・サーヴァントが登場しました!しかし口調がわからん!もし違和感あれば、こういうふうに直してというコメントでもいただけると幸いです。
・今のところネタバレはない……と思う。
・進みが遅め。次回はサクサクいきます。
・なんでも許せる人向けです。
・広い心を持ってからお読みください。
・誹謗中傷はお断りです。
誤字脱字の報告、アドバイス等あったらコメントくれると喜びます。(作者はお豆腐メンタルです)
「あの、もしもし?聞こえてないのでしょうか……」
私は受話器を耳に当てたまま固まる。
マ、シュ……
ぼそりと、電話の声の主を呟いてしまったと思っちところで現実に戻る。
やばい。
今の私は藤丸律であり、彼女とは関わったことのない他人である。なのに、彼女の名前を知っていてはおかしくなってしまう。
「どうしましょう、先輩からの伝言があるのですが、これでは、伝えられませんね」
いや、どうやら大丈夫だったようだ。
その事にしょぼくれながらも安心する。
「すみません、藤丸です。どちらさまですか?」
とりあえず、当たり障りのない返答。
自分の手はすごく震えているが、声は震えていないだろうか。
「名乗らずに申し訳ありません。私、マシュ・キリエライトと申しまして、藤丸立香さんには職場でお世話になっている者です。」
「そうでしたか!私、立香の妹の律といいます。兄がお世話になっています。」
「それでは、また」
時間にして約5分の通話。
体感時間はもっと長く感じられた。
今は私の後輩ではないけれど、かつてのパートナーであり、一番会いたかった人だったのだ。
緊張しない訳がないし、同じであり違う人という認識が心を締め付ける。
しかし、そんな感傷に浸ってる暇はない。
とりあえず急いで準備をしなければ。
なんてことだろう、聞いてびっくり電話の内容はこうだ。
『乗り物酔いした先輩の代わりにお電話したのですが、今私達日本の空港にいまして、これから先輩のご自宅であるそちらに私他4人ほどお邪魔させてもらってもよろしいでしょうか?』
だってよ!!
いろいろと、省いたところもあるけど、なんか、今から来るのだと!
いきなりすぎて、頭パンクしそうですコノヤロー。
……うん、とりあえず落ち着こう。
どうやら、私とはまた違っている道を進んでいるようだ。
さらに良いことに、マシュの他に4人いるという。つまり、兄のサーヴァント達のことなんだと思う。
兄を守ってくれる存在が一緒にいるのなら何よりだ。
とりあえず、今一番の問題は……
「学校休んで、掃除だな」
一人生活を楽しんだ結果、生まれたこの散らかり放題の家を綺麗にすることである。
あと、心の準備も……。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ピンポーン ピンポーン
家のインターホンが鳴り、私は体をビクつかせた。
うわぁぁ、早くね?1時間いったよね!?
まだ30分ぐらいしか立ってないし、おもてなし用にお菓子作ろうとしたのにまだ、生地混ぜてる途中なんだけど?
もしかして、なんか英霊パワー来たの?
というか、マシュもいるんだよね……どう接したらいいんだろ。
頭の中は大騒ぎだ。
嬉しさと焦りと悲しみといろんな感情がグチャグチャになっている。
また、胸が締め付けられるような窮屈さがやって来て、心臓が高鳴る。
落ち着こう落ち着こう。深呼吸。
「すーはーすぅーはぁーー」
ピンポーン ピンポーン
私が戸惑って出ないせいかまた、インターホンが鳴る。
だが私はもう落ち着いていて、少しだけ覚悟も決めて、玄関の扉に移動する。
そして、辛くて悲しい思いをした弟と、それに寄り添ってきたマシュになんて言おうかな、なんて考えて。
「1時間って言ったなら、どこかで時間潰してから来いよ!馬鹿立香!30分しか立ってないぞ!こちとら、準備というものが……うひぃぃっ」
と、叫び散らしてドアを開けた。
ん?感動っぽい言葉でも言うと思ったか?生憎今の私は何も知らない一般人ということになっているのだ。
別に言いたいことを言っても構わんだろう?
