盲目で灰色な日々~暗闇に響く歌声は~   作:清夜

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どうも!羽丘が学食1日一回が無料設定だったことを気ラジオで知った清夜です。

ここはリサや友希那が慧に合わせて弁当にしたということで納得してもらえれば嬉しいです。

深夜テンションで書いたこともあり不安定なところもあるかもしれませんが、なにか変に思ったことや矛盾など見当たればご指摘等感想にお願いします。

では、29話 孤独な帰路は歪んでいて


29話 孤独な帰路は歪んでいて

~放課後~

 

「水瀬君。」

 

全ての授業がおわり、帰りの支度をしていた慧に声がかかる。

 

『湊さんですか。どうしました?』

 

「今日はなにか予定あるかしら?」

 

友希那がこの後の予定を聞いてくる。

 

『今日もいくのですか?』

 

昨日も行っただけにこんな直ぐに聞いてくるとは思わなかった。

 

「ええ、といっても今日は個人練習じゃなくてバンドで集まるのだけれど。今日の迎えは紗夜だと聞いていたし貴方もそのままスタジオに、とおもったのだけれど。」

 

『…そうですか。すいません、今日はやりたいことがあるので遠慮させて貰います。』

 

「…そう、急にごめんなさい。」

 

『いえ、それに今日は紗夜の迎え断っておきます。一人でも帰れますし、時間は有限ですからね。』

 

友希那の誘いを断り慧は立ち上がって白杖を手に取る。

 

「…そう。」

 

どこか拒絶の意志含む慧の言葉にそう返すしかなかった。

 

 

 

 

~友希那side~

 

「やりたいこと…」

 

私はせめて手を引いて校門まで送ることすら出来ずに慧を見送っていた。

 

杖をつきながらも躊躇い無く進んで行く姿は本当に目が見えないのか不思議に思うくらいだ。

 

しかしそんな事をぼんやりと思いながらも頭を支配しているのは昨日の帰りの光景。

 

「(誰かはわからないけど水瀬君の知り合いだったことは間違いない。もし彼にまた出会うのが嫌で誘いに乗らないのだとしたら…)」

 

そこまで考えて私は思考を断ち切るために首を振る。

 

「(まだ今日断られただけ。また誘ってみましょう。本当に用事があっただけかもしれない。)」

 

そうして私はリサに待っておくよう伝えた教室へ向かう。

 

けれど歩きながら私はもう彼が誘いにのることは無いのではないかという予感めいたものを感じて不安が胸に広がる。

 

~side Reset~

 

 

 

友希那の予感は正しく、一週間以上誘いは断られていた。

 

毎日誘っていたわけではないが、5回程断られている。

 

自然とお昼の時も気まずい雰囲気を隠せなかった。

 

それでもリサと日菜は何時もの態度を装って会話していた。

 

「ねぇ、聞いてよ慧。私たちのバンドに新メンバーが増えたんだ!」

 

『へぇ、そうなんだ。』

 

「うん!燐子っていうんだけど、キーボード担当してるんだ~。慧も顔出してみない?」

 

リサは自然に慧のを誘ってみた。

 

それは最近あえて触れなかった事で、内心リサも緊張していた。

 

『まぁ、そのうちね。』

 

しかしそんなリサの言葉ですらあっさりと流されてしまう。

 

「っ…そっか、うん、約束だよ?」

 

リサは今の答えにその気が無いのは悟っていたがそれでも約束を取り付けようとする。

 

しかしそれを遮るのは…

 

「どうせ来るつもりなんてないのでしょう?ならきっぱりと断ったらどうかしら?」

 

冷たい声で遮ったのは友希那だった。

 

その友希那の一声にその場は凍った。

 

『そう、湊さんの言う通りですね。僕はもう貴方達のバンドに関わる気はありません。ですので今井さん(・・・・)もう顔出すことはありません。』

 

「…えっ?」

 

慧はそんな場の凍った空気の中で拒絶の意志を突きつけた。

 

