藤丸立香を救う計画   作:兎乃

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ATTENTION

・オリキャラちゃん(律の学校の友達)がでてきます!
・半分飯テロです。お腹減ってる方はご注意ください。(別にそんなでもない)
・話の進みが遅い!1日が長いネ

・なんでも許せる方だけどうぞ


幸せ 懐かしき日常

 

 

 

 

 

シャワーを浴びた後、学校に行く支度をして私は午後から登校することにした。

お昼は簡単に家で済ませてきたので、お昼休み頃をめがけてゆっくり向かう。

 

ちなみに、家から近い高校を選んだのでいつも歩きで登校している。

 

 

 

 

「あれ、りっちゃん!おそよー」

校内に入り廊下を歩いていたら、誰かに話しかけられる。

私の背後から肩をぽんと叩かれたので、立ち止まって振り返る。

 

そこには、胸下ほどの長い黒髪を三つ編みハーフアップを、している女の子がいた。

 

「つばめちゃん。おはよー、ちょっと家でごたごたあってたさー」

 

「そうなのねー。って、ありゃりゃ?りっちゃん今一人暮らしじゃなかった?」

 

つばめちゃんこと、彼女青山つばめは、可愛らしく首を傾げた。

 

「違う違う、両親は海外出張で家を空けてて、お兄はなんか勝手にバイトに旅立ったんだけど、なんか今日急に帰ってくるってなってさ〜。本当に嫌になっちゃうよ」

 

「あぁー!あの、りっちゃんと双子の立香君だっけ?帰ってくるなら、また復学するかな?会ってみたいなぁ」

 

「んー、どうなんだろうなぁ」

 

つばめちゃんは、三ヵ月前に私のクラスに来た転入生で、隣の席になり仲良くなったのだ。

なので、1年ほど不在の兄とは面識はなく、写真で顔を知っているという程度。

その写真を見た時の彼女の第一声が

『血、繋がってる?』

だった。

 

まぁ、二卵生だし似ていなくても当然である。ただ、容姿が全然違うので兄妹と一目見てすぐ分かるものは少ない。

 

「多分、休暇中に帰ってきただけだろうから、学校には来ないんじゃないかなぁ」

 

「えぇ〜、そっか。じゃあじゃぁ、いつか立香君のこと私に紹介してよね!」

 

つばめちゃんは私の右手を両手で握って、勢いよく振った。

キラキラとした期待の眼差しで見てくる。

彼女の瞳は少し緑がかった、黒目でとても綺麗だななんて思う。

 

はっきり言ってつばめちゃんは、可愛い。それは、この学年でベスト3に入るぐらいには可愛い子だと私は思っている。

そんな子に兄を紹介してくっつけよう!という思惑も無くはないけど、残念ながらそれは兄が普通の男子高校生なら、の話。

マスターとなってしまった兄には恋なんてものは、程遠いものになっただろう。

 

 

私も恋なんてする暇もなかったしな……。

恋できる相手がカルデアの職員とか範囲狭すぎるわ……。

それに比べて今は選り取りみどり。

あれぇ、なんか目から水が。

 

 

「ほら、もうすぐ5限はじまるよ!行こう」

 

私はつばめちゃんの後ろに周り背中を押す。

 

「ねぇそう言えばさ、、今日誘おうと思ってて来ないから諦めてたんだけど、放課後暇かな??……ってあ、立香君帰ってきてるなら暇じゃないのか」

 

「放課後?全然暇だよー。お兄なんて、同僚と一緒に来たみたいでホテル泊まるんだってさー。家族より同僚優先みたいだし、私も友達を優先するよ!!」

 

「ほんと!?じゃぁ、放課後気になってるカフェがあるから一緒に行こう!!」

 

「おっけぃ!」

 

さすがに、今日は兄も、もう帰ってこないだろうし、家で1人寂しく過去にふけってるなら、外に出て何も考えず行動しよう。

今の私は、マスターでも、救世主でも何でもない。特殊な兄を持つだけのただの女子高生なのだから。

 

「うへへっ楽しみだなぁ」

 

