どうも皆さん、お久し振りです。
投稿まで4ヶ月以上かかってしまいました。
この作品を覚えてくれている人はいるのだろうか?
決してこの作品を書くのを止めたわけではないことを宣言しておきます!!
では、20話 彼岸の咲く場所
どうぞ!
「それじゃ、これで授業を終わる。」
琴音先生の授業を終え、昼休みとなる。
『ありがとうございました。』
「あいよ。午後からの授業は佐藤先生が担当だ。」
『わかりました。』
「慧~!!」
琴音先生と話をしているといつも通りに日菜が慧を呼びながら入ってくる。
「まったく、相変わらず氷川は落ち着きが無いな。」
相変わらずの日菜に文句を言う気も失せたのか琴音先生は呆れた様に言葉を溢し、廊下に出る。
「あはは…おつかれさまです。柊先生」
「ん?今井に湊じゃないか。どうしたんだ?」
労いの言葉をかけるリサにその後ろに控えている友希那を見て琴音は首を傾げる。
「いや~最近慧と一緒にご飯を食べるようになって。」
「ほう、湊もか。」
「私はずっとリサと食べていたので。」
「なるほどな。」
琴音は理解したように頷く。
「気づけば水瀬のやつも色んな関わりを持ってるな。一応此処は女子高だし、周りの関わりを持たないことを条件としていたはずなんだがな。」
琴音はいつもの様に日菜とじゃれている慧を見ながら呟く。
「っ...慧は悪くありません。私たちが自分で関わりを持っているんです。」
リサは少し食いぎみで琴音に言う。
「それで納得しない人もいるということよ。リサ。」
「友希那?」
「へぇ、湊はわかってるみたいだな。」
そのリサの言葉を返したのは意外にも友希那だった。
「…友希那は反対なの?」
「別に反対するわけではないわ。リサの言った通り彼と関わる人間は自分から関わりにいっている。それで彼を責めるのは筋違いだし、私も責める気はないわ。けれど…ここはあくまで女子高。男子生徒がいるのは異例であり、生徒の親からしたら不安もあるのは仕方ないことなのよ。」
「けど!」
友希那の言葉を聞いても納得できなかったのか、リサが声を上げる。
中に居る二人には聞こえないよう声は抑えていたが…
「…なんで皆は…受け入れてくれないのかな…」
ニコニコといつもの様に笑いながら話していた日菜が急に暗い顔して呟く。
慧も廊下での会話が聞こえていた。
『仕方ないさ。湊さんも言っているけどここは女子高なんだよ、本来僕が…』
「ここだけの話じゃないよ。」
慧の言葉を遮って日菜は言う。
「あの日以来から…っ!!」
日菜は顔を歪め目は潤んでいた。
そんな日菜に慧は見えないはずの頭を自然に撫でなから言う。
『大丈夫だよ、今は受け入れてくれる人達がいる。日菜や紗夜、千秋さんもずっと支え続けてくれている。だから大丈夫。だから笑っていてよ。その方が日菜は可愛いはずだよ?』
慧は日菜の涙を拭えないことに少し苛立ちを覚えながらも微笑む。
日菜は「うん」と返事をし、またいつもの笑顔に戻って弁当を広げる。
「ごめ~んおまたせ。少し先生とテストのことで話し込んじゃってさぁ~」
『気にしないで、そんなに待ってないし。』
慧は微笑みながらリサと友希那を迎える。
「それじゃあ、食べよ!」
日菜のその一声でいただきますの声を揃えて昼食を始めた。
『そういえばバンドの調子はどうですか?湊さん。』
「そうね、そういえば貴方にお礼を言うのを忘れていたわ。」
『お礼?』
「ええ、あのとき貴方がすすめてくれたおかげであことリサがメンバーになったようなものだから。」
友希那の言葉を聞いて慧は頬をかきながら微笑む。
『気にしないでくださいよ。あれは僕が単純に湊さんのバンドを知りたかったからですし。』
「それでも結果は変わらないわ。」
『...』
友希那の真っ直ぐな言葉を聞いて慧は内心苦笑いする。
『(湊さんはあまりにも真っ直ぐすぎる。僕にはやっぱり眩しいや。)』
『そうですか。なら意地を張らないで素直に受け取っておきましょう。』
「?…何に意地を張るの?」
『いえ…それよりどうですか、練習の方は?』
慧は話題を変えた。
「そうね。かなり良くなってるわ。まぁ、リサはブランクもあるしまだまだ練習不足だけれども。」
「うっ…ガンバリマス…」
「あははっ!リサチー面白い!!」
リサは日菜に笑われていじけ、それをみて更に日菜が笑うという流れになり、慧もだんだんこの賑やかな時間も悪くないなと思い始めていた。
その賑やかな時間も終わり、午後の授業を終えて放課後となる。
「これでとりあえず連絡事項は全てだ。」
『わかりました。今日も1日ありがとうございました。』
先生の授業を終え、帰りの支度を整えて鞄から伸縮性の白杖を
取り出す。
「ん?今日はお迎えはないのか?」
『ええ、今日は一人で帰ります。』
「そうか、なら校門まで私がエスコートしようじゃないか。」
琴音先生の提案に慧は驚いたものの、断る理由も無いので言葉に甘えることにした。
琴音先生に校門まで送ってもらい、白杖を使いながら道を進んでいく。
いつもとは違う道を歩く。
しかしその道は歩き慣れた道で、今はほとんど通る事の無くなった道。
そしてある一軒の家へとたどり着く。
玄関の両脇には花が咲くには少し早い彼岸花が咲いていた。
慧は鞄から鍵を取り出し玄関を開けた。
扉を開くと家の中の懐かしい匂いが慧を包む。
『…ただいま。』
慧はそう呟くと家に入っていった。