盲目で灰色な日々~暗闇に響く歌声は~   作:清夜

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どうも!清夜です。

今回は少しはのほほんとした話に出来たかな?

最後はやっぱり微シリアスになってしまったけど…

では!!5話 穏やかな日々

どうぞ!!


5話 穏やかな日々

薫に教室へ送ってもらい、先生が来るのを待つ。

 

それほど待ち時間は無く、教室に着いて数分で先生が現れる。

 

「おはよう、水瀬くん」

 

『おはようございます。佐藤先生』

 

入ってきたのは教育実習生である、佐藤 美波(さとう みなみ)先生である。

 

慧の授業は基本授業が無い時間帯の先生が受け持つのだが、教育実習生の経験を積むには都合が良いため、新任の佐藤先生が受け持つ場合が多い。

 

恐らく、学校側はここまで考えて慧の入学を決めたのだろう。

 

「今日は現代文と数学、歴史が2コマに英語が2コマです。」

 

『わかりました。』

 

そうして慧の高校生活が始まる。

 

 

 

~昼休み~

 

 

 

「今日はここまで。わからないところはあったか?」

 

歴史の授業が終わる。

 

担当は柊 琴音(ひいらぎ ことね)先生。

 

『いえ、大丈夫です。』

 

「そうか。しかし、本当に君は優秀だな。紙に書くことが出来ないから暗記するしかないというのはわかるが、ここまでスルスルと暗記できるやつはなかなかいないんじゃないか?」

 

琴音先生は不思議そうに言う。

 

『どうなんですかね?』

 

慧は苦笑しながら応える。

 

「慧!!」

 

琴音先生と雑談していると教室のドアを勢いよく開ける人物がいた。

 

その人物は慧を見るなり飛び付いてくる。

 

女の子特有の良い香りが鼻腔をくすぐる。

 

『日菜!お願いだから急に抱きついてくるのは止めてって言ってるでしょ。』

 

「え~~!!危なくないようにいつも勢いは無くしてるし倒れないように体重はかけてないでしょ!!」

 

日菜が不満そうに言う。

 

顔は見えてないが、頬を膨らませて不満そうな顔をしているのが安易に予想できる。ていうか現実にしていた。

 

『そういう問題じゃないでしょ、女の子がそんな簡単に男子に抱きついちゃダメ!』

 

「慧のケチ~」

 

『まったく。』

 

日菜はブーブー言いながらも慧の腰に回した手を離さなかった。

 

「はいはい!先生を前にいちゃつかないの!」

 

琴音先生が呆れたように言う。

 

「あ!先生、居たんだ。」

 

日菜は全然気づいていなかったようで驚いていた。

 

「私はそんなに存在感ないか?」

 

先生は片眉をひくひくさせながら日菜を睨む。

 

『まぁ先生、日菜も悪気があった訳じゃないですし、ここは大人の寛大な心で見逃して貰えませんか?』

 

「まったく、君がそうやって甘やかすから氷川も直らないんだよ。まったく。」

 

先生はぶつくさ言いながら教室を出ていく。

 

慧は声が遠くなっていくことでそれを感じ、先生に心の中で謝る。

 

『日菜?先生の言うことも正しいよ。これからは気を付けてね』

 

「は~い!」

 

日菜の返事が聞こえるが、まったく反省していない声だった。

 

「それより!今日の弁当食べようよ!腕によりをかけて作ってきたんだから!!」

 

慧の弁当はいつも日菜が持ってくる。

 

今日は慧を学校へ連れていくのが紗夜だったので日菜が作り、もし日菜が慧を朝に送る場合、紗夜が弁当を作り、日菜がそれを持って慧と登校する形となる。

 

『そうだね、ありがとう日菜。』

 

「えへへ~」

 

日菜は嬉しそうな声をあげいそいそと弁当を広げる。

 

慧と日菜は弁当を全部完食し、お昼の心地良い日差しと少し開けた窓から吹いてくる涼しい風に眠気を感じていた。

 

「う~~眠たい…」

 

『今日は天気も良いしね。』

 