というか、それよりも最後まで言えず悲鳴をあげてしまった。
何故かって……
扉を開けた瞬間目の前に、美形の面を被った化物がこちらを睨んでいたからだよ!
「……えっと、よよよようこそ日本へ?」
目の前には、銀髪に透き通るような白い肌をした少女と、金髪赤目のクソ顔の良いイケメンが私を見をろしていた。
うわぁ、睨まれてる、怖ぇ。結構傷つくんだけど。
「ちょっとちょっと!2人ともステイ!」
美形2人の間に聞きなれた声のフツメンが割って入ってくる。
おぉ、我が兄よ。
「ジャンヌもギルも、睨むのやめて!それ、俺の妹だから!だいじょーぶだから!」
……妹をそれ呼ばわりする兄もなかなか傷つくな。
「あぁ、相談なしに無謀にも勝手にバイトに行って音信不通になった、お兄おかえり。それよりも、この怖い美形さんはお知り合い?」
「なんか、一言どころか一文多くね?」
兄はまぁまぁ、と美形2人を落ち着かせる。
ふむ、来ると言っていた人4人中2人はこの人達か。なかなか……なかなか……。
「ねぇ、この娘がアンタの言ってた双子の妹?ふーん……全然似てないじゃないの。」
銀髪少女が私に顔を近づけたかと思えば、すぐ離れそっぽを向く。
えぇっと、私は何も知らない何も知らない。
「とりあえず、中へどうぞ」
どう対応したらいいのか分からないので、立たせたままなのも怒られそうだから、中に入れよう。
「あとさ、お兄おかえりなさい」
「あぁ、ただいま!!」
兄たち、を家の中へ招き、ポットで紅茶を入れてテーブルに座ってる人達にだす。
金髪イケメンはソファに堂々と座っているので、手渡しで。うわぁ……。
「えっと、それでお兄、この人たちを紹介してもらえるかな」
私は、カルデア御一行と向かい合うようにして
座った。
まぁ、目の前に座っている方々、みんな知っている人なんだけど、知らないフリしなきゃだからさ、何ともやりづらい。
兄もどう説明するか……って感じの空気を漂わせている。うん、なんか気持ちわからなく無いわ。
「あの、先輩、私にやらせてもらってもいいですか?」
兄の代わりにと名乗りを挙げたのは、兄の隣に座っていた少女、マシュだった。
マシュは兄の承諾を得て、こちらに目を合わせてきた。
「はじめまして、律さん。私は先ほど電話したマシュ・キリエライトといいます。急に大人数で押しかけてしまいすみません」
「あなたがマシュさん!はじめまして、よろしくね!」
はじめまして、か。うん、この世界では、はじめましてだもんね。
あぁ、やっぱり私のよく知るマシュで、 可愛くオシャレなんてして、少し泣きそうになっちゃうなぁ。
「会いたい……なぁ」
「律さん?何かおっしゃいましたか?」
「ううん、何でもない。続けて」
それからマシュは、一緒に来た同行者たちの紹介を始めた。
立香についてきたサーヴァント達はマシュを除いて4人。
銀髪で金色の瞳に透き通る白い肌を持った、ジャンヌ・ダルク・オルタ
金髪赤目の俺様系イケメン、賢王ギルガメッシュ
白髪に顔に残る傷跡が少し目立つ幼い少女、ジャック・ザ・リッパー
白髪に褐色肌の、カルデアのオカン、エミヤ
おう……金枠が眩しい。
……っと、マシュは順に彼らを紹介していったのだが、少し名前を変えていた。
多分、真名は避けたかったのだろう。それに、エミヤを除く3人は、誰もが知っているような英雄だからね。
それにしても……
「えと、オルタさん、ギルさん、ジャックちゃんに、エミヤさん……」
名前が安直すぎる。
まぁ確かに、それだけでは英雄と結びつくことはないが、一般人ならの話だ。
というか、名前というより、あだ名だよね。
「妹の藤丸律です。よろしくお願いします」
「「「…………」」」
「ふんっ」
「ちょっと、みんな挨拶ぐらいしてよっ!」
というか、こっちは挨拶してるのにお前らは無視かよ。
兄が一応、注意っぽいのはしたけど、それでも4人は無言を貫く。オルタが少し反応してくれたけども。
「律ごめんね、みんな恥ずかしがってるだけだから、そんな落ち込まないで」
兄が必死のフォローをいれる。
おっと、私のそんな落ち込んで見えたか?
