衛宮家の日常。   作:ますたー☆あじあ

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衛宮先生のお料理教室 √Saber

今日は休日、いつものようにみんなで朝食をとるが学校の時のような慌ただしさはなく、ゆっくり朝食を楽しんでいた。

「士郎おかわりをお願いします」

「士郎~、私も~」

相変わらずセイバーと藤ねえはよく食べる。これだけ食いっぷりがいいと作る側としてはとてもうれしい。藤ねえはご飯を食べ終わると

「それじゃ、お姉ちゃんは学校へ行ってきまーす!」

「あれ、藤ねえ今日は学校休みだろ?」

「部活があるのよ~。あ、桜ちゃんも遅れないように来るのよ~」

と言って藤ねえは行ってしまった。桜も続いて学校へ行く。桜は弓道部の部長なので早めに行って準備があるようだ。

「あ、桜これ今日の弁当だ」

朝作った弁当を渡す。休日練習がある時は俺が桜の弁当を作っている。桜は笑顔でお弁当を受け取る。

「ありがとうございます、先輩!それじゃあまたね、行ってきます」

「あぁ、気をつけてな。練習頑張れよ!」

と応援して桜を送り出す。あれ、ライダーも出かけるのか。

「あれ、ライダーも出かけるのか」

「はい、今日は弓道部のお手伝いをと思いまして」

「あー、じゃちょっと待ってくれるか」

急いで台所に戻り、昼食としてつくっておいたおかずとご飯を弁当箱に詰め、弁当箱をナフキンで包む。

「お待たせライダー。これ今日の昼食だ」

「おや、申し訳ありません士郎。ありがとうございます、行ってまいります」

桜を頼んだ、と言ってライダーを見送った後片付けのために台所へ…と思ったらセイバーが食器を洗っていた。

「セイバー、俺がやるからいいんだぞ?」

セイバーは食器洗いをしながら俺に話す。

「料理は作れませんが…食器洗いならできますのでまずはそこから始めようかと思いまして」

セイバーが料理に興味を…?俺でいいなら教えれるが…

「セイバー、今日は料理作ってみるか?」

「私にもできるのでしょうか…士郎みたいにおいしく…」

しおらしくなるセイバー。うーん、俺もまだまだだけどそんなに理想は高くなくてもいいと思うんだが。

「誰だって初めは下手だ、セイバー。でも練習すれば俺みたいにおいしく作れるようになるだろうし、それに—―」

「それに…?何ですか士郎?」

「…笑うなよ?俺はセイバーと楽しく一緒に料理したいから…その、練習してほしい…」

最後の方はもう聞こえてないんじゃないかというくらい声は小さかった。

「な、なるほど…士郎がそういうのなら…私も頑張れます…」

セイバーまで…二人して顔を赤くする。えぇい、このままじゃ埒が明かない。

「と、ところでセイバーは初めての料理は何が作りたいんだ?」

まずは何を作るかを決めないと…材料が無かったら買い物に行かなければならないからな。

「そうですね、まずは卵焼きがよいと書物にありました」

セイバーの部屋に料理本ってあったっけ…まぁいいか。卵焼きか、材料は…っと

「卵もあるし買い物の必要はないな。じゃあさっそく今日の昼作ってみるか」

「はい、頑張りますね士郎」

笑顔で言葉を返すセイバー。お昼までお互いに作業をすることがあったので12時頃を目処に台所に集合にした。今日のお昼をつくるときは料理教室みたいになりそうだな。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

「お待たせしました、士郎」

セイバーの服を汚さないためにエプロンを貸したが…いかん、似合いすぎる。

「セイバー、よく似あってるぞ」

うん、セイバーも上機嫌だ。今度セイバー用のエプロンも調達してこないとな。

「ではよろしくお願いします、士郎」

「了解、じゃまずは材料だ」

冷蔵庫から卵を3つ取り出す。

「セイバー、卵は割れるか?」

これができなければ困るのだが…

「お任せを。卵かけご飯を食べているうちにコツをつかみましたので」

おぉ、きれいに割れている。そういえば確かにセイバーはよく卵かけご飯食べていたな。

「士郎、次はどうするのです?」

「うちは甘めの卵焼きにするから砂糖を入れるんだ。そのスプーン1杯の砂糖と一つまみの塩を入れたら、お箸でかき混ぜる」

手際よくセイバーは調味料を入れてかき混ぜる。ある程度かき混ぜたら…。

「よし、セイバー焼いてみようか。四角のフライパンがあるだろ?」

「えぇっと…これでしょうか?」

「正解、じゃあ火をつけてフライパンを温めてくれ。ある程度温まったら油をひく」

コンロに火を付け、少し待つ。チラッとセイバーの顔を見る。真剣に取り組んでいるというのは見てわかるけど、なんかこうものすごく気合いが入っているというかなんというか…。