日菜が机に寝そべるように顔を伏せ、慧はまるで目が見えているように日菜の頭を優しく撫でていた。

 

日菜は嬉しそうに微笑み、そのままされるがままにしていた。

 

これが二人のお昼休みのいつもの光景だった。

 

「クゥ~」

 

『寝ちゃったか』

 

日菜は気付けば可愛らしい寝息をたてていた。

 

『ふぁ~っ』

 

慧も欠伸を洩らしてしまう。

 

『俺も少し寝るかな。』

 

そうして慧は椅子の背もたれに体を預けて睡魔に身を委ねた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お~い!!授業始まるぞ!!」

 

琴音先生の声で起こされる。

 

「う~ん…あと二時間~」

 

「長いわ!!」

 

『すっかり眠ってしまったみたいですね。』

 

日菜と先生が漫才をしているのを聴いて意識がハッキリする。

 

「ぐっすりとな。まぁ、いつものことだが」

 

琴音先生は呆れながら言う。

 

「ほら!氷川!遅刻するぞ」

 

「う~~~まだ眠たいのに~」

 

『日菜、サボるわけにもいかないだろ?早く教室へ戻って。』

 

「う~~~わかった~」

 

日菜は立ち上がり弁当箱を持って出ていく。

 

「まったく、あいつはお前しか言うことを聞かないんだから…」

 

『あはは、まぁ、日菜ですし。』

 

「それで納得出来てしまう自分が怖いよ。さて、無駄話もここまでにして、授業始めるぞ。」

 

『はい。お願いします』

 

日菜とのちょっとした安息の時間を終え午後の授業が始まる。

 

琴音先生は羽丘学園の教師で、担当は英語だが、他の教科も幅広く出来ることから美波先生が慧の授業に出れないときはほとんど琴音先生が受け持っていた。

 

口調や性格は男勝りだが、面倒見の良い先生だった。

 

そして六時間目の授業まで終える。

 

「よし、今日はここまでだ。お疲れ様」

 

『ありがとうございました。いつものように分かりやすい授業でした。』

 

「誉めてもなにもでねーよ。そだ、帰りのホームルームは私がやるし、そのまま終わらせちまうか。」

 

『そうですね。先生もその方が楽でしょう。』

 

「まぁ、帰りのホームルームなんて特に何もないけどな。明日の時間割だ。一時間目は…」

 

3分もしないままホームルームは終わり、帰宅となる。

 

「それより、本当に氷川とは付き合ってないのか?」

 

『付き合ってませんよ』

 

琴音が毎日聞いてくることだった。

 

「ほんとかよ?この年頃で幼なじみだからってそんなベッタリなつきあい方してるやつなんていないぞ?氷川姉みたいな感じだったらわかるが…」

 

日菜は紗夜に比べてスキンシップが多く、平気で抱きついてきたりする。

 

『きっと、日菜にとっては俺も家族みたいなもんなんですよ。幼い頃からそうやって育ってきましたから。』

 

「…そういうもんかね?」

 

『そういうもんです。』

 

慧はそう言って窓の遠くを見るように顔を向ける。

 

目は見えていないはずなのに。

 

『二人は眩しすぎる…俺の罪を照らして目の前へ突きつけるみたいに…』

 

慧は小さく呟く。

 

琴音先生には聞き取ることができなかった。

 

ただ、慧のその姿は余りにも危うく見えた。

 

 

 

 





相変わらず話が進まない…メインヒロインはいつ出せるのだろう…

ある読者様からプロローグの描写についてご指摘を頂きました。

実は書き始めた当初、プロローグはもう少し長いもので、あれでも省いた方なんです。

その省いた部分の修正が完璧でなく、今回の描写の不一致を招くことになりました。

なので、省いた部分を少し簡略して戻すことにしました。

余り大きな修正出はないので気にしなくても大丈夫です。

この話が投稿される頃には修正も終わってると思います。

今回のご指摘ありがとうございます!

他にもなにか違和感や、描写についてご指摘などあればぜひ感想等で送ってもらえると嬉しいです!!

では!次回、お会いしましょう!!
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