そ通りだけど。
「マスター、一つ言っておくが、我は此奴と関わる気など少しもない。さっさと終わらせて、外を案内せよ」
「あら、奇遇ですね賢王様。私も貴女と仲良くするつもりわないわ。妹か何だか知らないけど、邪魔は許しません」
「おかあさん、はやく遊びにいこー?」
「あっ……」
ギルとオルタは、さっきまでこちらを見ていなかったのに、急にこちらを睨みつけた。
殺気は篭ってはいなかったが、恐怖がこみ上げてくる。
やっぱ、敵になると怖いなぁ。
あの日に、私のいたカルデアに戻りたい。
「……そ、うですか」
そして、絞り出して出た言葉はそれだけだった。
俯いて、軽く手を強く握った。
「えっと……そのー、一通り紹介も終わったことだし、俺ちょっとみんなを連れて街を案内してくるね!!」
「っえ?あーうん」
兄は膝の上に乗ったジャックを持ち上げながら、立つ。
そして、ほら早く行こう!とみんなをリビングから追い出すように迫る。
「ほらっ、マシュも行くよ!案内するって約束したもんね」
「そう、ですね。律さん何も話せていませんが、お邪魔しました」
マシュはついていけてないのか、少し混乱しているようだったが、申し訳なさそうにこちらを見てから、リビングを後にする。
私はそれを動かずに呆然と見ていた。
そして、最後に残った兄が
「今日はホテルにでも泊まろうと思ってるから心配しないで!また、来るよ」
「……わかった」
そして、彼らは、兄はどこかへ行ってしまった。
兄達が出ていってからも、私は床に座ったままで、先程まで彼らがいた場所を見詰める。
懐かしさに泣きそうになった。
彼らに冷たくされて泣きそうになった。
今は他人だと思うと泣きそうになった。
辛くて悲しくて寂しくて、泣きそうになるけど、何故か涙は出てこない。
なんで私は前世なんて思い出してしまったのだろう。なんでこんな思いをしなければならないのだ。忘れたままの方が幸せだったかもしれないのに。
久しぶりに一方的な再開をした彼らは、兄の藤丸立香をマスターとして慕っている。
どうして私が藤丸立香ではないんだろうか。
辛い。辛いよ……。
兄を、藤丸立香を救うって決めたはずなのに、彼らに会っただけで挫けそうになる。
私の信念はこんなものだったのか。
いいや、救わなきゃ。
藤丸立香を救って私も救われなきゃならない。
何のために、10年間努力してきたと思ってる。
前世で満足に生きることも出来なかったのに、今世も、幸せになるためにと、努力してきた10年だけで人生を終わらせるわけには行かないのだ。
そうだ、やらきゃ。少し、変わってしまっているけど、私しかこの先の未来はしらないのだ。
だから、私が幸せになるために、未来を変えなければ……。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
立香たちが、藤丸家から出ていって、律がひとり、決心したあとのこと。
空からか、地下の底からか、あるいは世界の外からか、不穏な影がやってくる。
影は何かを求めている。
意思を持つかのように、彷徨いながらやってきた。
その影は数にして八つ。
しかもその影は人のような形をしていた。
八つの影は散り散りとなり、求めるものを探しに往く。
そして、バラバラになった影たちの一つがある1人の青年を見つけた。
黒髪に青い瞳の青年を。
周りには一人の少女と4人のサーヴァントを連れている。
そして、その青年が出ていった家を観察し始めた。
家の中を透視するわけでもなく、ただただ、その家を遠くから見つめる。
そしてまた、青年の方へと視線を移し
「……せ……い、はい……」
と呟いた。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
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