盲目で灰色な日々~暗闇に響く歌声は~   作:清夜

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どうも!清夜です。

更新遅くなってすいません!

中々安定しないですね(-_-;)

今回も後半シリアスなのです。

てことで行ってみましょう!

15話 夕焼けと慟哭



15話 夕焼けと慟哭

「巴?…とこの間の…」

 

「ああっ!!薫先輩と手を繋いでた人!!」

 

巴と話をしていたら入り口のドアを開けると共に巴を呼ぶ声があった。

 

「ひまり!いい加減にその話やめろ!」

 

入ってきたのは巴の幼なじみの面々だった。

 

『そうか…彼女達とバンドを…』

 

慧は薄々そうではないかと思っていた。

 

まぁ、巴の知り合いを彼女たちしか知らないというのもあるが…

 

「どーしたんですか~?こんなところで~」

 

のんびりとした口調のモカが慧に聞いてくる。

 

『…別に、知り合いがバンドをしているのでちょっと着いてきただけですよ。邪魔になるといけないのでここで待機しているのですが。』

 

慧は微笑みながら答える。

 

「そーだったんですか~。てっきりともちんと会瀬してるのかと~」

 

「モカちゃん、私達と待ち合わせしているのに会瀬にはならないんじゃ…」

 

「そっか~、つぐ頭良い~」

 

「すいません、先輩。騒々しくて。」

 

巴が申し訳無さそうに謝る。

 

『気にしなくて良いですよ、それよりメンバーも揃ったようですし、練習頑張ってきて下さい。』

 

「はい!先輩、話に付き合ってくれてありがとうございます。」

 

巴はお礼を言ってたちあがる。

 

「…」

 

「?どうしたの、蘭?」

 

蘭はさっきから黙って慧を見ていて、ひまりが不思議そうに聞く。

 

すると蘭が、

 

「先輩、私たちの演奏、聞いてみませんか?」

 

「「「「えっ!!」」」」

 

皆が蘭の突然な提案に驚き、慧は首をかしげる。

 

「…だって待ってるだけなんて退屈でしょ?この前は…その…失礼な態度取ったし…ひまりも迷惑かけたから。」

 

蘭が口ごもりながら答える。

 

人見知りな彼女がそんな提案することに驚きを隠せなかった。

 

蘭の気遣いに慧は蘭に対する印象を改めることにした。

 

どうやら彼女は心優しく、気遣いのできる娘だったようだ。

 

しかし、さっき友希那達の演奏を聞いて激しく嫉妬を覚えたばかりでためらってしまう。

 

『ありがたい提案ですが迷惑じゃないですか?』

 

「…まぁ、先輩が良ければ是非。私達もいずれライブとかするわけだし、その予行練習と思えばこっちもプラスになりますから。」

 

巴が返事をし、他も異論は無いようだった。

 

本来であれば蘭はこんなことを言う娘では無いのだろう。

 

さっきの巴達の反応でそれは良くわかる。

 

故に断るのも申し訳なくなった。

 

『そうですか…ならお願いしようかな。ちょっと待ってて下さい。』

 

だから慧は彼女達の演奏を聞いて確かめることにした。

 

本当に自分が嫉妬しているのがなに(・・)にたいしてなのか確かめるために。

 

そして慧は鞄からスマホと折り畳み式の小さいキーボードを取り出し、スマホに繋ぐ。

 

慧が目の見えないままスマホの画面をタッチすると、ケータイから「Eメール」という機械音声が流れた。

 

慧はそのアプリを今度はダブルタップし、連絡先をタップしてキーボードでメールを打ち始める。

 

「すごい、スマホにこんな機能あったんだ…」

 

ひまりが驚きの声を上げ、他の四人も驚きと興味を持った目で慧を見ていた。

 

『部屋番号は何番ですか?』

 

「ああ、8番です。」

 

『わかりました。』

 

そうして慧はメールを終える。

 

お待たせしました、じゃあいきましょうか。

 

そうして慧は鞄にケータイをしまい、立ち上がると誰かが右手を優しく取ってくれていた。

 

「大丈夫ですか?先輩。私が手を引きますね。」

 

『ああ、ありがとう宇田川さん。』

 

「フーフー、ともちんだいたん~」

 

「ば、はか!そんなんじゃない!!」

 

モカが巴をからかい、巴は顔を赤くして怒る。

 

「巴ちゃんがあんな反応するなんてなんだか珍しいね。」

 

「そうだよね~。もしかして本当に先輩に気があったりして。」

 

つぐみが不思議そうに巴を見、ひまりが興味深そうに見ていた。

 

「…」

 

そして蘭は何故か不機嫌そうにムスッとしていた。

 

「ん?どうしたの蘭。」

 

「…なんでもない。行くよ」

 

不機嫌そうなまま歩いていく蘭にひまりとつぐみは顔を見合せ不思議そうに首をかしげ、後を追った。

 

 

 

そしてスタジオに入り皆が準備を終え、早速初めの曲を歌い始める。

 

「それじゃあ、アスノヨゾラ哨戒班から。」

 

蘭がそう曲名を告げてから演奏が始まる。

 

それはカバー曲でありながらも蘭達のバンド、afterglowとしてその曲を自分達の物にしていた。

 

いつもはのんびりしているモカはギターで激しい音を奏で、ひまりの明るい性格をしていながらも乱れることの無いベースで、滑らかにキーボードを弾くつぐみと共にリズム隊としてみんなを支える。

 

そして蘭はギターを弾きながらおざなりにならない歌。

 

やはりその歌には彼女の熱い心が籠っていて、巴の力強いドラムが蘭の心を更に熱くしていた。

 

いや、巴だけじゃない。

 

モカ、ひまり、つぐみ、四人の演奏が蘭のギターと歌声に熱を与え全員が1つの演奏を作り上げていた。

 

友希那達とはまたちがうバンド。

 

友希那達の演奏は静かに響き、しかし確かに情熱はあって聞くものを自然と魅了し、惹き付けて止まない青い炎だとするなら、蘭たちは自分達の全てをぶつけて力付くでもすべての視線を釘付けにするとでも言わんがばかりの赤い炎だった。

 

そして、彼女達の持っている…かつて自分が失ったものを見つけた。

 

『歌を…音楽を楽しむ心…か。』

 

技術や実力だけで言えば確実に友希那達が上だろう。

 

しかし、彼女達には楽しむという心があこ以外には余り見られなかった。

 

あこのオーディションの時のバンドの奇跡を起こした時は少なくとも他の三人も楽しむ心は生まれていたようだが、今のafter glow程ではない。

 

『そっか…そうだよな。』

 

慧は微笑みながら少し下へ俯く。

 

『やっぱり…キツいな…』

 

蘭達が歌い続ける中、泣けない彼は心の中で哭いていた。

 

 

 

 




てことで、15話でした。

中々話進んでないんだよな…てかつぐみが空気になりがち…

こんな不定期更新ですが、これからも見ていただければ幸いです!

では!次回お会いしましょう!!
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