一緒に過ごした時間は。   作:三条蓮花

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更新が遅れてすみません。戻りました。


エタってはないです。大丈夫です。

ただ、蒼太とあかりのイチャイチャがないと、筆が進みませんねぇ…。

とりあえず、いつものごとく前半投下です。


◇◇◇を導入しました。ある程度の時間が経過しているときに使っています。
今回から文体を少し調整しました。まだまだ試行錯誤している途中ですね…。



初めての共同作業。

『あ、もしもしもちた。今、少し良いか?』

 

 

優のそんな電話を受けたのは、蒼太があかりと付き合い始めてから数日が経った日のことだった。

 

 

 

優は基本的に電話をしない。夏樹は隣だからともかく、蒼太や春輝とは基本的にメールでやり取りをする。もちろん特に理由はない。

 

 

「ゆ、優?優が電話なんて、明日槍でも降るの?」

 

 

蒼太が思わずそう言ってしまうくらい、優の電話は珍しい現象だった。

 

 

『じゃあ明日もちたの家に、そうだな……槍がないからラップの芯を数百本送っておくよ』

 

 

「それ地味に利用できそうで使いどころが悩ましいものだよね!?いらないよ!あとラップ勿体ないね!?」

 

 

そんな蒼太のボケ(に見せかけた本音)に優は平然と蒼太をいじっていく。蒼太はどんなときでもいじられキャラになる宿命らしい。

 

しかし蒼太と優にとってはこんな軽妙な茶番も日常茶飯事なので、軽く流して話を進める。

 

 

「それで、どうしたの?わざわざ電話までしてくるなんて」

 

 

『ああ、そのことなんだが、明日春輝と合田も誘ってうちでゲーム大会しないか?もちろん、お前の愛しの彼女さんもな』

 

 

「ゲーム大会かぁ……って、なんで優がそのこと知ってるの!?僕まだ言ってないよね!?」

 

 

蒼太が慌てた様子で優に聞くが、当の本人はさらりとした態度でさも当たり前かのように答える。

 

 

『夏樹から聞いたに決まってんだろ。何でも早坂が夏樹と話してるときにお前が早坂に呼び掛けたらしいじゃねえか』

 

 

すると蒼太はしばらく考え込む動作をして、やがてぐんにょりした顔になった。

 

 

「あー、あれね………。あのときはタイミングが悪かったんだよ」

 

 

『ま、そんなとこだろうと思った。それで、先日はお楽しみだったんだろ?』

 

 

蒼太はあの晩の同衾を思い出したのか、顔から湯気が立ち上っていた。

 

 

「なっ、あああれは仕方のないことだったんだ!(寝るときは)暖かかったけど!」

 

 

ちなみに余談。件の、蒼太とあかりが結ばれた日に一緒に寝ていた二人だが、翌日になってあかりが家に帰ってから蒼太は改めて事の大きさと大胆さと恥ずかしさを自覚し、その後のあかりとの電話ですら久しぶりに緊張しっぱなしだったらしい。今は割かし元に戻ったみたいだが。

 

 

『……ほーう?やるなぁもちた。明日じっくり聞かせてもらおうか』

 

 

何を勘違いしたのか、優は蒼太にあれこれ聞く気満々のようだ。

 

 

『それで、明日はいけるか?』

 

 

「たぶん、行けると思う。あかりにも声をかけておくよ」

 

 

『サンキュ。じゃ、またな。』

 

 

プツッ、と優の電話が切られる。これが優と蒼太の会話だ。

 

一般の男子高校生同士にしては落ち着いた会話だが、それはむしろ何年も前からのことだ。蒼太も、この距離感に安心を覚えている。

 

 

「さ、早くあかりに電話しないとね。しっかし、明日なんて急だと思うけどなぁ……」

 

 

あかりがこの誘いを断らないかという懸念を抱えて、蒼太はあかりにコールする___

 

 

 

「…にしても、まさか6人ともOKなんて、中々ないよねぇ。まぁ、僕はあかりとこういうことしたことないし、すごく楽しみだ」

 

 

 

と蒼太がつぶやいたのは、最寄りの駅前、昼頃。

 

優からの電話の後、蒼太はすぐにあかりにゲーム大会の旨を伝えた。するとあかりは、「すごく楽しそうだね~。わかった、明日だね!考えるとこの6人で遊ぶなんて中々なかったから、ちょっとドキドキするなぁ……それに、蒼太くんとそういうことするの初めてだから。私も出来る限り行きたいな」と言い、蒼太を激しく悶えさせたのはまた別の話。

 

