衛宮家の日常。   作:ますたー☆あじあ

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そうだ、プールへ行こう。

「「「あ"つ"い"〜〜」」」

お昼頃、今で机に突っ伏するのは凸凹コンビと俺が呼んでいる藤ねえとイリヤ、そして赤い悪魔こと遠坂と暑さのあまりアホ毛がしなしなと弱っているセイバーだ。

「確かに、暑いなぁ…もう夏って感じだ。ってなわけでお昼はそうめんにしたぞ」

「士郎~エアコン付けようよ、エ・ア・コ・ン」

エアコンねぇ…つけたいけどまだちと早いかなぁ。

「もう少しだけ我慢してくれ藤ねえ、まだ整備とかもろもろが終わってないんだ」

適当な理由をつけてつけさせないようにする。エアコン付けると電気代がな…。

「凛、溶けてます」

大の字で横になる遠坂。遠坂だけでなく、みんな暑くてぐったりしている。

「あっ」

ふと思い出す。あるじゃないか、夏らしいレジャー施設が。だが…うーん…。

「どうしたのよ士郎、何かいい案でも思いついたの?」

「あー…いや、わくわくざぶーんなら涼めるんじゃないかなと」

「考えたわね士郎、いい案ねそれ」

遠坂は乗り気だ。他のみんなは…

「いいですね、私も賛成です」

「士郎が行くなら私も行く〜」

「むむ、これは保護者として付いていかなければいけないでしょう!」

全員が行く気満々だ。というかさっきまでのぐったりしてたのはどこにいったんだ…。っとあとは桜とライダーか。あの二人はついさっき買い物行ったばかりだしまあしばらくかかるだろう。

「ところで士郎は水着持ってるの?学校指定の水着しかないなんてことはないでしょうね?」

「それ以外もちゃんとある、問題ない。セイバーのはあるのか?」

「はい、ついこの前大河と凛に選んでもらいました」

そっかそっか…いやしかし、女子ばかりなのにそこに俺が混じってもいいものなのかどうか…。

「士郎?まさか言い出しっぺが来ないなんて言わないわよね〜?」

「うっ…それは…」

他のみんなも『もちろん、来るよね?』とオーラを滲み出して圧力をかける。こうなると逃げることはできない。

「あぁ〜もう!分かったよ、行くよ!」

耐えれるかなぁ俺…頑張らないと…血液パックでも持って行っておくか?とまぁ冗談はさておき、不安でもあるが同時に楽しみでもある。みんなの水着を見れるわけだから男としてこれほど嬉しいことはない。だが逆に俺の理性が保てるかどうかも分からない、俺は健全な男子高校生だ。そりゃまぁ…そういうことだ、うん。

「士郎は幸せ者ねー。こーんなに大勢の女の人が水着を着て遊んでくれるんだもの」

「ばっ…遠坂…!」

そう、このメンバーで唯一男なのは俺だけ。側から見ればハーレム状態である。

「士郎、顔が紅潮してます」

「お、俺は部屋に戻る!明日ちゃんと用意しとけよな!」

急ぎ足で部屋を出て行く。しかしみんなの水着姿か…。

「…いかんいかん、しっかりするんだ俺!」

頬をピシピシと叩いて明日の準備をする。邪心を振り払い、バッグにいろいろ詰めながら明日のお弁当のことを考える。施設の中の飯も美味いけど出費は抑えたいからだ。ん〜…がっつりは食べた後が動かないしな…軽めのやつで行くか…。明日、俺は生きて帰るのだろうか…

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

「ヨーロッパの本格リゾートを思わせる、ゆったりとした空間が魅力的!水温は体温に近い温度で保たれ、1年通じて楽しめる屋内ウォーターレジャーランド!」

遠坂は手を空に掲げる。

「来たわよ!わくわくさぶーん!」

「せ、説明どうも…遠坂…」

遠坂はめちゃくちゃ楽しみで仕方ない、といった感じだ。みんな水着を着ているが上着を羽織っているから俺はまだ平常心を保っていられる。うぅ…心配だ、持ってくれよ俺の体…!

