盲目で灰色な日々~暗闇に響く歌声は~   作:清夜

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どうも!清夜です。前回の投稿から少し時間がたってしまった。

今回はタイトル通りって所ですね。

では4話 夕焼けの5人組 始まりです!


4話 夕焼けの5人組

『ふぅ…』

 

慧は一曲をアカペラで歌い終えて一息つく。

 

『(俺はこうしてあの世に居る家族にしか歌うことしか出来ない。)』

 

少し過去に浸る。

 

あの事件が起きる前の懐かしい日々。

 

母親、父親共に音楽関係に携わる仕事をしていた。

 

高校の頃にバンドを組んでいたらしく、そのバンドでそのまま恋仲となり結婚までしたらしい。

 

父親はドラム、母親はピアノを習っていて、バンドではキーボードをやっていたそうだ。

 

結婚してからも音楽からは離れられず、父親は楽器を弾く方ではなかったが、楽器のメンテナンス等をする仕事で、母親はピアノ教室の先生をしていた。

 

こうして音楽関係の仕事をしている両親から生まれ育てられた俺達兄妹は自然と音楽に惹かれていった。

 

俺は歌を歌うことが自然となり、妹の結希は両親がやっていたバンドのメンバーであったベース担当の菜月(なつき)さんと仲良くなってベースを習っていた。

 

そして幼馴染みの紗夜も影響を受けてギターを弾くようになり、日菜は観客で、たまに色々な楽器を教えて貰っていたようだった。

 

そうして俺達家族と氷川姉妹を巻き込んだ家族のセッションは俺達にとってかけがえのない時間となっていた。

 

紗夜と日菜もあの時は仲睦まじい姉妹だった。

 

あの時は皆幸せだったと思う。

 

しかし今は俺と紗夜と日菜だけしか残っていない。

 

紗夜は新しくバンドを組んだ。

 

日菜も何かギターをやるらしい。細かくは聞いてないが。

 

二人は今あまり仲が良くないみたいだ。

 

そして俺はあの時の幸せな時を思い出しては哀しみ、戻らない時間に手を伸ばしては空を切る手を叩きつける日々を送っていた。

 

もう自由に歌えないのだ。

 

家族の為にしか歌えない。

 

歌うことで楽しかったあの感情を忘れた。

 

セッションすることで覚えた興奮を忘れた。

 

家族や紗夜と音を交わしあって心で繋がった思いを忘れた。

 

それでも歌うのはそれしか生きる意味を見いだせないから。

 

せめてこの世を去った家族が俺の歌を聴いて少しでも慰めになって欲しいから。

 

『(俺の歌で慰めになるかわからないけど。)』

 

「とても良い歌だったよ。慧」

 

慧が一人考え事をしていると後ろから迎えに来てくれた薫に声をかけられた。

 

『ありがとう。』

 

「けれどどうして聴かせてくれたんだい?あそこまで嫌がっていたのに。」

 

『…気まぐれだよ。』

 

慧は少し間を置いて言う。

 

「…そうか。なら君の気まぐれを逃さないためにずっとくっついておけばまた聴けるのかな?」

 

『勘弁してくれ』

 

慧は苦笑いしながら応える。

 

「さて、教室に戻ろうか。そろそろ先生達も来る時間帯だろう。」

 

そう言って薫は自然に慧の手を優しく握る。

 

『ああ、ありがとう。』

 

慧は薫に手を引かれながら教室へ戻る。

 

 

 

「あっ!薫せんぱーい!」

 

薫に手を引かれ職員室の近くまで来たとき、後ろから薫を呼ぶ声が聞こえた。

 

「おや?仔猫ちゃんじゃないか。」

 

パタパタと走ってくるピンクの髪の少女。

 

その後ろから続く四人組。

 

慧は状況が分からず止まるしかなかった。

 

「薫先輩!!今日は早いんですね!!」

 

「まぁね、今日は早く起きる運命だったようだ。貴重で尊い体験も出来たしね。ああ!儚い…」

 

「キャーー!!」

 

『…』

 

薫の芝居がかったセリフに歓声を上げる少女に『ああ、なるほど』と一人納得してしまう慧がいた。

 

