今回から学校回です。
原作キャラも登場します。
めっちゃ難しいキャラでした…
なんかメインヒロイン出すまでが長すぎる...
では!第3話 鎮魂歌 どうぞ!!
朝食をとり終えた慧と紗夜は学校へ向かっていた。
他の人と比べて早い時間。
ホームルームが8時45分からなのだが、今の時間は7時半。
慧の家から学校までは歩きでも15分で学校につく。
一時間以上も余裕はある。しかし、慧は一人で学校へは登校出来ない。
現在も紗夜に手を引かれながら登校している。
慧が向かうのは羽丘女子学園。
紗夜が慧の朝をサポートする場合、紗夜が羽丘女子学園へと送り届け、それから自分の学校へ通う必要があった。
さらに、紗夜は風紀委員のため、他の人に比べ少し早く登校し、登校してくる生徒の服装チェック等の仕事があった。
故に紗夜と慧の家を出る時間は少し早くなってしまう。
本来なら女子高である羽丘学園なのだが、慧は特別枠でこの学校へ通っている。
それは、慧が事件のおり眼が見えないことで登校が難しく、毎回誰かの手を借りることになるため、慧が親しい人が通っている高校で送り迎えが出来る環境が必要だった。
そこで慧が今千秋さんと住んでいる家のすぐ近所である日菜か紗夜が通うどちらかの学園で登校することとなった。
そして許可の降りたのは羽丘女子学園であり、女子高であるゆえに他の生徒と一緒に勉強をするのではなく、個別の適当な空き教室で一人の先生と授業することを条件に通うこととなった。
慧が別の学校へ行かないのは他にも理由があるのだが…
「慧、気分は大丈夫ですか?」
『うん、やっぱり朝の空気はなんか気持ちいいね。』
慧と紗夜はいつもの日常となっている通学路を手を繋ぎながら歩いていた。
手をつないでいる部分だけを見れば朝からイチャイチャしているカップルのようだろう。
しかし、慧には両目を覆い隠すように巻かれている包帯があるため、誤解をうむことなく登校することができる。
しかし、それでも好奇の眼で見られることはあるのだが…
「そうですね。やはり早起きは生活リズムを正しくする第一歩ですから。きっと体にもいいですよ。」
紗夜も微笑みながら共に歩く。
二人の間に穏やかな時間が流れていた。
この時間は慧と紗夜が毎回大事にしている時間でもあった。
「…」
『…』
お互いに必要以上に会話することはなかった。
しかし、それは居心地の悪い沈黙ではなく、心地良い沈黙であった。
羽丘女子学園の校門が見え始めた頃、
「やぁ!水色の仔猫ちゃんに儚き歌鳥じゃないか。」
後ろから変な呼ばれかたをし、振り替えるとそこには長身の中性的な顔立ちをした女性が歩いてきた。
『その声は薫さんですか。こんな時間に登校なんて珍しいですね。 』
「…」
瀬田 薫が現れると紗夜は少し顔をしかめてしまう。
「顔をしかめてしまうなんて、可愛い顔が台無しだよ?仔猫ちゃん。」
「なら不愉快な呼び方を止めて貰えますか?せっかくの時間を台無しにされたのですから謝罪も要求します。」
「おや、なにやら不愉快にさせてしまったみたいだね。あやまるよ。でも歌鳥を見つけてつい嬉しくて声をかけてしまったよ。」
「ムッ…何故慧を見つけたら嬉しいのですか?」
紗夜は少し目を鋭くさせて薫へ詰め寄る。
「普通の学校生活では中々会えないからね。滅多に無い機会をみすみす逃がす手はないよ。かのソクラテスも言っているからね。「財産や名誉を得る事のみ執心し、己の魂を善くする事に努めないのを恥とは思わないのか」と、つまりは…そういうことさ」
「わけがわかりません!」
紗夜はついに声を張り上げてしまった。
『落ち着いて、紗夜。』
慧は苦笑いしながら紗夜を宥める。
「…すいません、どうかしてました。」
「気にする必要は無いさ、誰にでも失敗はある。かの…」
「貴方には謝ってません!」
紗夜がピシャリと言い切る。
「そんなことより教室に向かおう。こんなところで立っているのも不自然だしね。」
言うが早いか薫が慧の手を取って歩き出す。
「あっ!待ちなさい!!」
紗夜も続こうとするが、
『紗夜!時間!!』
慧に言われケータイのスマホを見ると学校へ向かわないといけない時間だった。
「~~~っ!今日の下校は日菜が来ますから!」
