盲目で灰色な日々~暗闇に響く歌声は~   作:清夜

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どうも、清夜です。

友希那を出したのは良いものの今回はまた絡みなしという…

難しいですね。

では!

8話 拠り所


8話 拠り所

 

「たっだいま~」

 

日菜と共に夕食を食べ、時間も遅くなってきた頃。

 

日菜に家へ帰るよう説得し始めた頃、疲れきった声と共に帰還を告げる人がいた。

 

「疲れたよ~!!」

 

そう泣き言を言いながら入ってきたのはこの家の主。

 

葛城 千秋(かつらぎ ちあき)である。

 

「千秋さん!!」

 

日菜は帰ってきた千秋に嬉しそうに抱きつく。

 

「おう~!日菜ちゃん!!今日も慧を見てくれてありがとね~!!」

 

千秋も喜んで受け止めていた。

 

『お疲れ様です、千秋さん。今日は早かったんですね。遅くなると聞いていましたが?』

 

「け~い~!!」

 

『のわ!?』

 

千秋は慧の疑問に応えるでもなく、慧に抱きついてくる。

 

慧も急なことでビックリし、変な声を出してしまう。

 

「私今日も頑張ったんだよ~誉めて誉めてー!!」

 

千秋は慧に甘えるように頭を慧の胸板にすりすりと擦り付ける。

 

その千秋の後ろから腰に日菜が抱きつくという奇妙な光景が出来上がっていた。

 

『わかりましたわかりました!わかったんで離れてください!!』

 

慧は千秋を引き剥がそうとするもなかなか離れない千秋にあきらめることにした。

 

『まったく…』

 

慧は呆れたようにため息をつき、その頭を撫でていた。

 

「えへへ~~慧成分が満たされていく~」

 

千秋はいつもならキリッとしていて、なかなかこんな緩んだ顔を見せないのだが、慧が居る家の中では別人のように変わってしまう。

 

 

一度千秋が部下をつれて家に来たことがあったが、慧を見た瞬間に別人に豹変した千秋を見てあまりにもの変わりように部下が数十分硬直して動かなくなったことがあったとか無かったとか…

 

『(なんで俺じゃなくてこの人が俺にベッタリなんだよ…)』

 

慧は呆れるも千秋に必要とされることに安心感を覚えていた。

 

無理もない、千秋にとって慧は同情で引き取ったに過ぎない。

 

そんな慧がいつ邪魔で面倒に思われてもしょうがないのに、こうしておふざけでも必要としてくれていることに安心感を覚えずしていられようか?

 

例えそれが偽りの安心感であっても、一時の拠り所でも…それにすがるしかなかった。

 

「慧…?慧!!大丈夫ですか!!」

 

玄関から誰かが心配の声を上げながら急いで入ってくる人がいた。

 

「慧!?」

 

『紗夜?かな、どうしたの?』

 

慧は声で判断し、急いで入ってきた紗夜に不思議そうに応える。

 

「えっ?あの…これは一体?」

 

状況が読めていない紗夜が困惑していた。

 

『いつも通りに千秋さんが帰ってきてこの状態になっただけだよ?』

 

慧が苦笑いしながら応える。

 

「そう…ですか…」

 

紗夜は安心したように脱力する。

 

そして、

 

「千秋さん!!」

 

「はい!!」

 

紗夜が目を吊り上げ、千秋を呼ぶ。

 

千秋は肩をピンと伸ばし、紗夜へ向き直り正座する。

 

何故か隣に日菜も正座していた。

 

「まったく…警官ともあろう貴方が!ドアを開けっ放しで家のなかには入るとはどういうことですか!!なにかあったらどうするんです!!」

 

「はい!すいません!!」

 

慧は目が見えずとも紗夜が腰に手を当て、千秋に説教している姿が思い浮かんだ。

 

「慧!あなたもですよ!!」

 

『え?俺?』

 

「貴方は千秋さんをあまやかしすぎです!!」

 

『す…すいません…』

 

紗夜ははぁ、とため息をつきそのまま続ける。

 

「以後、気を付けるように!」

 

「イェス!サー!!」

 

「私は女です!!」

 

「イェス!マム!!」

 

『軍隊のノリは気にしないんだね…』

 

慧は呆れながらもツッコミを入れる。

 

「千秋さん相手に気にするのも疲れるだけです。」

 

「紗夜ちゃんの愛が厳しいよ~、日菜ちゃ~ん」

 

「よしよし~怖かったね~」

 

日菜は子供をあやすように千秋さんを撫でていた。

 

「それで、慧、今日1日大丈夫でしたか?」

 

『うん、何ともなく平和だったよ。』

 

「そうですか…良かった。」

 

紗夜は本当にホッとしたようだった。

 

『心配性だな、紗夜は。』

 

慧は柔らかく微笑む。

 

「貴方はもう少し自分の危うさを自覚してください。」

 

紗夜は少し顔を赤くしてそっぽを向いた。

 

「否定はしないんだ~。紗夜ちゃんかわい~!!」

 

「///知りません!!日菜!もう帰る時間ですよ!!」

 

そう言って紗夜は出ていってしまう。

 

「あっ!待ってよおねぇーちゃん!!じゃ!慧、また明日ね!!」

 

そう言って日菜もぱたぱたと紗夜を追って出ていく。

 

二人が出ていって千秋と慧の二人っきりになる。

 

「優しいな、あの二人は…」

 

千秋はポツリと呟いた。

 

『そう…ですね。だからつい甘えてしまう。』

 

慧は少し暗く言った。

 

「でもあの二人はもっと甘えてほしいはずだ。」

 

『俺は十分に甘えているつもりなのですけどね。』

 

慧は苦笑いしながら応え立ち上がる。

 

「お風呂?」

 

『はい。』

 

「ん、わかった。」

 

そうして慧も出ていく。

 

リビングに残された千秋は一人呟く。

 

「気づかないと思っているのか?馬鹿慧。知ってるよ、お前が遠慮しているの。距離を取っているのも。」

 

何故慧が距離をとっているのかも薄々気付いている。

 

「私が見捨てると本当に思っているのか?私が迷惑に思っているって本当に思っているのか?」

 

千秋は返ってこないと知っている問いを投げかけずにはいられなかった。

 

「馬鹿…」

 

千秋はひっそりと涙を流した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





てことで、オリキャラの千秋回でした。

このキャラは結構書きやすいかも…

ある方からの疑問で、主人公は目が見えないのに、なぜ髪色がわかるのかとのご質問がありました。

これは、物語自体、第三者視点であり、慧の視点では無いためです。

技量が足りず違和感を覚えさせて申し訳ありません。

他にもなにか違和感や、ご指摘等があれば是非感想欄などにお願いします!!

では!次にお会いしましょう!
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