盲目で灰色な日々~暗闇に響く歌声は~   作:清夜

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どうも、清夜です。

最近投稿が遅くなっている…転職したいな…

愚痴はここまで!

今回とうとう慧とメインヒロインが出会います!!

後半のちょっとだけど…

では!!10話 孤高の歌姫と

どうぞ!!


10話 孤高の歌姫と

俺たちに近づくな

 

お前とはもう遊べない

 

正直気持ち悪いんだよね、その腕の傷

 

周りに影が蠢いていた。

 

人影だ。

 

そして場所は…どこかの教室だった。

 

顔はわからない、しかし口々に慧を否定する。

 

『ああ、夢か』

 

本来であれば人影や教室の風景なんてわかるわけがない。

 

もう慧の目は光を映さないのだから。

 

そして恐らくこれは過去の記憶…

 

普通の日常が…慧の壊れた心の記憶の断片。

 

この先を慧は知っている。

 

ガラガラガラ

 

教室のドアを開けて入ってきた人影がいた。

 

その人影は慧の元へ来た。

 

「慧!!どうしたんだ!その包帯!!それに腕も」

 

その声はよく知っている声だった。

 

親友と呼べる相手…

 

(ゆう)…』

 

唯一心配してくれた親友…長嶋 裕(ながしま ゆう)だった。

 

過去の慧は親友だけは通常通りで安心し、安堵からつい心配させたくなくて嘘をついてしまう。

 

『これはなんでもないんだ。ただちょっと怪我しちゃってさ、怪我じたいはそんな大変なものじゃないんだけど、暫く巻いとけってさ…腕も遊んでいたときに激しく転んじゃってさ!』

 

慧は唯一心配してくれた親友に心配させたくなくて…最悪の方法をとってしまう。

 

「そっか…良かった。」

 

裕は安心したようだった。

 

それから少し気まずそうにし、口を開く。

 

『(やめろ…)』

 

「なぁ…慧」

 

『(聞くな!!)』

 

『ん?なんだ?』

 

人影から気まずそうにする裕の声だけが聞こえる。

 

何も知らない慧はただ聞き返す。

 

「今日からもう…話しかけないでくれ」

 

『………え?』

 

「もう俺に関わらないでくれ…」

 

そう言って裕の声を出す人影が離れていった。

 

『え、裕!どうして!!』

 

訳がわからず問い返すも裕の声はもう聞こえない…

 

クスクスッ…

 

周りの蠢く人影が小声で嗤う。

 

慧はわからなかった。

 

夏休み入る前までは普通に話していたクラスメイト、心を許した親友…

 

その皆が俺を嗤い、気味悪がり、遠ざける。

 

『なんで…』

 

過去の慧は呆然とし呟く…

 

そんな光景を現在の慧は唯見ていた。

 

『なぜ皆が急に態度を変えたかわからなかった…いや、今でもわからない。』

 

過去の慧は皆に冷たい対応を取られても前みたいな関係に戻れるよう話しかけていた。

 

『あのときの俺は必死だった。家族が居ない辛さを学校では忘れたくて…支えが欲しかった…でも!』

 

いい加減に話しかけてくんなよ!

 

迷惑なんだよ、わからないのか?

 

三日目で諦めた。

 

もう信じられなかった。

 

毎日学校まで送り迎えしてくれる紗夜や日菜も本当は面倒だと、俺なんか居なくなればいいと思ってるのではないかと…

 

慧はそれほどまで追い詰められていた。

 

三日目の放課後…担任の先生に連れられて紗夜の待つ校門へ来た。

 

「先生、ありがとうございます。では行きましょうか、慧」

 

紗夜が手を握り、帰ろうとする。

 

「慧!!」

 

後ろから慧を呼ぶ声がする。

 

『…裕?』

 

忘れもしない()親友の声だった。

 

「慧、明日も来るよな…絶対登校しろよ!!」

 

ナニを言ってイルンダゆウは?

