終ぞ、叶わなかった願い   作:黒彼

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対立しあった者同士が仲良く暮らしている……なんて、

凄く素敵な話だよね






本当は有り得ない日常

・とある攻防

 

 

「ジョ―――――セ―――――フ――――――!!!」

「ゲェ!?」

 

 

今、ジジイは伊緒に追いかけられている。何故か、それは―――

 

 

 

「真莉愛をかぁえぇせぇぇぇ!!!」

「お兄ちゃ――ん……」

「イヤなこった!ってヤッベェ、アイツのスピードが速くなった!?お前陸上部に入ったら絶対頂点に立てるって!」

「そんなものは要らん!真莉愛を返せぇ!!」

 

――こういうことだ。

 

 

 

「おー、イチチッ」

「何やってんだジジイ」

「ピッチピチな俺にジジイは失礼じゃないのぉ~?」

 

あの後、二人の追いかけっこを見たジョナ兄がジジイに拳骨を決めて止めた。

その一発の拳骨が余程痛かったらしく10分程ゴロゴロと転がり続けていた。あれが途轍もなく痛いのは俺達(徐倫除く)はよく知っている。流石、界隈でゴリラと有名なだけある。

で、その一部始終を見ていた俺はジョナ兄に怒られないようにさり気なく逃げ、もう一度戻ってきたのだ。チャッカリしている?気のせいだ。

 

「兄貴、あそこまで本気で殴らなくてもいいだろ…」

「事あるごとに伊緒を弄るのが悪いんだろ。いい加減やめろ、伊緒よりガキっぽいぞ」

「にゃにおう!?」

 

承太郎の言葉に怒ったように振る舞うがすぐに成りを潜め、伊緒達が去った方向を見る。

 

「こうでもしないとアイツ、俺達に関わってこないだろ」

「…」

 

そうなのだ。伊緒と真莉愛はあまり俺達…正確にはディオとDIOに大きく関わっていた俺、ジョセフ、ジョナサンにあまり近づこうとしないのだ。仗助とジョルノ、徐倫には伊緒自身から構いに行く。

それの理由が真莉愛は分からないが俺達と戦った記憶を覚えていないが体で覚えていて無意識に避けているんじゃないかと考えたのだ。

そう考えてから、俺達はそれぞれ伊緒達に対しての関わり方を考えた。

ジョナサンは徹底的に構った。構って構って構いまくった。一部の女子の顔が恐ろしくなる程の構いっぷりで伊緒にウザがられていた。まぁそうなるだろうな。

前(・)は亀裂しかなかった関係だったから今度は仲良くしたいんだとか言っていたが、逆効果だと思うぞ。

この前伊緒がコッソリ、”何なんだあの猪突猛進野郎…ホモなのか?”と変な誤解をしていたのを必死に弁解していた仗助とジョルノが可哀そうだった。

ジョセフは逆に真莉愛を沢山構った。伊緒の目を盗んでは真莉愛に構って連れだした。

真莉愛が宝物である伊緒は何度も悪戯ばかりするジョセフがあまり信用出来ておらず、そのジョセフに勝手に連れ出されるのが嫌で仕方ないらしくすぐにジョセフを追いかけて真莉愛を取り返しに行く。そして某ネコとネズミの追いかけっこのようなものを繰り広げるのだ。追いかけっこをしてない時でも目を光らせ、真莉愛に構おうとするジョセフに威嚇をするのだ。

これだけなら喧嘩をするほど仲がいい、という言葉が(ギリギリ)合うだろうがそうは問屋が卸さない。

真莉愛ばかり構うジョセフを見て、伊緒は”ジョセフはロリコンで真莉愛を狙っている”と勘違いしているのだ。

だから威嚇しているのだが、ジョセフは楽観的に”素直じゃねぇな”としか思っていないのだ。お気楽すぎる。

 

 

俺か?