「おぉ…これはすごいです…あれはなんですか?士郎」

セイバーも興味津々だ。

「あれはウォータースライダーだ、なんと言ったらいいかな…川下りに近いかな?」

「なんと…屋内で川下りができるのですか!早速行きましょう、士郎」

「おわっ?!ま、待ってくれセイバー!まだみんなと話をつけてないだろ?!」

そう、バラバラで行動するのはいいけどお昼時は集合しないといけない。その辺を決めなければ行けないのだ。

「む…そうでした…。では早く決めましょう」

「俺はセイバーについていく、他のみんなはどうするんだ?」

「衛宮くんについて行くけど?」

「しろーについて行くわ」

「先生として、士郎を見守るとしましょう!」

遠坂とイリヤ、藤ねえは俺とセイバーと同行するようだ。

「桜とライダーはどうするんだ?」

「えっあっ…わ、私も先輩について行きます…」

「私は桜について行くつもりでしたので…自動的に私も士郎と共に行動することになりますね」

みんなついてくるのか…それはいいんだが…その…。

「…はぁ」

ここにいる全員の水着を見ることになるのだ、男として嬉しいが…うぅ…耐えてくれよ俺…!

「どうしたのですか士郎?早く行きましょう!」

「ぅうわ?!せ、セイバーちょっと…!」

セイバーは手を握りスタスタと歩き始める。それに合わせてみんなも動くのだが…いや、この光景他のやつに見られたら…やばいな…いろいろと…。

「セイバーも乗り気みたいだし、今日は楽しみましょ!」

「「「おーっ!!!」」」

あはは…楽しそうで何よりデス…。はてさて俺は行きて帰れるのか…心配だよ、じいさん…。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

「ふぅー…みんな元気過ぎだ…」

俺は疲れてプールから上がり一休みしている。座っているところからはしゃいでいるみんなが見える。

「…今更だけど露出がすごくないか…?」

顔が熱い。みんなから目をそらして頭を振り、煩悩を取り払う。みんなが上着を脱いだ時は脱いですぐプールに入ったから特にじっくり見るということはなかったので特に何も感じなかったけど…離れて見ると…すごいな、いろいろと。

「休憩ですか?士郎」

「あぁ、セイバー少し休憩を…」

顔を上げるとセイバーがいた。雪のように真っ白なビキニ、普段のセイバーの見えないところが見える。

「…?何か私におかしなところでも…?」

「わ、悪い!つい見とれて…」

ジッと見つめてしまっていたようだ。顔軽くペチペチと叩いて煩悩を振り払う。いかんいかん、平常心平常心…。

「そういえば感想を聞いていませんでしたね、この水着どうでしょうか士郎」

「あー…うん、正直このタイプをセイバーが着るとは思わなかった」

感想ではなくなぜこのタイプを着たのが気になってしまい聞いてしまった。学校指定の水着のようにお腹とか隠れているような水着をセイバーなら取るだろう…と思っていただけに正直驚いた。

「えぇ…私も初めは違うものを手に取ったのですが士郎はこちらの方が気に入ってくれる、と凛が」

まぁそうだろうな…というかなんで分かるんだ…。

「なんというか…存在感がすごいな、輝いているというか…」

「私がですか?」

「セイバーもだけど、わくわくざぶーんの日差しの入り方とかいろんな原因があるんだろうけどみんないつもの倍以上に輝いて見える」

なるほど…とセイバーもみんながはしゃいでいるところに目をやる。セイバーは俺の横に座りしばらく2人してみんなを見ていた。それから何分経っただろうか、セイバーが口を開いた。

「私と士郎が初めて会った時はこんな風になるとは思いもしませんでしたね…」

フフッと笑いながら話す。あの時は俺も聖杯戦争ってなんだ、魔術ってなんだ、といろいろ無知だったからな。

「そうだな…そこからセイバーに俺が惹かれて…」

「そうでしたね、私に猛アピールしていましたね」

ニコニコしながら俺に言う。今思い出すと…恥ずかしいと言うか必死と言うか…。

「はは…恥ずかしいな…でもそのおかげで今があるからな」

照れ臭くなって頬を掻く。顔が熱い、あれ、なんでこんな会話になったんだっけ…。

「「…」」

…なんだろう、どうしたらいいんだ…。と、とりあえずセイバーの様子を…。

「「…」」

お互いに目が合う。どうやらセイバーも俺と同じ考えだったようだ。

「とっ、とりあえずそろそろ飯にしようか、お昼だしな!」

「そっ、そうですね、みんなを呼んできます!」

セイバーは走り出そうとしたときに声をかける。

「セイバー!さっき感想言い忘れたけどすごく似合ってる、綺麗だ」

ニッと笑ってセイバーに伝える。水が光を反射したのか、眩しくて目を細める。

「…!ありがとうございます、士郎!今度は2人でいきましょう!」

そういうとセイバーはみんなを呼びに走って行ってしまった。水着の感想を伝えた時のセイバーの顔は見えなかったけど走っていく後ろ姿は何か嬉しいことがあった子供のように見えた。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

