東方光坂-岡崎朋也が幻想入りー   作:犬とほっぺ

2 / 2

パパパッ、とやって2話書き終えました。書き溜め?知らんなぁ

霊夢が「何だお前!?」になってるかもしれません




第2話『博麗霊夢』

……。

 

 

……真っ暗だ

 

 

……。

 

 

……視界は、闇で覆われている

 

 

……。

 

 

……。

 

 

……ああ、そうか

 

 

瞳を、閉じているのだ。俺は。

 

 

……。

 

 

……背中の柔らかい感触

 

布団、だろうか

 

……とすると、俺は。眠っているのか?

 

 

……。

 

 

……。

 

 

……ああ。眠って、いるんだな……

 

 

……。

 

 

……なら

 

起きなくては、ならない

 

眼を開けて、身体を起き上がらせ、起きなくてはならない……

 

……さあ、起きるぞ

 

……起きる。

 

 

はい、起きた……

 

 

……。

 

 

……。

 

 

…………ん?

 

 

「〜♪〜♪〜♪」

 

 

……なんだろう、この音は

 

耳から聴こえるこの音は、なんだろう

 

 

「〜♪〜♪〜♪」

 

 

……綺麗な、歌だ

 

 

「〜♪〜♪〜♪」

 

 

柔らかな、鼻歌だ

 

 

「〜♪〜♪」

 

 

……。

 

 

……。

 

 

 

 

……あ

 

 

 

 

「〜♪〜♪〜♪」

 

 

この、声、は

 

こ、の、うた、ごえ、は……

 

 

「な、ぎ……さ……?」

 

 

「〜♪〜♪〜♪…………ん?」

 

 

薄っすらと、瞼を上げる

 

「あ?起きた?」

 

視界の隅に、少女の姿が映った

 

「……」

 

ぼんやりとした意識

 

「……おーい」

 

その中でも、紅白の女の衣服がやけにはっきりとしている

 

「ちょっとー?意識あるわよね?……返事してくれない?」

 

……何処だろうか、此処は

 

「もしもーし」

 

……何をしていたんだろうか、俺は

 

「流石に無視は傷つくんだけど……」

 

ぺちぺちと女が俺の頬をたたく

 

薄目ではっきりと捉えられないが、美人と呼べる顔つき

 

……。

 

……ああ

 

 

そうだ

 

 

確か、俺は…………いや、『俺達は』

 

 

……旅行に、出かけていたのだ

 

 

「ね、何黙ってるの?……ひょっとして日本語忘れた?」

 

旅行。

 

そうだ、旅行だ

 

……、

 

ああ、思い出した

 

全て、思い出した

 

……俺達は、旅行に出かけて

 

それで、それで……

 

……。

 

 

……。

 

 

……ッッッ

 

 

「うしおぉぉぉぉっっっっっ!!!!!」

 

「きゃ!?」

 

飛び起きる

 

意識が、覚醒する

 

だが、動悸が激しい

 

自分の心臓の音がハッキリと聞こえる

 

「はっ…!はっ…!はっ…!」

 

「ちょ、ちょっと、大丈夫?凄い汗よ?」

 

女が、此方へと寄ってくる

 

「っ!!」

 

がっ!!

 

反射的に、女の両肩をわし掴む

 

「っ、ちょっ!いきなり何するの――」

 

「おいっ!」

 

「え?」

 

「何処だっ!!ここはっ!!」

 

「なんなんだっ!!ここはっ!!」

 

「どうなったんだっ!!俺はっ!!!!」

 

「娘は……汐はっ!!何処なんだっ!!!」

 

「待って、待て、待てっ!落ち着いてよっ!ちょっと!」

 

「一体、、どうなったんだよ!俺はっ!!なあっ!」

 

「だからっ、落ち着いてって――――」

 

「汐は……娘はっ……俺は…俺はっ……!!!」

 

「落ち着いてって――――」

 

「なぁ、ここは、一体、なんな――――」

 

「言ってるでしょうがッッッ!!!!」

 

バチィィィィンッ!!!

