盲目で灰色な日々~暗闇に響く歌声は~   作:清夜

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どうも!清夜です。

1ヶ月も投稿が空いてしまった…すいませんでした!!

京都の調理人には辛い季節の秋なんです!!(言い訳)

紅葉が終わるまではペース落ちると思われます…

それでも続けていくので見捨てないで下さい!!

では!!18話 憎しみの邂逅

どうぞ!!


18話 憎しみの邂逅

「随分と楽しい学校生活を送っているみたいね?水瀬慧君?」

 

『そういうあんたは随分と惨めな生活を送ってるみたいだな。俺の通っている学校を見つめている所を目撃されて警察に追われているみたいじゃないか。』

 

お互いが顔に歪んだ笑みを浮かべながら皮肉を言い合う。

 

「本当よ、まったく。私はなにも悪いことしてないし、むしろ被害者なのに接触禁止令が出されるなんて…おかしいと思わない?」

 

『お前が脅迫さえしなければまだこうならなかったかもな。』

 

長門美希は不満そうに言うも慧は当然だと言わんばかりに返した。

 

「それは脅迫したくもなるわよ。だって父親が殺されたんだもの。その人殺しが未だに法で守られてのうのうと生きてるのよ?なら私の手で殺してやるって思わない?」

 

『同感だな、俺もそう思ってあの時に生きたいと願ったんだからな。』

 

「あら?そうなの。なら生きていて良かったわね!それでどう?家族が死んで自分だけ生き残った感想は?」

 

『…マジで最悪な気分さ。殺したいと願った二人の男は既に死刑で死んでいて、家族を失い、光も失い…復讐相手すらうしなった。あの日から生きる意味を無くした。けどな…お前が居る…』

 

歪んでいた慧の笑みは更に歪む。

 

「今の貴方に何ができるの?」

 

『なにができるんだろうな。試してみるか?』

 

「…やめておくわ。まだその時じゃないし。」

 

慧が感じていた威圧感は跡形もなく消える。

 

『怖じ気づいたのか?』

 

「そんなんじゃないわ。言ったでしょ?その時じゃないって。」

 

『…何を企んでいる?』

 

「さぁね~」

 

そう言って長門の気配が遠くなるのを感じた。

 

『…』

 

慧は長門の声が最後に聞こえた場所へずっと睨むように顔を向けていた。

 

『今はその時じゃないか、何を考えている?』

 

慧はその言葉を残して家へと入っていった。

 

 

 

慧は靴を脱ぎ、リビングへ向かった。

 

そしてそのままの服装でソファーに寝そべる。

 

『くそっ、体がだるい。今日は厄日だな。』

 

慧は精神的に消耗していた。

 

『これじゃ、寝起きは最悪かもな。』

 

そう思いながらも慧は睡魔に抗うことは出来なかった。

 

そのまま闇へ引きずられるように眠りに落ちていった。

 

「ただいま~」

 

慧が眠りに落ちて一時間ほどして千秋が帰ってきた。

 

「?電気がついてない。」

 

玄関の電気をつける。

 

玄関には慧の靴があった。

 

「リビングで寝てるのか。」

 

千秋は納得してリビングへ向かう。

 

リビングの電気をつけてソファーを見る。

 

案の定慧が眠っているのを確認して微笑む。

 

「私は慧の検定があるなら何級だろうと満点をとって見せよう!」

 

慧のこととなると暴走しがちな千秋だった。

 

そして寝ている慧の隣に座る。

 

慧がソファーで寝ているときは隣に座って慧の頭を撫でながら髪をすいたりするのが習慣になりつつあった。

 

「もし私が親だったら親バカになってるだろうな。別に慧を息子として見ている訳ではないが…どっちかというと弟?」

 

千秋はどうでも良いことを考え始める。

 

しかしこんなどうでも良いことを考える時間が千秋は好きだった。

 

「このまま慧と暮らして行けるなら私はずっと独身で良いな。」

 

