決心して、頷いた。不意に扉の方を見た。そこにいたはずのリヴェリアさん達が居なくなっている。気遣いしてくれたのだろう。ミアハは話し出した。

 

「まずお主がこのままなら後3年という所だ」

 

「3年?」

 

「お主の余命だ」

 

リゼリットは息が詰まって声が出ない。そんなリゼリットを気にも止めずミアハは話し続ける。

 

「もっと生きていたいと思うのであれば術者を倒すことだな。それしか道はないぞ。それとお前の血についてだが、私から言うのは簡単なことだが自分で答えに辿り着くことに意味がある。探るのだ。自分自身を」

 

「取り敢えずは痛み止めと止血剤を出しておこう。それと、これは本当に困った時にだけ飲むのだ」

 

そう言ってミアハは丸薬を手渡した。リゼリットが其れを机の上に置くとミアハとナァーザは帰る準備を始めた。

 

「有難う御座いました。助かりました」

 

「ああ、また何か有れば頼ってくれ」

 

ミアハとナァーザが出ていき、リヴェリアとシグが飛び込んでくる。

 

「とーー!」

 

 飛び込んでくるシグが傷口に当たらない様に抱き抱えた。リヴェリアさんは何も聞かなかった。それが彼女なりの気遣いなのだろう。リゼリットは水で痛み止めと止血剤を飲んだ後、疑問を浮かべた。あの時、男の頭蓋を割って殺した筈だが。そし疑問が直ぐに解けることをまだ彼は知らないのだ。

 

 

 

 




 先の為の物語でした。余談だけど最近3歳になった再従兄弟が可愛い。シグが出てきたのはそのせいでもある。
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