・亜種特異点までのネタバレあり。
・この先(今回無し)ぐだ子が辛い目にあう話があります。
・矛盾、捏造、誤字脱字たくさん。(あるかも)
・なんでも許せる人向けです。
・この話では、サーヴァントはでてきません。
・なんでも許せる方はお進み下さい(2回目)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
私は異常なのかもしれない。
魔術や英雄、そんな非日常的な人生を送っていた記憶があるのだから。
思い出したのは6歳の頃。海外赴任の多いい両親がお土産に買ってきてくれた絵本がきっかけだった。「アーサー王伝説」の絵本。
まぁ、幼い私に外国語はわからないので読み聞かせしてもらったんだけど、そこから私の知るアーサー王とは違う違和感を感じ思い出したのだ。
私は人類最後のマスターで、契約したサーヴァントたちと人理修復してきた人生の記憶を。
そして今、私は生まれ変わり別の人生を送っている。
今の私の名は藤丸 律(りつ)と言う。苗字が前世と同じですごい偶然だなぁ、なんて思った時もあった。しかし、違うのだ。なんと、私には双子の兄がいて、その名を藤丸 立香と言う。
前世の私と同じ名前だ。兄は黒い髪に青い瞳、私はオレンジの髪に琥珀の瞳、双子だというのにこうも容姿が全然違う。
生粋の日本人だと言うのに、この異色の容姿は何らかの力が働いてるに違いない。
そうして、記憶を取り戻してから10年。16歳の夏に事件は起きた。
西暦2015年。多分この先の未来は……。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「夏休みだし、オレちょっと海外にアルバイト行ってくるわ」
幸せな学生の長期休暇。今日は寝れるところまでずっと寝ようと思っていたのに、兄に起こされてしまった午前7時。これじゃぁ、平日と変わらない。
もっと寝かせてくれよ。
……って今なんて言った?
「律、起きろ〜。オレもう行くからな〜」
もう行く?海外?アルバイト?
寝ぼけた頭の中で兄の言葉をピースのように繋げる。
兄は起きろ〜と私をゆさゆさと揺らし、たまにペチペチと頬を叩いてくる。
えぇい!やめろ!今ちょっと考えてるんだ。
「ヘイヨー!!」
はっ!起き上がる勢いでつい変なことを言ってしまった!
「……お、おはようお兄」
「おはよう。やっと起きたか。というか、何だったんだ?変な夢でも見たか?」
「いやいやいやいや、それよりもどういう事やねん。海外にアルバイトってなんやねん」
何故か関西弁になってしまったがそれは置いといて、この時期、このタイミング、しかも海外なんて決まってる。
カルデアにスカウトされて、ノリで行ったら最後のマスターになってしまったっていうやつじゃないの……。
過酷な旅がこれから始まる……!!てか?
「なんか、スカウトされて、海外でアルバイトしない?ってさ〜。給料もいいし、海外とか父さん母さんみたいでカッコイイし、夏休み期間だけ行ってみようかなってね。」
「……なるほど。うん、そうかそうか。却下!!!」
「えぇ!?」
きっと、夏休み期間じゃ終わらねぇぞそれ。むしろ一生もんだぞ。それに、やっぱり行くのは賛成できないな……。
「いや、普通に考えて怪しいでしょ!?仕事内容は、海外ってどこよ!?どうせ聞いてないんでしょ」
「あー…………おっしゃる通りで。てか、なんでわかったんだよ!」
「そりゃぁ…………双子だし?」
なぜ疑問形、なんてツッコミは聞こえないことにして、反対しても兄はもう行く気満々のようだ。というか、もう準備万端だし。
何その気合の入った大きいリュックは、旅にでも出るつもりなの!?まぁある意味旅だけども。
「はぁ、ともかく私は反対だからね!」
「と言われても、行くって言っちゃったから何を言われようと行くぞ!もう、準備までしたんだ!それじゃぁ、元気でな!お土産買ってくるから!!!」
と言い捨て兄は私の部屋から出ていく。
それはもう脱兎のごとく。
「……は?」
それを呆然と見送った私は急いで兄を追いかける。パジャマ、ボサボサ髪だけど気にしない。
なぜならきっと、その先は地獄だから。
兄にそんな思いはさせたくなかった。
でも、考えてしまうのだ。もし、兄が行かなければ世界は終わってしまうのではないかと。
だから、躊躇ってしまう。
裸足のまま外に出ると、家の前に黒塗りの車が止まっており、兄がその車に乗ろうとしていた。
「お兄!!まって!」