千秋は慧と暮らすようになって誰か男性と付き合うなんて考えることが無かった。

 

そもそも千秋はそういう恋愛事が疎く、経験もなかった。

 

それは恐らく慧がいることで独り暮らしのときの孤独感も感じなくなったし、慧の為に来てくれる紗夜や日菜もいる。

 

「慧はいづれどっちかと結婚するのかな…?」

 

千秋は呟いてふとチクリと刺す胸の痛みに気づいた。

 

「…これが子を送り出す親の気持ちなのかな~」

 

はじめての感覚に千秋はそう結論付ける。

 

「?…慧?」

 

千秋は撫でていた手を止め、慧の顔を覗きこんだ。

 

慧は苦しそうな顔をして微かに唸っていた。

 

「慧…大丈夫、大丈夫だから。私がいるから…支えてくれる皆がいるから…」

 

千秋は慧の右手を握って声をかけた。

 

『だからもう過去に囚われないで、自分を責めないで。』

 

さっきまで苦しそうにしていた慧が穏やかな寝息をたて始めた。

 

その様子を見た千秋は微笑んで立ち上がり、お風呂の準備をして浴室へ入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

「起きてください、慧。」

 

『紗..夜...』

 

優しく揺すられて慧は眠りから覚める。

 

『(…珍しくなんの夢も見なかったな…昨日長門に会ったからまたあの夢でも見るかと思ったんだが…)』

 

「こんなところで寝むらないで下さい。風邪ひきますよ?」

 

『?…ああ、そっか、ソファーで寝てたんだね、ごめん。』

 

「体調に異常が無いなら構いませんが…」

 

紗夜の手を取り起き上がる。

 

『ありがとう紗夜。少しシャワーを浴びてくるよ。』

 

「はい、では朝御飯の支度をしておきます。」

 

慧はもう一度ありがとうと言ってリビングを出ていった。

 

「…昨日のこともありますし、少し気まずくなるかとおもったのですが…いえ、切り替えましょう。向き合うと決めたのですから。」

 

紗夜はそう言って朝食の支度を始めた。

 

紗夜が朝食の支度を終えると、千秋の部屋へ向かう。

 

「千秋さん!朝ですよ。」

 

ノックしながら千秋を呼ぶも反応がなかった。

 

「千秋さん!入りますよ!」

 

紗夜は一言かけてドアを開ける。

 

「千秋さん、起きてください。」

 

千秋を優しく揺り起こす。

 

「う~ん…紗夜~…?紗夜ちゃ~ん!!」

 

「きゃっ!」

 

寝ぼけた千秋は紗夜に抱きついた。

 

「ちょ!千秋さん!!寝ぼけてないで起きてください!!」

 

紗夜が悲鳴混じりに声を上げる。

 

千秋の格好は下着姿で、スタイルも良いので同性の紗夜でさえ顔を赤くしてしまうほどだった。

 

「う~ん…まだ眠いよ~」

 

「子供ですか!!」

 

そんな子供と母親みたいな会話をしていると、

 

ピリリッピリリッ

 

「っ!はい、葛城です。」

 

千秋のケータイが鳴り、さっきまでの寝ぼけ様が嘘のようだった。

 

「はい、はい、わかりました。直ぐに向かいます。ごめん、紗夜直ぐに仕事へ向かうことになったから朝御飯食べれない。」

 

「わかりました、仕方ありませんね。ラップして冷蔵庫に入れておきますし、お昼に帰ってこれるなら食べておいて下さい。」

 

「ありがとう!それじゃ行ってくる!」

 

話している間に素早く着替えを終え、千秋は出ていく。

 

「…気をつけて下さい。千秋さん。」

 

あわただしく出ていく千秋を紗夜は少し心配そうに見送った。

 

 





てことで18話でした!

お待たせしていて本当に申し訳ないです!

長い目で見てもらえたら嬉しいです。

では!次にお会いしましょう。
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