「……りっちゃん、笑い方気持ち悪っ」

 

「ひどっ!?泣いちゃうよ〜」

 

あはは、と二人で笑い合う。

楽しそうに、嬉しそうに。

 

夢見た、この日常を壊されないように私は誓ったのだから。

 

きっと兄を救えれば、生かすことが出来たなら、私はきっと本物の幸せを手に入れることがてきるはず。

 

あの日あの時、家族を殺された。藤丸立香の血縁者だから、と言っていた。

つまり、生まれ変わっても私はその対象に含まれてしまう。私も殺されてしまう確率は高い。

 

だから、幸せになるために私は藤丸立香を救うのだ。

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

授業が終わり、私たち2人はつばめちゃんが誘ってくれたカフェへと向かった。

そこは、新しく出来たカフェのようで、まだオープンしたばかりなのか、お花が飾ってある。

 

「ここね、昨日オープンしたみたいでね、オープン記念で少し安くなってるみたいなの!それに、すごいオシャレで写真映えもいいみたい」

 

「全然知らなかった……。学校の近くにカフェが出来たなんて」

 

「まー、なんかよくわからないさ、いつの間にか1年経ってる事件でみんな、それどころじゃなかったしね〜今もまだ、原因不明みたいだし〜」

 

「というか、1年経ってる事件……起きたの二週間ぐらい前だっけ」

 

「そーそー。それよりも早く中入ろ!」

 

つばめちゃんに腕を引かれて店先に連れられる。

 

新しくできたカフェ『GRAL(グラール)』

……どんな意味なんだろう、帰って忘れてなかったら調べてみよう……。

 

そんなことを思いながら店内へと入った。

 

「いらっしゃいませー。2名様ですか?ご案内しますね!」

 

明るく、少し自分より年上ぐらいの女性がテーブルへと案内してくれる。

その間に、店内を見渡してみれば、同じ高校の制服を着た学生がお客さんの半分以上いて、話題になってるんだなぁと思った。

 

それに、席はほぼ満席。そこまで広い店でもないので、待たずに行けたのは運が良かったのかもしれない。

 

「こちらになります。ご注文が決まりましたらそちらの呼び鈴をお鳴らし下さい。」

 

そう言って女性店員は去っていく。

 

私とつばめちゃんは2人用の小さめの丸いテーブルに向かい合って座った。

 

この椅子……何気にふかふかだ。背もたれのクッションも良い。

 

「ちょうど空いてて良かったねー!さー何にする??」

 

つばめちゃんはテーブルに置いてあったメニューを開いた。

 

メインはスイーツ系やオシャレなドリンクのようで、いろんな種類が表記されている。

他にもパスタやピザ、サンドウィッチも少しだけど載っていた。

 

「うわぁ〜こりゃ悩むなぁ。どうしよう……どれも美味しそう」

 

「私はスタンダードにイチゴかチョコだなぁー」

 

そう言って私はイチゴがふんだんに盛られたパンケーキの写真を指す。

だが、たっぷり生クリームのチョコソースとバナナという、定番も捨てがたい。

 

「私は抹茶ティラミスかな。うぅぅん、でも、このフルーツタルトも……いやいや、パンケーキも食べたい」

 

うーんうーんとつばめちゃんは唸って悩んでいる。

 

「そうだなぁ、私はイチゴのパンケーキにするから、分けてあげるよ!それならパンケーキ食べれるでしょ?」

 

そう言うとつばめちゃんは、目を輝かせてきた。

 

「ほんと!!なら、抹茶ティラミスにしよーっと。私のもわけてあげるね!」

 

「ありがとう。飲み物も何にしよっかー」

 

 

そんなこんなで、私はイチゴのパンケーキとアイスティー、つばめちゃんは抹茶ティラミスといちごミルクを頼んだ。

 

それから、五分ほど待てば注文した品が運ばれてきた。

 

「うぉぉぉ〜すごい、美味しそう!思ったよりも大きいね。食べる前に写真写真!」

 

つばめちゃんは、食べ物が来てすぐにスマホを取り出し写真を撮り始める。

 