紗夜のその声を最後に僕は教室へと引きずられていく。
「いつも仲睦まじいね。」
『まぁ、幼馴染みですから。』
慧と薫は並んで教室へと向かっていると薫から話を振ってきた。
「私にも幼馴染みがいるのだけれどね。いつも態度が冷たくて…まぁそこもひとつの魅力なのだけど」
薫は少し楽しそうに話す。
『薫さんも幼馴染みは大切なんですね。』
慧も頭の中で紗夜と日菜のかおを思い浮かべながら優しく微笑む。
しかし直ぐにその顔も曇ってしまう。
「?…なにか心配事かい?」
慧の眼は包帯で隠れているのに直ぐ表情の動きを理解できる薫は演者としてのスキルが優れているからなのか、それともそれだけ慧のことを見ているからなのか。
『いえ、何でもないです。』
「……そうか。それにしても、君の歌声はいつになったらきけるのかな?」
『………今の僕は皆に聞かせられるような歌は歌えません。』
薫が話題転換するも暗い雰囲気変えることは出来なく、更に暗い空気になってしまう。
「…あの時聴いた君の歌は確かに暗く、物悲しいものだったが、一種の美しさを持っていた。私の胸を打つ何かを持っていた。それでも…聴かせてはくれないのかい?」
『……すいません。』
慧は申し訳なさそうにするも断る。
「そうか…よし、ここで良いかな?」
薫は少し寂しそうな声を出す。
一階にある職員室のとなりにある空き部屋に着く。
最早慧一人の教室となっている場所である。
「? 入らないのかい?」
薫が教室のドアを開け手を引こうとするも、慧は入ろうとしなかった。
『薫さん。少しワガママを言っても良いですか?』
「? 私にできる範囲であれば構わないよ。」
『僕を屋上へ連れていってもらえますか?』
慧は薫の手を握る力が少し強くなっていた。
「…わかった、おいで。」
薫は少し考えると慧の手を引いていく。
屋上へ向かう途中。
「それなら私のささやかなワガママもきいてくれるかな?」
薫が慧へ提案する。
『ええ、僕でできる範囲であれば。』
「同い年なんだし敬語を止めてくれないか?なんか距離を取られているみたいで悲しいよ。」
それに、と薫は言葉を続ける。その時の薫は何か真剣な、しかし、どこか微かに怯えているような雰囲気で、
「その僕って言い方、君の本質ではないだろう?」
『………そうですね、薫さんにはなんだかんだで良くしてもらってるし、信用できる。これで良い?薫』
慧の薫に対する他人行儀な話し方が変わる。
「!!!ああ、とても満足だよ。」
慧との距離が一気に縮まったような感覚を覚える薫は顔を緩めてしまう。
「さて、着いたよ。」
屋上へ着き、薫が扉を開ける。
『ありがとう。』
そう言うと慧は薫の手を離し、前へと進んでいく。
「薫。もうひとつワガママ。教室に戻ってまた5分後くらいに迎えに来てくれないか?」
「? 良いけどどうしたんだい?」
『…薫の教室はこの直ぐ下だよね?』
薫の問いに答えず重ねて薫に聞く。
「そうだよ。」
『この時間帯には誰か教室に居るかな?』
「恐らくいないだろう。いつもはいないから。」
薫の答えを聴いて満足したように頷く。
『なら、教室に着いたらわかるよ。今日だけ、薫の要望に応えてあげる。』
薫は慧の言っていることが理解できなかったが、従う方が良いと自然に思った。
「わかった、また迎えに来るよ。」
そう言って薫は屋上から出ていく。
少しして…
『うん、もう教室に着いたかな?』
そう慧は呟くと、大きく深呼吸する。
『♪~』
慧は歌い出した
それは哀しみに暮れた歌
はぐれた子供が両親を探すような…
愛しい人をもういないとわかっていながらも認められず探すような
時には楽しかった日々を思いだし
涙する
慧は歌う
それはレクイエム
歌うことで忘れないようにするかのように。
今は亡き愛しき人達のための鎮魂歌
はい、てことで!
原作キャラ二人目!! 瀬田薫さんです!!
なんかキャラが難しくて儚い儚い言えませんでした。
違和感あるかもしれませんが、どうかお許しを…
また、慧が歌を歌いましたね。
ご意見ご感想あれば是非ともよろしくお願いします!!
また、誤字脱字があれば報告してくれると嬉しいです!!
では、4話でお会いしましょう!!