25話まではあんまり話が進まない感じですね。
伏線はありますが…
正直者またキャラ増やすのかって悩んだのですがこういう形で出すキャラが欲しかった…。
てことで!そういうことです!w
次の話から原作ストーリーを進められると思います。
では!25話 抱える思い
どうぞ!
~友希那side~
「依存の出来るもの…」
友希那は自室で慧の家で話していた事を思いだし頭の中を巡っていた。
「らしくないわね。」
これまで音楽のことしか考えてこなかった自分が音楽以外のことで頭を悩ます事になるとは思ってもいなかった。
とはいえ、あそこまで聞いてしまって私は関係無いと言い切れるほど私も冷たくはない。
とはいえ、話を聞いただけでその悲惨さは理解したけれど、私自身大切な人を永遠に失ったことが無いから実感も共感も出来ないのが事実。
「つまり、なにか水瀬君に目標の様な物を持たせることでも良いと言うことよね。彼に何か生きることの目的でも与えられればあるいは…」
そこまで考えて頭を振る。
「そんな大それたこと言える立場でも無いわね。」
あくまでも私と慧は友人と言える間柄であっても距離が近い訳ではない。
リサが居なければ話題も無いし、そもそもリサが慧とお昼を共にしたいと言うから私も同席しているに過ぎない。
そんな自分が慧の為なんて言える訳がない。
「…数少ない友人と言える人ではあるけれど…私に出来ることはない。精々友人として彼の何気ない日常の一部になる以外何も出来ない。」
そう結論付けて私は睡魔に身を委ねた。
~千秋side~
「これで良かったのかな。」
「そう判断したから湊さん達に話したのではないのですか?」
私は独り言のつもりで呟いた言葉に返事が帰ってきたことに驚き振り向く。
「おや?紗夜はまだ帰ってなかったのか。」
「ええ、今日は泊まろうかと。明日の当番は日菜でしたが今日のこともありましたし。取り敢えず明日の朝食、弁当と慧を起こすのは私がすることになりました。」
「そうかい。」
私は背を伸ばしながら紗夜の言葉を聞いて立ち上がる。
「なら私はお風呂でも入ろうかな。」
「…千秋さんは…本当に慧がこのままで良いと思っているのですか?」
紗夜の真っ直ぐな言葉につい苦笑いを浮かべてしまう。
「このままで良いとは言ってないよ。けれど、私たちが出来ることも無いのが事実だよ。」
私の言葉に紗夜が悔しそうに唇を噛み締めるのを見てまた苦笑いを浮かべてしまう。
「言い方を間違えたね。
私のその言葉に紗夜は不思議そうな顔をしていた。
そんな紗夜に優しく言い聞かせるように言う。
「紗夜、今まで慧の事を一番近くで見守って支えてきたのは紗夜と日菜だ。慧と苦楽を共にしてきた君達ならきっと慧に何か示してあげられるんじゃないかと思っている。」
「…ですが…私は自分のことで手一杯で…慧の事を助けたいのに…怖くて、向き合えなくて。」
紗夜は俯いて力なく言った。
「そうか…」
紗夜ももどかしいのだろう。
そんな紗夜にこれ以上を求めるのも酷なのだと思ってしまった私には何も言葉を返してあげることができなかった。
「ままならないものだな。まぁ、時間が解決してくれるとは思うが…」
そう、慧なら時間さえあれば立ち直ることは可能だろう。
むしろ最近まではそのつもりではいたのだ。
「アイツさえ現れなければ…」
つい漏れてしまった言葉に幸い紗夜は気づいていなかったようで安心する。
「(やつは何が目的で慧に接触しようとしてきているんだ?それがわからない以上、やはり慧と接触させるのは不味い。)」
嫌な方向に思考が流れ始めたことに気付いて考えることを止めて紗夜に何時もの調子で抱きつく。
「ま!わからないことを考え続けても仕方ないよ。久々に一緒にお風呂入ろ!!」
「なっ!入りません!!前回も千秋さんが無理やり引っ張っていって…」
紗夜にじゃれながらお風呂場に引っ張っていく。
着替えは紗夜と日菜の分はいつも置いているため、いつも問答無用で紗夜を浴室に連れ込み、顔を真っ赤にする紗夜とお風呂を入っているのだった。
「今日も逃がさないよ~。紗夜ちゃんの柔らかい肌堪能するんだから!」
「止めてください!!」
そんなセクハラもなんだかんだで心を開いてくれている紗夜や日菜だから出来ること。
でも明らかに紗夜や日菜よりも慧の方が距離は遠いことはわかっている。
「(家族ならこうやってくっついて居るだけで心暖まる筈なのに…)」
どうして慧はあんなにも寂しくて…冷たく感じるのだろう。
それは肌に感じる温度じゃない。
心に感じる温度差だった。
~慧side~
「楽しそうだね。」
ボーっとしていたら浴室の方から千秋さんの楽しそうな声と紗夜の怒った声が聞こえてきた。
紗夜は文句は言っても最終的に断れないのを慧は知っていた。
「本当の家族みたいだな。」
千秋さんと紗夜のじゃれ会いを聞きながらベットに寝転ぶ。
「いつからかな、こんなにも誰かと距離を置かないと不安になってしまうのは。」
それはきっと家族を奪ったあの事件からではない。
あの時まではまだここまで人に不信感を持ってはいなかった。
そう、僕の心に止めを刺したのはあの学校での出来事。
「俺が居なくなってきっと精々したんだろうな…あいつらは。」
クラスの全員が一斉に悪意を向けてきたあの日…
「お前は最後に何が言いたかったのかな…裕?」
もう友達でも何でもないあいつを思い浮かべる。
あいつが最後に言っていた「明日になれば」
もし次の日まで登校していればどうなったのだろう…。
今では憎しみすら無くなってどうでもいい相手だが、もし…と考えてしまう。
「そういえば…あやちゃんはどうしてるのかな?」
それは小学校の時の休み時間に裕と自分ともう一人、あやちゃんという女の子とよく遊んでいた事をおもいだす。
あやちゃんは違うクラスで仲良くなった女の子で、家が遠かった為に放課後や休日等は遊べなかったが、仲はとても良かったと思う。
「あやちゃんに会えなかった事だけが心残りかな。」
もっもと、あの時に会ったとしても皆と同じ状況だったかもしれないが…。
「止めよう…もう終わったことだ。」
そう言い切って微睡みを迎える。
家族の事を同じように吹っ切ることの出来ない自分にニヒルな笑みを浮かべながらその意識は心地よい闇へと誘われる。