 

『アシタ?』

 

「そう!明日だ!明日にはみんな笑って前みたいに楽しく過ごせるから!!」

 

どこか必死な声で裕が言う…しかし、

 

『……イコウ、紗夜』

 

「え、ええ」

 

慧はなにも返さず紗夜へ促した。

 

『きっと行ってもまた傷つけられるだけ。あの時の俺にとってもう学校なんて居場所でもなんでもなかった。』

 

現在の慧は無表情でその光景を見ていた。

 

そしてその夜…

 

千秋が眠りについたであろう時間に慧は起き、手探りで台所へむかう。

 

『どこだ?』

 

ゴソゴソと台所であるものを探していた。

 

眠っているであろう千秋を起こさぬよう探すもどうしても物音は鳴ってしまう。

 

『!!…あった…』

 

慧はとうとう探していたものを手に取る。

 

『後は外に出るだけ…』

 

そう言って慧は外へ出ようとする…しかし。

 

「慧!?そんなもの持ってなにする気なの!!」

 

『っ!』

 

千秋に見つかってしまった慧は焦る。

 

「…それを置きなさい…慧!!」

 

千秋は緊張した声で叫ぶ。

 

『…』

 

しかし、慧は動かない。

 

もし慧を抑えようとして慧が暴れれば怪我は免れないだろう。

 

しかし慧は…

 

『すいません…千秋さん』

 

慧はそう言って左手に持っていた包丁(・・)で自分の利き手である右手首を思いっきり切り裂いた。

 

そして現在の慧はグッと後ろへ引っ張られる感覚を覚え、意識が覚醒する。

 

『…』

 

慧は上半身を起こす。

 

すると隣に気配を感じ、手を伸ばすと誰かの頭へと触れる。

 

「クゥー、スー」

 

可愛い寝息をたてているのは恐らく日菜だろう。

 

『俺が起きるのを待ってる間に結局寝てしまったのか。』

 

そうして慧は日菜の頭を撫でる。

 

コンコン

 

慧の部屋の戸をノックする音が聞こえる。

 

そして入ってきたのは千秋さんだった。

 

「ああ、起きていたんだ。」

 

『うん、日菜は寝ちゃってるけど。』

 

「まぁ、寝かしといてあげなよ。ご飯は作っておくし。」

 

千秋は日菜の頭を撫でながら言う。

 

『すいません、お願いします。』

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめん!慧!!」

 

千秋さんのご飯を食べ終え学校へ向かう途中、慧の手を引く日菜が謝ってきた。

 

『別に気にしなくていいよ、今日は普通に起きられたし。』

 

確かに嫌な夢は見たが、あの事件程ではない。

 

「う~…ほんとにごめんね」

 

日菜がしょんぼりとしながら謝る。

 

『だから大丈夫だって。日菜は笑っている方がきっと可愛いよ?』

 

慧が日菜を慰めていると、

 

「あっ!慧!日菜!!」

 

「あっ!リサチー!!」

 

後ろからリサの声がし、日菜も応える。

 

どうやらリサも登校するところだったようだ。

 

「おはよ~二人とも。」

 

『おはようございます。今井さん』

 

「もう!リサって呼んでって言ってるでしょ!」

 

相変わらず名前で呼ばない慧にリサはむっとしたようだった。

 

すると、

 

「リサ」

 

リサの隣からとても綺麗で、澄んだ声が聞こえた。

 

「ああ、ごめん友希那。紹介するね。彼は水瀬 慧」

 

「水瀬…慧」

 

「それで慧、このとても綺麗な声をしているのが私の幼なじみの湊 友希那!」

 

『湊さんか、宜しくね湊さん。』

 

「ええ、宜しく。」

 

 

 

これが…孤高の歌姫、湊 友希那との出会いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





いかがでしたか?

これからは友希那も本格参戦出来ると思います。

多分…

もっと更新ペース上げなければ…

では!次にお会いしましょう!!
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