ところで、優と夏樹の家は、今蒼太がいる駅から北に15分のところにある。蒼太の家から駅を挟んでおり、学区も同じでよく遊んでいた。

 

そのため、蒼太はあかりと駅で落ち合わせてから目的地へ向かうことにしたのである。

 

 

「あかりが来るって言わなかったら、僕もしかしたら行かなかったかも……楽しみだな…」

 

 

と、ひとりごちている蒼太であった。

 

 

所変わって、ある電車の中。

 

一人の少女が、スマホを片手に座席に座っていた。

 

 

(今日は楽しみだな~……なんてったって、蒼太くんやなっちゃんたちと遊べるもんね。中々蒼太くんと二人でこういうことはしないからドキドキしちゃうよ…)

 

 

と、期待に胸を膨らませているのは、蒼太の恋人のあかり。

 

普段家から出ない彼女は、こういった「友達の家で遊ぶ」という経験もほとんどない。そういう意味でも、今日はあかりにとっていろいろ初めてな日でもある。

 

運命の日から数日経って、あの晩のドキドキイベントの翌日こそ互いに意識し合いまくりだったものの、蒼太の持ち前の緊張(と、その空回りによる場の和み)と、あかりの蒼太へのアピールにより今は割かし普通になっている。それでもあのときのような添い寝はしばらくしないらしいが。

 

 

(あ、そうだ!せっかくだから、蒼太くんにアレしてもらえるか言ってみよう…)

 

 

と、あかりがあることを想像した瞬間、頬が薄く赤らむ。それは、あかりがかねてより憧れていたことであり、一度も自身は経験したことのないことだった。

 

 

(それで、なんでもないような会話しながらゆったりと………あぅ…)

 

 

以前のあかりからは考えられないような思考(妄想)をしながら、あかりは電車に揺られていた。

 

 

 

「あ。あかり…………っ!」

 

 

出口の階段から降りてくるあかりを視界に捉えた蒼太は、逸る気持ちが抑えきれなくなったらしい、気付けばあかりの方へと駆け出していた。

 

それに気付いたのか、あかりもまた蒼太の方へと小走りになる。

 

 

 

「あかりっ!」

 

 

「蒼太くん!」

 

 

ギュッ

 

 

お~、熱いねぇ。

 

たった数日会えなかった。ただそれだけの理由で二人は公衆の面前で熱い抱擁を交わしていた。

 

 

「 「って、わわわ!」」

 

 

バッ

 

一瞬の間に愛を確かめ合ったのか、すぐに正気に戻った二人は慌てて体を離す。

 

 

「えと、こ、こんにちは、あかり」

 

 

「こ、こんにちは」

 

 

見れば、二人の顔はあっという間に紅葉色になっていた。どうやら相当恥ずかしかったみたいだ。

 

 

「き、今日は楽しみだね!あかりとこういうことはあんまりしないから、僕今浮かれてるよ」

 

 

「そ、それは奇遇だね。私も、今すぐどこか飛んでいきそうなくらいだよ」

 

 

羞恥を抑えるための、とりとめのない会話。

 

と、蒼太はあるものに目が止まる。それは今日自分がしているものでもあり、自身の初めての想い人への贈り物でもあった。

 

 

「そのマフラー、してくれてるんだ……」

 

 

「そういう蒼太くんだって、私の贈ったマフラーしてくれてるね」

 

 

「それはだって、好きな人から貰ったんだから。毎日でもしていたいくらいだよ」

 

 

「すっ………えへへ」

 

 

唐突な愛の告白に、あかりの顔はみるみるうちに笑顔になっていく。その笑顔を見て蒼太もまた、顔を綻ばせる。

 

 

「それじゃ、優の家に向かう?」

 

 

「そうだね………って、あっ」

 

 

蒼太とあかりが駅から北に歩き出そうとすると、あかりが何かを思い出したような声を上げた。

 

 

「どうしたの?」

 

 

「えと、実は、その。前々からしてみたかったことがあるんだけど……」

 

 

「?このタイミングで?」

 

 

蒼太は突然どうしたものかと、怪訝な視線をあかりに向ける。

 

するとあかりは、蒼太の目の前に右手を伸ばす。

 

「その……手を、繋ぎたい……かな」

 

「…………………っ!」

 

 

あかり の うわめづかい こうげき !

 

そうた は 5000 ダメージ を うけた !