俺はただ、ジョナ兄から逃げてる二人に逃げ場を作ったり、ジジイがどこに行ったかを伝えるくらいしかしてねぇ。

それくらいが丁度良いのだ。下手に構って変な勘違いされるよりは手助けをした方がいいと兄二人でよく学んだ。

現にこの中では俺が一番話せている。

これが、”漁夫の利”ってやつだな。

 

 

 

そのうち、伊緒の怒りが爆発して兄二人に”しつこいぞ、このホモショタ野郎とロリコン野郎!!!”と怒鳴り、二人が石のように固まるのはそう遠くない未来の話である。

 

 

 

 

 

・真莉愛は慣れない

 

真理愛はジョナサン達と少々馴染めないでいた。

周りに父と兄以外の大きな男がいなかったせいなのか、特に195cmもある3人にはあまり近づかない。

承太郎とは目を合わせることが偶に出来ているが、ジョナサンとジョセフには出来ていないでいる。

最近ではジョナサンと話すことも出来たり、ジョセフに抱っこされても泣かなくなったなど進歩しているがそれも微々たるものである。

何だかこの展開にデジャヴを感じる人もいるだろうが、最後まで見て欲しい。

伊緒には勢いよく構いにいっていたジョナサンはどうしたものかと考えあぐねていた。

ジョナサンはあまり異性に慣れていなかった。今まで挨拶などはするが、出掛けるなど長時間一緒にいる異性といったらエリナか徐倫しかいなかったのだ。こんなに小さい女の子(徐倫は記憶があるので除外)と接したことが無いのだ。

逆に、ジョセフは凄い勢いで構っていった。伊緒がロリコンと勘違いするほどに。

ジョセフにはホリィという目に入れてもいたくない娘がいた。(そのホリィは今は従妹としている。)

その娘がいた経験を活かして真莉愛を(構いすぎなくらい)構った。

構って構って構い倒して…、伊緒が警戒するほどに構い倒した。

仗助とジョルノは他の兄弟ほど年は離れていなかったから真莉愛と比較的仲が良かった。

が、徐倫には誰も勝てない。伊緒を除いて、一番仲が良いのは徐倫であった。

何をするにも一緒であった。どこに行くにも一緒だった。

本当の姉妹のようにいつも一緒であった。

 

 

だから安心していた。真莉愛はこの家に馴染んでいると。

これで彼はこの場から離れないと。

この場が安息の地となりえていると。

あぁ、なんて********。

 

 

 

 

 

・**は知らんふり

 

俺の周りにはよく人が集まる。

俺の容姿に集まる者もいれば、俺の頭脳に集まる者もいる。

周りより頭が良く、容姿が整っているのは自覚している。そこに猫を被れば、完璧な優等生の誕生だ。

みんなみんなが、犬のように尻尾を振り褒美を求める。

 

だが、今目の前にいる成人した男女は全く知らない奴ばかりだった。

DIO様、DIO様と俺を呼び、まるで前に会ったことがあるかのように再会を喜ぶのだ。

最初にも言った通り、俺は初めて会ったのだ。誰と間違えてるんだこいつらは。

だが、まるで全てに絶望していて、まるで神を崇める様に見つめるこの目は――――。

 

「おい」

「あ、あぁ、承太郎か」

 

思考に耽っていると後ろから承太郎が現れた。

すると俺は崇拝するかのように見ていた男女は承太郎に敵意を、怯えを浮かべた目を向けた。

 

「何絡まれてるんだ」

「いや、」

「今日は真莉愛と約束があったんじゃあないのか」

「あ、あぁ、確かにあるが」

「コイツらの事知らないんだろう。だったら放っといて行けよ」

「だが、」

「早く行け。ここは俺に任せろ」

 

俺の言葉を待たず、承太郎は俺をこの場から離させた。

何だか怒っているような雰囲気だったから言う通りにその場を離れた。

アイツらは何だったのか。何で承太郎がアイツらと知り合いでないと知っていたのか。何で、

 

「よくジョナサンや承太郎が俺を呼ぶときに間違える"DIO"を知っているんだ?」

 

随分前にジョナサンが言っていた知人の知り合いだったのだろうか。俺はその知(・)人(・)に似ているらしいし。

そんな疑問が浮かんだが、真莉愛との約束を守る為にその思考を追いやった。

 

俺はアイツらを知らないんだ。

なぁんにも知らない。

 

 

 

 

 

・あの頃は大変でしたね

 

 

何故、星は正義を掲げた存在となっているのだろうか?

復讐に走っても何故正当化されるのだろうか?

何故、動くことが罪なのだろう?