「私も撮ろーっと」

 

それに便乗し私も写真を撮る。

こうやって食べるものを撮るのも悪くない。

 

つばめちゃんはネットに上げるために、写真を撮っているようだけど、私はあまり興味がなかった。

 

「よーし、じゃぁ食べよう!いただきます!」

 

写真を撮り終われば、すぐスプーンを手に取りティラミスをすくう。

私もナイフとフォークを使ってパンケーキ食べやすい大きさに切る。

 

「あぁ〜うまぁ。幸せすぎる」

 

向かいでほっぺを抑えて本当に美味しそうにたべるつばめちゃん。

私も一口食べれば、もう一口と手が進み出す。

 

 

途中、分け合いがはじまり、両方とも堪能して、満足できたのか、二人で一息つく。

 

「「ふぅ〜美味しかったぁ」」

 

こんな美味しいスイーツは、前世ぶりかもしれない、なんて考える。

 

昔、アビーと一緒に食べたパンケーキも美味しかったなぁ。

 

「ちょっと私お手洗い行ってくるね」

 

そう言ってつばめちゃんは立ち上がり、お手洗いへと行った。

 

その間、スマホを取り出して兄にさっき撮った写真でも送ってやろうと企む。

 

送ったところで、兄たちも美味しいもの食べてそうだけど。

いや、ジャンクフードとかの方に行ってそうだな。

 

なんて思いながら、兄に送ろうと連絡先を見る。

 

「……あれ、ないな」

 

しかし、一覧の中に兄の連絡先が入っていなかった。

 

おかしい。

兄がカルデアに行くまでは普通にメッセージのやり取りだってしていたのに、履歴すらなかった。

間違って履歴を消したのならまだ分かるけど、連絡先がないのは不思議だな。

 

うーん……スマホ変えて連絡先消えたとか?

 

まぁ、次あった時に聞こう。

 

 

「お待たせ!」

 

頭を悩ましていたら、つばめちゃんが戻ってきた。

 

それから、ドリンクを飲みながら軽く談笑をする。

 

私たちが通う学校の噂だとか、クラスメイトの恋愛事情だとか、謎の多いい一年経った事件のこととか。

 

私はその原因を知っているので、少し返答に困ってしまった。

 

「そういや、ネットで騒がれてるやつなんだけどさ、最近この辺りでコスプレ少女が夜な夜な徘徊してるって噂だよ。」

 

「コスプレ少女?何それ」

 

「なんか、角っぽいのつけててさ、小鹿〜子豚〜子リス〜って動物の名前言ってるんだって」

 

「……へ、へぇ……そうなんだ。」

 

なんかすごい、私知っている気がするのは気のせいだろうか。

気のせいだと信じたい。信じよう。

 

というか、そうだとして、何故ここにいるんだろうか。しかも徘徊とは……。

 

「そ、それよりも、もうこんな時間だし帰ろ!」

 

私は立ち上がり、下の荷物入れに入っていたリュックを取り出し担ぐ。

つばめちゃんは、「えーもう帰るの?」と少し不満そうだった。

 

と入っても時刻は6時半で、ここには1時間半以上長居している。

それなりに話題になっている店で人の入りも少なくないので少し申し訳ない気持ちになってしまうのも当然。

 

頬を少し膨らませながら、仕方が無いとつばめちゃんも、スクールバッグを肩にかけ立ち上がる。

 

ちゃんとお会計を済まして、ごちそうさまでしたと、一言いってからお店を出た。

 

 

「あ〜楽しかったぁ!また来ようね!」

 

「そうだね〜、他に食べたいのも沢山あったし行こう」

 

帰り道が分かれるところまで、二人並んで歩く。

つばめちゃんも、歩いて登校しているらしく、案外家も近いのかもしれない。

 

「私ね、りっちゃんとこうやってデートしてみたかったんだよねぇ」

 

「あははっ!デートって私たち恋人ちがうねん!」

 

とツッコミをいれてみる。

 