 

「そ、そそうだね!気が利かなくてごめんね!」

 

「ふぇっ!?いや、私がしたいだけだから!気にしなくていいよ!」

 

「こっ、恋人なんだし!それくらいしないと!あと、僕もしたかったし!」

 

恋愛映画マスターの蒼太は、どうやら手を繋ぐという行為を当たり前のものだと認識していたらしい、まあそりゃそうか。

 

蒼太の地味な自爆発言を聞くと、あかりはたちまち嬉しさ全開な笑顔を浮かべた。

 

「それじゃあ…………ど、どうぞ」

 

 

「ど、どうも………」

 

スルッ

 

 

(え……………待って、これはやばい…!女の子の手ってこんなに柔らかいの…!?てか、はにかみながら上目遣いで見上げてくるあかりんかわ………って近ぁ!?それにあかりんの香りが………!!)

 

 

(っ!?なに、これ!?蒼太くんの手を握った瞬間、体がゾクッとして……私今すっごくドキドキしてる………!?蒼太くんはどんな反応……って近い!近すぎるよぉ!こんなのまともに見られない………そ、それに蒼太くんの匂いが……はふぅ……)

 

 

手を繋ぐ。確かに、世の中の常識からすればその行為は至極一般的だ。意中の相手とそのような関係になり、その相手の体に真っ当に触れることのできる権利を得る。そうやって触れるとたちまちさまざまな感情が沸き上がり、益々相手がいとおしくなる。ビバ恋人。

 

それはこの二人においても例外ではなく、手を絡めた瞬間、二人は未知の体験にとても驚いている。そりゃそうだろう。

 

 

「え、えと、それじゃあ、優の家に行こうか!こっちの方だよ!」

 

 

「う、うん!ありがとう!」

 

 

二人は、初めてのことに戸惑いながら今日の舞台へと向かった。

 

 

 

「やっぱりあかりは大胆だな~!!ね、そう思うでしょ優?」

 

「ああ。にしてもまさか、初夜で同衾まで済ませたなんてな。どうやらもちたを見誤ってたみたいだ」

 

 

「待って待って!色々恥ずかしいからもうやめてよ!!」

 

 

優の家。

 

駅から15分ほど、手を繋ぎながら歩いてきた二人。特に何事もなく無事に着くと、優と夏樹にニヤニヤしながら迎えられた。

 

二人が着く頃にはまだ春輝と美桜は来ていなかったので、先に優の部屋へとあがることにした。初めてではないとはいえ、あかりが蒼太のではない男部屋を訪問したことにかなり……もとい少し嫉妬を覚えた蒼太だが、顔に出ていたのか、あかりの「今度部屋に行かせてね?楽しみだから」という言葉で何とか気を保った、が、同時に同衾のことも思い出し顔から火が出そうだったらしい。

 

あかりは紫のトレンチコートを脱ぐと、ふむふむ。今日は、ピンクのニットワンピースに黒タイツらしかった。蒼太はあかりの服装を見て、やっぱりどぎまぎしていたみたいだ。何気にあかりのコーディネートが毎回楽しみな蒼太であった。

 

そして現在、優と夏樹にあの日のことを根掘り葉掘り聞かれているのである。おい夏樹、駅前のケーキ屋で聞いておいてまだ聞くのか。

 

 

キュッ

 

いつの間に、あかりは蒼太の裾を掴んでいた。

 

 

「へあっ!?あかり!?袖なんか掴んでどうしたの!?」

 

 

「へ?……………ってわぁ!?」

 

 

どうやら、恥ずかしさのあまり無意識にやったらしい。途端にあかりの顔は着火された。

 

 

「うわー!あかりが私の知らない顔してる!かーわーいーいー!!」

 

 

「こらこら、付き合いたてだからって所構わずイチャイチャしないことだぞ、もちた」

 

 

………僕は全然構わないよ?むしろもっとイチャついてほし(自主規制)

 

 

 

 

「はーい!というわけで早速遊ぼう!まずはこれ!」

 

 

そう高らかに宣言した夏樹が取り出したのは、所謂「人生ゲーム」というやつだった。

 

お馴染みのボードゲームであり、「大人数で遊ぶならずばり!」というものの代表例だろう。その歴史はゆうに50年を越えている。知らない人はいないんじゃないか、というくらい有名だ。

 

今のご時世、スマートフォンが普及したことによりアナログゲームというジャンルはほとんどその過去の栄光を見なくなっている。あゝ悲しきかな。

 

ちなみに、春輝と美桜も手を繋いで優の家に訪れた。優の部屋に案内されたあと蒼太は自分がされた腹いせに春輝をからかったが、逆にあかりとの関係でからかわれてしまった。

 

最後の役者が揃ったことにより、ようやくゲーム大会は幕を開ける。

 

 

「人生ゲームかぁ、僕数回しかやったことないんだよね……あかりは?」

 

 

