盲目で灰色な日々~暗闇に響く歌声は~   作:清夜

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どうも!清夜です。

前回の投稿から1ヶ月以上空いてしまいましたね、お待たせしてすいません!!

取り敢えず忙しい時期を乗り越えたので少しの間はこっちに時間を割けると思います。

まぁ、年末年始はまた地獄なのですが…

では!!19話 戻る場所

どうぞ!!




19話 戻る場所

『あれ?千秋さんは?』

 

慧がお風呂を上がって朝食の席に着くと二人で朝食を取ることになったのだが、今日は夜まで半休の千秋が共にいないことに慧は気付く。

 

千秋はいつも夜まで半休の場合、いつも朝食を慧達と取るようにしていた。

 

「どうやら急な仕事が入ったようです。さっき電話がかかってきてそのまま出ていきましたので。」

 

紗夜から話を聞いた慧は一瞬昨日の出来事が頭をよぎった。

 

『(まさか…あいつと会っているのを見られたか?もしそうだとしたら少し厄介だな。)』

 

「…大丈夫ですよ、千秋さんなら。」

 

慧が1人考えこんでしまったのを紗夜は勘違いしたようで、慧を安心させようと声をかける。

 

『…そうだね。千秋さん、仕事ではきっちりしてるし。』

 

「私たちの前でもそうしていてくれると嬉しいのですが…」

 

不満そうに言う紗夜に慧は苦笑を返す。

 

『きっと千秋さんにとって気が抜けるのはここしか無いんだよ。』

 

「それは…そうですが…」

 

別に紗夜も本気で怒ってるわけではないのは分かっているのだが、千秋さんの苦労を全てではなくても知っている故に千秋さんを自然とフォローしてしまう。

 

『さぁ、せっかく紗夜が作ってくれた朝食だし食べちゃおう。』

 

慧が促して二人は止まっていた箸を進めるのだった。

 

朝食を食べ終わり、慧と紗夜は家を出る。

 

「慧、今日の下校は…」

 

『ああ、それなんだけど。』

 

紗夜の言葉を途中で慧が遮る。

 

『今日は僕一人で帰るよ。』

 

「…えっ?何故ですか?」

 

『紗夜も日菜も最近忙しいみたいだしさ。邪魔できないでしよ?』

 

驚く紗夜に慧はそう返す。

 

「っ!だから邪魔とかそんな…」

 

『それに!…少しよりたい場所があるんだ。』

 

その一言に紗夜は言葉を止める。

 

慧は時々こうして一人で帰りたいと言う時があった。

 

最初の頃は一人に出来ないため、一人で帰すことは無かったが、最近は安定してきているため、一人で帰すこともあった。

 

決まってその時は寄るところがあると言うのだが、どこいっているのかは教えてはくれなかった。

 

慧が何処に行っているかは千秋さんがいつでも分かるようにケータイのGPS機能がついている。電源オフでもわかるものだった。

 

それによって千秋さんは慧が何処に行っているか知っているようなのだが、千秋さんも教えてはくれなかった。

 

「…わかりました。ですがせめて何処に行っているか教えてはくれませんか?」

 

『…ごめん。でもちゃんと帰ってくるから。』

 

食い下がってもやはり教えてはくれなかった。

 

「…わかりました。」

 

紗夜はそう返していつの間にか止まっていた歩みを進めた。

 

その歩みは重く、いつもの心地良い沈黙は逆に重苦しい沈黙だった。

 

学校の校門が見えてくると校門の前に立つ人影が見えた。

 

「やぁ、おはよう。儚き歌鳥と水色の子猫ちゃん。」

 

「なんで貴方が…」

 

そこにいたのは薫だった。

 

『おはよう薫。どうしたの?』

 

「いやなに、ここで待っていれば君たちに会えるだろうとおもってね。」

 

「待ち伏せですか。」

 

「君は二人の時間を邪魔されるのがイヤだったみたいだしね。」

 

薫は苦笑いしながら紗夜へ宥める様に言う。

 

「…そうですか。では慧を宜しくお願いします。」

 

紗夜はそう言って慧に手を離しますよと優しく呟いて手を離す。

 

慧が礼を言うと同時に薫が慧の手を取った。

 

「それじゃあ行こうか、慧。」

 

そうして慧は薫に手を引かれて学校へと向かい始める。

 

紗夜はそんな慧を見て唇を噛む。

 

「…彼を支えてくれる人は多い方がいい…けど私が一番じゃないと嫌だと思うのはワガママなのでしょうか…」

 

紗夜は慧の背中を見送って誰にも聞かれることのない呟きだけ残して学校へ向かうのだった。

 

 

『まさか待っているとは思わなかったよ。薫』

 

「なに、今日もたまたま早く目が覚めてね。」

 

『たまたまね…』

 

すこし呆れ気味に慧は返した。

 

「別に下心なんてないさ。ただタイミングが良ければまた歌を聴く事が出来るかもしれないと思っただけでね。」

 

『それを下心と言わずして何て言うのだろうね?』

 

「それに、かのシェイクスピアもこう言った。一分遅刻するより三時間早い方がいいと…つまりそういうことさ。」

 

『はいはい。』

 

薫の言葉を適当に流して歩いていると教室へとたどり着く。

 

『言っておくけど前回はただの気まぐれだからね。』

 

「わかっているさ、そう何度も聴けるとは思っていないよ。その分、次聴ける楽しみも増えるというものさ。」

 

『次聴くのは確定事項なんだね…』

 

慧は諦めた様にため息を吐く。

 

薫はクスクスと笑いながら教室のドアを開け、慧をいつも座る席へ導き座らせる。

 

そして自分の椅子を持ってきて慧の向かい側へ座る。

 

『?薫は教室へ行かないの?』

 

「早く学校についてしまって刹那の儚い時間にも余裕が生まれたんだ、それならキミと有意義な時間をと思ったんだけど…駄目だったかな?」

 

『全然、寧ろ話相手がいてありがたいけど…俺と居ても別に楽しくないよ?』

 

慧は苦笑いしながら薫に言うも、薫は気にしないさと言いながら話を続ける。

 

「考えてみればキミについて何も知らないことばかりだったしね。ちょっとでも知れたらと思ったんだよ。」

 

『…まぁ、色々と触れないで欲しいこともあるからそれ以外で頼むよ。』

 

そう言いながら慧は目に巻かれている包帯に触れる。

 

「そうか、わかった。」

 

そして薫と他愛の無い話をする。

 

慧から薫に質問したりしてお互いのことを話し合っていた。

 

それは意外に話が弾んでいたことに気付いて慧はこれも薫の魅力だからこそ皆から好かれるのだろうなと思った。

 

「確かにファンも出来るな…」

 

「ん?なにか言ったかい?」

 

『ううん。何でもない。』

 

慧は笑って応えて雑談に戻った。

 

 

 

 




てことで!19話でした。

まぁ、タイトルの意味は次回でわかるかな。

なんか薫を書いていると慧がヒロインになっている気が…

次の投稿もなるべく早く出来るよう頑張ります!!

では、次回でお会いしましょう!
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