「士郎、油の量はこれぐらいでよいのですか?」

っと、いかんいかん。考えすぎていたな。

「ん、そのくらいでいいよ。で卵を流し込むんだけど、一気に入れるんじゃなくて薄く卵を引いて巻いていくんだ。一回だけお手本でやってみせるな」

いつもよりゆっくりやる。セイバーはじっくりそれを見る。あんまりそうみられると…恥ずかしいな。

「っと、こんな感じだ。できそうか?」

「はい、何事も経験ですので!いざ」

ではお手並み拝見、と。卵は…お、いい量だ。そして広げて薄く延ばして…いよいよ巻く工程だが。

「なるほど、こういう感じですね」

セイバーはサクッとできてしまった。…意外と才能あるのでは…?セイバーはどんどん巻いていく。初心者とは思えない出来栄えだ…。そして普通に完成した。

「すごいなセイバー…これ初心者が作ったようには見えないぞ…」

「あ、ありがとうございます士郎…」

褒められて嬉しさ半分、恥ずかしさ半分なのだろう。少し顔を赤らめてもじもじしている。

「よし、じゃあ食べやすいように一口サイズに切って盛り付けようか、セイバー」

「はい!」

お皿にセイバー作の卵焼きを盛り付ける。お昼のおかずにはこれだけでは物足りない。

「セイバー、お昼のおかずをもう少し作ろうと思うんだが…」

セイバーは邪魔だと思ったのか距離をとり、エプロンを脱ごうとする。

「セイバーも手伝ってくれるか?」

セイバーは動きを止める。予想外だったのだろう、少し困惑気味に聞いてくる。

「よろしいのですか士郎?私はまだ士郎のように上手くは…」

「いや、いいんだよ。セイバーの練習にもなるし、それに…その、セイバーのエプロン姿を見ていたいからな」

「そ、そういうのでしたら…お手伝いいたします」

嬉しそうにセイバーは何をすればいいでしょうか、と表情で聞いてくる。さて、今日の昼飯は何にしようか――

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

「はは、たくさん作っちまったな…」

「は、はい…そうですね…」

つい、作りすぎてしまった。その、一生懸命作るセイバーが可愛かったから…歯止めが効かなくてとは言えない。「とりあえず、食うか…残ったら夕飯に回そう」

まぁなんとかできるだろう、夕飯の登板も俺だからな。

「士郎」

「ん、なんだ?」

お箸でセイバーが自分で作った卵焼きをつかみ俺の前に持ってくる。これって…

「せ、セイバー…?」

「あ、あーんです…士郎」

だ、だよな…この流れは…

「じ、自分で食えるよ」

「ダメです、士郎。始めて作った料理は士郎にあーんして食べさせるというのが目標でしたので」

いつの間にそんな目標立てたんだ?!…でもあんまり断り続けるとセイバーが可愛そうだよな…恥ずかしいけど、誰も見てないしいいよな…

「あ、あー…」

「!士郎…!はい、あーん」

くうぅ…死ぬほど恥ずかしい、誰も見てないとしても。

「どうでしょうか、士郎」

「ん…美味いよ、セイバー」

普通に美味い、分量は俺が指定したとしても、焦げてないし…美味いな。

「それは良かった、ではもう一度あーんしましょう士郎」

「んぐっ?!」

なんでさ?!1回だけじゃないのか?!あぁ、セイバーその顔はずるいぞその今すぐにも泣きそうな顔は!そんなの断れるわけないじゃないか…

「…あー」

諦めて口を開ける。

「ふふ、士郎…はい、あー…」

ん、とした瞬間に襖が開く。

「…」

「んぐっ?!」

桜にライダー?!なんで?!

「…桜、お楽しみを邪魔してはいけません…一度部屋に行きましょう」

「そ、そうですね、では…」

そっと襖が閉まる。せ、セイバー…?

「…」

「…」

お互いに黙り込む。

「せ、セイバー…とりあえず飯、冷えちまう前に食べちまおう」

「そ、そうですね…」

昼飯を食べ終わったあと、セイバーから耳打ちされる。

「こ、今度、私にあーんしてください士郎…」

「お、おうわかった」

これで痛み分け、なのか…?っていうか俺が耐えられるかな…。セイバーの顔は見れなかったが耳が赤くなっているのは見えた。それをみた俺も顔が少し熱くなった気がした。

一方、桜の部屋では…

「ライダー、本当にあの二人お付き合いもしていないの?」

「はい、私は何も聞いておりませんが…」

「なんかもういろいろ工程を飛ばしてあれ新婚さんよね」

「私もそう思います桜」

「「(早くくっつけばいいのに)」」

2人とも同じことを思っていたのであった。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

「おはようございます、士郎」

「おはようセイバー」

セイバーは次の日の朝も早起きして料理を手伝ってくれた。俺は助かるし、セイバーは上手になるし一石二鳥だ。セイバーが料理を振る舞うのもそう遠くはないかもしれない。

「士郎、味見をしてほしいのですが」

「ん、いいぞ…どれどれ」

セイバーは今日は味噌汁に挑戦している。んー…味噌が足りないかな。

「セイバー味見はしたか?」

「いえ、しておりません」

「そっか、んーそうだなこういうのって実際に飲んでみないと味がわからないだろ?だからこういう時はこういう小さいお皿にちょっとすくって味見をした方がいいぞ」

「なるほどでは早速」

味噌汁に味噌を追加し味を濃くしたものを味見する。セイバーは頷いている。どうやら完成したみたいだ。

「完璧です士郎、最終チェックをお願いします」

セイバーから受け取り、味見する。うん、いい感じだ。

「いい感じだ、セイバー。よく出来ている」

顔を輝かせて吉田と小声で言う。

「セイバー、あーん」

俺の作ったミートボールをセイバーに差し出す。

「…い、意外と恥ずかしいですね…あ、あー」

パクッと食べるセイバー。なんだが小動物買ってるみたいで可愛い。

「バッチリです、士郎」

「それじゃあ、盛り付けてみんなで飯食うか!」

今日も一日頑張れそうだ。

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