「はー…満足満足、もう動くのも億劫だわ…」

夕方、わくわくざぶーんから帰宅した我ら一行は俺の家でゆったりしていた。あれからお昼を食べたあとはビーチバレーに波のプール…もういろんなところを回りまくった。…今日はよく寝れそうそうだな。

「私今日止まって帰るわ〜、いいでしょしろー?」

イリヤもヘトヘトなのかうちで一泊すると言う。

「おれは良いけど…()()()()は怒らないのか…?」

「あぁ、セラとリズのことね…大丈夫よ、もう連絡済みだし許可も貰ってるから」

そっか、それなら安心だ。藤ねえは…大の字で寝てる…そっとしておこう。

「あれ、遠坂、桜とライダーはどうしたんだ?」

いつのまにか横になっていた遠坂は寝返りをうって俺の方を向く。

「あの二人は自宅に帰ったわよ、なんでもやることがあるんですって」

なるほど…セイバーは…部屋か。

「セイバーに飯聞いてくる、遠坂とイリヤはゆっくりしててくれ」

「そうさせてもらうわ…」

「私も〜…」

2人ともすごくはしゃいでたからな…そりゃ疲れるわけで。っと、とりあえず飯どうするか聞いて来るとするか。

「セイバー、ちょっといいか?」

セイバーの部屋をノックする。

「士郎ですか、少々お待ちを…」

返事は早く帰ってきたが部屋の中でバタバタ音がしている。…何をしているんだ…?

「お待たせしました、どうぞ入ってください」

「お、おう…」

さっきの物音が怪しすぎる…慎重にドアを開けるとそこには…

「…」

セイバーがいる、いるのだが…水着だ。いや何を言っているか分からないと思うがセイバーが部屋で水着を着て正座している。

「セイバー…それは…」

「あまりゆっくり見れてないかと思いまして」

なんだーそういうことかー…ってなるわけないだろ!慌てて近くにあった上着をかける。

「セイバー、家の中で水着はその…し、下着と見間違えるから…」

苦し紛れの言い訳だがとりあえず服を着てもらわないとまともに話すこともできない。

「それは…申し訳ありません」

申し訳なさそうな顔でセイバーは上着のボタンをとめる。

「セイバーは綺麗だからな…その、今日の水着で改めてそう思ったというか…」

何を言ってるんだろうか俺は。夕飯は何がいいのか聞きに来たはずなのに。

「…ありがとう、士郎。今日は恥ずかしさを捨ててこれを着て本当に良かった」

「やっぱり恥ずかしいのか?その水着は…」

わくわくざぶーんではそんな恥ずかしそうな表情とかしてなかったから意外だった。

「もちろんです!第一この水着は肌の露出が多過ぎます!」

死ぬほど恥ずかしかった、と言わんばかりの圧を感じる。はは…たしかにセイバー普段長袖に長いスカートだもんな。水着選びの時、あわあわしてるセイバーが想像できた。

「でも似合ってた、セイバーがより一層輝いて見えたよ」

「衛宮くーん、ちょっといいー?」

俺が感想を伝えたのと同時に遠坂からのお呼び出しがかかる。

「そうだセイバー、今日の夕飯は何がいい?」

今行く、と言ってセイバーに本題を聞く。

「士郎が作るものであればなんでも構いません」

「りょーかい、飯できたら呼ぶからそれまで待っててくれ」

障子を開けて部屋から出る直前に不意に腕を掴まれる。

「士郎、次は…次は2人で…」

これは…デートの誘い…だよな?

「あぁ、喜んで!楽しみにしていーー」

口に柔らかい感触。不意打ちだった。

「フフッ楽しみにしてますね、士郎」

ぽかんとしてる俺をよそ目にセイバーの部屋の障子が閉まった。

「ちょっとー、士郎ー?」

遠坂の声でハッと我にかえる。

「わっ、悪いすぐ行くから!」

走って遠坂の元へ移動する。やられたらやり返す、見てろ絶対にやり返してやるからなセイバー…。そんな決意をするのだった。




およそ3ヶ月ぶり(?)くらいの投稿です。生きてます。
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