薫はどうやら女性から人気があるみたいで、慧は顔を知らないが、それだけ中性的で美形なのだろうと安易に予想がつく。

 

『(しゃべり方がもっと普通だったらな)』

 

そうけは心の中で思うも、そのしゃべり方が周りを惹く一種の魅力なのかもしれないと思い直す。

 

「ひまり、急に走っていくからびっくりした。」

 

黒髪に赤いメッシュが入った少女がピンクの髪の子に言う。

 

「ひーちゃんがこうなる理由ってひとつしかないでしょ~ら~ん~」

 

銀髪ショートカットののんびりとした口調の少女がメッシュの少女を蘭と呼びついてくる。

 

「おはようございます。薫先輩」

 

赤い髪で長身の少女は普通に薫に挨拶する。

 

「あはは、相変わらずだね。ひまりちゃん」

 

もう一人の茶髪でショートカットの子はピンクの髪の子を見て苦笑する。

 

「やぁ、おはよう。仔猫ちゃん達」

 

薫も皆に挨拶をする。

 

「あれ?先輩、そこにいるのは?」

 

赤い髪の少女が慧に気づく。

 

「ああ、紹介しなきゃね。慧」

 

『いいのか?』

 

「大丈夫だよ。君の存在事態、学校のみんなは入学前に説明されているからね」

 

『そっか。なら 初めまして、水瀬 慧です。男子学生で二年生です。』

 

「っ!男子って、なんでここに?」

 

赤いメッシュの子が訝しげに問う。

 

「おいおい蘭、入学前に言われただろう、一人だけ特別に男子高校生を迎え入れているって。」

 

赤い髪の子が蘭に言う。

 

「どうも、初めまして。私は宇田川 巴です。」

 

赤い髪の子は自己紹介をする。

 

「わ、私は羽沢 つぐみです!」

 

茶髪のショートカットの子がつづく。

 

「わたしは上原 ひまりです!!」

 

ピンクの髪の子が元気よくつづき、

 

「青葉 モカで~す」

 

銀髪ショートの子がのんびりとつづく。そして…

 

「美竹 蘭」

 

メッシュの子がぶっきらぼうに自己紹介する。

 

全員の自己紹介が終わり、巴が

 

「話しには聞いていましたけど初めて会いますね。普段はどこに?」

 

『ええ、そこの職員室の隣の空き教室ですよ。』

 

「それより!なんで薫先輩は手を繋いでいるんですか!!」

 

ひまりが驚いたように薫に聞く。

 

「あっ!バカ!」

 

巴が非難する声を上げる。

 

『ああ、すいません、薫には送って貰っていたのですよ。僕は目が見えなくて。』

 

そう言われてひまりは慧の目に包帯が巻かれていることに気づく。

 

「あっ!す、すいません!」

 

ひまりは巴に非難された理由に気付き直ぐに謝る。

 

『別に気にしなくて良いですよ。仕方ないことです。それに女子高にいる自分事態が本来おかしいのですから。』

 

慧は柔らかく微笑む。

 

「すいません、配慮が足りなくて」

 

巴も謝ってくる。

 

『本当に気にしないでください。慣れてますので。それより薫、そろそろ時間。』

 

「ああそうだね。じゃあ仔猫ちゃん達、教室に行くといい。私は慧を送り届けてから教室に向かうからね。」

 

そう言って薫は慧の手を引きながら教室に向かった。

 

その後ろ姿をみてひまりは

 

「薫先輩に手を引かれるなんて…いいなぁ~」

 

「おい!反省してるのか?」

 

巴が呆れたように言うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





はい!

てことでAfterglowが登場です。

まぁ、Afterglowで大きく関わってくるのは主に一人だけになると思いますが…増えるかどうかは著者もわからない。

てことで!次回のお楽しみってことで!!


遅くなりましたが、小石音瑠さん、アンカーさん、評価ありがとうございました!

モスネコさん!一言付き評価ありがとうございました!!

未だに評価の見方がわからなくて気づくのがおくれた自分です…

ハーメルンを使いきれていない…

まだまだ文章力も何もかもが未熟な自分ですが、これからも読んでいただけるとうれしいです!

では、次回でお会いしましょう!!
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