頭の中で、ぐるぐる思考が回る。何を言ったらいいのかわからない。
目頭が熱くなる。
「……律」
「どうしても、行くの?」
兄は私が泣くと思ったのか、近くにより頭に手を置いて優しく撫でた。
そして、イタズラするように笑う。
「なんだ、俺がいなくなったら寂しいとかいうの?でも、学校始まる前には帰ってくるからさ、その間のびのびと過ごしてればいいじゃん?」
違う……違うんだよ。そうじゃない。
今でも叫んで言いたい言葉を無理やり抑える。
この世界を救うために兄が必要だ。きっと、この世界での私は駄目なのだろう。選ばれたのは兄で、兄が藤丸立香だ。
「……うん。待ってるね。帰ってきてね」
「あぁ。じゃぁ行ってくる」
兄は私から手を離し、車へと乗り込む。そして、窓を開けた。
「家のこと頼んだからな」
兄は火事おこすんじゃねぇぞ、と笑っていう。
きっと兄はこれから辛い現実を目の当たりにするだろう。痛い思いだって、後悔だってするはずだ。だから……
「仕事先で出会った人たちをちゃんと大切にしてね。頼ることもわすれないで。お兄は一人で抱えることも多いからさ。……そして、絶対何があっても諦めず最後までやり遂げてよ」
今はこれしか言えない。
兄は私の言葉に首を傾げるが
「わかったよ。約束する」
真剣な表情で頷いた。
そうして、兄は海外へ、人理保証機関フィニス・カルデアへと向かった。
小さくなる兄の乗った車を見えなくなるまで見つめる。
拳を強く握り過去を振り返りながら唇を噛む。
「変えてやる。私が藤丸立香を守ってみせる。絶対にあんな思いは2度としないように」
今でも夢に見る悪夢。
七つの特異点と四つの亜種特異点。それを攻略しクリスマスイベントを終えて、サーヴァント達は強制退館した後。休暇をもらい家に帰ってきたあの日。
思い出すだけで、吐き気がする。
絶対に阻止してみせる。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
そして、あっという間に一年がすぎた。
いや、一年がすぎたことになっていた。
それは、人理修復が達成されたということで、兄は無事に世界を救えたことを意味する。
いま、世界中はいつの間にか一年がすぎていたということで、大騒ぎ。
私がのんきに朝食をとりながら見ているテレビはどのチャンネルもニュースばかりで、同じことを言っている。
こりゃぁ、学校でも大騒ぎだな、なんて1人ははっと笑う。
たぶん、こんな大事件が起きてゆっくりのんびりしていられるのは私ぐらいだろう。
むしろ前は、カルデアにいたから実感無かったけれど、外はこうなっていたんだなぁなんて感心してしまうほど。
それに、そんなことよりも私にはこれ以上に大事なことがある。兄を守るためにしなければならないことがある。
この年末に兄は帰ってくるだろう。
そして、地獄はおとずれる。
私の時と少し違うところもあるけれど、根本は変わらないはず。ならば、私だって無事では済まされない。
生き残るために、この10年一人隠れて努力してきた。
今の私はマスターでも魔術師でもないけれど、戦ってやるさ。
プルルルルルル プルルルルルル
無機質に電話の着信音が鳴る。
知らない電話番号からで、きっとカルデアにいる兄からの電話だと予想した。
そして、少しドキドキしながら受話器をとる。
「……もしもし、藤丸です」
何の変哲もない対応をする。
きっと兄からで、もうすぐ元気に兄が私の名を呼ぶだろうと、構えていたのだが
「せんぱ……いえ、藤丸立香さんのお宅で間違いないでしょうか?あの、私、立香さんにお世話になっている者でして……あの?もしもし??」
聞こえてきたのは、懐かしく恋しいかつての後輩の声だった。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
設定
藤丸 律(16)
前世?は人類最後のマスターとして戦った藤丸立香(以降ぐだ子)。
しかし、今世は藤丸立香(ぐた男)の双子の妹として生まれる。
前世では、クリスマスイベでカルデア生活終了。そしてぐた子は、一時日本へ帰国することが許され、家族や友人と再開。しかし、安心しきったところで、誘拐。幾度の人体実験、改造をされ、最終的にバラバラにされ、聖遺物として保管されることになる。
こんな人生を送ってきたため、ぐた男には辛い思いをさせないように計画を練っている。
(変更可能性あり)
週に1、2回更新になりそうです。
感想でも頂けたらうれしいなぁ……