「私も同じくらいかな。小さい頃に、親戚のおうちで何回かさせてもらった思い出があるよ」

 

 

「俺はやったことないなぁ。小さい頃からずっと映画撮ってたし」

 

 

「なら、私がいろいろ教えてあげるよ。私は何回かしたことあるから」

 

 

「おっ、サンキュー美桜」

 

 

蒼太、あかり、春輝、美桜が思い思いの思い出を口にする。 春輝を除いて、皆はある程度勝手がわかっているようだ。

 

 

「よし!それじゃあ私と優、もちたとあかり、春輝と美桜でペアを組んでプレイしない?それなら美桜もレクチャーしやすいでしょ?」

 

夏樹が良いこと思い付きましたと誇らしげな声音でタッグプレイを提案した。

 

 

「あかりと人生ゲーム……楽しみだなぁ」

 

 

「蒼太くんとの、共同作業………はぅ…」

 

 

………何やら語弊がありそうな単語を呟いた人がおりますねぇ。

 

夏樹や優、春輝は蒼太とあかりを見てニヤニヤしている。

 

ひとしきりニヤニヤし終えると、夏樹が開始の挨拶をした。

 

「それじゃ早速。人生ゲーム、始めよう!!」

 

 

◇◇◇

 

「一番手は私たちだね!優、ルーレット回す?」

 

 

「別に夏樹が回しても構わんぞ」

 

じゃんけんの結果、

 

①優&夏樹ペア

 

②蒼太&あかりペア

 

③春輝&美桜ペア

 

の順番となった。そして今は、優&夏樹ペアが職業決めのためルーレットを回そうとしている。

 

「おっけー!…………っと、5だ。えーっと、職業は………あ、イラストレーターだー!ねぇ優、これでいい?」

 

 

「お前がなりたいものになればいいよ。俺はあんまり拘ってないから」

 

 

「嫁のワガママを素直に聞き入れる……優イケメンだね」

 

 

蒼太が思わずそう溢す。

 

「もちた、幼馴染みってのはこういうもんだよ。お前にもいればよかったのになぁ」

 

 

「何故僕に語った………べっつにー?あかりがいるから要りませんよーだ」

 

 

「もちた、のろけるなら後にしてくれよな?」

 

 

「じゃ、私たちはイラストレーターになります!」

 

 

どうやら優&夏樹ペアは良いスタートを切れたらしい。

 

◇◇◇

 

 

「次は僕たちだね。ルーレット回す?」

 

 

「蒼太くんが回してもいいよ?」

 

「わかった」

 

 

くるるる、とルーレットが回る。

 

 

「えと、3かな。なになに……え、映画脚本家!?こんなのあるんだね…どうする?あかり」

 

 

「蒼太くんにぴったりだと思う。私は、蒼太くんがどんな職業だろうとずっと傍にいるよ」

 

「…誰かティッシュちょうだい」

 

あかりが笑顔でえらいこと言ってのけるので、蒼太は鼻血が出てしまったようだ。

 

 

◇◇◇

 

 

「よっしゃ、次は俺らだな!見た感じだと、このルーレットを回すのか。俺回してみてもいいか?」

 

 

「うん、いいよ。春輝くんには楽しんでほしいな」

 

 

「ありがとう美桜。っと…………2だな」

 

 

「2かぁ………あ、映画監督だって!春輝くんにぴったりだよ!」

 

 

「ほんとだ!なら、職業ってのはこれでいいんだな」

 

 

初めての人生ゲームにわくわくしている春輝と、それを横から見たり時たま教えたりしている美桜。

 

 

人生ゲームはまだ始まったばかりである。

 

 

◇◇◇

 

 

「給料日~給料日~っと!あー、そういやイラストレーターとかってルーレット回して決まるんだっけ」

 

 

「あぁ、そういやそうだったな。じゃ夏樹、どうぞ」

 

 

「まっかせて!私のイラストを世に知らしめてやるんだから!………………あ」

 

 

「3か……まあ、そこそこって感じだな。初めてにしては十分だろ」

「うっ………先はまだまだ遠い」

 

 

◇◇◇

 

 

「あかり、次だよ」

 

 

「じゃあ、私がルーレット回すね…………6だって」

 

 

「おっ、いいね!……って、これって」

 

 

「「結婚マス!?」」

 

 

「キター!もちたとあかりが結婚するんだね!もー、待ちくたびれたよ!」

 

 

「今日のハイライトの片割れ決定だな、もちた」

 

 

人生ゲームにおいて、ひいては人生においても最も重要なイベント、結婚。蒼太とあかりは見事そのマスにたどり着いた。優の言葉の通り、夏樹と優はこの人生ゲームで蒼太&あかりペア、春輝&美桜ペアの結婚イベントを一番心待ちにしていたのだ。もちろんいじるためだが。

 

 

「えと、その、蒼太く「あかり!」はひゃい!?」

 

 

あかりの言葉を、蒼太の力強いよびかけが遮る。蒼太は、その顔を真っ赤にしながら___

 

 

「結婚、しよう」

 

「………不束者ですが、これからもよろしくお願いします…」

 

 

あの、ここお二人のプライベート空間じゃないですからね?