その明確な拒絶にリサはだけでなく、遮った友希那ですら目を見開いていた。

 

「…っ!行きましょう、リサ。」

 

「え…えっ!友希那!!」

 

いち早く立ち直った友希那はリサの手を取って教室を出ていく。

 

「友希那ちゃん!リサチー!!」

 

日菜の声は悲痛さを含んでいて、それでも友希那の足を止めることは出来なかった。

 

 

 

 

「ちょっと!友希那!!」

 

慧のいる教室からある程度離れた所で友希那はリサの手を離す。

 

「…友希那、どうしちゃったの?急にあんな…」

 

リサがいつもの幼なじみとは違う雰囲気に戸惑いながら聞く。

 

「…っ…なんでもないわ。」

 

友希那はなにかを言いかけようとしてやめた。

 

そんな友希那にリサは更に不安になったが、さっきの慧の言葉のショックもあって、そっか…と返してそのまま会話が途切れてしまう。

 

そんな中予鈴が鳴り、二人は重い足取りのまま教室に戻るのだった。

 

 

 

 

 

~放課後~

 

 

今日の帰り道も一人だった。

 

ここのところずっと一人で帰っている。

 

今日のお昼のこともあり、日菜はいつもより強引に一緒に帰ろうとしていたが、今日は元々アイドルの仕事もあり、少し強めに言い聞かせ、紗夜を呼ぶと嘘を吐いたら渋々ながらも諦めた。

 

帰り道はなるべく一人になりたかった。その理由は…

 

 

 

 

~♪

 

『っ!』

 

ポケットの中のケータイが鳴る。

 

その着信は目が見えなくても誰かわかる。

 

『…もしもし、水瀬です。』

 

「ハロ~、慧くん。今日もちゃんと一人みたいね。」

 

ケータイから聞こえてきたその声に慧は唇を歪める。

 

『ああ、そうだよ。お前がそう望んだんだろ?』

 

「なんの話かしら?私はただ随分と大切な人(・・・・)が増えたのねって言っただけよ?」

 

『…俺の大切な人はもうこの世にはいないさ。何度もそう言っている。』

 

慧は無機質な声音で返すがその表情は険しかった。

 

「あら、そうだったわね。その大切な人を助けるために私の父親を殺したのに結果助かったのは自分だけだものね?でもその割には彼女達の事を気にかけてるみたいじゃない?こうして自分から遠ざけるくらいなんだし。」

 

『別に…元々距離を置くつもりだったから寧ろ好都合だっただけさ。』

 

「あら?どういう心境の変化?」

 

『別に、誰かと仲良くした所で所詮は裏切られるだけだと思い出しただけさ。』

 

「そう、でも当然よね。人殺しと喜んで仲良くなりたいなんて考えるのは同じ人殺しか人殺しの子供くらいだもの。」

 

『…ゾッとしないな。血の雨がふる未来しか想像できない。』

 

慧は立ち止まって周囲に耳を凝らす。

 

「これでも結構本気で言っているんだけどね。」

 

『(近くにいない?周りの喧騒も聞こえないから室内か?だけどまるでその場を見ているように話しかけてくるこいつは一体...)』

 

「そろそろ時間ね。だれも巻き込みたくないなら…あまりイチャイチャしちゃダメよ?惨めな思いしている私と比べてうっかり殺しちゃうかもしれないから…もう少しよ…もう少しで…」

 

その言葉を最後に通話が切れる。

 

『長門…』

 

呟く慧の声は風に流され消えていった。

 

 

 

 





29話ではヒロインとの間に亀裂が出来てしまいます。

どうしよ…

一応この後の展開の構成は出来ているのですが、ご都合主義になりそう…

それでも諦めず読んでほしいというのが自分の思いですので、感想や、軽い批判等は受け付けてます。

ただ、辛辣な批判はショックを受けすぎるので、程々にお願いします…

では次でお会いしましょう!

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