盲目で灰色な日々~暗闇に響く歌声は~   作:清夜

18 / 31

どうも、清夜です。

今回はなんとか早めに投稿できた!

なんとか頑張って投稿できるようにします。

では!17話 小さな燻りと大きな悪意

どうぞ!


17話 小さな燻りと大きな悪意

『そっか、あの二人は姉妹だったんだ…』

 

「私も驚きました。宇田川さんが自分は世界で二番目に上手いドラマーだと言っていました。つまり一番は巴さんだということなのでしょう。」

 

紗夜はそう言いながら顔を曇らせていた。

 

「(巴さんはあこちゃんをとても大切にしているようだった。そしてきっとあこちゃんも巴さんのことを慕っているのだろう。紗夜にしては複雑な所だな。もっとも…俺が心配する資格なんて無いんだけどな…)」

 

慧は何も言えずに紗夜の隣を歩いていた。

 

「あっ!紗夜!慧!遅いよ。も~」

 

手を引かれてスタジオであるCircleから出ると前からリサの声が聞こえた。

 

「すいません、慧と一緒にいた方達と少し話しこんでしまいました。」

 

『すいません、勝手に動いたばかりに。』

 

「別に構わないわ。言うほど待っていないもの。それじゃあ行きましょう。」

 

友希那が先を促した。

 

『?紗夜、これから帰るんだよな?』

 

「ええ、そうですよ?。」

 

『待っててくれたのか?』

 

「え?そんなに驚くこと?」

 

リサが不思議そうに聞いてくる。

 

「そうですよ!慧先輩も一緒に帰りましょうよ!!!」

 

「今更女子だけで肩身狭いとか言わないよね~」

 

あこは元気に誘ってくれ、リサはからかいながら暗に逃がさないと言っていた。

 

そのからかいに悪意を感じるのは慧のだけでは無いはずだ。

 

『…俺なにかリサにしたか?』

 

「別に~なにもしてないよ~」

 

慧が聞いてもリサが答える様子がなかった。

 

「リサ姉、慧先輩がいなくなって少し寂しそうでしたし。」

 

「な!あこ!別にそんなんじゃないってば!私はただ久々のベースだったから不安だっただけで…」

 

リサが顔を真っ赤にしながら否定するも説得力が無かった。

 

あこは無邪気で、リサがムキになる理由がわからなかった。

 

唯一の救いは顔が赤くなっていることが慧にはわからないことだろう。

 

もっとも…

 

「リサ?顔が赤くなってるわよ。気分が優れないなら…」

 

「もう!友希那~!!」

 

そういうこと(・・・・・・)に疎い人がもう一人居るわけで、台無しになるのは目に見えているのだった。

 

友希那はリサが怒っている理由がわからず、首をかしげていた。

 

「今井さん…」

 

しかし紗夜だけは気づいていた。

 

「(まだ漠然としたもののようだけど…時間の問題かしら。)」

 

紗夜は途中で考えるのをやめた。

 

「(私に口を出す資格なんてないわ。慧を恐れてしまった私には…)」

 

紗夜は顔を歪め涙を流さぬよう堪えていた。

 

『紗夜?』

 

気づけば紗夜は無意識に慧の握った手に力を込めていた。

 

「あ!ごめんなさい!痛かったですよね。」

 

紗夜は手を話しそうな勢いで力を緩めた。

 

「…っ!慧?」

 

しかし慧が逆にぎゅっと握っていた。

 

『…紗夜は…どうしておれから距離を取るの?』

 

「!!…それは…」

 

『紗夜は俺が…いや、なんでもない。』

 

慧は言葉を続けるのを止め、首を横に振った。

 

慧も握っていた手の力を弱めて何時ものように手を引かれる様になった。

 

「(…きっと慧は気づいてしまった…私が慧を恐れていることを…それだけはばれてはいけなかったのに!!)」

 

紗夜は唇を噛む。

 

「(ちがう!強くなるの。そう決めたはず。今はまだ向き合えなくても。頂点に立てたら…私だけの()を、自信手にいれれば…だから…)」

 

「慧…待っててください。」

 

『…?紗夜?』

 

「必ず貴方に向き合います。…今はまだ支えるだけで無理かもしれません。だけど…必ず!」

 

紗夜は繋いでいる手を握り締める。

 

「…無理しないで。紗夜が出来ないっていうなら無理して一緒にいなくても…」

 

「そんなこと言わないでください!前にも言いましたが私は自分の意思で貴方の側にいるんです…向き合えない私が側にいるのは迷惑ですか…?」

 

紗夜の切実な声に慧は驚いていた。

 

『紗夜、僕は人殺しだ。そしてあいつを殺したことになんの罪悪感も覚えていないし、死んで当然だとすら思っている。今の俺は自分の中でそれなりの理由さえあれば殺すことを何も思わない。』

 

紗夜が慧を恐れる理由の一端を紗夜に告げる。

 

「…ええ、そうですね。でも、私はそれでも貴方を受け入れたい。」

 

「?紗夜、慧、どうしたの?置いていくわよ。」

 

「あっ…」

 

『すいません、湊さん。少し話し込んでしまいました。紗夜、行こう。』

 

「ええ…」

 

紗夜は慧に促されいつの間にか落ちていた歩くペースを上げ友希那達に追い付く。

 

そして五人が帰路で分かれ道に差し掛かった。

 

「それじゃあ!リサ姉!友希那さん!紗夜さん!慧先輩!さようなら!!」

 

「じゃあね!あこ!気をつけて帰りなよ!!」

 

「ええ、また。」

 

「宇田川さん!走ったら危ないわ!」

 

『またね。これからも練習頑張って。』

 

元気なあこと別れ、友希那達とも別れる。

 

「それじゃあ、紗夜、慧、また明日。」

 

「じゃあね!紗夜!これからメンバーとして宜しく!慧は明日のお昼にまたね!」

 

そう言って二人と別れる。

 

そして紗夜と二人きりで帰路につく。

 

「…」

 

『…』

 

二人は会話がなかった。

 

そして慧の家の前についた。

 

慧がドアの前まで来て。

 

「それでは。また明日、私が迎にきます。」

 

『…うん、ありがとう。』

 

少し気まずい雰囲気で二人は別れた。

 

そして慧が家に入ろうとしたとき、

 

「久し振りね~、慧君?」

 

家に入ろうとする体が止まった。

 

慧の心が急速に凍てついていく。

 

『長門…美希…』

 

「あら?覚えててくれたの?嬉しいわ~」

 

顔は知らない。

 

目が見えなくなる前に会ったことはないから。

 

けれどその声は忘れない。

 

『勿論覚えているさ…俺が今世界一殺したいやつだからな…』

 

振り返った慧の唇は醜く歪んでいた。

 

 

 

 

 





てことで17話でした。

オリキャラが出てきましたね~

長門美希、前回にも話だけ出てきましたね。

これからどう転ぶのか…そのまま読んでくれると嬉しいです。

なんか紗夜がめっちゃヒロインしてる気がする…

ご感想、意見、指摘があれば感想欄にお願いします!!

では!次にお会いしましょう!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。