隣同士歩きながら喋っているため、こちらがつばめちゃんの方を向いても、つばめちゃんは前を見つめていた。

 

つばめちゃんは、口では笑っていても目は笑っていないように見えた。

 

「君とね、こうやって2人でどこか行ってみたかったんだ」

 

そう言い直し、つばめちゃんはこちらを向いて笑った。

 

しかし、その笑顔に少し鳥肌がたった。

 

丸く大きなその瞳が、ピンク色の綺麗な唇が、弧をえがいて笑っている。

その笑顔は正直恐怖すら覚えた。

 

「わ、わたしも、一緒に食事ができてうれしかったよ」

 

そう言えば、つばめちゃんはいつもの笑顔で、ありがとうと言った。

 

さっきのは何だったんだろうか……。

内心冷や汗が出るかと思った。

 

「あ、私ここ右なんだよね。りっちゃんは?」

 

「私は真っ直ぐだよ」

 

「そか、じゃぁここまでだね。また明日ね!」

 

つばめちゃんは手を振って後ろ向きに歩きながら右へ曲がる。

 

私も手を振って

 

「今日は誘ってくれてありがとね!また明日!ばいばーい!」

 

と少し大きめな声で言えば、つばめちゃんは大袈裟に手を振ってこちらに背を向けて走っていった。

 

私も真っ直ぐ帰り道を歩く。

 

すると、前から1人の小さな女の子がパタパタと可愛く駆けてくる。

こんな時間に危ないなぁなんて思いながらも、普通にすれ違うだろうと歩いて進む。

 

どんどん距離が近くなり、女の子が本を抱えて走っていることに気がついた。

 

少しあの子に、似てるなぁ。

 

懐かしむように、見ながら、ちょうどすれ違う時に

 

 

「ーーーーーーーーーーー」

 

「……え?」

 

急に声が聞こえて、私は振り返り女の子を確認しようとする。

 

「いない……」

 

しかし、たしかに先程すれ違った女の子の姿は一瞬でいなくなってしまっていた。

 

ほんの少し目を離しただけだった。

すれ違うまであの子を見ていた。

そしてすぐ、振り返ったというのに女の子は見えなくなっていた。

 

見間違え、という訳ではないと思うが。

何だったのだろう。

 

それに、あの子が言っていた言葉は……。

不意な事だったので、曖昧だ。

 

でも、さっきの言葉が私と無関係かと言われれば、違う気もする。

 

ただ、あの女の子が私のただの見間違い、幻想だとするのなら分からないけれど。

 

 

でも、あの女の子は

 

 

『救うのは誰?救われたいのは誰?』

 

 

と言っていた。…………気がする。

 

あの女の子の姿も声も、私がよく知るあの子に似ているような気がしたのは、気のせいなのだろうか。

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

 

家に帰って来てみれば、部屋の明かりがついていた。

電気つけっぱなしで行ったけ!?と焦って鍵を開けてドアノブに手をかければ、ロックされていて入れなかった。

 

次は鍵の締め忘れ!?と思いもう1度鍵を入れれば、次はちゃんと開いた。

 

泥棒……なわけないよな……と思いつつ玄関に行けば、見覚えのない靴が数足並んでいる。

 

子供用の靴から高級そうな男性靴まで。

 

そこで私は察する。

 

「あれーおかえり。遅かったね」

 

玄関で棒たちになった私を、兄は何気ない顔で出迎えてくれた。

 

 

「いや……なんでいるんだよ」

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

補足

 

・立香が家に来たのは律の登校前なので、午前中です。なので、午後から学校へ行きます。

つまり、律はつい、二度寝しちゃったんですね(違う)

 

・立香は、留学しているというのが学校の認識です。

 

・律の精神がすごく不安定だな、と思った方いると思いますが、ただの作者の力不足です。

外では明るくしているけど、内心は不安ばかりという感じです。あ、普通に不安定なのか?

 

・時間軸が謎かと思われます。私も謎です(おい)

 

 

 

 

 

 

 

 

 




指摘がありましたので。
「おそよー」は誤字でもなんでもありません。
おそいおはよう、という意味です。
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