 

「ぶっ!?」

 

女の張手が、左頬に見事にクリーンヒットした

 

「痛ッ……てぇな……!」

 

「もうっ!落ち着け!ほら!深呼吸!」

 

「……え?」

 

「深呼吸っ!」

 

「……っ、あ……」

 

言われるまま、深く深く深呼吸を行った

 

2回、3回、5回、7回、11回、13回……

 

そうする内に頭に登った血が徐々に冷え、なんとか興奮が収まる

 

「落ち着いた?」

 

「あ、ああ……」

 

「よろしい」

 

満足気に、女

 

「な、なぁ」

 

「ん?何?」

 

落ち着いた、心

 

だが、山のような疑問が俺の心を埋め尽くしている

 

とにかく、とりあえず、今、目の前の女に聞くべき事は――――

 

「ここは、何処だ?」

 

「幻想郷よ」

 

「げん……?」

 

「……と言っても、貴方には理解(わか)らないでしょうけどね」

 

「なぁ、一体何を言って…」

 

「貴方、外来人ね?」

 

「は?」

 

「だから、『外から』来たのよね?」

 

「いや、だから訳がわからな……」

 

さっきからこの女、何を言っているのだろうか

 

さっぱりわからない

 

「そう、理解る訳がない。だって外から来たんですもの」

 

「……っ、さっきから一体、何を言っているんだ、あんたは」

 

「ええ、だから次はハッキリ言いましょう」

 

「……」

 

「貴方、『神隠し』にあったのよ」

 

「……え?」

 

……神隠し?

 

「理解できる?神隠し」

 

「あ、ああ。一応は」

 

一だか十だか百だか万だかの名前の少女が主人公の映画の、あの、『神隠し』

 

読んで字の如く、神様に、隠される、こことは違う、別の場所に――――有り体に言えば、行方不明

 

「貴方、その神隠しにあったのよ」

 

「……」

 

「神様―隙間妖怪だけど―に連れて来られた訳。ま、御愁傷様ね」

 

私としちゃ、厄介事を押し付けられた訳だけど、と女は付け加える

 

……。

 

……え、と

 

つまり、なんだ

 

「俺は、その……神様?に連れて来られた訳か?ここ――――」

 

「幻想郷」

 

「幻想郷に」

 

「その通り」

 

「……」

 

……何なんだ……一体……

 

なんなんだよ……

 

 

ばたん

 

 

布団に倒れる

 

日本家屋の天井が、気の抜けた俺の視界一杯に拡がった

 

「夢だ」

 

「え?」

 

「こんなの、夢に決まってる……!」

 

幻想郷?

 

神隠し?

 

何なんだよっ……!くそっ……!

 

狂ってやがる……!

 

 

……。

 

 

……もしかすると

 

 

『目が覚めると』、俺は、病室にいて……

 

……隣には、『彼女』が眠っているのだろうか

 

……冷たくなった、彼女が、眠っているのだろうか

 

彼女が、、彼女が、、彼女が……

 

汐、がっ……!!

 

「えいっ」

 

ごっ

 

「うぶっ!?」

 

……仰向けに倒れた俺の腹を、女が結構な力で踏みつけた

 

「が、は、っ……ぐ、……が……っ……!」

 

「痛い?痛いでしょ?痛いわよね?そりゃそうよね?」

 

「だってここは、現実だから」

 

「ぐ……っ……な、なにしやが……っ……!」

 

「そしてよく見なさい」

 

悶絶する俺の横で、彼女は数歩後ろに下がる

 

そして――――

 

「……え?」

 

ふわり、と

 

(くう)に、浮いた

 

「お腹の痛みは残ってる?吐き気はある?私は見えてる?』

 

「ここは、紛れもない現実よ」

 

「夢なんかじゃない、ちゃんと、存在してるわ」

 

 

……。

 

 

人が、浮いてる、空中に……

 

マジック?トリック?

 

「……ほ」

 

本当に、なんなんだよ、ここは……

 

「ここは幻想郷」

 

「世の幻想が集う、『世界』に隠れる『世界』よ」

 

「あなたの知る世界とちょっと違うところは、此処には妖怪やら鬼やら妖精やら吸血鬼やら魔法使いやらが住んでいるってことだけど――――ま、大した問題じゃないわね」

 

「で」

 

ぐいっ、と、畳に着地した彼女がこちらに向き直った

 

「貴方、名前は?」

 

澄んだ瞳が、こちらを覗いている

 

「……え?」

 

「名前よ、名前、ほらっ!言いなさい!自己紹介っ!」

 

「え?……あ」

 

急な言葉に困惑するが、なんとか、なんとか俺は口を開いた

 

そして

 

「……お」

 

「お?」

 

「岡崎、だ」

 

「岡崎、朋也……」

 

俺は、自らの名前を告げた

 

「そ」

 

むふっ、と彼女は息をつき

 

「いい名前じゃない」

 

そう、言った

 

 

……。

 

 

そう、これが……

 

 

「あ、私は博麗霊夢」

 

 

『幻想郷』に運ばれた俺が、始めて出会った少女、『博麗霊夢』との……

 

 

「ま、ヨロシクね」

 

 

ファーストコンタクトである

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。