何故、何故、何故?

人を殺してはいけない?人でなかったら殺していいのか?

では、私の部下たちはどうだったんだ?アイツらは人間であったぞ?

悪事を働いたから?逆に聞くが悪事を働かなかった人間などいるのか?

アイツらには私しかいなかったから、私の下に来たというのに。あぁ、何て可哀相に。

何故、人が私の下に来るか、考えた事はあるか?周りに誰も助けてくれる者がいないからだ。

うん?あぁ、違う違う、生活面の話ではない。精神面の話だ。

 

スタンドという異常な能力を持った者は初めの内は感情の起伏に合わせて暴走しやすい。コントロール以前の問題で、まずそれが"何なのか"が理解出来ないからだ。それが自身の唯一無二の存在であると気づければ、収まるんだがな。

理解不能なモノが理解不能なことを起こしている。パニックになるだろう?そして余計にコントロール出来なくなって超常現象が起きる。

ここで、周りとの違いが出来てくる。スタンドが発現した者はその現象を起こしたスタンドの姿が見えている。その奇怪な存在に叫んだりしている姿を―――スタンドを見えない者が見たらどう思う?

この超常現象を起こしたのはソイツなのではないかと恐怖する。化け物だと恐怖するか、はたまた神の化身だと畏怖するか。どちらにしろ、まともな人間として扱われないことは確かであろう。

そして周りから避けられることで、感情がマイナスに寄って更に暴走し、"異端"となるのだ。

 

ん?何か勘違いしてないか?だからといって私達は信頼でだとか、私があの者達に同情してだとかそんな温かい理由で共に居た、なんてことは存在しない。

お互いの利害関係が一致したのだ。

私は、ジョースター家を始末して欲しいから。

では、部下達の利とは何かって?金銭や私の容姿、力に惹かれたというのもあるが、大部分はこれが理由だろうな。

 

――――自分より異なっているモノが近くにいると、自分はまだマトモだと安心することが出来るだろう?

 

 

 

 

・おやおや、反乱ですか

 

悪とは何か、正義とは何か。

そんなものに明確な答えは存在しない。

人一人に立場があり、価値観があり、環境があるのだから答えが定まるわけがない。

 

 

 

 

あぁ、母が笑っている。母が元気に生きてる。

何度、何度も夢に見たこの光景。何巡繰り返した?何巡も繰り返した!

そろそろ動こう。今度は失敗しない。必ず、カナラズ、かならず、

 

 

「あぁ、ここにいたのか真莉愛」

「お兄ちゃん!」

「はは、もう成人するのだからもう飛びつくのは控えなさいと言っているだろう?」

 

あぁ、温かい。血が巡っている鼓動の音が聞こえる。

愛している、愛しているんだ。離れたくないが、俺達は離れないと死が来てしまうんだ。

 

 

「ん?どうし――」

「さようなら、――――――――――お兄ちゃん」

 

 

 

 

お(・)兄(・)ち(・)ゃ(・)ん(・)を気絶させて、私は逃げる。

さて、ここから私は絶対に間違えられない。

まるで舞(・)台(・)に上がる踊り子のように、ここから先は寸分の狂いは許されない。

 

 

さぁ、星の一族たちよ!幕は上がったぞ!!

私が目指すものはただ一つ!!それは――

 

 

 

 

 

 

大成功だ!!ジョースターに取り入ることが出来た!

これまで何度何度何度何度繰り返したことか!!

まさか私が*$%#(母親本人)だとは分からなかったようだな!何度も廻り、#$%(演技力)が上が――のは良い誤#(算)だったな!

ハハハ、これ―私の悲願は*(叶)う

母%(さ)ん…、いや、―――――(兄、ディオ)、これでアナタを―(幸)せに出来る……

 

 

前と違う*#(名前)だが、それを私は気に入っ*(て)いる

こ#(れ)のおかげで、私は母さんを幸せに出来る

さぁさぁ、こ―(れ)からどう*#(動こ)うか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――全ては私達の幸福の為に。

 

 

 





――――まぁ、現実はそう甘くないよ。





どうも作者です。
とりあえず、日常生活みたいなものを書いてみました。
とうとう始動する彼…否、彼女は今後どう動くのか。



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