 

 

「「「ひゅ~!!やるなぁ(ねぇ)もちた!!」」」

 

 

優と夏樹と春輝は、幼馴染みの痴態(?)に野次を飛ばす。

 

 

「…って、これだと本当にプロポーズしてるみたいじゃないかー!!恥ずかしすぎるよ!!あかりも、これゲームだから!そんなに照れないで!てか袖掴まれてる!?」

 

あかりは蒼太の袖をいつの間にかキュッと掴んでいた。

 

……恥ずかしさがピークに達すると蒼太の袖を掴んでしまうのだろうか、彼女は。

 

 

「ほ、ほら!春輝!さっさと回して!一旦流そう!」

 

 

◇◇◇

 

 

「イラストレーターは不定なのに、映画監督は安定してんだな、給料」

 

 

「でも良いことだよ。やっぱりルーレット運が必要なのは結構しんどいし、定額もらえるのは大きいね」

 

 

「ま、給料があろうとなかろうと、俺は美桜が笑ってくれるような映画を作るだけだ。カネのためなんかじゃねぇ」

 

 

「春輝くん………」

 

 

「「「お、男前だ………」」」

 

優、夏樹、蒼太は春輝のあまりの清々しさっぷりに畏敬の念を抱かずにはいられないようだ。そりゃこんな台詞吐かれたら女の子は皆惚れますわ。

 

 

 

そうやって、時間は刻々と過ぎていき__

 

 

 

◇◇◇

 

 

「よしっ、これで僕たちが一番乗りだ!あかり、お疲れ様!」

 

 

「お疲れ様、蒼太くん。楽しかったね!」

 

 

お、どうやら一番先にゴールにたどり着いたのは蒼太&あかりペアらしい。

 

 

「あーもう!あとちょっとで私たちもゴールするところだったのに!悔しい!」

 

 

「今回は3組とも接戦だったからな。中々盛り上がったんじゃないか?」

 

 

「人生ゲームって以外とゴール出来ないもんなんだな。俺舐めてたぜ」

 

 

「大丈夫!なっちゃんたちとの差はそんなにないし、次高い数字が出れば十分追い抜かせるよ!といっても、ゴールした順じゃなくて所持金の多さの方が大事なんだけどね」

 

 

◇◇◇

 

 

最終的に、

 

1位:春輝&美桜ペア

 

2位:蒼太&あかりペア

 

3位:優&夏樹ペア

 

 

の順位となった。やはり春輝の映画監督の給料が大きく、常にそれなりの金額をもらっていたにもかかわらず、あまりお金の減らないマスに割かし止まっていたのもあるだろう。

 

「はー楽しかった!久しぶりにやると楽しいもんだね!」

 

 

「これは次も検討しないといけないかもな」

 

 

と、純粋に感想を口にする優と夏樹。

 

「ゴールまで傍にいてくれてありがとう。途中いろんなことがあったけど、あかりといれば何だって大丈夫に思えたよ」

 

 

「こちらこそ、ずっと傍にいてくれてありがとう。これがゲームの世界なのが惜しいくらいだよ」

 

 

「え……………」

 

 

「えへへ…………」

 

 

………最早どこから突っ込めばいいのやら、な蒼太とあかり。

 

「お疲れ、美桜。楽しかったぜ」

 

 

「お疲れ様。それはよかったよ。あんまり教えられなくてごめんね?」

 

 

「いやいや、美桜がいたからこそ、初めてでもこんなに楽しめたんだ。だから謝らないでくれ」

 

 

「……そっか。ありがとう」

 

 

春輝と美桜は、無事人生ゲームを楽しくプレイできたようだ。

 

 

 

 

かくして、人生ゲームは幕を閉じた。

 

 

 

「……むっふっふ、お次は………ニヤリ」

 

 

「「「「?」」」」

 




タイトルに他意は(少ししか)ありません。

人生ゲーム自体、僕も数回程度なのでもしルールとか間違っていたらごめんなさい。

前書きのとおり、これは前半です。
後半は3組のカップルがそれぞれいろいろ聞かれます。もうゲーム大会関係ない。
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